マンチカンがかかりやすい病気5つ
- ①椎間板ヘルニア
- ②毛球症(長毛の場合)
- ③外耳炎
- ④漏斗胸
- ⑤変形性関節症
短足のマンチカンは、犬のダックスフンドのように腰に負担がかかりやすい猫だと言われています。特にスコティッシュフォールドと掛け合わせがされた折れ耳・垂れ耳のマンチカンは、関節や骨、内蔵などに異常がある事が多いようです。短足な上、耳が折れているマンチカンはとても愛らしいのですが、病気には気をつけてあげなくてはいけません。
実はマンチカンは元々は病気にかかりやすい猫ではなく、健全に交配して良い環境で育てれば遺伝的疾患がなく、健康なマンチカンが育ちます。昨今のマンチカン人気から、利益を得ようと無理な交配をしてきた悪徳ブリーダー達が広めたマンチカンが遺伝的な病気を持っていたり体が弱かったりした事から、もしかすると「マンチカンは病気になりやすい」というイメージがついてしまったのかもしれません。マンチカンを購入する際には信頼のおけるペットショップやブリーダーから購入される事をおすすめします。
それでは、マンチカンが比較的かかりやすいと考えられている各病気を見ていきましょう。
マンチカンがかかりやすい病気「椎間板ヘルニア」
マンチカンは短足な事から、腰に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアなどの脊椎の病気になりやすいと言われます。ですが、これには賛否両論あり、世界的な猫の登録団体のTICAは脊椎の病気になりやすいということは否定しています。
椎間板ヘルニアはわんちゃんでは、「軟骨異栄養犬種」と呼ばれる犬種がなりやすいとされており、さらに肥満などで腰に負担がかかり起こりやすくなりますが、マンチカンがなりやすいか否かは別にしても肥満は様々な病気の元となりますので、気をつけてあげましょう。
治療法
万が一マンチカンが椎間板ヘルニアになってしまった場合ですが、軽度の時は薬の投与やサプリなどの投与を行ったり、場合によっては体重管理をおこなったりします。重度の場合は手術によりヘルニア部分の切除を行ないます。
予防法
まずは「マンチカンの肥満」に気をつける事が1番でしょう。その他にも腰に負担がかかりそうな上下運動やあまりに高い所から飛び降りるなどは避けた方が良いかもしれません。
マンチカンがかかりやすい病気「毛球症(長毛の場合)」
マンチカンは「短毛種」と「長毛種」が存在します。長毛種の場合はお腹に飲み込んだ毛が溜まってしまい、胃や腸に詰まって便秘や嘔吐に繋がります。酷くなると腸閉塞になり命に関わります。
- 体調が悪く元気がない
- 食欲不振
- 便秘
- 下痢
- 嘔吐
- 吐き気
- お腹を触られるのを嫌がる
などの症状が見られたら、毛球症かもしれません。早急に動物病院に連れて行きましょう。毛球症は短毛種ではかかりにくい病気です。
治療法
マンチカンが毛球症になった際の症状が軽度であれば、「毛球除去剤」を与えて、毛を排出するように促します。動物病院での治療の価格は3,000円程度です。毛球除去剤でも毛が排出されない場合は重度の可能性があります。
毛が消化管を完全に塞いでいるような場合には、開腹手術を行ない、直接毛玉を取り出します。手術や入院代など諸々かかっての価格は、病院さんによりますが20万円程度のようです。
予防法
マンチカン含め、猫は毛繕いが大好きです。暇さえあればペロペロと体を舐めて綺麗にしています。この時に抜け毛が多いと飲み込んで体に蓄積してしまいますので、なるべく抜け毛を減らすためにもまめにブラッシングをしてあげましょう。なるべく小さな頃から慣れさせる事が必要です。
また、毛球症対策のフードも使ってみると良いでしょう。このようなフードには食物繊維を多く含んでおり、排出を促進してくれます。ドライタイプとウェットタイプ両方が販売されています。猫草も毛の排出には一役買ってくれることでしょう。食べ物には好みがありますので、愛マンチカンの好みに合った食べ物を与えてあげてくださいね。
マンチカンがかかりやすい病気「外耳炎」
特に、スコティッシュフォールドと掛け合わされた折れ耳・垂れ耳のマンチカンに多いです。折れ耳・垂れ耳は湿気がこもりやすく、まめに掃除をしてあげないと外耳道(耳の飛び出している部分とその奥の耳の穴)に炎症が起きる可能性があります。
治療法
外耳炎の原因にはダニ・アレルギー・異物・菌の感染・耳掃除不足など、様々な原因があり、その原因により治療法が異なります。ノダニなどの場合は洗浄剤などで耳の中を綺麗にし、ダニを殺すような薬の投与を行ないます。アレルギーの場合はアレルゲンを取り除く事です。
異物は耳垢や被毛、植物の種など簡単に取れるものから、腫瘍などの手術が必要なものもあります。菌の感染にはまず原因菌を突き止め、薬の投与を行ないます。耳掃除不足で不潔にしている場合も外耳炎の原因となります。
かと言ってやり過ぎも良くありません。正しいケアの方法で愛マンチカンの耳を清潔に保ってあげてください。動物病院での治療の価格は、病院さんによりますが大体1回2,000~4,000円程度のようですが、完治までに何度か通院が必要になる事があります。
予防法
予防法としては、ダニの場合は感染しそうな草むらや感染している動物に近寄らないようにする事です。アレルギーに関しては予防法はありませんが、一度アレルギーを起こしたら、それ以降はアレルゲンを取り除く事で起きないようにする事は出来ます。いずれにせよマメな正しい耳のお手入れが外耳炎を防ぐ手段でしょう。マメにお手入れをすれば耳の異常にも気がつきやすいはずです。
マンチカンがかかりやすい病気「漏斗胸」
漏斗胸とは、先天的に肋骨の一部がへこんでいる病気です。軽度の場合はそのままでも通常の生活を送れますが、重度の場合は陥没した肋骨が心臓や肺などを圧迫することで呼吸困難を起こす事があり、命に関わることもあります。
治療法
漏斗胸はひどい場合は生後3ヶ月位までに手術を行う事で治療することが出来ます。骨が柔らかい子猫のうちにへこんでいる肋骨を糸や針金で引っぱり、ギブスで固定します。こうする事で治ったケースもあるそうです。生後3ヶ月を過ぎてしまうと骨が固まってくるのでこの方法は使えなくなります。
予防法
先天的なものなので、予防する方法はありません。強いて言うならば、遺伝的にこの病気を持っていない親猫から産まれた子を購入する、という事でしょうか。良心的なブリーダーなどでしたら販売時にこの病気があることを伝えてくれるでしょう。また、心配であれば親猫がこの病気を持っている可能性はないかを確認すると良いでしょう。
マンチカンがかかりやすい病気「変形性関節症」
変形性関節症とは、関節に炎症が生じた状態です。「骨関節炎」とも言われています。マンチカンが短足なのは、骨軟骨形成異常という遺伝的疾患の為、という意見があります。
骨軟骨形成異常とは遺伝子の働きにより骨が充分成長しない病気の事で、手足が短い場合はこれに当たると考えられています。マンチカンの短足は「異常ではない」と言う意見と「遺伝的疾患である」という意見があり、猫の登録団体でも見解が分かれています。この骨軟骨形成異常は変形性関節症の悪化原因の一つとしても考えられていますので、変形性関節症を併発しやすいようです。
治療法
変形性関節症は肥満・過度の運動・加齢・捻挫・靭帯断裂・膝膝蓋骨脱臼などが悪化要因ともなります。これらの原因がはっきりしている場合はその原因となっている事をまず治療する事で症状を改善します。
原因が分からない場合は症状の軽減を図るため、鎮痛薬や抗炎症薬、サプリメントの投与を行ないます。海外では「幹細胞療法」と言われるマンチカンから培養した幹細胞を患部に注入することで変形を治す治療例もあるようです。日本ではまだあまり普及していないのですが、これから有効な治療法として広がっていくかもしれません。
予防法
変形性関節症の悪化要因の一つとなっている骨軟骨形成異常は遺伝性疾患なので防ぐ手だてはありませんが、親猫がこの病気を持っていないか確認する事が大事です。その他、肥満や過度の運動・捻挫・骨折などは飼い主が気をつけて予防する事が出来ますので、日頃から注意してあげてください。
まとめ
マンチカンの病気は、人間が無理な繁殖によって作り出している部分も否定出来ません。悪徳ブリーダーからは購入しないように、身元や繁殖方法が明確に分かるマンチカンを購入するように心がけるのが、無理な繁殖を防ぐ一番の方法ではないでしょうか?
悪徳ブリーダーが出現するのも、購入者が人気がある猫種だからと言ってむやみやたらに求める事にも原因はあるでしょう。可哀想なマンチカンを増やさないために自分が出来る事を考えていきたいですね。
女性 Keiko
女性 ひなまま
その可愛さゆえに、椎間板ヘルニアにはかかりやすいとよく聞きます。それ以外にも毛球症(長毛の場合)や、外耳炎、漏斗胸、変形性関節症にもかかりやすいと書かれていますが、実際に私の友人が飼育しているマンチカンは、若くして椎間板ヘルニアと外耳炎にかかっています。
外耳炎のほうは、1週間の薬代が6000円かかっているようで、とても大変だと聞きました。それでも大切な愛猫の為、出費は惜しめませんよね。このような話を聞いて、やはり猫にもペット保険は必要だと感じました。
マンチカンの病気の中でも、漏斗胸は初めて聞いたので、友人にも知らせておこうと思います。
40代 女性 ここね
毎月獣医さんに診ていただき、洗浄とお薬を塗っていただく処置をしていただいていました。
その頃、保険に入ったので毎回の治療費が安価ですんでいたので、回数つれていってあげることができました。それも、たいせつな点ですよね。
季節の変わり目だけ外耳炎がひどくなりますが、普段は安定していました。
30代 女性 みきこ
獣医師の懸命な治療の成果で半年かかりましたが元気になりました!ご飯を食べることが苦痛だったようで離乳食のような状態のご飯を食べることから始まったリハビリでした。
すこしずつ、食べるようになり固形食に変わる頃には運動量が増えていました。なので、すんなりと、規定量を食べてくれて心から安心しました!ちょっとした、手術だったのにヒヤヒヤすることになり焦りましたが、無事に乗り越えられて良かったです。