猫が日向ぼっこを好きな理由は?
お家で飼われている猫ちゃん、いわゆる「イエネコ」が日中、気持ちよさそうに日向ぼっこをしている姿を見かけませんか?幸せそうに眠っているイエネコたちは、なぜあんなに日向ぼっこが好きなのでしょうか。
実は、猫が日向ぼっこを好む理由は、彼らの本能と関係があるのです。
猫は暖かいところを本能的に好む動物
イエネコの先祖は、半砂漠地帯と呼ばれる暑い地域に生息していました。そのため、猫は遺伝子的に暖かい場所を好みます。
また、猫は夜行性ではなく「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」です。明け方と日没直後に活発になるのが特徴。睡眠を何度も分けて取るので、暖かい日中にも眠る習慣がついています。
以上のことから、猫は本能的に「日向ぼっこ」が好きなようです。
もちろん、猫によって日向ぼっこの好き・嫌いは異なるので「うちの子は全然日向ぼっこしないけど大丈夫かな?」と心配にならなくて大丈夫ですよ。
1日の多くを睡眠にあてるため快適な場所を選びたい
猫は1日になんと14時間以上も寝て過ごすと言われています。長時間眠る猫にとって、暖かい場所は理想的な睡眠場所です。
なぜなら、猫は日向ぼっこをすることで体温を上げ、自分で熱を発生させる必要がなく、余分なエネルギーを消費しなくてすむからです。
普段、お腹を出して日向ぼっこしている猫も、実は省エネモードだったことが分かりますね。
猫が日向ぼっこをすることで得られる効果
日向ぼっこには多くの利点があります。しかし、日向ぼっこが十分でなくても、健康に害を及ぼすことはありませんので、ご安心ください。
ほとんどの場合、食事で十分な栄養を摂取し、十分なケアや、遊びの時間が確保できていれば問題ありません。
ここからは、猫が日向ぼっこをすることで得られる効果を詳しく解説していきます。
効果1. 日光浴になるので体温を保つことができる
猫は日向ぼっこをして身体を温めることで、狩りなどで消費するエネルギーを蓄えているといわれています。先に解説したとおり、日向ぼっこをすると体温が上がり、余計なエネルギー(体力)を使わずに済みます。
一説によると、イエネコの先祖たちも頻繁に日向ぼっこをしていたそうです。猫の先祖たちは広範囲にわたって狩りをしていたため、多くのエネルギーが必要でした。
つまり、猫にとってエネルギーを温存することはとても大切なことなのです。
効果2.体を乾かすことができる
日向ぼっこをすることで、濡れた体を乾かすことができます。ご存じの方も多いと思いますが、猫は水で濡れることを嫌う生き物です。
体が濡れていたり、湿気があったりする時、日向ぼっこで体を乾かします。また、毛が濡れていると皮膚が不衛生になり、ノミやダニの増殖にも繋がります。ですから、体を乾かすことは、猫の健康にとってのメリットになります。
効果3.日光浴には殺菌効果がある
猫の健康問題でよく挙げられるのは、細菌、ウイルス、ダニなどの雑菌です。愛猫の皮膚の健康状態を気にされる方も多いことでしょう。
実は、日向ぼっこは寄生虫の繁殖を防ぐ効果があるのです。ダニの場合、日光浴だけでは死滅しませんが、増殖を抑えることはできます。
効果4. 幸せホルモンが分泌されて精神状態が整えられる
猫も人間と同じく、日を浴びることで「セロトニン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。セロトニンは、「幸せホルモン」といわれています。なんと、精神状態を安定させる効果がみられます。
効果5. 太陽の位置を感じて体内時計の調整ができる
猫は、基本的に体内時計で時間を体感して生活しています。日向ぼっこすることで、太陽の高さ・方向を感じ取って体内時計を調節できるのです。
猫に快適な日向ぼっこをさせる方法
日向ぼっこで得られるすてきな効果は分かりましたね。ここからは、猫ちゃんに気持ちの良い日向ぼっこ時間を楽しんでいただく方法をご紹介します。
窓越しに日が差しやすい場所を室内に確保してあげる
日向ぼっこは、窓際でも十分にできますが、なるべく物をどかしてスペースを開けることで日が差しやすい環境が確保できます。
また、猫も「まぶしい」「暑い」と感じることがあるので、日陰の涼しい場所を自由に出入りできるようにしておくと体温を管理できるのでよいでしょう。
猫が気に入る日向ぼっこがしやすくなるグッズを置く
猫が日向ぼっこできる場所がない場合は、窓際に棚やキャットタワーなどを置いて窓の高さに合わせてあげましょう。
また、窓際の棚に毛布を敷いたり、クッションを置くことで、のびのびと日向ぼっこできます。その他にも、窓にペタッとくっつける猫用ベッドなどもあります。
それぞれの猫にあった猫用グッズを置くことで快適な日向ぼっこができるでしょう。
夏は行う時間帯や光量を調節して熱中症を防ぐ
猫は、暑い日でも日向ぼっこをするので、熱中症になる可能性があります。そのため、すぐにお水を飲める環境を用意したり、適度に様子を見てあげることが必要です。
また、日差しが強い日には、カーテンで光をさえぎったり、日陰を行き来できるような環境を用意して対策してあげるとよいでしょう。
猫に日向ぼっこをさせる時の注意点
実は、猫に日向ぼっこをしてもらうときに、気を付けなくていけない注意点があります。ここで紹介する注意点は、猫ちゃんの命にも関わる内容ですので、ぜひ参考にしてください。
ベランダなど高所からの落下を防ぐ対策を行う
猫も、当然高い所から落下すればケガをしてしまいます。例えば、窓を開けていて網戸で合っても、何かの衝撃で猫が突き破り落下してしまう可能性もあります。
網戸のままにしておかない、バルコニーやベランダで日向ぼっこをさせないなどの対策をしましょう。
体の色素が薄い猫は紫外線の影響が現れやすい可能性がある
猫も人間と同様に、紫外線の浴びすぎで、皮膚がんなど、体に影響が出る場合があります。特に、体の色素が薄い部分に悪影響が出やすいので、色素が薄い猫は注意しましょう。
まとめ
猫の日向ぼっこについて紹介しました。日向ぼっこには「皮膚の健康を保つ」「精神を安定させる」など、さまざまな効果があります。
自宅で愛猫が日向ぼっこを存分に楽しめるような環境づくりが必要です。また、熱中症対策や高いところから飛び降りないようにするなどの対策も必要です。
注意事項を守りながら、すてきな日向ぼっこを楽しんでください。