猫の歯磨きの正しい方法
猫の歯磨きをする前に、まずは飼い主が猫の口内を触る事に慣れてもらいましょう。出来れば、生後6ヶ月位までに始めるとスムーズですが、成猫の場合でもゆっくりと、慣らしていきましょう。愛猫とのスキンシップやブラッシングなどの際に、ついでに口に触るようにすると良いでしょう。
口に触れる事に慣れてきたら今度は手前の切歯に触り、それが大丈夫になったら奥の臼歯に触りましょう。クリアしたら、次はガーゼなどで歯をこすって、OKだったらそこで初めて歯ブラシを使ってブラッシングをします。歯ブラシは猫用か、子供用を使います。
歯ブラシは斜め45度に持ち、歯と歯茎の間に溜まった歯垢を搔き出すように動かします。力を入れると猫が痛がりますし、歯茎を傷つけてしまう原因にもなりますので、歯垢が取れる範囲で、軽く行いましょう。
このように書くととても簡単そうですが、大人しくさせてくれる猫もいれば、嫌がる猫もいます。猫用の味付き歯磨きペーストを使うとやらせてくれる事もありますので、是非ご活用ください。その他に大切なのは、愛猫に優しく「歯磨きするよ」と語りかけ、終わったら褒める事です。飼い主の気持ちは猫に伝わりますので、歯磨き嫌いな我が家の猫も、優しく言葉をかけるようにしたら、割と大人しくやらせてくれるようになった気がします。
歯磨きの頻度は1日1回以上が望ましいのですが、難しい場合は歯垢が歯石になる前、3日に1回は行ないましょう。
猫に歯磨きの必要性
結論から言うと、猫に歯磨きは『必要』です。猫が野生だった頃は、獲物を噛み切る事で自然と歯が磨かれていたのですが、飼われている猫はキャットフードを食べているので、歯垢が溜まりやすいのです。猫の口には虫歯の原因となる虫歯菌がいないので、虫歯にはなりません。
ですが、「歯周病菌」はいるので、気をつけないと歯周病になってしまいます。実に10歳以上の飼い猫の9割は歯周病、という話もあります。歯周病になると歯の問題だけではなく、心臓や肝臓、腎臓にも悪い影響を与え、更にがんや糖尿病などにも関連してくる事が分かっています。怖いですね。
歯周病を予防するには、『歯磨き』が1番です!ですが、猫は中々歯磨きが難しい動物でもあります。完璧に出来なくても出来る範囲で行ない、愛猫の歯の健康を、保ってあげましょう。
その他の猫の歯磨き方法
どうしても歯ブラシを使った歯磨きが難しい子の場合には、ガーゼや歯磨き用ウェットティッシュを使うと良いでしょう。その際も歯磨きペーストを使うとベターです。ガーゼも難しい、という場合は口に入れるだけの歯磨きジェルやスプレー、それさえ無理、という場合は歯磨き効果のあると言われているキャットフードや、おやつを使う方法もあります。
猫の歯磨きと歯石の危険性
歯垢が歯石になると、残念ながらお家での歯磨きやケアでは取り除く事が出来ません。重度の場合は動物病院で除去してもらう事になります。その際はより安全に行う為、全身麻酔が必要となる場合がほとんどです。麻酔にはリスクがある為、なるべく重度にならないよう、日頃の歯磨きやケアをマメに行ってあげる事が大切です。
歯石もがっつり、歯周病も重度、となると抜歯をしなければいけない事もあります。愛猫に負担をかけないようにするには、飼い主さんによる歯のケアが必須です。どうしても歯のケアが難しい子の場合には、獣医師に相談してみましょう。
まとめ
たかが「歯」と思いがちですが、人間と同様、猫も歯磨きはとても大切です。我が家でも1匹はペーストを付けると大人しくブラッシングさせてくれますが、もう1匹は歯ブラシを使うのが難しいので、ウェットティッシュ+ペーストで行っています。歯ブラシも慣れさせようと何度か挑戦しているのですが、嫌がって体をよじり、歯ブラシで歯茎を傷つけてしまった事もありました。その為、今はウェッティー専門です。
愛猫と過ごす時間をなるべく長く、そして健康でいて貰う為にも、歯磨きは努力したいポイントではあります。愛猫を膝に乗せて行う歯磨きはスキンシップも取れるので、個人的には中々幸せな時間だな、と思います♡