猫を室内飼いするメリットとデメリットは?必要な準備も解説

猫を室内飼いするメリットとデメリットは?必要な準備も解説

猫を室内で飼っている人は近年では多くなってきました。 自由に外に行き来できる放し飼いは様々な危険があり、室内飼いの方が安全だからです。 ですが、室内飼いには良い点もあれば悪い点もあります。 「猫を室内で飼いたい」と考えている場合、まず飼い主さんが室内飼いの特徴を知っておきましょう。 そこで今回は、猫の室内飼いのメリットやデメリットを紹介し、室内飼いをする際に必要な準備などもお伝えしていきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫を室内飼いするメリット

家でくつろぐ猫

外よりも危険が少ない

室内飼いのメリットの1つは、外よりも危険が少ないことです。外に自由に行き来できる放し飼いは、刺激的な環境なので良いこともありますが、外は車が多いため、交通事故に遭う危険性があります。
実際に、外に行き来できる猫で最も多い死因は交通事故と言われています。

また、猫はその習性から、鳥やねずみなどの獲物を追いかけて車道に飛び出してしまったり、車などの前に飛び出した時、驚いて固まっったりして、事故に遭ってしまうことが多いようです。

他にも、猫は車のボンネットの上やタイヤの間などでも寝ることがありますが、突然車が動き出すと驚いて飛び出してしまうこともあります。

そのため、車との事故という点でも、外は常に危険と隣り合わせです。

感染症などの病気になりづらい

猫を放し飼いにすると、ノミやダニなどが寄生する可能性があります。 ノミやダニは皮膚病の原因にもなり、人間にもうつる可能性があります。

また、猫には縄張りがあるため、縄張りをめぐって他の猫とケンカになる場合があります。 ケンカで怪我をする可能性も十分に考えられ、もしケンカした相手が病気を持っていた場合、病気をもらう危険性もあります。

縄張り争い以外にも、メス猫を奪い合うケンカや、交尾によって病気が感染することも考えられます。猫同士のケンカによって感染する可能性があるウイルスにFIV(いわゆる、猫エイズウイルス。Feline Immunodeficiency Virus、猫免疫不全ウイルス)がありますが、もし猫エイズウイルスに感染してしまうと、治療法は今のところなく、発症した場合には対症療法を行っていくしかありません。

猫エイズでは、ストレスが発症や病状の悪化に大きくかかわるため、毎日の食事や住環境に気を遣う必要があり、また発病すると病院通いも多くなり飼い主さんにも負担がかかることになります。

迷子にならない  

猫を室内で飼うことにより、迷子の心配がなくなります。 というのも、猫が自由に外に行ける場合、遠くに行ってしまい、家に帰ってこないことがあるからです。

また、他の猫や犬に追いかけられたり、大きな道路を超えてしまい戻れなくなるなど、家に帰りたくても帰れなくなる場合もあります。

ご近所トラブルになりづらい

猫を放し飼いにすると、ご近所の迷惑になることがあります。 放し飼いにすることで、被毛の飛散、糞尿の被害、発情期の鳴き声など、ご近所トラブルになる原因は沢山考えられます。

猫は一度おしっこやウンチをした場所では繰り返しするようになります。 もし、ご近所の家の玄関や庭でおしっこやウンチなどをした際には、何度もその場所で繰り返す可能性があります。 そうなればトラブルの火種となってしまいます。

発情期であれば、猫は夜中にも大きな鳴き声を発し、その場合、飼い主さんだけでなく、ご近所にも迷惑をかけてしまいます。 ご近所の中には、猫が苦手な人や猫アレルギーの人がいる可能性も十分にあります。

室内飼いの方であれば、そのような方への心配もなくなり安心です。 野良猫が増えれば、糞の被害などが増える可能性があり、2000年台初頭から環境省も猫を室内で飼うよう推奨していて、外に行き来できる放し飼いをする場合は、野良猫が増えないよう不妊や去勢を行うことを求めています。

虐待などの被害にあわない

猫を室内で飼うことで、他人からの虐待も防げます。 猫を放し飼いにすれば、外にいる間に人からの虐待を受ける場合があり、そして虐待の犯人を探し出そうにも犯人の特定も難しいのが実情です。

もし猫が虐待を受ければ、人間不信になってしまう可能性もあり、人間不信になれば、飼い主にも寄り付かなくなったり、問題行動を起こすことも十分にありえます。以上のような理由から、室内飼いの猫は外に自由に行き来きしている猫よりも平均寿命が長いと言われています。

【参考】

猫を室内飼いするデメリット

ソファーの上でくつろぐ猫

運動不足になりやすい

猫を室内だけで飼うと、運動不足になりやすくなります。 家の中だけだと体を動かすことも少なくなり、じっとする時間が長くなるからです。 猫が1日に必要な運動量は種類や年齢、体調によって変わりますが、成猫で1日10分〜15分を目安に、猫ちゃんの様子を見て頻度や時間を増減してください。

外に行き来できる放し飼いであれば、行動範囲が広いため運動不足になりにくいですが、室内飼いだと行動範囲は狭く運動不足になりがちです。

そのため、必要な運動量を確保するためには意図的に愛猫に運動をさせていかないといけません。 もし、運動のために外に散歩に連れて行くのであれば、安全な場所で散歩をさせましょう。

最初はベランダや敷地内などがおすすめです。 また、ハーネスとリードは必ず必要なので準備しておきましょう。 家の近くを歩くだけでも猫には良い刺激となります。

猫の運動不足は肥満にも繋がります。肥満は糖尿病や肝臓、心臓の病気のリスクを高めるだけではなく、関節にも負担をかけ、年をとってからの運動器の異常も起こりやすくなります。 室内飼いを考えているのであれば、愛猫に定期的に運動をさせましょう。

ちなみに、室内飼いは放し飼いよりも行動範囲が狭く、運動不足にはなりがちですが、最初から室内で飼われている猫にとってはそれだけではストレスの原因にはならないでしょう。 室内でも適度な運動と快適な空間が確保できれば、ストレスを溜め込むことはないでしょう

猫がストレスを感じるのは、居住環境が悪いときです。 自分が使っているトイレが汚い、飲み水やご飯のお皿が汚い、猫の苦手な匂いである柑橘系の食べ物が近くにある、生活空間に対して同居猫の数が多すぎるなど、居住環境が悪いとストレスとなるので気をつけましょう。

室内の危険な場所で事故が起きやすい

猫を室内飼いにすると、交通事故などの危険はなくなりますが、家での事故は起こる可能性があります。 建物の2階以上の、窓やベランダから落下することもあります。

特に高層マンションの中層~高層階といったかなりの高さから猫が落下する事故があり、フライングキャット症候群(猫高所落下症候群、ハイライズシンドローム)とも言われています。 鳥や虫に飛びつこうとして落ちる説や、遠近感が掴めずに落ちるなどの説がありますが、原因ははっきりと分かっていません。ベランダの手すりなどに軽々とジャンプできてしまう猫ならではの症候群と言えるでしょう。また、マットや布団をベランダの手すりにかけていると、猫がそこに飛び乗って落ちることもあり、危険です。高いところから落ちた場合、その高さとけがの度合いは必ずしも比例しません。家の2階から落ちてもひどいけがを負うこともありますし、10階以上から落ちて何事もなく無事着地することもあるようです。

窓やベランダ以外にも危険な場所はあり、お湯の張ってあるバスタブに誤って転落して溺れてしまったり、コードをかじることで感電、ガスコンロやストーブなどでやけどをするなど、室内でも事故の原因は沢山あります。

室内飼いをするのであれば、猫が危険な場所に近づかないよう対策が必要になるでしょう。 夏場であれば、熱中症などの危険もあります。

部屋を散らかされる

室内飼いにすると、部屋を荒らされることもあるかもしれません。 モノを壊したり、トイレじゃない場所でおしっこやウンチなどの粗相をしたり、食べ物を食い散らかしたりなど、室内でだけ飼っている場合には起こりやすくなるかもしれません。

猫がモノを壊す原因には、飼い主さんがいないことに不安を感じる分離不安症になっている場合や、好奇心、退屈、猫が飛び乗りたい、通りたい所に物が置いてあった、などがあります。 トイレでない場所でおしっこやウンチをしてしまう場合は、トイレが気に入らなかったり汚れていたり、縄張りの主張や同居猫によるストレスなどが原因です。

また、病気になり、その症状としてトイレに間に合わないことも考えられます。 食べ物を食い散らかす原因は、いたずら心や好奇心、口内炎などでうまく食べられないなどがあります。手ですくうようにしてお水を飲み、お水の周りをびしょびしょにしてしまう猫ちゃんもいます。 室内飼いをする場合は、飼い主の外出中に部屋を散らかすことはありえることなので、対策をしていく必要があるでしょう。

メスの発情期が長くなる

猫を室内で飼う場合、メス猫の発情期が長くなる傾向があります。 メス猫の発情期は日照時間が長い時期に訪れるためです。 室内飼いだと人工灯の光に長時間さらされることになり、発情期が長くなるんです。

一般的な猫の発情期は2月〜4月と6月〜8月の2回ですが、室内飼いの猫だと、季節に関わらず年に3~4回も発情する猫もいます。

発情期のメス猫の行動は、大きな声で鳴いたり、あちこちにおしっこをしてマーキングをしたり、尿の匂いも強くなります。

ちなみに発情期のオス猫の行動は、メス猫と同じで大きな声で鳴いたり、匂いの強いおしっこをしたりします。 他にも、外に出たがったり、攻撃的になりケンカもしやすいです。完全室内飼いにしろ外に行き来できる飼い方にしろ、不妊・去勢手術をして飼うのが良いでしょう。

猫を室内飼いするために必要な準備

ベッドでくつろぐ猫

トイレや寝床などを整える

猫を迎え入れる前に、まずはトイレや寝床の準備をしておきましょう。 猫は本能的に、決まった場所でトイレをし、砂のある場所をトイレだと認識します。そのため、トイレとトイレ砂を用意しておくことで、排泄の失敗を防ぐことができます。

最初のうちはしつけとして、猫が臭いを嗅いで回り、場所を探すしぐさをすれば、用意したトイレに連れていくようにしてください。

それを2〜3回繰り返すことで、次からはそこでトイレをするようになります。 今は屋根付きのトイレや自動で掃除をしてくれるトイレ、おまる型のトイレなど沢山種類があるので、設置場所や猫の体格などに合わせて用意しておきましょう。

ちなみに、人間のトイレは食卓と離れており、人通りが少なくて静かな場所であるため、猫がリラックスして用を足せる為にも、人間のトイレのドアを常に開けておけるのでしたら、猫用トイレも人間のトイレの場所に置くのも良いかもしれません。 ただ、猫が誤ってトイレに落ちてしまったりトイレの水で遊んでしまうことを防ぐために、便器のフタは必ず閉めておく必要があります。

トイレの他に大切なのは寝床です。 猫にとって1人でリラックスできるスペースは必要なので、猫用のベッドを準備しておきましょう。 もしベッドを設置しても使ってくれない場合は、猫がいつも寝ている場所にセットしてあげることで使ってくれるようになることがあります。また、ベッドの柔らかさや素材にこだわりのある猫もいるようです。

また、室内飼いをするにしても、猫を狭い場所にずっと閉じ込めておくのはよくないですしょう。ケージ飼いをするにしても、自由に動ける最低でも一部屋分のスペースを定期的に与えるようにしましょう。

必要なグッズを用意する

トイレやベッドの他にも、猫を迎え入れる際にいくつか必要なものがあります。 キャットフードや、餌を入れる食器、爪とぎなどです。 爪とぎを用意することで、室内にある家具や壁、床に爪とぎをするのを防ぐことができます。

また、病院などに連れていく場合に必要なキャリーバッグなども買っておくと便利です。 他には、キャットタワーを置いておくことで、猫の運動不足の解消や爪とぎの場所、寝床にもなりおすすめです。

また、ノミ予防のために、動物病院で処方してもらったノミ駆除薬を用意しておきましょう。 猫は室内飼いでもノミに感染することがあるからです。 飼い主が外に出た際にノミが衣服などにつき、そのまま室内に持ち込んでしまうことが原因です。冬も暖かく過ごせる現代の室内では、ノミは冬でも繁殖します。 猫にノミを感染させないためにも、ノミ駆除薬で予防しておきましょう。

猫に危険なものを置かない

猫の室内での飼い方として大切なことは、家の中を安全にすることです。 猫は観葉植物や小物などに興味を示して手でいじったり口に入れてしまうことがあるので、猫の届かない場所に置くか、片付けておくなどの対策をしておきましょう。

猫は室内の観葉植物や庭やベランダのラベンダーやユリ、スズランなどの植物を食べてしまうと、中毒を起こすことがあります。 猫の健康面に悪影響となるので、事前に片付ける猫がいる空間にはそのような植物を置かない、栽培しないことをおすすめします。植物そのものだけではなく、植物から抽出したアロマオイルによる毒性も懸念されています。生活の中にアロマオイルを取り入れている方は、猫を迎えるにあたってその使い方を見直す必要があるかもしれません。

また、裁縫道具や箸や薬、ビニール袋なども猫にとっては遊び道具の1つとなります。誤飲の原因にもなりますし、ビニール袋は首に絡んでしまう場合もあり、危険です。

前述しましたが、電気コードも猫の遊び道具になり感電の危険性があります。家具の後ろに通すか、コードカバーをつけるなどの工夫をしましょう。

まとめ

ソファの上の猫

猫の室内飼いには、様々なメリットやデメリットがあります。 室内飼いを考えている方は、今回紹介したことを参考にしてみてください。

猫が誤って室内やベランダにある有害なものを食べてしまわないように、猫を迎え入れる前に家の中を見直し整えておくことが大切です。 猫が幸せで快適に過ごせるよう危険なものは片付けておきましょう。

30代 女性 ひなた

猫ちゃんを、家の中で飼うメリットは伝染病にかかりにくいということもあります!
我が家の猫ちゃんは、保護する前に虐待を受けていたみたいですがその心配もないですものね。あとは、交通事故を防ぐことができます。
しかし、交通事故は家の中で飼っていても脱走してしまうと危険になりますので、二枚扉にしたり工夫をして猫ちゃんを脱走から守ってあげたいと思います。昨年に、二枚扉にしてからは脱走しかけることもなくなり、ヒヤヒヤせずにすんでいます。一度、外に出てしまうと喧嘩でも猫エイズがうつってしまったりと大変なことになりますので、注意が必要です。
多頭飼いの飼い主さんも、猫ちゃん同士の喧嘩で興奮しているときに扉を開けないように気を付けましょう。

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