猫はくるみを食べても大丈夫?注意点と対処法

猫はくるみを食べても大丈夫?注意点と対処法

おやつやおつまみでよく食べるくるみですが、猫が食べてしまったとしたら、どうなのでしょうか?他にも人間はよくナッツ類を食べるのですが、猫にとって大丈夫なのか、どんな症状が出るのか、またその時の対処法をご紹介します。

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫はくるみを食べても大丈夫なのか

くるみの殻と実

猫がくるみを食べるのはダメ

猫がくるみを食べることは、お勧めしません。少量であれば食べても大丈夫、と言われることもありますが、餌やおやつとしてあげるべきではありません。

くるみは、クルミ科クルミ属の落葉高木の総称で、またはその食用の果実のことです。硬い殻に覆われていて、中の種子を食用として食べています。栄養価が高く、ビタミンEをはじめとしてミネラルも含まれています。また、脂質が実全体の70%を占めていますので、食べ過ぎは肥満につながります。

このように人間にとっては栄養価が高く美味しいくるみでも、猫にとって食用になるかというとまた別です。

猫がくるみを食べない方が良い理由として、まずナッツ類全般は、猫にあげる必要がないということです。猫はもともと肉食の生き物であり、食物繊維や脂質が多いくるみは、猫の食事として適しているとは言えません。過剰摂取により、消化不良や嘔吐、下痢が起こる可能性があります。

さらに、中毒や消化不良を起こす可能性が高いため、危険なものはあげない方が良い、ということになります。くるみ、アーモンド、ピーナッツなど、人間にとって食用とされるものでも、猫にとってはおやつとしてもあげない方が良いと考えられます。

くるみに関係する食べ物

くるみにチョコレートがコーティングしてあるもの、味付けがしてあるもの、またパンに入っているくるみパンなども、猫にはあげないようにしましょう。

くるみ以外のチョコレートや塩、スパイス、パンは猫にとって害のある食べ物になります。コーティングや味付けには、くるみよりももっと中毒を起こす危険が高いものもあります。

飼い主さんがくるみを買ってきて、自分でローストして砕いてあげている場合もあるようです。少量であれば大丈夫という考えもあるようですね。猫が好むからという理由は、飼い主さんの気持ちと行動の問題と考えられます。

猫が体調を崩す可能性のあるものをあげるという事は、猫の健康を考えた行動と言えないのではないでしょうか?それは猫にとって良いフードを選ぶ時の考え方と同じです。

猫がくるみを食べたがる?

猫がもしくるみを好んで食べたがる、としたら、それは飼い主さんの餌やおやつの与え方に問題があると言えるでしょう。

飼い主が食べる時に猫にも与えてしまう、という行動をしていれば、くるみが好きなのではなく、おやつが欲しいという行動で飼い主さんにねだるようになってしまいます。

これはくるみだけでなく、ナッツ類全般に言えることです。普段食べているから大丈夫という気持ちが、ある時過剰にナッツを食べてしまったり、喉に詰まらせたりして、中毒を起こす体調を崩すということにつながってしまうことがあるのです。

猫がくるみを食べてしまった時の症状や対処法

猫の足とくるみ

症状

猫がくるみを食べると、痙攣を起こしたり、ハァハァと舌を出して息をするパンディングをしたりという症状が見られる可能性があります。

痙攣やパンディングは、猫が中毒を起こした時に出る症状と考えられます。他にも嘔吐や下痢の症状が現れることがあります。これらの症状がひどくなれば、体調も悪くなり、命に関わる危険もあります。

また硬い殻や、実を丸ごと飲み込むなどの誤飲により、喉を詰まらせて呼吸困難になることもあります。

対処法

猫がパンディングしたり、発熱したり、体がふらつくなどの症状が見られたら、出来るだけ早く動物病院で診てもらうことが一番です。その時には獣医さんに、猫が食べてしまった物やパッケージを持って行くか、食べた量をわかる範囲で伝えるなどしてください。

特に中毒症状がいつ出るかわかりませんので、元気そうにしていても、注意して猫を見ている必要があります。急に症状が出てあっという間に体調が悪くなっていく場合があるので、くるみを食べたと気づいた時点で動物病院に行く選択肢も良いでしょう。

どのくらい食べると症状が出るかは、食べたものの種類や、猫の個体差にもよりますので一概には言えません。くるみを食べたことがわかれば、たとえ元気そうに見えても、獣医さんに相談することが、飼い主さんの不安解消にもつながります。

くるみ以外の猫に食べさせてはいけないもの

いろいろなナッツ

ナッツ類は、猫には食べさせない方が良いと言われます。
まず猫は肉食動物なので、ナッツ類を主食とはしていないことが一番の理由です。

人間がよく食べるナッツ類の他の種類について、猫が食べると大丈夫なのか気になりますよね。

マカダミアナッツ

ヤマモガシ科の常緑樹の実です。栄養素としてタンパク質、ビタミン、マグネシウム、食物繊維が含まれていて、人間にとって健康食品としても人気があります。

ただし、マカダミアナッツには中毒性があると言われていて、詳しい成分はわかっていませんが、猫に与えてはいけません。

犬がマカダミアナッツを食べたところ、中毒症状を起こし、死に至ったケースもあることがわかっています。

犬と猫で、食べてはいけないものが共通していることが多く、猫もマカダミアナッツで中毒を起こす可能性があるので与えてはいけません。

症状としては、嘔吐、下痢、痙攣、足の麻痺やふらつき、発熱などがあります。

マカダミアナッツを使った加工食品にも注意が必要です。チョコレートはもちろん、アイスクリームやクッキーにも入っていることがあります。

ピスタチオ

ウルシ科カイノキ属の落葉高木から採ったナッツです。熟した種子を殻果ごと焙煎して塩味をつけてあります。

ナッツは猫にとって必要な食べ物でなく、他のナッツ類で中毒が出ていることを考えると、食べさせないほうが良いでしょう。また、食べさせた方が良い、という理由もありません。

殻をおもちゃにして遊んでいるうちに、飲み込んでしまう可能性がありますので、喉をつまらせたり、飲んだものが内臓を傷つけて炎症を起こしたりするかも知れません。

ピーナッツ

ピーナッツはマメ科の植物になります。ピーナッツは50%以上が油分なので、猫にとっては多すぎます。また、 ピーナッツバターなど人間の食用に加工されたものは、塩で味付けされているものもあり、マグネシウムを多く含むため、腎臓に負担をかけたり結石の原因になったりします。

多く食べすぎれば、肥満の原因にもなり、腎臓病や糖尿病になる可能性もあります。アレルギー成分もあるので、少量でも与えない方が安心です。

アーモンド

バラ科サクラ属の落葉高木から採った実です。スイート種とビター種があります。特にビターアーモンドには青酸化合物の成分が含まれていますので、少しの量でも猫の命にかかわることがあります。

症状としては呼吸困難やチック症状、痙攣を起こす可能性があります。ビターアーモンドを使った加工食品でも中毒を起こしますので、猫が食べることのないように気をつける必要があります。

ナッツ類の入ったもの

くるみパンやピーナッツチョコレートなど、ナッツ類の入った食品も、猫には与えない方が良いでしょう。

まず、パンそのものが、猫に与えない方が良いものとされます。肉食の猫にとって、パンは必要ない食品だからです。

イースト菌が猫の胃の中で発酵し、中毒を引き起こすことがあります。また、食べたパンが胃の中で水を吸ってふくらみ、嘔吐したり、または量が増えて吐き出せずに内臓疾患につながったりする恐れもあります。

猫がくるみを食べることのまとめ

くるみと猫

くるみなどのナッツ類は、飼い主さんの食卓に置いてあって普段から食べていると、猫が欲しがったり、猫にあげたくなったりするかも知れませんね。

猫にとってくるみは必要な食べ物ではなく、あげなければいけない理由はほとんどないと考えてください。

さらに無害というわけではなく、ナッツ類は猫が嘔吐や下痢や消化不良だけでなく、中毒を起こす可能性もあり、命にかかわることもあります。

そして栄養素や中毒の問題の他に、くるみやナッツ類は猫が喉に詰まらせてしまう可能性もあります。猫にとっては大きな粒になりますので、呼吸困難に陥る恐れもあります。

気をつけることは、まず猫がくるみなどを自分で食べてしまうことのないようにすることです。保管場所に気をつけ、食べ残しを置いておかないようにしましょう。

普段から、人間が食べているものを欲しがることのないように、猫のフードと飼い主の食事やおやつとは別だとわからせなければなりません。

特にくるみやナッツ類は、飼い主さんがくつろぎながらおつまみやおやつとして食べているので、猫が寄って来やすい状況かも知れません。食べているものをあげることのないようにし、根気よくその態度を続けていくことが大切です。

猫の口に入るものを選んで、適切に与えられるのは飼い主さんだけです。くるみを始め、人間が気軽に口にしているものを猫にも同じように与えてしまうことのないようにして下さいね。

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