子猫の歯磨きはいつから必要?
子猫の歯磨きが必要な理由
「まだ子猫の時期だし、歯が綺麗だから歯磨きしなくてもいい」と思われがちですが、いざ成猫になった時に歯磨きをしようと思っていても嫌がりさせてくれません。
私たちは小さい頃から毎日歯磨きをしているからこそ、習慣づけています。しかし子猫の時に何もせず大人になってしまうと、なかなか慣れてくれるまでに時間がかかってしまったり、大きなストレスとなってしまいます。
爪切りやブラッシングと同様に歯磨きも慣れさせていくためにも子猫のうちから始めていくことが大切です。特に子猫は成長期とともに社会性を学ぶ大事な時期でもあります。
子猫の時期に多くの人や動物と触れ合うことも大事ですが、子猫にはしつけの一環として歯磨きトレーニングをおこないましょう。
子猫の歯磨きは7ヶ月からが理想
子猫も私たちと同様に成長とともに乳歯から永久歯に生え変わります。ほとんどが抜けた乳歯をそのまま飲み込んでしまうため、永久歯に生え変わっていることに全然気付かないことが多いです。
個体差によりますが、子猫はおよそ生後3〜6ヶ月頃で乳歯から永久歯に生え変わり、7ヶ月頃には永久歯が完全に生え変わり体の成長期も終わる時期です。
基本的に歯磨きなど、子猫にとって初めてされることに対して大半の子は嫌がったり、口すら触らせてくれなくなってしまうこともあります。
そのため子猫に乳歯がちゃんんと生え変わる生後7ヶ月頃を目安に歯磨きの習慣を身につけてあげましょう。あくまでも目安であり早い時期に越したことはないため、早いうちから口や歯を触り徐々に慣れさせてあげるとよいです。
子猫の歯磨きをする頻度
猫は歯のトラブルがおきやすく、およそ3歳以上の約80%が歯周病を引き起こしているといわれています。
人と違い猫は虫歯になりにくいですがその分、歯垢から歯石に変わるスピードが早いため歯周病になりやすく、口臭がひどくなったり歯肉が赤く腫れて出血し激しい痛みを伴います。
歯周病を防ぐためは歯磨きが必要になりますが、人と同様に猫も毎日ご飯を食べているので、子猫のうちから1日1回の歯磨きが理想です。
しかし子猫に毎日歯磨きさせることが難しかったり、なかなか慣れてくれない場合は週2〜3回でも効果がありますので、慣れさせるためにも少しずつ合間みて歯磨きしてあげましょう。
子猫の歯磨きのやり方
子猫のうちから歯磨きをするにあたって、1番大切なことは飼い主さんとの信頼関係です。
猫をはじめ、動物たちは口周りを触られることを嫌います。健康のためにも必要なケアである歯磨きですが、嫌がっているにも関わらず追いかけ回して無理矢理おこなってしまうと返って飼い主さんとの信頼関係を失ってしまう恐れがあります。
また猫は我慢することが苦手だったり、その日の機嫌によって態度も変わってくるので猫の様子や機嫌をみながら、少しずつコツコツ続けていくことが大事になります。
子猫の歯磨きの正しい手順
歯周病を引き起こす原因である歯垢を除去するためには歯ブラシによる歯磨きの方法が理想ですが、いきなり歯ブラシを使ってしまうと当然の如く猫は抵抗し嫌がってしまいます。
そのため、歯ブラシによる歯磨きに慣れさせるように少しずつステップを踏みながらおこなうことです。
(1)まずは口周りに触られることに慣れさせる
まず第一に子猫が口周りを触られることに慣れさせることが重要です。頭を撫でた時に口元に軽くタッチをし、上手く触られることができたらご褒美をあげるとよいです。
だんだん子猫の口元に触る時間を少しずつ長くし、触られることに慣らしておきましょう。
(2)ガーゼを使って軽く歯の表面にタッチしてみる
子猫が口周りに触られることに慣れてきたらガーゼを指に巻き、猫の唇を軽くめくり歯の表面に軽くタッチしてみます。
この時にガーゼに味が付いている歯磨きジェルや、缶詰の汁を使ってあげるとやり易くなります。最近では歯磨きジェルの味にバリエーションが多くなってきているので、子猫が好きな味を見つけてあげるとよいです。
最初は子猫の切歯(前歯)からはじめてみて、慣れてきたら徐々に犬歯・臼歯という順番におこないましょう。
(3)歯ブラシを使ってチャレンジ
そして最終段階である歯ブラシを使って歯磨きをしてみます。子猫の歯はとても小さいので、ブラシのヘッドが小さく柔らかい歯ブラシを選びます。
しかし、いきなり子猫の口の中に歯ブラシを入れてしまうと恐がって嫌がってしまうため、まずは歯ブラシが恐くないものと認識させるためにブラシのヘッドを使って子猫の額などにブラッシングすることからはじめます。
歯ブラシに対して恐がる様子がなくなったらブラシに歯磨きジェルや缶詰の汁などをつけて、子猫の口元に運び、舐める程度にいます。
この仕方を何度かおこないながら、ガーゼを使った時と同じように子猫の切歯に軽くタッチすることからはじめ、少しずつ犬歯・臼歯という順に奧までおこないます。
最初的には子猫の歯に付着している歯垢を取り除いてあげることが大事なので、ブラシが歯に当たる角度を45度程にして歯と歯茎の隙間である歯周ポケットに溜まっている歯垢を取り除きましょう。
子猫が歯磨きを嫌がるときは
なかなか歯磨きに慣れてくれなかったり、どうしても嫌がってしまう場合は歯磨き自体をお休みさせてあげる選択も必要です。子猫のうちから歯磨きをするにあたって、1番大切なことは飼い主さんとの信頼関係です。
猫をはじめ、動物たちは口周りを触られることを嫌います。健康のためにも必要なケアである歯磨きですが、嫌がっているにも関わらず追いかけ回して無理矢理おこなってしまうと返って飼い主さんとの信頼関係を失ってしまう恐れがあるからです。
また、ガーゼや専用のデンタルシートを使って歯磨きするだけでもある程度の歯垢や歯の汚れが取り除くことができます。子猫が嫌がらずに出来る範囲のことを中心におこないましょう。
子猫の歯磨きに使えるおすすめの道具
歯磨き専用のおやつ・ガム
歯磨き専用のおやつがあり、しつけの一環としても褒めたタイミングに歯磨き専用のおやつを手から与えることで、口周りや歯に触られることに慣れてくれたり、噛み砕くことで歯に付着している汚れや歯垢を取ることができます。
また歯磨きガムも子猫の負担が少なく、歯に付着している汚れを取ってくれるので歯石になりにくく口臭予防にも効果が期待されています。しかし歯磨きガムは犬用だと大きくて硬く、元々犬と猫の骨格自体が違うため、小さく脆い子猫の歯が折れてしまう恐れがありますので必ず猫用の歯磨きガムを選びましょう。
歯磨きシート
歯磨きシートを指に巻いて子猫の歯を磨くことでも、シートの表面がザラザラとなっているため、ある程度の歯の汚れを取り除くことができ歯磨きの効果があります。
歯磨きシートやガーゼに慣れてきたら指サック式ブラシやブラシタイプを試して使ってみます。子猫の歯茎や口腔内粘膜を傷つけないようにブラシのヘッドが柔らかいものが好ましく、猫用歯ブラシを使うのをオススメします。
また赤ちゃん用の歯ブラシもヘッドが小さくブラシも柔らかいため、代用として使われることがありますが、通常の大人用の歯ブラシはヘッドが大きくて硬いため、使わないようにしましょう。
オモチャ
歯磨きをさせたいけれど、ガーゼや歯磨きシートを使っても嫌がってしまって出来ないことがあるかと思います。最近では歯磨きを目的としたオモチャがあり、噛んで遊ばせることで歯に付いた汚れを取ることができます。
子猫の歯磨き動画
歯磨きされるねこ
綿棒を使いながら歯磨きに慣れさせる奮闘中の動画です。途中、アメオちゃんが嫌になりそっぽ向いてしまいますが、オヤツを与える作戦で歯磨きを頑張っているところが可愛らしいですね。
アメオちゃんの機嫌を伺いながら、オヤツを使って「歯磨き=いい事がある」と覚えさせているところが猫の気持ちを考えておこなっておりよかったです。
起こった猫に!?〜1分間歯磨きチャレンジ〜
実際に歯ブラシを使って歯磨きを仕方を教えている動画になります。猫に好ましいブラシの選び方のポイントや歯磨きさせる時の猫の保定の仕方などを分かりやすいように解説してくれています。
獣医さんがレクチャーしているのですが、猫のウッキーちゃんの機嫌があまり良くなく、途中嫌がってしまう場面がありますが、ウッキーちゃんのペースに合わせながら的確な顔の保定をしつつ、素早く歯を磨いているところが身につけたいスキルですね。
まとめ
猫は歯周病になりやすく、進行すると歯茎が赤く腫れて出血し、激しい痛みを伴います。歯のトラブルを防ぐ唯一の方法が歯磨きしかありません。
しかし大人になってからだと嫌がって抵抗したり、飼い主さんとの信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。そのため子猫のうちから歯磨きをおこない慣れさせていくことが大切です。
最初のうちは口周りに触られることからはじめ、徐々に綿棒やガーゼを指で巻いて磨いてみるなど、段階を踏みながらおこないましょう。性格にもよりますが、なかなか歯磨きに慣れてくれず嫌がってしまう子もいます。
無理におこなってしまうと、更に飼い主さんとの信頼関係がなくなってしまうため、出来る事から少しずつコツコツ積み重ねていくことが大切です。
最近では歯磨き専用のおやつやガム、オモチャなど歯磨きを目的としたアイテムがありますので、それらも上手く使って活用してください。