スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールド最大の特徴といえば、やはり折り畳まれた耳が挙げられます。耳の折れ方にも個性があり、ゆるい1つ折りを「シングルフォールド」、ぴったりとした1つ折りを「ダブルフォールド」、三重の折り目がついたものを「トリプルフォールド」と呼びます。
また、まん丸な顔立ちとつぶらな瞳もスコティッシュフォールドの特徴の一つですね。まるでぬいぐるみのようなかわいい姿を持つスコティッシュフォールドは、数ある猫種のなかでも長年絶大な人気を誇り続けており、腰が抜けたような独特な座り方をすることから「スコ座り」という言葉も誕生しています。
スコティッシュフォールドの外見的特徴
スコティッシュフォールドの外見的特徴といえばやはり耳。しかし、全てのスコティッシュフォールドの耳が折り畳まれているわけではありません。
「フクロウ」「帽子をかぶっている」などの別名を持ち、折れ耳が独特で可愛い猫種として知られるスコティッシュフォールドですが、交配において折れ耳の個体が生まれる確率は約30%と言われることもあり、決して確立された外見的特徴ではないのです。
被毛については短毛、長毛が存在し、確立された外見的特徴としては丸顔や丸い瞳、意外にもがっしりとした体格などが挙げられます。
スコティッシュフォールドの大きさ
スコティッシュフォールドはがっしりとした骨格を持つセミコビータイプに分類されます。体高は約24cm~27cm、体長は約60cm程度でメスに比べてオスの方がやや大きくなる傾向にあります。
スコティッシュフォールドの年齢別の特徴
年齢 | 人間の年齢 | 特徴 |
---|---|---|
生後10日 | 生後1ヵ月 | まだ目が開いていない |
生後2週間 | 生後6ヵ月 | 目が開く 耳が曲がり始める |
生後1ヵ月 | 1歳 | 歩き出す 乳歯が生え始める |
生後2ヵ月 | 3歳 | 離乳が終わる |
生後3ヵ月 | 5歳 | 動きが活発になる |
生後6ヵ月 | 10歳 | 発情期を迎える |
生後7ヵ月 | 12歳 | 永久歯が生え始める |
1歳 | 15歳 | 成長が止まる |
2歳 | 24歳 | 少年期 発情期がさかんになる |
5歳 | 36歳 | 歯の先端が丸みがかる |
6歳 | 40歳 | 白髪が出てくる |
7歳 | 44歳 | シニア期 肥満に注意 |
9歳 | 52歳 | 老猫となる |
10歳 | 56歳 | 歯が抜け始める |
12歳 | 64歳 | 病気にかかりやすくなる |
14歳 | 72歳 | 白内障などが出てくる |
16歳 | 80歳 | 痴呆症が出てくる |
スコティッシュフォールドの年齢別特徴は個体の体質や生活環境などによっても異なるため上記のリストはあくまでも目安としてご覧ください。スコティッシュフォールドは、生後3年で人間でいう15歳~18歳頃を迎え、その後は1年に4歳ずつ歳を重ねていきます。
生まれたばかりのスコティッシュフォールドはみんな立ち耳です。生後2週間~3週間頃から耳が徐々に折れ曲がっていきます。生後6ヶ月~7ヶ月頃に成熟を迎える個体が多く、9ヶ月頃になるとほぼ成猫と同じ大きさになります。
2歳~6歳は「成猫期」、人間でいう「青年期~中年期」にあたり、7歳でシニア期を迎えますが、近年完全室内飼いの猫の平均寿命は大幅に伸びていますので健康管理をしっかり行うことで愛猫に長生きしてもらえるようサポートしたいですね。
スコティッシュフォールドの場合、生後4ヶ月~6ヶ月頃に関節異常を特徴とする先天性疾患による症状が発現することがあるため、歩き方や仕草に異変を感じた場合はすぐに動物病院を受診してください。
また、青年期には肥満に十分な注意が必要です。平均体重やBCS(ボディコンディションスコア)などと照らし合わせながら理想体型の維持を心がけましょう。
スコティッシュフォールドの子猫の体重推移
スコティッシュフォールドは意外と筋肉質でがっしりとした体型をしており、平均体重に関してもメスで3kg~4kg、オスで4kg~6kgとかなり幅があるため、体格などを参考に個体自身の適正体重を把握しておくことが重要です。
もちろん肥満には注意しなければなりませんが、生後間もない頃から体格が安定してくる9ヶ月頃までは少々食べ過ぎることよりも、食べないことや痩せ過ぎることの方が心配です。
特に生後5ヶ月頃までは1日に15gずつ、1ヶ月にすると2倍、3倍と体重が増加することも自然であるため、子猫期には体重変動についてもかかりつけの動物病院で相談しておくと安心ですね。
スコティッシュフォールドの性格
- 穏やか
- おとなしい
- 甘えん坊
- 友好的
- 賢い
- 従順
- マイペース
スコティッシュフォールドは穏やかで愛情深く、甘えん坊な性格をしています。のんびり屋さんでおとなしい個体も多く、飼い主に対しても従順。
このような性格の特徴から家庭的な猫種と表現されることもあります。高い順応力も持ち合わせているため、他の猫や動物、子供に対してもフレンドリーに接することができます。
ただ、常に飼い主さんや家族に寄り添いたい気持ちが強い個体の場合、長時間の留守番によって強いストレスを感じてしまうことも少なくありません。
そのようなストレスから本来穏やかなスコティッシュフォールドが凶暴化するケースもありますので、個体の性格をしっかりと理解して上手く向き合うことが大切になります。
性別による性格の違い
スコティッシュフォールドは性別によって性格に違いがあるとされています。もちろん個体それぞれに個性があるため一概には言えませんが、一般的に以下のような傾向があるようです。
オスの性格
スコティッシュフォールドのオスは活発でわんぱく、非常に甘えん坊な個体が多いと言われています。オスの性格は去勢手術が大きく関わってくることも挙げられ、去勢済のオスの方が年齢に関係なく甘えん坊のやんちゃっ子というイメージの性格であることが多いようです。
メスの性格
スコティッシュフォールドのメスはオスに比べてクールで猫らしいと言える性格をしていることが多いようです。所謂「ツンデレ」といったところでしょうか。メスの場合は不妊手術の有無に関わらず、マイペースであっさりした性格の個体が多いと言われています。
スコティッシュフォールドの性格がわかる動画
スコティッシュフォールドの毛色と毛種
スコティッシュフォールドは短毛、長毛ともに多くの毛色やパターンが認められています。
短毛
スコティッシュフォールドの多くは短毛であり、とても滑らかで手触りの良い毛質が特徴とされています。短毛でありながらも厚みがあり、ふわふわな被毛が絡まりやすいためこまめなブラッシングが大切です。
長毛
スコティッシュフォールドには「ハイランドフォールド」「ロングヘアフォールド」の別名を持つ長毛も存在しています。
短毛同様に滑らかで柔らかい手触りの毛質と厚みがあり、首周りは少し長めでゴージャスな印象を与えます。この長毛の遺伝子は短毛に比べて劣性であることから希少性が高く、それに伴い人気、価格共に高くなる傾向にあります。
ブラウン
スコティッシュフォールドの毛色としては、ブラウン単色(ソリッド)というよりもブラウンタビー(縞模様)やブラウンタビー&ホワイトなどの個体が比較的多く見られます。一言にブラウンといってもその茶色部分の濃淡や柄などの幅は非常に広くバラエティに富んでいます。
クリーム
スコティッシュフォールドの毛色のなかでも人気が高いのがクリーム系の毛色です。最も人気が高いレッドを薄くしたような毛色でもあり、淡いクリーム色はスコティッシュフォールドの丸顔やつぶらな瞳をより愛らしく際立たせる毛色とも言えます。
全身クリーム色というよりも、クリームタビーやクリーム&ホワイトなどの毛色が比較的多く見られます。
キャリコ
スコティッシュフォールドの毛色の中でも比較的珍しく、人気が高いのが白、黒、オレンジの3色で構成されるキャリコです。
キャリコは日本で「三毛」と呼ばれる被毛のことを指しますが、スコティッシュフォールドにおいては全体的に色が淡い「ダイリュートキャリコ」が多く見られます。
ホワイト
ホワイト系の毛色を持つスコティッシュフォールドは非常に多く、特にクリームとのミックスが多く見られます。他の毛色や表情を際立たせてくれる毛色であるため、根強い人気を誇ります。
ブラック
スコティッシュフォールドのブラック系の毛色は単色はもちろん、やや薄みがかったブラックスモークやハチワレ柄などに人気が集まっています。
スコティッシュフォールドの子猫の値段・相場
ペットショップ | ブリーダー・キャッテリー | 里親 |
---|---|---|
15万円~20万円 | 15万円~30万円 | 生体価格無償 |
一般的にブリーダーやキャッテリーに比べてペットショップの方が値段が高くなる傾向にありますが、チャンピオンの両親から生まれた赤ちゃん猫である場合など、血統の関係によってはかえってブリーダーやキャッテリーでの価格の方が高くなる場合もあり、その相場の幅は6万円~35万円程にもなります。
また、里親制度を利用してスコティッシュフォールドをお迎えする場合は基本的に生体価格は無償であることが殆どです。しかし、それまでに要した検査費やワクチン費用などの一部を負担する必要がある場合も少なくありません。
価格差が生じる理由
スコティッシュフォールドの価格に差が生じる理由については、折れ耳か立ち耳か、更に耳の折れ方や短毛か長毛か、他にも性別や毛色、柄、血統、月齢などがあります。
折れ耳や長毛、オスなど人気が高い条件が揃うことで価格が40万円を超える高額になることも珍しくありません。
スコティッシュフォールドの子猫の迎え入れ方と選び方
スコティッシュフォールドの子猫をお迎えしたい時、ペットショップやブリーダー、キャッテリー、里親制度などその方法は様々です。
残念ながら子猫を繁殖、販売している業者のなかには悪徳と表現される存在もあるため、子猫を迎える際は慎重にお迎え先を選ぶ必要があります。事前にそれぞれのメリットや注意点について確認しておきましょう。
ペットショップ
ペットショップでスコティッシュフォールドの子猫をお迎えするメリットとしては、誰でも予約無しで子猫と直接会えることやすぐに自宅へ連れて帰ることができること、同時に必要な猫用品を揃えることができることです。
ただし、スコティッシュフォールドをペットショップからお迎えする際には子猫の出生元(ブリーダー)や離乳期、遺伝疾患の検査などの来歴をしっかりと確認することが大切です。この時、曖昧な返答をするような場合は健全なブリーダーの元で生まれた子猫ではない可能性もあるため注意が必要です。
ブリーダー
スコティッシュフォールドは日本国内でも非常に人気の高い猫種であるため、ブリーダーも数多く存在しています。
ブリーダーからお迎えすることのメリットとして生体価格が抑えられることが挙げられますが、最大のメリットは事前にお迎えする子猫の出生元を直接確認できることや、お迎えした後のフォローが期待できることです。
ただ、人気の品種であるが故に「悪徳ブリーダー」と呼ばれる存在が横行しているのも事実ですので、お迎えする子猫の育った環境や母猫などを見学させてもらえるブリーダーやキャッテリーを選ぶようにしましょう。
生活環境の見学を拒否したり、出生や健康状態についての質問に曖昧な返答を繰り返したりするブリーダーには注意してください。
里親
スコティッシュフォールドは、その人気の高さ故にブリーダー崩壊や安易な気持ちでの飼育によって放棄、保護されている子達がたくさん存在します。
特に立ち耳のスコティッシュフォールドが「売り物にならない」という理由で放棄されることも多く、生後2ヶ月頃の赤ちゃん兄弟が保護されていることも少なくありません。血統や耳の形などに強いこだわりがないという場合は里親制度でのお迎えを検討してみてください。
ただ、里親制度でスコティッシュフォールドを引き取る場合には猫自身が虐待などを理由に心に傷を負っている可能性も捨てきれません。また、家庭構成や勤務状況、住居確認などの個人情報の提供が必要となるケースも少なくありません。
これらは転売や虐待などを目的とした里親詐欺を防ぐために行われるものではありますが、近年里親制度の条件が厳しすぎるという声も挙がっており、お迎え先によっては「一人暮らし」「独身」などを理由にお迎えできない可能性も。事前にお迎え先の条件について確認しておくと良いですね。
スコティッシュフォールドの飼い方
環境
スコティッシュフォールドはおとなしい性格の個体も多く、その運動量はそう多くありません。そのため特段広い住居環境は必要なく、鳴き声が小さい個体も多いためマンションなどでの飼育にも向いていると言えます。
ただ、運動不足はストレスや肥満の原因にもなりますので爪とぎやベッド、遊び場などが付属した機能性の高いキャットタワーなどを用意してあげるのがおすすめです。
また、スコティッシュフォールドは骨に関わる疾患を発症しやすい猫種でもあるため、フローリングには滑り止めのマットを敷いたり、高すぎる場所に登ってしまわないように注意したりすることも大切です。
室温管理
スコティッシュフォールドは寒さや雨を防ぐためにアンダーコートとオーバーコートの2層構造のダブルコートを持ちます。そのため、寒さには比較的強いものの暑さを苦手とするため、夏場の室温管理には特に注意が必要です。
エアコンや除湿機などを利用した室温管理を心がけると同時に、猫自身が体温調節ができるよう自由に部屋を行き来できる環境が理想的です。ちなみに猫が快適と感じる室温は20度~28度、湿度は50%~60%とされています。
しつけ
スコティッシュフォールドは穏やかでおとなしく、飼い主に対しても従順な個体が多いため「犬のような猫」と表現されることもあり、しつけはそう難しくありません。ただ、愛情深さ故にお留守番を苦手とする傾向にありますので、子猫期から徐々にお留守番の練習をしておくことが大切です。
また、これはスコティッシュフォールドに限ったことではありませんが、しつけにおいて大きな声で怒鳴ったり、叩いたりすることは絶対に止めましょう。
健康管理
スコティッシュフォールドは骨の形成に異常をきたす疾患を発症しやすい猫種です。早ければ生後数週間で症状が現れ始めることもあるため、病気を早期発見するためにも日頃のボディチェックや様子の観察が重要となります。
また、肥満は骨や関節に負担を掛けるため同時に体重管理にも気を配りましょう。歩き方や仕草に異変を感じた場合はすぐに動物病院を受診してください。
スコティッシュフォールドの子猫の飼い方
スコティッシュフォールドの子猫をお迎えしたら、まずは子猫が新しい環境に慣れるのを待ちましょう。スコティッシュフォールドは学習能力や順応力に長けますが、臆病な一面を持つため必要以上に構うと逆効果になってしまう可能性もあります。
基本的に猫はトイレや爪とぎの場所を教えてあげるだけで自然と生活力を身に着けていくことができますので、失敗してしまった時にサポートするくらいの気持ちで向き合うのが良いかもしれません。
スコティッシュフォールドのお手入れ
ブラッシング
スコティッシュフォールドには短毛と長毛の2種類があります。短毛であっても1日1回~2回程度の軽いブラッシングを行うよう心がけ、長毛の場合は1日2回のブラッシングと定期的なコーミングや汚れやすい首やお尻周りのシャンプー(濡れタオルも可)やカットを行うことで被毛を清潔に保つことができます。
特に抜け毛が増える換毛期は、こまめなブラッシングを行わなければ毛球症(ヘアボール)を引き起こす可能性もあります。ブラッシングはコミュニケーションや信頼関係の構築においても重要なツールですので、子猫期から習慣づけておきましょう。
耳掃除
耳掃除はスコティッシュフォールドに限らずどの猫種でも定期的に行う必要があるお手入れですが、特に折れ耳をもつスコティッシュフォールドの場合は湿気や汚れが溜まりやすく、外耳炎などのトラブルの原因となりますので、こまめに耳の中をチェックしましょう。
猫の耳掃除は濡らしたコットンやガーゼなどで優しく耳垢を拭き取るだけでも十分ですが、汚れが気になる時は猫用のイヤークリーナーなどを利用するのもおすすめです。
歯磨き
「3歳を超える猫の80%が歯周病」と言われるほど猫の口腔内トラブルは多く見られます。スコティッシュフォールドも例外ではなく、日々の歯磨きなどの口腔内ケアは非常に重要です。ただ、口の中を触られることを嫌がる猫は多いため子猫期から慣れさせておくことが必要です。
猫用のデンタルケア用品にもシートタイプや液体タイプなど様々な種類のものが販売されているため、飼い主さんと愛猫にあったものを早めに見つけておきましょう。
スコティッシュフォールドの食事の与え方
子猫
スコティッシュフォールドの子猫の1日の給餌量はおおよそ「体重(㎏)×160kcal~240kcal」で計算されます。与えるフードによって給餌量は異なりますのでメーカーが指定する目安量を参考に1日の総給餌量を確認しましょう。
また、子猫期は1度に多くの量を食べることができないため総給餌量を3回~5回に分けて与えてください。
成長期にあたる時期に少々カロリーオーバーしてしまうことは大した問題ではありません。食べる量が少なすぎて成長に支障が生じることの方が問題なので、極端に多すぎる場合を除き「欲しがるだけ与えてもよい」と指導する獣医師も少なくありません。
また、猫は生後6ヶ月までに食べたことがあるものしか受け付けなくなる「ネオフォビア現象」というものを引き起こす可能性があります。猫の食事は年齢や体質、体調にあわせて必ず切り替えが必要になるため、生後6ヶ月までに様々なフードを食べさせておくことをおすすめします。
成猫
スコティッシュフォールドの成猫の1日の給餌量はおおよそ「体重(㎏)×80kcal」で計算されます。ただ、スコティッシュフォールドはのんびり屋さんで運動量が少ない個体が多く、太りやすいため個体の体型や体重に合わせて給餌量をコントロールする必要があります。
基本的に1歳を過ぎれば食事回数は1日2回で問題ありませんが、あまりにしつこく欲しがる場合は総給餌量は変えず小分けにして与えるのも一つの手です。
また、愛猫の体質を理解できるようになってきたらフードの選び方にも工夫をしましょう。「毛球症になりやすい」「肥満気味」「水分摂取量が少ない」など、愛猫の体質を理解した上でそれらをサポートできるフードを取り入れるのがおすすめです。
老猫
スコティッシュフォールドも年齢を重ねると更にエネルギーの消費量が減少し、食欲が低下することが珍しくありません。口腔内のトラブルや噛む力が低下することによって固い粒や大きめの粒のフードが食べにくくなったり、食への興味そのものが薄くなったりします。
現在では健康面のサポートはもちろん、嗜好性にも考慮した老猫用フードや猫用手作り食なども増えていますので、愛猫が食事を楽しめるような工夫をしましょう。
スコティッシュフォールドの飼育に必要なグッズ
トイレ
スコティッシュフォールドの飼育に必要なグッズとして猫用トイレは必ず必要となります。猫用トイレ本体にもシステムタイプや自動タイプなど様々な種類がありますので、トイレを設置する場所や猫の性格などを考慮してあったものを選びましょう。
トイレ砂
猫用トイレ砂、猫砂にいたってはおからや紙、木質ペレットなど非常にバラエティ豊かです。ただ、この猫砂に強いこだわりを持つ猫は非常に多いため少しでも気に入らないと粗相の原因になることも。そのため、まずは少量タイプから購入して試してみることをおすすめします。
ケージ
ケージに関しては生活環境によって必要性が異なる場合もありますが、特にスコティッシュフォールドは臆病な一面を持つため「安心して過ごせる場所」として設置しておくことで、来客時や万が一の事態に備えることができます。スペースに余裕があれば高さのある2階建てタイプのケージがおすすめです。
ベッド
スコティッシュフォールドはお気に入りの場所でのんびり過ごすことが多いため、猫用ベッドをいくつか設置してあげると良いですね。夏場はクールタイプ、冬場は保温タイプと取り替えるのも良いですが、最低でも1つは通年通して設置しておけるベッドを準備しましょう。
食器
食事用と水飲み用の2種類の食器を準備しましょう。スコティッシュフォールドはマズルが短いため、顔がすっぽり入るくらいの広めの食器を選びましょう。高さのあるフードボウルやフードテーブルなどを利用するのも良いですね。水飲み用は自動給水器を取り入れるのもおすすめです。
爪とぎ
猫用の爪とぎ器にも様々な形や材質のものがあります。一般的に段ボール(紙)タイプや麻縄(布)タイプなどを好む個体が多いようです。愛猫の好みを確認するためにもまずは数種類の爪とぎを購入し、部屋に複数個設置してみましょう。爪とぎの設置場所は寝床やトイレの近くがおすすめです。
キャットタワー
猫にとって欠かせない上下運動を促すためにもキャットタワーを設置しましょう。キャットタワーにも様々な種類がありますが、スコティッシュフォールドは活発に走り回るタイプではないためキャットタワーにベッドや爪とぎが付属しているものがおすすめです。
飛び降りた時に骨や関節に負担が掛からないよう、キャットタワーの下にはクッション性のあるマットなどを敷いておくと安心です。
スコティッシュフォールドの飼育に必要な費用
初期費用
猫の購入費 (生体費用) |
ワクチン接種費 | ノミダニ予防費 | 健康診断費 | 不妊手術費 | 日用品購入費 |
---|---|---|---|---|---|
10万円~20万円 | 10,000円 | 1,500円 | 5,000円~10,000円 | 15,000円~30,000円 | 50,000円前後 |
猫のお迎えに必要な費用はそのお迎えの方法によっても異なりますが、向こう数ヶ月でワクチン接種やノミダニ予防、健康診断、不妊手術などの医療費で5万円前後の費用、更に前述した猫の生活用品の準備で30,000円~50,000円、生体費用を考慮すると約20万円以上の費用が必要になります。
スコティッシュフォールドを生体費用が不要な里親制度でお迎えした場合であっても感染症検査などを含めると10万円以上の費用が必要となり、いずれにしても決して安いものではありません。
毎年かかる費用
ワクチン接種費 | 健康診断費 | ノミダニ予防費 | 食費 | 保険料 | 雑費 | 生涯でかかる費用 |
---|---|---|---|---|---|---|
5,000円~10,000円/1年 | 5,000円~10,000円/1年 | 800円~1,600円/1ヶ月 | 3,000円~6,000円/1ヶ月 | 500円~3,000円/1ヶ月 | 1,500円~3,000/1ヶ月 | 100万円~150万円程度 |
年に1度のワクチン接種、健康診断はお迎えから一生必要になるものです。ワクチン接種の頻度については近年意見の分かれるところではありますが、年に1度の接種を推奨する獣医師は少なくありません。
また、ノミダニ駆除薬の投与は基本的に毎月必要になりますし、日用品購入費にいたってはフード、おやつ、トイレ砂、おもちゃ、お手入れグッズ…と挙げだせばキリがありません。
一般的に猫の食費は1ヶ月で3,000円~6,000円程度とされており、その他の雑費や医療費を含めると年間で10万円近くの費用が必要ということになります。
更に年齢を重ねていくと健康診断は年に2回が望ましく、病気を患えば高額な医療費が必要になることも考えられます。猫の一生に責任を持つということは、それだけの費用が掛かるということも覚悟しておきましょう。
スコティッシュフォールドがかかりやすい病気
スコティッシュフォールドの平均寿命は10年~13年とされており、他の猫種と比べると少し短い傾向にあります。「病弱」と表現されることもあるスコティッシュフォールドですが、1日でも健康に長生きしてもらうためにかかりやすい病気や遺伝性疾患について確認しておきましょう。
遺伝性骨軟骨異形成
スコティッシュフォールドの代表的な病気と言えるのが骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)と呼ばれる遺伝性疾患です。骨軟骨異形成症とは、骨や軟骨が正常に形成されないことで関節に痛みが生じ、運動能力に支障をきたす状態を指します。
スコティッシュフォールドの特徴である折れ耳はこの骨軟骨異形成によって生じたものであり、耳だけではなく、四肢の関節など他の部分に障害を及ぼす可能性もあるのです。
このスコティッシュフォールドにおける骨軟骨異形成症の原因は遺伝性のものであり、両親から1本でも耳折れ疾患遺伝子を受け継ぐと発症する「優性遺伝」でありながら、その確率は100%ではないため「不完全優性遺伝」と呼ばれています。
症状は歩くのを嫌がる、関節を伸ばせない、しっぽの付け根の硬直、手足の先が変形するなどが挙げられます。
骨軟骨異形成症の根本的な治療法は存在していません。鎮痛剤の投与や放射線治療などの方法がありますが、いずれも痛みの緩和を目的とした対症治療です。スコティッシュフォールドの特徴として挙げられる「スコ座り」も、猫自身編み出した手足の負担を軽減させるための緩和ケアであると言われています。
外耳炎
猫の外耳炎(がいじえん)とは、音の通り道である外耳道(がいじどう)と呼ばれる部分に炎症が生じた状態のことを言います。外耳炎は寄生虫やアレルギーを原因とする場合もありますが、耳掃除不足や汚れが溜まりやすい折れ耳によって常駐菌が過剰に増殖し、炎症を引き起こすこともあります。症状はニオイの強い耳垢や頭を振る、耳を執拗に掻くなどです。
肥大型心筋症
スコティッシュフォールド特有の病気ではありませんが、肥大型心筋症(ひだいがたしんきんしょう)も発症しやすいとされる病気の一つです。肥大型心筋症とは心臓の筋肉が分厚くなり、心室(左心室)が狭くなることで血液の流れが滞り、全身に影響を及ぼします。
初期症状は殆どなく、目に見える症状が現れた時点でかなり進行していると考えられます。症状が進行すると呼吸困難や足の麻痺、歩き方の異変などが現れます。
治療方法については根治方法は存在せず、今ある症状を緩和させるための対症治療が用いられます。肥大型心筋症は突然死を引き起こす可能性もある病気です。早期発見、早期治療が要となりますので定期的な健康診断を心がけましょう。
スコティッシュフォールドを飼っている有名人
ヒカキン
名前:まるお、もふこ
色:レッド
石田ゆり子
- 名前 :はっち、みっつ
- 色 :レッド
つるの剛士
- 名前 :チャコ、ユメコ
- 色 :レッド、グレー
小嶋陽菜(こじはる)
- 名前 :けむしちゃん
- 色 :シルバー×グレー
スコティッシュフォールドの歴史
スコティッシュフォールドの起源はイギリス・スコットランドで1961年に発見された「スージー」という1匹の白い猫にあります。スージーは折れ曲がった耳を持ち、ロス夫妻の手によって交配されたスージーの子供たちも折れ耳を持っていたといいます。この折れ耳が遺伝性であることに気づいた夫婦は、折れ耳猫の繁殖を始めることにしました。
1966年にはイギリスの猫種血統登録団体GCCFに登録し、スージーの子供にあたる白いメス猫を土台に本格的に繁殖を行っていましたが、骨格や聴力への異常が頻発したことが問題となり、1971年に猫種の登録、繁殖の中止を下されることになります。
イギリスでの繁殖が中止になって以降、アメリカへと輸出され繁殖が続けられました。長年の研究により、ブリティッシュショートヘア、アメリカンショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配によってスコティッシュフォールドの個性を維持し、尚且遺伝性疾患のリスクの軽減が可能になると結論づけられます。
当初はスコティッシュフォールドの折れ耳をロップイヤーラビット(垂れ耳うさぎ)に例え「ラップ」と呼ばれていましたが、後に英語で「折りたたまれた」という意味を持つ「fold(フォールド)」に変更されています。
そして1970年代後半になってCFA(アメリカ猫愛好家協会)に公認されることとなりました。しかし、スコティッシュフォールドの折れ耳に関して「骨軟骨異形成症を品種として認めるわけにはいかない」という観点からGCCFやFIFeなどでは未だに未公認、更にICCはスコティッシュフォールドの繁殖の残酷さを訴え続けています。
スコティッシュフォールドの繁殖禁止を定めている国もあるほどで、近年では日本国内でも「痛みに耐えながら生きていくのはかわいそう」と、繁殖に反対する意見が増加しつつあります。
スコティッシュフォールドに似た猫の種類
スコティッシュストレート
スコティッシュストレートは、世界最大の猫血統登録機関TICAが立ち耳のスコティッシュフォールドを独立した一つの猫種として扱い、スタンダードを定めているものです。
とは言っても、立ち耳であってもスコティッシュフォールドとして扱われることも多く、ルーツは同じであるため耳以外の部分に違いはありません。
ブリティッシュショートヘア
ブリティッシュショートヘアはイギリスを原産国とする猫種であり、イギリス最古の猫としても知られています。体型は大型のセミコビータイプでがっしりとした体格に丸い頭、顔、瞳、短めのマズルが特徴です。
ブリティッシュショートヘアはスコティッシュフォールドの交配にも用いられた猫種でもあり、全体的に丸みを帯びたがっしりとした体格がよく似ています。
アメリカン・ショートヘア
アメリカンショートヘアはアメリカ原産の猫種であり、前述したブリティッシュショートヘアを直系先祖とします。体型は中型のセミコビータイプ、がっしりとした脚を持ち、顔立ちはスクエア型で短毛ながら硬い被毛を持ちます。
日本国内で一般的なシルバークラシックタビー(シルバーにブラックの渦模様)を受け継ぐスコティッシュフォールドも多く見られます。
スコティッシュフォールドのかわいい画像
スコティッシュフォールドの子猫の画像
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30代 女性 ひなた
可愛くて写真を撮りたくなります!穏やかな性格ですので、とても飼いやすいですよ。
耳がペタンとしているので、気が弱そうに感じますが猫同士が喧嘩をするとスコティッシュフォールドが勝ちます。うちの雑種の猫ちゃんはすぐに負けてしまいます。あとは、キャットタワーが好きですので、設置をしてあげたいですよね。運動にもなりますので、お薦めです!
耳が垂れている分、蒸れやすく外耳炎になりやすいので、耳をこまめに拭いてあげましょう。