メインクーンの特徴
メインクーンの外見的特徴
メインクーンの体型は「ロング&サブスタンシャルタイプ」に分類され、骨太で筋肉質、胸幅は広く全体的にがっしりとした体格をしています。
体長や体高は100cmを超えることも珍しくなく、過去には123cmを超える体長を持つメインクーンが「世界最長の猫」としてギネス認定されています。
メインクーンの厚い被毛はシルキーなシングルコートで高い防水性、防寒性を備えており、この防水性の高さがメインクーンの水遊び好きに繋がっているとも言われています。
胸周りの飾り毛や長くふさふさしたしっぽ、更に被毛だけではなく洞毛、つまりヒゲも長く立派なのも特徴と言えますね。
また、メインクーンの耳は位置が高く根本が幅広で大きいのも特徴です。中にはタフト(Tuft)と呼ばれる豊富な房毛が、先端にはリンクスの耳先の飾り毛という意味を持つリンクスティップス(Lynx Tips)があります。
メインクーンがオオヤマネコのような風貌であると言われるのは、これらの特徴が関係していると考えられます。
メインクーンは大きさ
メインクーンの特徴といえばやはりその体の大きさです。世界最大の猫としてギネス認定されている猫もメインクーンであり、他の猫種と比べて巨大といえる体格とその性格から「穏やかな巨人(ジェントルジャイアント)」という愛称を持ちます。
海外で飼育されているメインクーンの写真がSNSなどで拡散されることで「本当にイエネコ?でかい!可愛い!」と話題になることもしばしば。近年では日本国内でもその人気は高まっています。
また、メインクーンは水遊びが好きな個体が多いことでも知られます。本来、水を苦手とする性質を持つ猫のなかでは非常に珍しいことですが、水が好き過ぎて飼い主さんを困らせることもあるほど。大きな体を持ちながら遊び好きでわんぱくな個体が多いのもメインクーンの魅力の一つと言えますね。
メインクーンの年齢別の特徴
年齢 | 人間の年齢 | 特徴 |
---|---|---|
生後10日 | 生後1ヵ月 | まだ目が開いていない |
生後2週間 | 生後6ヵ月 | 目が開く |
生後1ヵ月 | 1歳 | 歩き出す 乳歯が生え始める |
生後2ヵ月 | 3歳 | 離乳が終わる |
生後3ヵ月 | 5歳 | 動きが活発になる |
生後6ヵ月 | 10歳 | 発情期を迎える |
生後7ヵ月 | 12歳 | 永久歯が生え始める |
1歳 | 15歳 | 成長が止まる |
2歳 | 24歳 | 少年期 発情期がさかんになる |
5歳 | 36歳 | 歯の先端が丸みがかる |
6歳 | 40歳 | 白髪が出てくる |
7歳 | 44歳 | シニア期 肥満に注意 |
9歳 | 52歳 | 老猫となる |
10歳 | 56歳 | 歯が抜け始める |
12歳 | 64歳 | 病気にかかりやすくなる |
14歳 | 72歳 | 白内障などが出てくる |
16歳 | 80歳 | 痴呆症が出てくる |
上記の表はあくまでも目安であり、生活環境や個体の体質によって特徴が現れる時期に差が現れることがありますが、メインクーンの成長過程は他の猫種と異なる性質を持ちます。
一般的に猫は生後9ヶ月頃になると成猫とほぼ同じ骨格、体重になることが殆どですが、メインクーンの場合は生後2年~3年、個体によっては5年程度成長し続けます。
こればかりは同じメインクーンであっても個体が持つ体質が大きく関係するため、かかりつけの獣医師と相談しながら骨格の形成をサポートする愛猫にあった栄養管理を徹底して行うことが重要です。
また、メインクーンは脊髄性筋萎縮症と呼ばれる遺伝性疾患を生後3ヶ月~4ヶ月頃に発症する可能性があるため、注意が必要です。
メインクーンの体重
メインクーンの成猫の平均体重は、メスで3kg~6kg、オスで6kg~9kgとされていますが、個体によっては10kgを超えることも。メインクーンの子猫の体重推移に関しても個体差があるものの、他の猫種に比べて体の大きさが目立ち始めるのは生後4ヶ月頃であることが多いようです。
生後5ヶ月頃になると一般的な成猫と同じくらいの大きさになりますがメインクーンにとってはまだまだ成長期であり、生後9ヶ月頃になると体重推移は緩やかになるものの、生後2年~3年の間は成長を続けます。
メインクーンの場合、成長期が長いため生後1年前後で体重の伸び悩みが生じることもあります。メインクーンのなかでも生後1年時点での体重、骨格のまま成長が止まる個体もいれば、5年もの間緩やかに成長を続ける個体もいますので、全体の平均体重推移だけにとらわれずかかりつけの獣医師にしっかりと相談しましょう。
メインクーンの性格
- 穏やか
- 利口
- 器用
- 遊び好き
- 友好的
- 愛情深い
メインクーンはその大きな見た目に反して非常に穏やかで優しい性格をしており愛情深く、人はもちろん他の猫とも友好的に接することができます。
特に食事を共にすることを好む傾向にあり、単独で食事をすることは珍しいと言われるほど。見た目に反して鳴き声は高めで「ニャー」という鳴き声とゴロゴロ音を足したような声で甘えるのも特徴です。
また、メインクーンは猫のなかでも非常に知能が高く、賢いためトレーニングをしやすい猫種とも言えます。投げたボールを取りに行ったり、新聞を取りに行ったりとまるで犬のような遊びや習慣を自ら進んで行う個体も少なくありません。
ただ、その利口さ故に開けてほしくない戸や引き出しをいとも簡単に開けてしまったり、人を観察して動作を習得してしまったりすることも多いため徹底した安全管理が必要となります。
その利口さに力の強さや器用さが相まった行動で「メインクーンは性格が悪い」と言われることもありますが、決してそんなことはありません。
確かにメインクーンは知能が高いため「飼い主が困ると分かっていてわざと悪戯をする」こともあるかもしれませんが、それにはきちんと理由があるはずですし、メインクーンに限ったことではありません。
性別による性格の違い
メインクーンは性別によってその性格に違いが生じる場合があると言われています。オスとメスのメインクーンの性格の違いには主に以下のようなことが挙げられます。
オスの性格
オスのメインクーンは非常に甘えん坊で、常に飼い主さんの側に寄り添うことを好む傾向にあると言われています。メインクーンに限らず、オスの猫は去勢手術の有無が性格に大きく関わってくることも挙げられますが、特に去勢済のオス猫はいつまでも子猫のようなわんぱくで甘えん坊な性格の個体が多いようです。
メスの性格
メスのメインクーンは、オスに比べてクールな性格をしている個体が多いようです。所謂「ツンデレ」と言われる性格であることが多く、甘えてきたかと思えばそっけない態度を取ったりと猫らしい行動が多く見られるようです。
メインクーンの性格がわかる動画
メインクーンの毛色
ブラウン
メインクーンの毛色のなかで最も多く見られるのがブラウンタビー(茶縞)です。同じブラウン系でも濃淡はもちろんブラックやホワイト部分の割合やタビーのパターンによって印象は異なり、それぞれに個性があります。
ブラック
メインクーンには所謂「黒猫」と呼ばれる毛色のブラックソリッド(単色)や、薄みがかったブラックスモーク、「サビネコ」のように2色の毛色が全体的に混ざりあったブラックトーティなどの毛色も存在します。
シルバー
メインクーンの毛色のなかでもシルバータビーやブルーシルバータビーなどゴージャスで上品な印象を与えるシルバーの毛色に人気が集まっています。シルバー系の毛色にもクラシック、パッチドなどタビーのパターンが存在し、更にホワイトの毛色を持つ個体は人気が高い傾向にあります。
キャリコ
メインクーンにもキャリコ(トーティ&ホワイト)、日本では「三毛(猫)」と呼ばれる毛色パターンが存在します。キャリコとは2色~3色の毛色を持つ猫という意味を持ち、白色、黒色、茶色の3色で成り立つ毛色を指します。
洋猫の場合、一般的なキャリコよりも色が薄いパステルカラーの三毛「ダイリュートキャリコ」が多く見られる場合もありますが、メインクーンの場合では希少な毛色であるとされています。
メインクーンの子猫の値段・相場
ペットショップ | ブリーダー・キャッテリー | 里親 |
---|---|---|
10万円~20万円 | 15万円~30万円 | 生体価格無償 |
メインクーンの子猫の価格相場は15万円~25万円程度となっています。一般的には繁殖元から仕入れをして販売するペットショップの方が生体価格が高くなる傾向にありますが、メインクーンの場合はブリーダーやキャッテリーなどからお迎えする方が高額になるケースも珍しくありません。
また、里親制度でメインクーンの子猫をお迎えする場合、子猫の生体価格は無償であることが殆どですが、お迎えまでに要したワクチン費用などの病院代の一部負担が必要になることもありますので事前に確認しておきましょう。
価格差が生じる理由
メインクーンの価格差が生じる理由としては、両親の血統や体格、毛色や瞳の色などが挙げられます。メインクーンの場合、一般的な大きさの猫に比べて血統による体格差が大きく生じることも少なくないため、キャットショーのチャンピオン猫を両親に持つ子猫の場合は価格が40万円以上とかなり高額になることも珍しくありません。
また、メインクーンは被毛だけではなく、瞳もゴールドやカッパー、グリーン、ブルー、オッドアイなど様々な色を持つ個体が存在するため、毛色と瞳の色の組み合わせによって生体価格に差が生じるケースも多いようです。
メインクーンの子猫の迎え入れ方と選び方
ペットショップ
メインクーンは日本国内でも人気の高い猫種ではありますが、マンチカンやスコティッシュフォールドなどの猫種に比べるとペットショップでの取り扱いは少ないのが現状です。そのため、メインクーンを販売しているかどうかを事前にチェックしておくと良いかもしれません。
ペットショップでメインクーンをお迎えするメリットは、開店時間内であればいつでも自由に子猫に会うことができることや、その日に自宅へ連れ帰ることができること、更に必要な猫用品をその場で購入することができることなどがあります。
ただ、メインクーンは脊髄性筋萎縮症などの遺伝性疾患を発症するリスクも確認されているため、必ず子猫の両親や繁殖元のブリーダー、離乳期などの来歴について確認するようにしましょう。
この時、ペットショップ側が曖昧な返答しかしない場合は健全なブリーダーの元で生まれた子猫ではない可能性もあるため注意が必要です。また、店内や子猫達が過ごすケージなどの手入れが行き届いているペットショップを選ぶようにしましょう。
ブリーダー
メインクーンは人気の高い猫種であるため全国にブリーダーが存在しており、メインクーンを専門としているブリーダーも少なくありません。メインクーンの子猫をブリーダーからお迎えするメリットとしては適齢期まで母猫や兄弟猫と過ごすことができるため健全に離乳されている、さらに社会性も高いことなどが挙げられます。
出生や来歴をしっかり確認できる他にも事前に母猫や子猫が育った環境を見学させてもらえることや、専門家によるアフターフォローも期待できますね。
ただ、残念ながらブリーダーにも「悪徳」と表現される業者も存在しているため優良ブリーダーであるかどうかの見極めが重要となります。事前見学を拒否したり、生まれて間もない子猫の引き渡しを許可していたりするブリーダーには注意しましょう。
里親
メインクーンの子猫をお迎えする時、血統にこだわりがないという場合は里親制度を利用するのも一つの方法です。他の猫種と比べるとその数は多くないものの、メインクーンもやむを得ない事情やブリーダー崩壊、飼育放棄などを理由に里親を募集していることがあります。
里親募集でメインクーンをお迎えする最大のメリットは、新しいお家が見つからなかった場合に奪われてしまうかもしれない命を救うことができるということです。
しかし、お迎え先によっては家族構成や住居、年収などの個人情報の提供が必要になるケースも珍しくなく、里親募集の場合は100%メインクーンであるという保証(血統書)がないことや、虐待などで心に傷を負っている可能性もあるためそれらを覚悟した上でお迎えする必要があるのも事実です。
また「子猫あげます」などと里親募集の理由についての詳細は伏せ、引き渡し前にワクチン代や医療費、手数料などと銘打った不当な金銭を請求する「里親詐欺」にも注意が必要です。
ただ、血統などに強いこだわりがないという場合は近隣でメインクーンの子猫の里親募集が出ていないかだけでも是非チェックしてみてください。
メインクーンの飼い方
環境
メインクーンは一般的な猫よりも体が大きいだけではなく、遊び好きなためあまり狭い環境での飼育には向きません。大きな体を持ちながらも高い場所に登ったり、走り回ったりすることを好むためキャットタワーの固定はもちろん、家具の配置などの安全管理を徹底してください。
また、力もそれなりに強いため引き出しや戸をいとも簡単に開けてしまうことも。閉じ込め防止のためにも、家中の整理整頓を徹底することで部屋を自由に行き来できる環境を提供できることが理想です。
室温管理
メインクーンは寒冷地が原産国であるためその被毛は防水、防寒に長けています。そのため、寒さよりも暑さに注意してあげる必要があります。熱中症は命に関わる可能性も十分にあるため、暑い季節はエアコンや除湿機などを利用して室温管理に気を配りましょう。
また、このときも猫自身が体温調節を行えるようにエアコンの効いた部屋とそうでない部屋を自由に行き来できる環境が理想と言えます。ちなみに猫が快適と感じる室温は20度~28度、湿度は50%~60%とされていますので寒さに強いメインクーンの場合は25度前後を目安にすると良いでしょう。
しつけ
メインクーンは猫のなかでも知能が高く、学習能力にも長けています。そのため、しつけそのものはそう難しくありません。しつけといってもトイレや爪とぎなどの場所を教える程度で、自然と生活力を身に付けていくことができます。
ただ、知能が高い故に人の動作を見て学習することも多く、開けてほしくない戸や引き出しを開けてしまうこともありますのでストッパーを利用したり、事前に危険な物や場所を排除する工夫をしたりすることが大切です。
散歩
メインクーンは穏やかでおとなしい性格をしていますが猫のなかでも必要とする運動量が多いため、犬と同じようにリードを装着してお散歩させる飼い主さんも多いようです。屋外で散歩をすることで室内では経験できない適度な刺激がストレス解消に繋がることも。
ただ、メインクーンを外に連れ出すことで事故に巻き込まれたり、パニックで逃げ出してしまったりする可能性も捨てきれません。また、一度屋外へ出してしまうと脱走癖に繋がることも。メインクーンのお散歩は必ずしも必要なわけではありませんので、愛猫の性格や生活環境などを考慮して慎重に行いましょう。
トリミング
メインクーンの被毛は防水、防寒のために皮脂が十分にまわっており、皮脂汚れが目立ったり皮膚が蒸れやすかったりするため日々のお手入れが非常に重要となります。そのため、メインクーンの飼い主さんのなかには暑い季節になるとまるでライオンのような見た目になるライオンカット、所謂サマーカットなどのトリミングを利用する方も。
ただ、これらのトリミングに強いストレスを感じる猫も多く、かえって皮膚に直接陽があたることで熱中症や皮膚炎を引き起こすケースもあるため十分に注意が必要です。
メインクーンのトリミングは必ずしも必要なものではありませんので「暑そうだから」「手入れが楽だから」といって無闇にトリミングを行うことは避けたほうが無難と言えるでしょう。
メインクーンの子猫の飼い方
メインクーンの子猫の飼い方としてはまず安心して過ごせる環境提供を心がけましょう。可愛さ故に構いすぎてしまうとかえってストレスになる可能性もありますので、子猫がトイレや爪とぎ、食事など生活の基本となる行動を問題なく行えるようになるまでは見守ることが最優先となります。
また、体の大きいメインクーンは見た目に赤ちゃんらしい時期が過ぎるのは早いですが、体が大きくなっても心はまだまだやんちゃ盛りであるため、危険な物はしっかり片付けてください。
また、成長期が長いメインクーンは子猫期から数年の密な体重管理が必要となりますので、自宅での体重チェックを習慣付けておきましょう。
メインクーンのお手入れ
ブラッシング
メインクーンの被毛は厚く、見た目もゴージャスですが実はシングルコートに分類されます。ダブルコートに比べて抜け毛が少ないと言われるシングルコートですが、やはり長毛で毛量も多いため、その抜け毛の量は少ないとは言えません。
メインクーンの被毛は長毛種のなかでも毛玉ができにくく手入れがしやすいと言われますが、皮脂も十分なためブラッシングはこまめに行うようにしましょう。
また、部位によって毛の長さも異なりますのでピンブラシやコーム、スリッカーブラシなどを上手く利用して毛玉ができないようケアするのがおすすめです。どうしてもほぐれない毛玉ができてしまっていたら無理に引っ張らず、その部分だけハサミで切ってしまうのも一つの手です。
皮脂汚れが目立つ時は自宅でシャンプーをするのも良いでしょう。いずれにしても、ベタベタと体に触られるのを嫌がるメインクーンも多いため、子猫期から慣れさせておくことが大切です。
耳掃除
メインクーンの耳は根本が幅広で大きく、比較的風通りも良いため健康状態が良ければ何もしなくても清潔な状態が保たれることが殆どです。
しかし、メインクーンに限らず長期間に渡って耳垢を放置すると外耳炎などのトラブルの原因となる可能性もありますので、定期的な耳垢チェックや耳掃除を行いましょう。
通常の耳掃除は濡らしたガーゼやコットンなどで拭き取るだけでも十分ですが、汚れが気になる場合は猫用のイヤークリーナーを利用するのもおすすめです。
歯磨き
3歳を超えた猫の8割が歯周病と言われるほど、メインクーンに限らず猫にとって口腔内トラブルは身近なものです。口の中を触られるのを嫌がる猫は非常に多いため、子猫期から歯磨きの練習をしておくと良いですね。
猫用のデンタルケア用品にも拭き取りシートタイプや歯ブラシタイプ、液体タイプなど様々な種類が販売されていますので、愛猫にあったものを見つけてあげてください。
メインクーンの食事の与え方
子猫
メインクーンに限らず、子猫の1日の給餌量はおおよそ「体重(㎏)×160kcal~240kcal」で計算し、これを1日3回~4回に分けて与えます。
数年の月日をかけて成長するメインクーンですが、急激に成長する1歳頃までが丈夫で大きな体を作るための基礎となりますので、良質な栄養素を含んだ食事をたっぷり与えてあげてください。
この時期は目安量より多少食べ過ぎることよりも、食べないことの方が問題です。もちろん限度はありますが、基本的には欲しがるだけ与えても問題ないと指導する獣医師も多いため、気になる場合はかかりつけ医に相談しましょう。
成猫
一般的に1歳を過ぎる頃になるとカロリーの高い子猫用から、カロリー調節された成猫用にフードの切り替えを行うのですが、メインクーンの場合、個体によってはまだまだ体重を増やしても良い時期である場合もあります。
他の猫種と異なり、1歳を過ぎれば大人(成猫)と判断できるわけではありませんので、切り替えは慎重に行いましょう。
この時期になると「この子は○kgくらいまでになりそう」とおおよその体格や体重がわかってくる頃でもありますので、フードの切り替え時期は年齢よりも体格や体重に合わせて行うと良いですね。食事量や切り替えに不安がある場合はかかりつけの獣医師に相談すると安心です。
ちなみに成猫の1日の給餌量はおおよそ「体重(㎏)×80kcal」で計算されます。1歳を過ぎれば食事回数は1日2回でも問題ありませんが、何度も欲しがるようであれば総給餌量は増やさず、小分けにして与えるのも一つの手です。
老猫
老猫になると固い粒や大きな粒のフードが食べづらくなることもあります。栄養素の吸収率や消化機能も低下してくるため、柔らかくて食べやすく高栄養価で消化の良い食事が理想と言えますね。
現在では年齢や体質などに合わせてサポート機能が付加されたシニア用フードも豊富に販売されていますので、体調に合わせてフード選びをしましょう。
また、1度にたくさんの量を食べることができない場合は、1日の総給餌量を3回~4回に分けて与えてあげてください。
メインクーンの飼育に必要なグッズ
トイレ
メインクーンの飼育に必ず必要といえるのが猫用トイレです。猫用トイレにもシステムタイプや自動タイプなど様々な種類のものがありますので、生活環境や愛猫の性格に合わせて選びましょう。
ただ、トイレの種類によってはメインクーンの大きな体では使用が窮屈になってしまう場合もありますので、サイズには余裕を持って選んでください。がまた、メインクーン1匹に対して2個の猫用トイレを設置するのが理想です。
トイレ砂
猫用トイレの中に入れて使用する猫用トイレ砂、通称「猫砂」の種類はおからや紙、木質ペレット、鉱物系、シリカゲルなど非常に豊富です。
それぞれに特徴があるため、使用する猫用トイレとの相性や愛猫の好みに合わせて選びましょう。この猫砂こだわりを持つ猫は多く、少しでも気に入らないと粗相をしてしまうこともありますので注意が必要です。
ケージ
ケージの必要性は生活環境によっても異なりますが、来客時や災害時などの避難場所として設置しておくのもおすすめです。また、お迎えしたばかりの子猫をお留守番させる時には安全を守るためにもケージを利用しましょう。
ただ、メインクーンの場合は体が大きくなるのも早いため、2段タイプなどの広めのものを選んでおくと安心です。
ベッド
メインクーンはのんびりと過ごすことが大好きなため、いくつか猫用ベッドを準備してあげましょう。暑い季節はクールタイプのものを選んだり、寒い季節はかまくらタイプのベッドを選んだりするのも良いかもしれません。
ただ、メインクーンに限らず変化を嫌う猫は少なくないため、少なくても1つは通年通して利用できるベッドを準備しておきましょう。猫用ベッドは小さめサイズのものが多いので、小型犬用ベッドを利用するのもおすすめです。
食器
メインクーンの食器は食事用と水飲み用の2種類を準備しましょう。メインクーンの場合、体が大きくなることや力が強いことを考慮して犬用の食器を利用するのも一つの手です。
また、水を前足ですくって飲んだり、水遊びをしたりするメインクーンは非常に多いため、水飲み用の食器はなるべく重さのあるものや自動給水器などがおすすめです。
爪とぎ
爪とぎもメインクーンの飼育に欠かせないグッズの一つです。爪とぎにも段ボールや麻縄など様々な材質のものがありますので愛猫の好みのものを数箇所に設置しましょう。可能であればキャットタワーと一体型になったどっしりと重さのある爪とぎ器がおすすめです。
キャットタワー
穏やかでおとなしい性格の個体が多いメインクーンですが、実は遊び好きで高い場所も大好きです。大きな体で高い場所に登ったり、寛いだりするためキャットタワーは大型猫に対応したしっかり固定できるタイプのものを選びましょう。メインクーン推奨のキャットタワーなども販売されていますのでチェックしてみてください。
キャリーバッグ
動物病院へ行く時など、外出時に必要になるのがキャリーバッグです。メインクーンの場合、猫用のキャリーバッグでは窮屈過ぎるため小型犬、中型犬用のキャリーバッグを利用するのも良いでしょう。抱っこ用のスリングなどがあっても便利です。
首輪と迷子札
猫の性格によっては首輪を嫌がる場合もありますが、できるだけ迷子札をつけた首輪を装着しましょう。猫の場合、ジャンプした時などに首輪を引っ掛けてしまう可能性もありますので、必ずセーフティバックル採用の首輪を選ぶようにしましょう。
メインクーンの飼育に必要な費用
初期費用
猫の購入費 | ワクチン接種費 | ノミダニ予防費 | 健康診断費 | 不妊手術費 | 日用品購入費 |
---|---|---|---|---|---|
15万円~25万円 | 10,000円 | 1,800円 | 5,000円~10,000円 | 15,000円~30,000円 | 60,000円前後 |
メインクーンをお迎えするための費用はお迎えする方法によっても異なりますが、ワクチン接種費用や不妊手術費用などの病院代、お迎えするために必要な日用品の購入などを含めると30万円前後の費用が必要となります。
里親制度でお迎えした場合でも、健康診断や不妊手術などを含めると20万円前後の費用が必要になることもあり、決して安いものではありません。
毎年かかる費用
ワクチン接種費 | 健康診断費 | ノミダニ予防費 | 食費 | 保険料 | 雑費 | 生涯でかかる費用 |
---|---|---|---|---|---|---|
5,000円~10,000円/1年 | 5,000円~10,000円/1年 | 1,000円~2,000円/1ヶ月 | 6,000円~10,000円/1ヶ月 | 500円~3,000円/1ヶ月 | 1,500円~3,000/1ヶ月 | 130万円~180万円程度 |
メインクーンと暮らすために必要な費用には1年に1度の健康診断やワクチン接種、毎月のノミダニ予防に食費やおもちゃなどの雑費…ざっと計算しても1ヶ月15,000円前後の費用が必要となります。
もちろん食費は与えるフードによって金額が異なりますが、一般的な大きさの猫の2倍、3倍の大きさになるメインクーンの食費はやはり安いものではありません。
また、猫や犬などのノミダニ予防、怪我や病気の処置などについても体重を基に医療費が計算されることが多いため、体の大きなメインクーンは医療費が高額になる可能性も十分に考えられます。
これはメインクーンに限ったことではありませんが、猫の一生に責任を持つということはそれだけのお金が掛かるということをしっかり覚悟しておくことが大切です。
メインクーンがかかりやすい病気
肥大性心筋症
メインクーンがかかりやすい代表的な病気である肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)は、心臓の筋肉が肥大して分厚くなることで十分に血液を送り出すことができず、全身に症状を及ぼす病気です。
メインクーンの場合、この肥大型心筋症が優性遺伝で遺伝することが分かっており、オス猫や中年期から老年期の猫に発症しやすいとされています。
猫の場合、この肥大型心筋症を発症することによって心不全や突然死を引き起こす可能性があるため、定期的な健康診断はもちろん、遺伝性疾患検査や超音波検査を受けることで早期発見を心がけましょう。
脊髄性筋萎縮症
脊髄性筋萎縮症(こつずいせいきんいしゅくしょう)もメインクーンが発症する可能性がある遺伝性の病気であり、筋肉を動かすための骨髄の神経が消失することで神経麻痺による運動障害などの症状が表れます。
股関節異形成症
股関節異形成症(こかんせついけいせいしょう)とは大型犬に多く見られる病気として知られていますが、メインクーンなどの大型の猫にも発症する可能性があります。骨盤と太ももの骨を結合する股関節の形が先天的に異常な状態を指し、運動障害が表れます。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)とは、腎臓に多数の嚢胞(球状の袋)が発生し、それらが徐々に増殖、肥大することで腎臓の正常な組織を阻害、最終的には腎不全を引き起こす病気です。
この多発性嚢胞腎も遺伝性疾患の一つであり、ペルシャやペルシャ系の繁殖において発症すると考えられていましたが、近年メインクーンにも発症することが分かっています。症状は7歳頃に発症することが多く、不治の病とされています。
毛球症
猫はグルーミング(毛繕い)によって飲み込んだ抜け毛が胃で塊になり、毛球症(ヘアボール)を引き起こすことがあります。
通常、飲み込んだ抜け毛は便と共に排泄されたり、塊になったとしても吐き出されたりして体内に留まることはありませんが、メインクーンのように長毛の場合や換毛期などでグルーミングの頻度が高まることで大きくなった毛球を自然に排泄することが難しくなり、腸などに詰まってトラブルを引き起こします。
毛球症の初期症状は殆どなく軽い嘔吐や便が固くなる程度ですが、症状が進行すると腸閉塞を発症したり、激しい嘔吐や下痢などが見られたりするようになります。
毛球症は日々のブラッシングや水分補給、ヘアボールケアのフード、おやつを取り入れるなどの方法で予防することができますので、子猫期から意識しておきましょう。
熱中症
メインクーンは、皮脂が十分に回った防水性・防寒性に長ける被毛、「ズボン」「パンタロン」などと呼ばれる足の後ろにある長い毛、肉球の指間の毛によって雪の降る寒さの厳しい寒冷地でも体温を保つことができる体を持ちます。
そのため、寒さには強いものの暑さには非常に弱く、熱中症には十分に注意しなければなりません。口を開けて呼吸をする(パンティング)、耳が熱いなどの症状がある場合は室温を下げ、嘔吐や下痢を伴う場合は早急にかかりつけ医を受診しましょう。熱中症は命に関わるため、暑い季節の室温管理は徹底してください。
メインクーンの寿命
メインクーンの平均寿命は12歳~14歳とされています。猫全体での平均寿命が15歳であることを考えると若干短い寿命であるのは事実です。とは言ってもメインクーンの寿命にも個体差があり、実際に15歳以上の寿命を全うしたメインクーンも存在します。
実際に犬の場合は小型犬に比べて大型犬の方が寿命が短い傾向にあります。これは体に対しての心臓の比率が関係しており、体の大きい大型犬の方が心臓に負担が掛かりやすいことに要因があると考えられています。
猫の場合はそれほど体格に差がないこともあり、この特徴は顕著でないようですが、遺伝性疾患や生活習慣病などには十分に注意し、1日でも長く健康に長生きしてもらえるようサポートしましょう。
メインクーンを飼っている有名人
DAIGO・北川景子夫妻
- 名前 :ジル
- 色 :ブラウン&ホワイト
元々は妻である北川景子さんの飼い猫である「ジル」くん♪現在ではDAIGOさんにもよく懐いているようでインスタグラムにも登場しています。
大地真央
- 名前 :トリュフ、ルジール
- 色 :シルバータビー
多くの猫と暮らしていることでも有名な大地真央さん。なかでもメインクーンのトリュフくん、
ルジールくんがインスタグラムに度々登場しています♪
メインクーンの歴史
メインクーンは北アメリカ最古の猫とされていますがその起源には諸説あり、なかには奇天烈ともいえる逸話も含まれています。
メインクーンという名前が英語でアライグマという意味を持つラクーン(raccoon)と語呂が似ていることから、猫とアライグマの交配で生まれたというユーモア溢れる説や、クーン船長の船に乗ってやってきた猫を始祖とする説、更にはマリー・アントワネットのアメリカ亡命計画をルーツとする説まで。
なかでも最も現実的で有力説とされているのは、バイキングの船猫であったスコーガット(ノルウェージャンフォレストキャット)が土着して生まれた猫種であるという説です。
メインクーンは1800年代後半頃に人気が高まったものの、1900年代に入りペルシャなどの海外の長毛種が入ってくるようになるとその人気は低迷期に陥り、一時は血統登録なども危ぶまれましたが、1968年にメインクーンの専門クラブ「MCBFA(メインクーン・ブリーダー・ファンシャーズ・アソシエイション)」が設立されたことを機に時間を掛けて人気を回復、1980年までにすべての血統登録団体に登録され、現在では日本国内はもちろん、世界的にも人気の高い猫種となりました。
メインクーンに似た猫の種類
ノルウェージャンフォレストキャット
ノルウェージャンフォレストキャットは北ヨーロッパを原産とする猫種であり、メインクーンのルーツにも関わりがあると考えられています。ふさふさとしたゴージャスな被毛やタフトのある耳、がっしりとした中型の体型だけでなく、知的で遊び好きな性格もメインクーンによく似ています。
メインクーンとノルウェージャンフォレストキャットを区別する特徴の一つとして横顔に見られる「ジェントルカーブ」と呼ばれる緩やかな窪みが挙げられます。
ラグドール
「ぬいぐるみ」の意味を持つラグドールは、その名の通り抱っこされることを好むという猫にしては珍しい気質を持つ猫種です。ふわふわとした被毛と意外にも筋肉質でがっしりとしたロング&サブスタンシャルタイプの体型をしているためメインクーンに似ているといわれることもあります。
ラグドールとメインクーンを区別する特徴としては毛色が挙げられ、ラグドールに多いョコレートやラヴェンダー、シールなどの毛色はメインクーンには存在しません。
ペルシャ
長毛種の代表的猫種といえるペルシャは、ふわふわとしたゴージャスな被毛、しっかりとした骨格に短めの足、全体的にずんぐりとした印象を与えます。顔や瞳もまん丸でマズルも短く、被毛のボリューム感もメインクーンとは質が異なるため区別することはそう難しくありません。
メインクーンのかわいい画像
大きいメインクーンの画像
今日のねこちゃんより:マリーちゃん / 2歳 / ♀ / 2.7kg /
メインクーンのもふもふ画像
今日のねこちゃんより:ノア君 / ♂ / 2歳 / 6kg /
キジトラのメインクーンの画像
今日のねこちゃんより:マシュマロ / ♂ / 2歳 / 5.5kg /
座るメインクーンの画像
今日のねこちゃんより:ルーナ / ♀ / 2.7kg /
30代 女性 ひなた
ドアや引き戸を器用な手で開けてしまいますので対策が必要です。メインクーンが扉を開けて脱走しないように注意したいですね。
メインクーンの性格は、活発ですが穏やかな面もありますので多頭飼いにも適しています。
我が家もメインクーンのあとに2匹飼いましたが、他の猫ちゃんとも仲良くしていました。
子猫が大好きで保護した子猫をいつも可愛がってくれていました。体は大きいですがとても、優しい猫ちゃんです。