愛猫向けのリフォーム!5つのポイント
室内飼育が徹底されつつある今、飼い猫は生涯のほとんどの時間を家の中で過ごします。大切な家族の一員である猫ですから、できるだけ楽しく快適に毎日を過ごして欲しいもの。まずは、猫にとって過ごしやすい家づくりのポイントをみていきましょう。
猫のリラックススペースをつくる
猫の習性や好みに合わせて、のびのびとくつろげる場所を作ってあげましょう。猫は、高い場所や日当たりの良い暖かな場所が大好きです。猫がヒョイっと上がれる高さの出窓は、格好の猫の居場所。日向ぼっこをしながら外の景色を眺めることができるので、とてもおすすめです。
また、落ち着いてお昼寝できる静かな場所に猫用ベッドを設置したり、すっぽり隠れられる狭い場所を作ってあげるのも良いですね。もし間取りに余裕があれば、自由に思いっきり遊び回れる猫専用部屋や、外気や太陽の光を感じられる中庭を作るのはいかがでしょう。猫は大喜びしてくれるはずです。
猫のストレスや運動不足が解消できるよう工夫する
室内飼いの猫は運動不足になりがちです。運動不足はストレスや筋力低下、病気に繋がる恐れがありますので、飼い主が意識的に対策を施すことが大切です。猫は上下運動を好みますので、キャットタワーやキャットウォーク、キャットステップなど、高さのある猫用の運動スペースを設置しましょう。
一から造作できない場合には、梁や収納棚を活用するのもひとつの手です。猫が自由に歩き回りながら楽しく家の中を探検できるように、壁や扉にキャットドアを作るのも良いでしょう。
ケガ予防にはフローリングのリフォームがおすすめ
滑りやすい床は猫の関節を痛めたり、転倒や落下事故を起こしてしまう恐れがあります。フローリングの場合はペット対応の滑りにくい塗装を施しましょう。
床材の変更が可能な場合は、夏の暑さ対策や傷防止にも有効なセラミックタイルや、クッション性があり足に優しいクッションフロア、コルクタイルなどがおすすめです。活動的でやんちゃな子猫のうちは特に、床の汚れや傷がつきもの。気になる場合は、気軽に交換できるタイルカーペットを使うのもおすすめです。
脱走対策は必須!
猫と暮らす家において、必ず必要なのが脱走対策です。猫は私たちが油断した隙に、思わぬところから脱走してしまうことがあります。脱走する場所として主に考えらえれるのは、玄関と窓。玄関は、基本的に猫が入れないようにするのが一番です。玄関に繋がる各部屋の出入り口には、脱走防止柵をつけると良いでしょう。最近では、簡単に設置できるものも種類豊富に販売されています。
窓は、猫が通れないようなルーバー式の窓にしたり、猫が破ることのできない強度のある網戸やロック機能がついた網戸を設置しましょう。洗濯物を干したりするベランダやバルコニーの窓は、開け閉めする頻度が高く、特に注意が必要です。出入りする時は猫を近づけないようにする、もしくはその部屋には入れないようにするのが安心です。
猫にも人にも優しい建材、設備にする
猫はきれい好きな動物なので、不衛生だったり、臭いが残っている場所を嫌います。食事場所やトイレ周りは、特に清潔に保つように心掛けましょう。除菌・脱臭効果のある床材や壁材を選ぶと、猫はもちろん、私たちも快適です。
また、気温や湿度の変化は猫の体調に影響しますので、室温や湿度が一定に保つことができる設備や断熱性や調湿性の高い建材選びを検討しましょう。その他、猫の爪とぎスペースや常に新鮮な水が飲めるオーバーフローシステムの水飲み場を作ると、他の場所で爪とぎをしなくなったり、飲み水の交換頻度を少なくできるので、私たちにもメリットがあります。
猫のためのリフォームのアイデア14選!
上記を踏まえて、実際に猫のためにリフォームを行った人の具体的なアイディアをまとめました。現在の間取りやかけられる費用によってできることが異なりますが、優先順位を考えながら、ぜひ参考にしてみてください。
運動不足やストレス解消のためのアイディア
- キャットステップやキャットウォーク、キャットドアを設置する
- 壁や柱に爪とぎ場所を作る
- 猫専用部屋を作る
- 外気に触れられるウッドデッキや中庭を作る
脱走防止のためのアイディア
- 窓の網戸を破れにくい強化仕様やロック付きにする
- 部屋の出入り口に脱走防止柵をつける
- ベランダに落下防止ネットをつける
安全で快適な環境作るアイディア
- 太陽光を多く取り入れられる天窓や出窓を作る
- 滑りにくく、汚れや傷が付きにくい床材にする
- 珪藻土などの脱臭調湿効果のある壁にする
- 断熱性のある壁や窓にする
- 床暖房をつける
- 猫トイレの近くに換気扇をつける
- オーバーフローシステムの猫専用水飲み場を作る
リフォーム時の猫との暮らしの注意点
リフォームを実施する時は、業者の訪問や工事の実施が伴い、環境の変化が苦手な猫は大きなストレスを抱えがちです。猫のために行うリフォームにも関わらず、猫に嫌な思いをさせることがないように、あらかじめ対策を講じておくことが大切です。
猫のストレスサインを見逃さない
猫は強いストレスを抱えると、食欲不振や体調不良を起こしたり、元気がなくなったり、逆に攻撃的になったり、何かしらのストレスサインが見られるようになります。ストレスを抱えがちなリフォーム時は特に、猫の様子に変化がないか、注意して観察するようにしましょう。
ストレスが解消されずにいると、それをきっかけに病気を発症してしまう恐れもあります。症状が長く続いたり、下痢や嘔吐などのあきらかな体調不良が見られる場合は、すぐに獣医師に診てもらうようにしてください。
猫のリラックススペースを確保する
リフォーム中は、大きな工事音がしたり、業者などの家族以外の人が多く出入りするために、怖がりな猫は不安になり、落ち着いてゆっくりできなくなってしまいます。リフォームをしない部屋や音が遮断できる静かな場所に、お気に入りのベッドや毛布を設置して、猫のリラックススペースを作ってあげましょう。
もし、猫が怖がっていても、工事の後に大好きなおやつを与えたり、一緒に遊ぶ時間を作ることで、気分転換を計り、不安な気持ちを減らしてあげる努力をすることが大切です。
脱走対策は必ず行う
人の出入りや資材の搬入などで、玄関や窓を開け閉めが多くなるリフォーム時に、猫の脱走対策は必須です。業者にはペットがいることを必ず伝え、配慮してもらうようにしましょう。
開けっぱなしになる時は、ケージに入れて絶対に脱走することがないようにするのが安心です。工事スケジュールによって、必要な対策は変わってきますから、リフォーム業者とのやりとりを密に行い、その日に行われる工事内容を把握しながら、状況に応じた対策を立てるようにしましょう。
まとめ
今回は、猫と暮らす家のリフォームについて、ポイントやアイディアをお話ししました。猫が幸せに過ごせる家を作るには、猫の習性や好み、行動を理解して、愛猫に合った環境づくりをしていくことが大切です。また、私たち飼い主にも使い勝手が良く、お世話がしやすい環境を作ることで、猫も人も快適に暮らすことができます。
たくさんの時間や費用をかけなくても、猫と暮らす家づくりは可能です。小さな工夫やアイディアを施すことで、大きく暮らしが改善することもあります。猫の年齢によって、適した環境が変化していくことも考えられますし、日々猫とコミュニケーションを取りながら、足りない部分を少しずつ補っていくと良いでしょう。
猫が楽しそうに遊んでいたり、ごはんを食べたり、すやすやと眠っている姿は、飼い主にとって、かけがえのない光景ですね。猫や私たち、家族全員がいつまでも楽しく幸せに暮らせるような家を作っていきましょう。