一部の貝は食べても大丈夫(ただし条件つき)

肉食動物の猫はお肉が大好き。そして野菜は食べられるけれども消化するのは苦手となります。そんな猫を見て「じゃあ…貝はどうなのかな?」ふとそう思ったことはありませんか?
結論から先にいいますと、猫は一部の貝なら食べても大丈夫といえるでしょう。しかし、猫が食べても問題ない貝でも生で食べさせるのは絶対NGとなりますので必ず加熱してから食べさせる必要があります。
また、食べても大丈夫な貝でもたくさん食べさせると体に悪影響をもたらす可能性が高いので与えるときは少量だけ与えるようにしてくださいね。では次に『食べても大丈夫な貝』と『食べたらダメな貝』をご紹介していきます。
猫が食べてもOKな貝
スーパーなどでよく見かける貝のなかで猫が食べても大丈夫な貝は…、
- アサリ
- ハマグリ
- シジミ
- ホタテ
となります。ただこれらを生で猫に食べさせると『チアミン欠乏症』という症状が出てしまい最悪の場合愛猫の命を奪ってしまう危険性がありますので、生で食べさせるのは絶対にNGとなります。さらに量をたくさん与えても同様の症状が出てしまう場合がありますので食べさせるときは『必ず加熱したものを少量だけ』ということを守ってくださいね。
また、ホタテは加熱した『貝柱』と『貝ヒモ』のみOKとなります。それ以外の部位には強い毒性をもった成分が含まれていますので絶対食べさせないようにしましょう。
猫に食べさせてはいけない貝
よく見かける貝のなかで猫に食べさせてはいけない貝は以下のとおりとなります。
- サザエ
- アワビ
- トリガイ
- トコブシ
など
これらの貝は猫が食べてしまうと貝がもつ毒によって『光線過敏症(こうせんかびんしょう)』を発症してしまう可能性が非常に高いといえます。光線過敏症によって体のある部分に異常が出てしまうと最悪の場合その部分が壊死してしまうこともあるそうです。とても危険な症状となりますので、猫には絶対これらの貝を食べさせないようにしてくださいね。
危険な貝を食べてしまったときに出る症状3つ

1.初期症状(チアミン欠乏症)
アサリやハマグリ、シジミ、ホタテなどの貝にはチアミナーゼという成分が含まれています。このチアミナーゼは加熱することで毒の効果を無くすことができるのですが、加熱せずに生のまま猫に与えてしまうとチアミナーゼが猫の体内にあるビタミンB1を破壊し『チアミン欠乏症』を発症してしまうことになるそうです。
また、加熱して食べさせても量が多いと猫がチアミン欠乏症になることもありますので与えすぎないよう気をつけましょう。
猫がチアミン欠乏症になってしまうと以下の初期症状がでるそうです。
- 嘔吐
- 食欲がなくなる
- よだれ
- ふらつき
など
あきらかに体に異変が起きていると分かる症状ばかりとなりますので「愛猫が貝を食べてしまったかもしれない!」と思ったときにこれらの症状を発見したら、症状が悪化しないようできる限り早く病院に連れて行ってあげてくださいね。
2.症状が進行すると出る症状(チアミン欠乏症)
チアミン欠乏症がある程度進行してしまうと深刻な症状が出始めてしまいます。
- 瞳孔が開く
- いつもしない行動をする
- けいれん
- 気絶する
- 昏睡状態
など
なかには苦しそうにしながら不自然に大きな鳴き声を出したり、いつも行わないような姿勢をすることがあるそうで、酷い場合だと命を失ってしまうこともあるそうですよ。
3.光線過敏症(こうせんかびんしょう)
アワビやサザエなどの加熱しても危険な貝は『ピロフェオホルバイド』という毒性の成分が含まれているのですが、猫がこの成分を体内に入れてしまうと『光線過敏症』を発症してしまうことになってしまいます。
光線過敏症になると日光によって皮膚炎やかゆみが生じやすく薄くて光が当たりやすい耳に皮膚炎の症状がでたり、痒みや腫れといった症状が出る場合が多いそうです。また、酷い場合だと壊死してしまうこともあるそうですよ。
猫が危険な貝を食べてしまったらどうすればいいの?

もし愛猫が危険な貝を食べてしまったときはどうすればいいのか…。結論としては『できるだけ早く動物病院に連れて行く』ことが一番の解決法となります。
放っておくと愛猫の命を危険に晒してしまうことになりますし、飼い主の独断で問題を解決しようとするとかえって症状を悪化させてしまう危険性がありますので迷わず病院で治療してもらうようにしましょう。
まとめ

- アサリ
- ハマグリ
- シジミ
- ホタテ(貝柱と貝ヒモのみ)
これらは加熱すれば猫が食べても大丈夫な貝となります。貝には猫にとって魅力的な栄養がたくさん含まれているので少量食べさせると健康を維持しやすくなるといえるでしょう。
ただ貝には危険がたくさん潜んでいますから、愛猫に与えるときは細心の注意を払いながら食べさせるようにしてくださいね。