猫が食べてはいけないもの
人間にとっては安全な食べ物だとしても、猫が食べてはいけないものは少なくありません。身近な食べ物の中にも猫が中毒を起こしたり、病気の原因となったりするものがあります。
猫に食べ物を与える前に、上記のまとめを見て猫が食べていいものをしっかりと理解しておきましょう。上記のまとめにない食べ物でも、人間用に調理された食べ物は猫にとって危険なことが多いため、注意してください。
また、危険がない食べ物だとしても、同じものを大量に与え続けることは猫の健康に良くありません。猫の健康のために、与える量や与え方も考える必要があります。
猫の食べ物・分類別
野菜
玉ねぎ
生食:× 加熱:×
玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」は、赤血球に影響を及ぼして破壊します。赤血球の減少により「溶血性貧血」となり、呼吸困難や黄疸、血尿、けいれんなどの症状があらわれます。
有機チオ硫酸化合物は調理で加熱しても変化せず、注意が必要です。個体差はありますが、致死量は猫の体重1kgに対して15g~20g程度とされています。
ネギ
生食:× 加熱:×
猫にネギを与えると「溶血性貧血」になり、食欲不振や血尿などの症状を引き起こします。原因は「有機チオ硫酸化合物」による赤血球の破壊です。
免疫力の弱い猫が食べたり、摂取量が多い場合は死亡する可能性もあります。有機チオ硫酸化合物は加熱しても影響は変わりません。致死量は体重1kgの猫の場合15g~20g程度とされていますが、個体差があります。
にんにく
生食:△ 加熱:△
ニンニクは適量であれば生でも加熱してでも、与えてOKですが食べる量によりますので注意が必要です。殺菌や抗菌効果、動脈硬化予防などが期待できます。一方でネギ科の植物に含まれる「有機チオ硫酸化合物」が赤血球を破壊するため「溶血性貧血」を起こす可能性があります。
体重10kgに対して1かけ位なら与えても大丈夫ですが、個体差や体調の影響もあるので、大量に与えることは避け少量ずつ与えましょう。
ニラ
生食:× 加熱:×
ニラの成分の一つ「アリルプロピルジスルファイド」が、赤血球を破壊して「溶血性貧血」の原因になります。この成分は加熱しても変化しません。猫がニラを食べると、貧血、血尿、胃腸障害、アレルギーなどの症状を起こし、重度の場合は死に至ることもあります。
体重1kgに対してニラ15gを超えると致死量とされますが、個体差があるため少量でも油断できません。
らっきょう
生食:× 加熱:×
ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」には、赤血球を破壊する作用があり、ネギ類であるらっきょうも猫は中毒を起こします。
赤血球の破壊により「溶血性貧血」や「ハインツ小体性貧血」になると、元気がなくなり、食欲不振、ふらつきなどの症状が現れます。加熱しても毒性は消えないため大変危険です。少量の摂取でも死に至ることがあるため、絶対に与えてはいけません。
ピーマン
生食:× 加熱:〇
ビタミンAやCが豊富なピーマンは、少量なら加熱して与えても構いません。しかし、ピーマンに含まれる成分「ソラニン」は、摂取量により嘔吐や下痢などを引き起こすことがあるので注意が必要です。
ソラニンは水に溶けだすのでゆで汁などを与えないようにしましょう。体重50㎏の人間がソラニンを0.15~0.3g摂取すると死亡のリスクがあるとされています。猫には与えない方が安全です。
トマト
生食:〇 加熱:〇
トマトは葉や茎、花の部分に「トマチン」という毒素を持っています。主な中毒症状は下痢や痙攣、皮膚のかぶれなどです。赤い実の部分は少量であれば与えてもOKですが、未熟なトマトや人間用のトマトジュースなどは与えてはいけません。
摂取上限は大ぶりなトマトであれば16分の1個、ミニトマトなら1個程度ですが、個体差があるので少量から様子を見ましょう。
じゃがいも
生食:× 加熱:〇
じゃがいもは食物繊維やビタミンC、鉄分などの栄養素が豊富で、加熱すれば猫に食べさせても問題ありません。ただ、皮と芽に「ソラニン」という毒があるので必ず取り除いて与えましょう。ソラニン中毒を起こすと下痢や胃腸炎を起こし、最悪の場合は死亡することもあります。
生は消化に悪いので与えない方が安全です。加熱しても大量に与えると消化不良や肥満の原因になります。
猫にじゃがいもは食べさせても大丈夫?与える時の注意点やレシピとは
さつまいも
生食:〇 加熱:〇
さつまいもには食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれ、市販のキャットフードに使用されることもあります。整腸作用があり、多くのビタミンの効能で免疫力アップにも期待できます。
ただし、さつまいもに含まれているカリウムは、過不足により高カリウム症や低カリウム症を引き起こすことがあります。また、与え過ぎると肥満や消化不良を引き起こすことがあるので、少量から様子を見て与えましょう。
ナス
生食:× 加熱:〇
ナス科の植物は実以外の部分に「ソラニン」という神経に影響する毒素を持っています。ソラニンの毒は嘔吐や血便、呼吸困難などを引き起こします。
実の部分はソラニンを含みませんが、アクが原因でアレルギー反応を起こすことがあります。このアクとは「クロロゲン酸」というポリフェノールの一種です。実の部分をごく少量なら大きな影響はありませんが、与えない方が安全です。
ほうれん草
生食:× 加熱:〇
ほうれん草を生で猫に与えると危険です。含まれる「シュウ酸」が体内でカルシウムや鉄と結合して結石を作り、「尿路結石」の原因となります。ほうれん草を与える場合は必ずお湯で茹でて水にさらし、シュウ酸を抜いて減らします。
食物繊維が豊富で、与え過ぎると消化不良を起こします。細かく刻んで少量与えましょう。積極的に与える必要はありません。
水菜
生食:〇 加熱:〇
猫に水菜を与えても問題はありません。ビタミンや鉄分、水分補給、食物繊維による整腸作用なども期待できます。ビタミンは熱に弱いので生食の方が効果的です。
しかし、含まれるカルシウムが尿結石の原因にもなるので、泌尿器に問題を抱えている猫には与えない方が安全です。キャットフードに混ぜる場合は、細かく刻んで全体の二割程度くらいまでを目安とし、少量から様子を見ましょう。
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菜の花
生食:× 加熱:〇
アブラナ科の植物は甲状腺のヨウ素吸収を阻害するので、甲状腺に問題を抱えた猫に与えるのは控えましょう。カリウムや鉄などが豊富で、猫が多量に摂取すると「尿結石」につながる可能性があります。
食物繊維が多く、消化も良くないので、下痢や嘔吐を起こす危険もあります。健康な猫であれば、茹でて刻んで一つまみ程度なら与えても構いませんが、無理に与える必要はありません。
もやし
生食:〇 加熱:〇
食感が良くクセの無いので、もやしを好んで食べる猫もいます。カルシウムや葉酸、ビタミン、カリウム、食物繊維などの栄養も豊富ですが、常食にすることはお勧めしません。
また、一度に大量に与えると下痢や消化不良の原因になります。新鮮で味付けをしていないもやしを、おやつ程度に少量与えるなら問題ないでしょう。
豆苗
生食:× 加熱:〇
生の豆苗は「レクチン」という毒素を持っています。豆苗は特に消化が悪く、猫が消化不良で下痢や嘔吐を起こすことも考えられます。レクチンは熱に弱く、加熱により消化も良くなるので、猫に豆苗を与える際は加熱しましょう。
豆苗のレクチンは人間にはほとんど問題がありませんが、猫にとっての危険な量はわかっていません。与えるなら加熱したものをごく少量与えましょう。
とうもろこし
生食:× 加熱:〇
加熱したとうもろこしを猫に与えても問題はありませんが、与える時は注意が必要です。消化が悪いので、嘔吐や下痢の原因になることがあります。塩分が多く、薄皮がのどにつまると危険です。
また、穀物類であるとうもろこしで猫がアレルギー反応を起こすことも考えられます。与える場合は、茹でてひげを取り細かく砕きます。一回に与える量は一粒二粒くらいにしておきましょう。
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たけのこ
生食:× 加熱:〇
たけのこには猫が中毒を起こす成分は含まれていません。少量なら与えても大丈夫ですが、カルシウムなどのミネラルが多いので、泌尿器系疾患を抱える猫には与えない方が安全です。
アクと呼ばれる「シュウ酸」は結石の原因にもなります。常食させると「慢性腎不全」「膀胱炎」「尿結石」などを引き起こす可能性があります。食べさせるときは茹でて刻んで、少量与えましょう。
アスパラガス
生食:× 加熱:〇
猫に加熱したアスパラガスを与えても問題ありませんが、生の場合、葉の部分に中毒物質「アルカロイド」が含まれています。猫はアルカロイドに敏感なので、微量でも危険です。中毒により嘔吐や痙攣などの症状が現れます。
また、生で与えた場合は消化不良を起こす恐れもあります。与える時は茹でて、茹で汁は捨てましょう。猫は野菜の消化が苦手なので、与える量は少量にとどめるのが安全です。
果物
ぶどう・マスカット
生食:× 加熱:×
猫がぶどうやマスカットを食べると、中毒により「急性腎不全」を引き起こす可能性があります。最悪の場合死亡することもあり、大変危険です。ジュースなども与えないようにしましょう。
誤って口にした場合は早急に獣医さんに相談し、吐かせるなどの処置をしなければなりません。致死量は体重1キロ辺り生のぶどう30g程度とされていますが、少量でも口にしない方が安全です。
レーズン
生食:× 加熱:×
猫がレーズンを食べると、「急性腎不全」を引き起こす恐れがあります。レーズンはぶどうを乾燥させた食べ物なので、まだ理由ははっきりと分かってはいないのですが、ぶどうと同様の中毒症状を起こすことがわかっています。
レーズンそのものはもちろん、レーズンパンやミックスドライフルーツなど、レーズンを使った加工食品も与えないように注意が必要です。致死量は1kgあたりで10g~30gとされていますが、たとえ少量でも与えないようにしましょう。
アボカド
生食:× 加熱:×
アボカドは栄養価の高い果実ですが、アボカドに含まれている「ペルシン」という成分は猫が摂取すると中毒症状を起こすと言われています。ペルシンがなぜ中毒症状を引き起こすのかは解明されていませんが、アボカドの種子や葉っぱにもペルシンは多く含まれているため、注意しましょう。
アボ・ダームなどアボカドを使ったキャットフードもありますが、これはペルシンを含まない品種のアボカドを使っているため、猫に食べさせても問題ありません。猫用のシャンプーにアボカドオイルが使われているケースもありますが、こちらもアボカド中毒を引き起こす心配はしなくて大丈夫です。
みかん
生食:〇 加熱:〇
みかんの果肉や果汁は猫に与えても大丈夫ですが、皮は与えてはいけません。猫には皮に含まれる「リモネン」という成分を分解する酵素が無いため、肝臓に異常を起こします。
摂取すると嘔吐や麻痺、皮膚のかぶれなどの症状が現れます。リモネンはハンドクリームなどにも使われるので注意が必要です。実の部分を与える場合、薄皮を剥いて一度に2分の1房程度にしておきましょう。
オレンジ
生食:〇 加熱:〇
オレンジもみかんと同様に、皮に「リモネン」という成分が含まれています。リモネンは猫の皮膚に触れただけでも悪影響があるため、食べさせることはもちろん、オレンジに猫を近づけないほうが良いでしょう。
果肉や果汁にはリモネンが含まれていないため与えても大丈夫ですが、あまり積極的に与えることはおすすめしません。糖分も高いため、与えるにしても1舐め程度が無難です。
レモン
生食:〇 加熱:〇
レモンの皮には「リモネン」や「ソラレン」といった猫が中毒症状を起こす成分が含まれています。猫がレモンの皮をかじってしまうと、下痢や嘔吐などの症状が出て、最悪の場合は死に至ることもあります。
果肉や果汁は少量であれば食べさせても大丈夫ですが、レモンの酸っぱい香りや味が苦手な猫が多いため、食べてくれないかもしれません。もしビタミンCを補うために与えたい場合は、レモンそのものではなくレモン汁を食材にかけるなどすると、食べやすくなります。
バナナ
生食:〇 加熱:〇
猫がバナナを食べても問題ありません。バナナには食物繊維やビタミンも多く含まれ、疲労回復効果などが期待できます。
ただし、糖尿病で投薬中の猫や、腎臓疾患がある猫、高齢の猫などには与えない方が安全です。大量に食べると、バナナに含まれる「カリウム」により「カリウム血症」を起こす可能性があります。与える量は厚さ1cmの輪切り程度にして、農薬の危険がある皮は避けるようにしましょう
さくらんぼ
生食:〇 加熱:〇
猫がさくらんぼを食べても危険はありませんが、与える際には注意が必要です。食物繊維が多いため、食べ過ぎると下痢の原因になります。
葉や茎、種の部分には「青酸配糖体」が含まれ、摂取すると体内で青酸に変化します。中毒症状により呼吸困難や痙攣を引き起こし、命を落とすこともあります。与える時は葉や茎、種を除いた状態で1粒程度与えましょう。
パイナップル
生食:〇 加熱:〇
パイナップルの果肉だけであれば猫に与えても大丈夫です。硬い葉っぱや皮は消化不良の原因になるのでかじらないように注意しましょう。パイナップルはビタミンCや食物繊維が豊富で、消化を助ける「プロメタリン」も含まれています。
与える時は芯や皮を取り除き、細かく刻むかミキサーにかけると良いでしょう。アレルギーの心配もあるので、一日に小さじ一杯程度の量にしましょう。
マンゴー
生食:〇 加熱:〇
猫にマンゴーを与えることは可能ですが、注意が必要です。マンゴーの果皮部分には「カルドール」「マンゴール」という成分が多く含まれ、アレルギーを引き起こす原因になります。
アレルギーを起こすと腫れや痒み、蕁麻疹や呼吸困難といった症状が現れます。与える際には皮を剥いて少量ずつ、毎日与えないようにしましょう。
パパイヤ
生食:〇 加熱:〇
少量だけなら猫にパパイヤ与えることは可能です。しかし、パパイヤには「パパイン」という酵素が含まれ、アレルギーの原因になる可能性があります。
猫がアレルギーを発症すると、口内や唇の炎症、呼吸困難になることがあります。パパイヤはアレルギーを起こしやすいため、猫に食べさせるのは控えた方が良いでしょう。
いちじく
生食:× 加熱:×
イチジク属の木の樹液の中には、「フィカイン(フィシン)」 というタンパク質分解酵素が含まれています。猫が摂取すると口の中の粘膜を傷つける可能性があり危険です。
果肉や皮にも「フラノクマリン」という猫が中毒を起こす有機化合物が含まれ、猫が食べると皮膚の炎症を引き起こすこともあります。猫にとっていちじくは危険なので触れたり食べたりしないようにしましょう。
キウイフルーツ
生食:〇 加熱:〇
キウイはマタタビの仲間で、枝や葉にはマタタビと同じ成分が含まれています。このため、猫が葉などを噛むと酔っぱらったようになるのです。
キウイの実にはミネラル成分や食物繊維、ビタミンや葉酸などの豊富な栄養素があり、猫にとっても栄養価の高い食べ物です。特に食べても害はありませんが、アレルギーを起こす猫もいるので、最初はごく少量与えるのが良いでしょう。
肉・乳製品
豚肉
生食:× 加熱:〇
生の豚肉には「トキソプラズマ」という寄生虫がいる可能性があります。感染すると下痢や食欲不振、嘔吐や発熱などの症状が見られます。人間にも感染するので猫に生で豚肉を与えることは危険です。
一方加熱して与えれば、貧血予防や疲労回復などの効能があります。与える時は十分加熱して細かくしてあげましょう。アレルギーの心配もあるので少量から様子を見てください。
鶏肉
生食:× 加熱:〇
タンパク質や脂質などが豊富な鶏肉は猫にとって栄養満点の食材です。胸肉に含まれる「イミダペプチド」は疲労回復効果があります。
ただ、アレルギーや腎臓疾患、尿路結石などを抱える猫には制限が必要なので獣医さんへ相談しましょう。生の鶏肉は大腸菌やサルモネラ菌、寄生虫感染の危険性があるため与えないでください。最初は茹でで細かくしたものを少量から与えてみましょう。
レバー
生食:× 加熱:〇
レバーは少量であれば猫が食べていいものです。鉄分が豊富で、貧血予防などの期待が持てます。しかし与え過ぎると「ビタミンA過剰症」になる危険性があります。
ビタミンA過剰症は嘔吐や下痢、骨の変形などを引き起こすため、ビタミンAが少なめの牛レバーを選ぶと良いでしょう。生の状態では寄生虫や細菌感染の恐れがあるので必ず加熱して与えます。与える量は少量を週に一回程度です。
牛乳
生食:〇 加熱:〇
猫に少量の牛乳を与えても大丈夫です。しかし「乳糖」を分解する「ラクターゼ」という酵素が少ない猫は消化不良を起こし、下痢などの症状を引き起こします。
牛乳に含まれる「シュウ酸カルシウム」で「シュウ酸カルシウム尿結石症」になるリスクもあります。個体差はありますが、牛乳を無理に飲ませる必要はありません。猫用のミルクが販売されているのでそちらを利用しましょう。
卵
生食:× 加熱:〇
生卵はサルモネラ菌感染の危険があるので、猫に与えないようにしましょう。また、生の白身に含まれる「アビシン」は猫の必須ビタミン「ビオチン」と結合して、体外へ排出されます。
猫はビオチン不足になると、疲労や代謝障害、皮膚トラブルなどを発症する恐れがあります。細菌やアビジンは熱に弱いので必ず加熱してから少量与えましょう。のどに詰まらせないよう細かくすることも忘れずに。
チーズ
生食:〇 加熱:〇
猫にチーズを与えることは可能ですが、あくまでも猫用チーズです。人間用は塩分や脂肪分が多いため猫の体に負担をかけてしまいます。
牛乳と違って「乳糖」がほとんど入っていないので、お腹を壊す危険性は低いです。栄養豊富ですがアレルギーや肥満の原因にもなるので与え過ぎには注意し、パッケージに記載されている量を守って与えましょう。
練乳
生食:〇 加熱:〇
猫が練乳を舐めるくらいなら大丈夫ですが、日常的に与えるのは控えましょう。糖分が高く粘り気があるので、口の周りの皮膚が炎症を起こしたり、虫歯になったりする可能性があります。
猫に粉薬を与える時など、練乳に混ぜることを勧められる場合があります。薬との相性や乳製品に対するアレルギーなど、心配な点も多いので必ず獣医さんに相談したうえで与えるようにしましょう。
魚介類
青魚
生食:× 加熱:〇
生の青魚に含まれる分解酵素「チアミナーゼ」は、猫が「ビタミンB1欠乏症」を起こす原因です。症状は、嘔吐やふらつき、痙攣などです。また、内臓に寄生する「アニサキス」も心配です。
チアミナーゼは加熱すると無害化しますが、加熱した青魚でも食べ過ぎるとビタミンE不足を招き、猫が「イエローファット(黄色脂肪症)」になる可能性があります。できれば青魚は避けた方が安全です。
貝
生食:× 加熱:×
アワビなどに含まれる「ピロフェオホルバイドα」という毒成分は、紫外線により活性化し、「光線過敏症」発症リスクを高めます。猫が発症すると耳や目の周りなど毛の薄い部分の皮膚に炎症を起こします。
ハマグリなどに含まれる「チアミナーゼ」で「ビタミンB1欠乏症」になる危険もあります。食べても良い貝もありますが、猫には貝を与えない方が安全です。
猫は貝を食べると耳が落ちるの真相は?安全に食べられる貝の紹介など
イカ
生食:× 加熱:〇
生のイカには「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素が含まれています。人間以上にビタミンB1を必要とする猫が摂取すると「ビタミンB1欠乏症」になり、食欲不振やふらつきなどの症状を起こす危険性があります。
加熱によりチアミナーゼの害はほぼ無くなりますが、イカは消化が悪いので、加熱しても猫に与えることはお勧めしません。
猫はイカを少量であれば食べても大丈夫!その理由と正しい与え方
タコ
生食:× 加熱:〇
タコは消化が悪いため、猫が食べると消化不良を起こし、下痢や嘔吐をする危険があります。生のタコにはビタミンB1を破壊する酵素「チアミナーゼ」が含まれているので絶対に与えてはいけません。
ビタミンB1が不足すると「多発神経炎」や「ビタミンB1欠乏症」になる可能性があります。歩行障害や吐き気、昏睡などの症状が現れ、悪化すると死亡することもあります。
猫にタコを与えてはいけない!その理由と食べてしまった時の対処法
エビ
生食:× 加熱:〇
生のエビには「ビタミンB1欠乏症」の原因となる「チアミナーゼ」が含まれています。チアミナーゼは内臓に多く含まれ、ビタミンB1を破壊します。猫が過剰摂取すると下痢や痙攣、起立困難などを引き起こし、死に至る場合もあるため危険です。
加熱によりチアミナーゼは働きを失いますが、猫に積極的にエビを与える必要はありません。
しらす
生食:〇 加熱:〇
カルシウムが豊富なしらすを猫のエサに加えても特に問題はありません。ただ、人間用の釜揚げしらすは塩味が濃いため、猫が摂取し続けると腎不全や心疾患を招く危険があります。
ミネラルも豊富なため結石も心配です。結石ができると尿路結石から尿路閉塞を引き起こすこともあり、大変危険です。しらすを与える際は、塩抜きして週に一回一つまみ程度を与えるくらいにしてください。
昆布
生食:× 加熱:〇
「ビタミンK」や「グルタミン酸」など、猫にとっても重要な栄養素を含む昆布は猫に与えても大丈夫です。
一方で「ミネラル」が豊富なため、過剰に摂取すると「尿路結石」や「腎不全」「甲状腺腫」などを引き起こす可能性があります。与える場合は無塩の物を選んでください。昆布は消化されにくいので与える際は柔らかく煮て、刻んで少量だけあげましょう。
わかめ
生食:〇 加熱:〇
わかめを猫が食べても問題ありません。多く含まれる「ヨウ素」は、甲状腺ホルモンの働きを助けてくれます。ただし「甲状腺機能亢進症」の猫には与えてはいけません。
成分の一つ「フコダイン」は免疫力をアップし、抗がん作用もあるとされています。海藻類は消化に悪いので、与える時は柔らかく茹でで刻んだものを少量与えましょう。与える頻度は月に3回程度です。
鰹節
生食:〇 加熱:〇
好んで食べる猫も多い鰹節ですが、塩分が多いのでお勧めできません。猫は鰹節に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの「ミネラル」を好みます。
しかしミネラルの過剰摂取は結石の原因にもなるので与える量には注意が必要です。与えるなら塩分の少ない猫用の鰹節をパッケージの指示以下で与えましょう。
イクラ
生食:〇 加熱:〇
市販されているイクラのほとんどは塩漬けや醤油漬けなどの加工がされており、非常に塩分濃度が高くなっているため猫にとって危険です。少量食べるくらいならば大丈夫ですが、食べ過ぎると腎不全などの重篤な病気が発症してしまう恐れがあります。
また、イクラは鮭の魚卵なので、鮭アレルギーを持っている猫がイクラを食べるとアレルギーの症状が出てしまいます。イクラを与えたい場合は量やアレルギーの有無に注意しましょう。
魚の骨
生食:× 加熱:×
魚の骨や鳥の骨などは、割れた骨が尖っています。割れた骨は、猫の喉や消化器官内に刺さりやすいので注意してください。猫に食欲がない、元気がない、猫がヨダレをたらしていたり猫から強い口臭を感じることもあります。猫の喉や食道に骨が刺さってしまうことを考えると危ないです。猫が欲しがっても与えないようにしましょう。
豆類
大豆
生食:× 加熱:〇
大豆はアミノ酸と良質なタンパク質を豊富に含んでいます。猫が食べていいものではありますが、そのまま与えると食物繊維で消化不良を起こし、嘔吐や下痢を起こす危険があります。また、大豆で食物アレルギーを発症することもあり、発症すると湿疹や呼吸困難、意識障害などの症状が現れます。
調理が大変な場合は、豆腐などの大豆製品を与えても良いでしょう。与え過ぎには注意が必要です。
ナッツ類
生食:× 加熱:×
ナッツ類は脂肪分が多く、高カロリーです。猫が過剰に摂取すると肥満の原因になります。固いナッツ類を猫が丸のみして窒息する危険もあります。
猫の症例はありませんが、犬はマカデミアナッツを食べて嘔吐などの中毒症状を起こすといわれています。猫にとっても危険な可能性があるナッツ類は与えないようにしましょう。
くるみ
生食:× 加熱:×
くるみは脂質が全体の70%を占め、過剰摂取は肥満につながります。食物繊維が多く、猫が食べて消化不良の原因にもなります。
くるみを食べて中毒を起こすケースもあり、中毒により痙攣や舌を出して荒く息をする「パンディング」といった症状を起こすことがあります。丸ごと飲み込んだ場合は窒息の恐れもあり、命を落とすこともあるため、猫にくるみを与えないようにしてください。
いんげん豆
生食:× 加熱:〇
いんげん豆はたんぱく質と炭水化物が主な成分で、ビタミンKを多く含んでいるのが特徴です。ビタミンKは骨を丈夫にする作用があります。他にもカルシウムやマグネシウムを多く含むので結石による「尿路結石」には注意が必要です。
豆類は消化が良くないので猫には柔らかく茹でて少量与えましょう。胃腸の弱い猫には与えない方が安心です。
キノコ
しいたけ
生食:× 加熱:〇
加熱したしいたけを猫に与えても問題ありません。ビタミンB群やビタミンDを含み、がん予防にも効果が期待できます。ただ、消化が悪い細かく刻むかペースト状にしてあげましょう。
生のまま与えるとお腹をこわすことがあるので、加熱してあげてください。干ししいたけは柔らかく戻して与えるようにしましょう。与える量は体重3kgの猫に対して1日5g以下程度が良いでしょう。
しめじ
生食:× 加熱:〇
しめじは、安価で栄養が豊富です。ビタミンCをはじめ、ビタミンD、ビタミンB群、カリウムや、鉄分、食物繊維やアミノ酸などが含まれています。しかし、猫はきのこ類に含まれる繊維を消化する酵素がないので、過剰摂取は消化不良の原因になります。
ミネラルが原因で結石ができる可能性もあるでしょう。加熱して少量与えるなら問題ありませんが無理に与える必要はありません。
エリンギ
生食:× 加熱:〇
エリンギは食物繊維が豊富で、ナイアシンやビタミンD、免疫力を高めるβ-グルカンも多く含まれています。また、他のキノコに比べて整腸作用のあるオリゴ糖が多いことも特徴です。
便秘気味の猫には効果が期待できます。茹でて少量与えるなら特に害になることはありません。消化が悪いのでペースト状にするなどして様子を見ると良いでしょう。
加工食品
こんにゃく
生食:× 加熱:〇
ペット用のこんにゃくが販売されるなど、こんにゃくを猫に与えることは可能です。弾力が強く、窒息の恐れがあるため細かく切って与えましょう。
食物繊維が豊富で、消化不良を起こすことも考えられます。カリウムも豊富で、過剰摂取すると「高カリウム血症」になる可能性もあります。無理に与える必要はなく、与える場合はペット用のこんにゃくを与えた方が安全でしょう。
猫はこんにゃくを食べても大丈夫?ダイエットに効果的な食べ物など
海苔
生食:〇 加熱:〇
海苔にはたんぱく質やミネラル、食物繊維などが多く含まれています。猫におやつ代わりに与えても特に問題は無いでしょう。
しかしマグネシウムやリンなどのミネラル摂取量が過剰になることで結石や腎臓病を引き起こす可能性があります。「猫泌尿器症候群」や「腎臓病」を抱えた猫が食べないように注意しましょう。健康な猫であれば、週2回程度で海苔1枚を食べても大丈夫でしょう。味のついているものは避けてください。
油揚げ
生食:〇 加熱:〇
生の大豆は猫が消化不良を起こすため与えることはできませんが、大豆を加工した油揚げなら猫に食べさせても大丈夫です。ただし、油揚げも大豆アレルギーを引き起こす危険性があるので気をつけてください。
また、油揚げは文字通り油で揚げているため、カロリーが高いです。そのため、与え過ぎには注意しましょう。不安な場合はお湯で油抜きをしてから与えることもできます。
スパイス
生食:× 加熱:×
食欲増進などの効能があるスパイスですが、猫には刺激が強すぎて危険です。内臓に強い刺激を与えるため、肝臓や腎臓に悪い影響を及ぼす可能性があります。
スパイスの中には、ケシの実などのように中枢神経の麻痺や幻覚を引き起こすものも含まれていることがあります。少量でも胃を痛めたり、下痢を起こしたりすることがあるので、猫が食べないように十分注意しましょう。
料理
カレー
たとえ少量であっても、猫にカレーを与えてはいけません。カレーには猫にとって危険な玉ねぎが含まれていることが多いです。また、カレーに使うスパイスは、猫の内臓に強い刺激を与えるため食べさせてはいけません。
個体差はありますが、カレーの匂いが好きで反応する猫もいるため、ご家庭でカレーを作る場合は猫を近づけさせないように十分注意してください。
レトルト食品やお弁当
コンビニには人間用のレトルト食品やお弁当が数多く売られていますが、決して猫に与えてはいけません。猫にとって塩分の高いものばかりなので、健康を損ねます。
手軽に手に入れることができるものばかりですが、あくまで人間用の食べ物で猫に適した食べ物ではないということをしっかりと理解しておく必要があります。
ハンバーグ
生食:× 加熱:×
ハンバーグに必ずといっていいほど使われる野菜がタマネギです。タマネギやネギなどに含まれている“アリプロピルジスフィド”という成分が猫の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。
貧血や血尿、嘔吐、下痢、痙攣などの中毒症状を起こし最悪の場合は死に至る場合があり、少量でも中毒を起こす恐れがあります。 加熱調理をしても毒性が消えることはないため、ハンバーグなどタマネギやネギがはいっている料理も危険なのです。
またハンバーグに使用している塩やケチャップ、胡椒、唐辛子などの調味料も胃腸炎を引き起こしたり、腎臓に大きな負担をかけてしまいます。
お菓子
チョコレート
チョコレートに含まれるカカオ成分「テオブロミン」は猫が中毒を起こす原因になります。猫はこれらを摂取して中毒を起こすと、下痢や嘔吐、ふらつき、動悸、息切れなどの症状が見られます。
猫の場合、テオブロミンの致死量は、体重1Kgあたりで250~500mg程度といわれています。一般のミルクチョコレートに含まれるテオブロミンの量は、100gあたりに155mg程度です。
チョコ風味もダメ?どうして猫にチョコレートを与えてはいけないの?
キシリトール
ガムなどに含まれる「キシリトール」は血糖値を急激に下げる作用があるため、猫に与えると危険です。体の小さな猫の場合、低血糖を起こして死亡する可能性があります。
誤って摂取すると、虚脱や痙攣などを起こす恐れがあります。ガムなど、キシリトール濃度が高い食べ物の場合、1~2kgの猫であれば一粒でも許容範囲オーバーになります。
猫にキシリトールを与えても大丈夫?中毒になってしまう理由や症状を解説
飲み物
コーヒー
コーヒーに含まれる「カフェイン」は猫が中毒症状を起こす原因です。中枢神経系を刺激し、最悪の場合死亡することもあります。
症状はひきつけ、嘔吐、ふらつきなどの全身症状の他に全身性のうっ血、または出血などがあります。内臓機能の低下の恐れもあり大変危険なので、猫が口にしないように注意してください。致死量は体重1kgあたりカフェイン150mg程度とされています。
猫がコーヒーを飲んではいけない!カフェイン中毒の危険な症状とは
紅茶
紅茶は猫にとって危険な「シュウ酸」や「カフェイン」といった成分が含まれています。シュウ酸の過剰摂取は「尿路結石」の原因になります。
コーヒーほど含有量は多くありませんがカフェインは痙攣や呼吸困難を引き起こす原因になるので摂取しない方が安全です。茶葉の状態ではこれらの成分の含有量が多いので特に気を付けましょう。カフェインの致死量は体重1kgあたり150mg程度です。
お酒
猫の肝臓はアルコールを分解することができないので決して与えないでください。お酒は中枢神経に作用するため、体の小さな猫が摂取すると嘔吐や下痢、意識障害、心肺停止など重篤な症状に陥る可能性があります。命が助かっても内臓にダメージが残ることもあります。
猫の体重1kgあたり5.6mlで致死量とされています。体重3kgであれば大さじスプーン1杯程度です。アルコール度数10%の場合は50mlで致死量です。
30代 女性 Yoco
トマトは実に少し葉っぱというか茎がついているので気をつけないとですね。猫は肉食と最近知られてきていますが、犬と違ってレバーはダメなので手作りゴハンを作る時は気をつけようと思いました。
あと、コンビニ弁当やレトルト食品に限らず人間の食べ物はやはり良くないですね。友人が飼っている猫達は食卓に乗るのですが、その際に食卓の上のおかずを食べたりするそうです。人間の食べ物はやはり塩分や添加物が多いので、それが影響してか、腎臓の病気や甲状腺の病気にかかってしまっています。人間の食べ物だけが原因ではないのかもしれませんが、やはり猫に適した食べ物をきちんとあげないといけないんだな、と見ています。
人間の食べ物は飼い主自身が美味しいと思っている事もあり、それを美味しそうに食べる猫の姿は可愛いのでついついあげてしまうのかも知れませんが、それは可愛がっていたり愛情を注いでいるのではなく、ペットにとって良くない事をしているという認識がもっと浸透して欲しいなと思います。
40代 女性 ミケリン
食べ物以外ですが、我が家では以前アロマオイルを焚いていました。精油を舐めると命に関わり、肝臓にも良くないと聞いてすぐやめました。家の中にある物にはこれからも注意したいと思います。
40代 女性 しほ
ネギ類やコーヒーは与えてはいけないと知っていましたが、アボガドがだめとは知りませんでした。うっかり食べさせてはいけませんね。昔、妹が知らずにチョコを与えて猫ちゃんが貧血を起こし、大変でした。獣医さんに診ていただいて処置していただき帰ってきて反省したのを覚えています。気をつけて与えなければいけませんね。
女性 匿名
10代 男性 匿名
20代 男性 匿名の匿名
ところで猫って人間の味覚の甘いは感じないんですね!意外ッ!それは甘味!!
女性 匿名
他にもたくさん
人間の食べ物以外に、植物や、アロマオイルがダメだったりしますね。アロマも焚かない様にしました。
20代 男性 ・。・v
大変参考になりました!
50代以上 女性 匿名
これからの野菜も害があるのでしょうか?
50代以上 女性 匿名
私が食べていて欲しがったので、米粒位のを口に入れて舐めただけで、1匹はすぐに嘔吐し、もう1匹は食べて2~3日後にウンピが少し柔らかくなりました。
30代 女性 ウィズ
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
大根の葉が大好きで生のまま食べていますが大丈夫ですか??
50代以上 女性 kedi
14歳の時から猫を飼っています(アニマルナースの資格所持。猫の飼育は8年のブランクあり)が、野菜を欲しがる猫は初めての経験なので、掛かりつけの獣医さんに訊いたところ「珍しいね⁉︎やってはいけない事もないけど、やらないといけない事もない!」と言われました。
50代以上 女性 マミ
40代 女性 ゆきゆき
食べ終わった後の皿をキレイに舐め鍋まで舐めていたな。カレー屋に皿洗いのバイトに行かそうかなんて冗談を言っていたことも
そんな子が7~8歳の頃引越ししてネコ部屋で生活するようになりキッチン&ダイニングに出入りする事が無くなり昨年末16歳半で亡くなった子を思いだしました。変わった子だと思っていたけどカレーの匂いに誘われる子もいるのか~と思いました。
20代 女性 ねね
参考にして行きたいです。
50代以上 女性 匿名
40代 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
必ずお出かけの後に=あげてました=本数は、少しが、良かったんでしょうか?よく欲しがったので、5本まで食べました。多すぎたでしょうか?