猫が青魚を食べると病気になる?食べると危険なお刺身とは

【獣医師監修】猫が青魚を食べると病気になる?食べると危険なお刺身とは

猫の食事に魚を取り入れている飼い主さんの中には、青魚を食べてもよいのか、魚の調理法、与える量に悩む方もいるかもしれません。今回の記事では、猫に青魚を与えないほうが良い理由とかかりやすい病気、猫が食べてもいい魚とダメな魚、を与えるときの注意点についてまとめています。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫に青魚を与えるのは避けたほうが良い

テーブルの上にある魚を狙う猫

青魚にはDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富に含まれているため、猫に与えるのは避けた方が良いとされています。不飽和脂肪酸は分解されるときにビタミンEを大量に消費するので、食べすぎるとビタミンEが不足して「イエローファット(黄色脂肪症)」になる恐れがあるからです。

不飽和脂肪酸は血液をサラサラにする効果もあり、少量であれば問題ありませんが、手作りのごはんやおやつ、トッピングなどで青魚を与える機会が比較的多い場合は、多量に与えないよう注意が必要です。

猫が青魚を食べすぎるとなる病気「イエローファット」とは

顔を伏せる猫

「イエローファット」の症状と原因

イエローファットの症状

  • 皮下のしこり
  • 元気の消失
  • 発熱

「イエローファット(黄色脂肪症)」とは脂肪が黄色に変色し、皮下のしこり、元気の消失、発熱などの症状が見られる病気です。しこりは腹部にできることが多く痛みを伴うので、猫のお腹を触ろうとすると嫌がることがあります。

ビタミンEが欠乏することによって起こりやすい病気のため、青魚の食べすぎや偏食など、ビタミンEを大量に消費してしまうような食習慣の場合に発症することが多いようです。

イエローファットの治療方法

イエローファットファットの治療には投薬によって炎症を抑える、食事療法で不飽和脂肪酸を過剰摂取しないようにするなどの方法があります。

死に至るケースは少なく、栄養バランスを取り戻すことができれば予後も比較的良いとされています。ただし回復には数週間~数カ月かかることもあるため、日頃から青魚の摂取を控えて猫が病気にならないようにしましょう。

猫に与えないほうが良い青魚とは

青魚

魚は身の色によって「白身魚」(鯛、ほっけ、サーモンなど)と「赤身魚」(マグロ、カジキなど)に分けられますが、青魚は赤身魚の中でも表皮に青みがかかっている魚を指します。

主な青魚

  • サバ
  • イワシ
  • アジ
  • サンマ
  • マグロ
  • カツオ
  • ブリ
  • カンパチ

代表的なものは「サバ」「イワシ」「アジ」などで、赤身魚というイメージが強い「マグロ」「カツオ」はサバ科、「ブリ」はアジ科なので分類としてはも青魚に含まれます。不飽和脂肪酸の量は魚によって異なり、イワシはカツオの10倍、サバは20倍以上です。

青魚が使用されている猫用のフードも多く販売されていますが、これらは不飽和脂肪酸を摂りすぎないよう量が調整されているだけでなく、青魚を食べることで失われるとされるビタミンEが添加されています。

猫にお刺身(生食)を与えるのは避けたほうが良い

刺身

生食で起こるビタミンB1欠乏症

青魚に限らず猫が生で魚介類、特にイカや貝・甲殻類魚を食べると「ビタミンB1欠乏症」になりやすいと言われています。ビタミンB1欠乏症は、含まれている「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素によって欠乏が起こる病気です。

ビタミンB1欠乏症の症状

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 下痢
  • ふらつき
  • 痙攣
  • 歩行困難

症状としては食欲不振や嘔吐、ふらつきなどが見られ、悪化すると痙攣や歩行困難を伴い、最悪の場合は命に関わります。

チアミナーゼは加熱すると活性が失われるとされているので、焼く・茹でるなどしてから与えるようにし多量にならないよう気をつけましょう。

生魚には寄生虫がいる可能性も

生魚には寄生虫がいる可能性があり、寄生されると嘔吐や激しい腹痛を引き起こす可能性があるため危険です。

代表的な「アニサキス」は魚やイカなどの内臓や筋肉に寄生するので、釣りで持ち帰った魚の刺身などを猫に与えることは絶対に避けてください。アニサキスは60度以上1分の加熱で死滅するとされているため、猫に与える場合は加熱して焼き魚や煮魚にして少量を与えるようにしましょう。

猫が食べてもいい魚・ダメな魚

さわら

猫が食べてもいい魚

猫が食べてもいい魚

  • 白身魚

白身魚は淡泊で低脂肪であり、青魚ほど多くの不飽和脂肪酸を含まないためキャットフードでも多く使用されています。ただし食物アレルギーを持っている猫には危険なので、食べた後に下痢や嘔吐などの症状が見られる場合、注意が必要です。

猫が食べるのはダメな魚

猫が食べるのはダメな魚

  • 青魚
  • 甲殻類
  • 軟体類
  • マグロやカツオ
  • 貝類

これらは上記のような危険性があります。特に、マグロやカツオなどのヒスチジンが多く含まれているものは常温で長時間放置するとヒスタミン中毒になる恐れもあり、ヒスタミンは加熱しても分解されないので避ける方が無難です。つい与えがちなカツオ節やマグロ節も、人間用のものは塩分が高く腎不全を悪化させる可能性があるため、使用する場合はペット用のものを適量与えるようにしましょう。

また、アワビやサザエ、トリガイ、トコブシなどの貝類は光線過敏症の原因となる毒成分を多く含んでおり危険です。これらの貝を食べた後に日光に当たると、体毛の薄い耳などに炎症が起こることがあります。最悪の場合、壊死することもあるため、加熱、非加熱を問わず猫に与えることは避けましょう。

まとめ

猫と青魚

青魚はイエローファットの原因となる不飽和脂肪酸を多く含むため、猫にサバやイワシを与えることはやめましょう。青魚以外であっても、生食を避けた方が良い魚や加熱をしても危険な魚介もあるので注意が必要です。

その他、猫が食べていいもの・悪いもの

今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。

猫が食べてはいけないもの一覧