猫に爪切りは必要なの?
猫に爪切りは必要かどうか、という答えとしては、室内飼いの猫は必要、ということになります。野生で生きている野良猫には、獲物を捕まえたり、外敵から身を守ったりするために爪が必要です。さらに、木や高いところなどに登ったりするためにも爪が必要です。
しかし人間に飼われている猫にとっては、獲物を自分で捕まえる必要もなく、外敵と戦うこともありません。むしろ、爪切りされていない事によって人間との暮らしに問題が起こることがあります。そのため、前足も後ろ足も爪切りをしてあげる必要があります。
飼い猫に爪切りが必要な理由は、次のようなものがあげられます。
- 爪の伸びすぎによる怪我の予防
- 飼い主さんの怪我予防
- 猫同士の怪我の予防
- 家具に傷がつかないようにする
飼い猫の爪が長く伸びてくると、自分の肉球を傷つける事になります。また、爪が伸びたままだと、飼い主さんや、一緒に住んでいるペットに怪我をさせるおそれがあります。カーテンや絨毯に爪が引っかかり、取れなくなったり、足を痛めたりする可能性もあります。
さらに、猫の爪が伸びたままだと、普通に移動しただけでも家の床や家具などに傷をつけてしまうこともありますし、ソファや棚などを爪とぎがわりにすることもあります。そのため人間と同じ空間で暮らすには、猫の爪切りは必要なお手入れだと言えるでしょう。
子猫への爪切りは必要?
子猫にも爪切りは必要
子猫の爪切りは必要です。怪我をしない、させないといった理由はもちろんのこと、子猫のうちから爪切りに慣らしておくと、成長してからも爪切りがしやすいからです。
子猫の爪切りはいつから?
では子猫の爪切りはいつからが良いのかというと、目安は生後1ヶ月以降です。まだ子猫の爪が短かったり、触ってみて柔らかかったりするような場合には、まだ切る必要はないでしょう。
子猫の成長具合や爪の伸び具合も考慮にいれ、爪が固くて強くなってきた時に爪切りを始めることをおすすめします。
猫の爪の構造と切り方の注意点
猫の爪の構造
猫の爪は、大きく分けて外側と内側の二層になっています。爪の外側部分は、さらに何層にもなっていて、内側から新しい爪が伸びてきて、外側の古い部分が剥がれ落ちる仕組みとなっています。爪の内側の根元近くは、指先の肉と神経、血管が通っていて、クイックと呼ばれています。
猫の爪の外側は、猫が爪とぎをするだけでも剥がれ落ちていきます。しかし、先端は尖っているので、その部分を爪切りする必要があります。
猫の爪は普段指の中に隠れていて、必要な時に腱が体側に引っ張られることで爪先が出るような構造になっています。そのため、爪切りをする時には、猫の指の根元を軽く押して爪先を出して行います。
爪切りの際の注意点
猫の爪はどこまで切れば良いのかというと、外側の爪の、尖った先端部分だけを切ります。長さにして、ほんの2mmから3mm程度になるでしょう。決して深く切りすぎないようにして、特に内側の指先部分で神経や血管が通っているクイック部分は、絶対に切らないようにしてください。見た目では、爪は薄く透き通っていますが、クイック部分にはピンク色の部分があるので、そこを切らないようにすると安全です。
たくさん切ってしまうと猫にとっての深爪になり、猫が動きにくくなります。さらに出血してしまうと、もちろん痛いですし、指先は血が止まりにくいため、細心の注意をして爪切りをしてください。
指の間に隠れている爪を出す時には、猫の指先の根元を軽く上下から押しますが、力を入れすぎないようにしましょう。猫の指先はとても敏感で、触られるだけでも注意が必要な部位ですから、優しく扱うようにしてください。
猫の爪切りの頻度
猫の爪切りが必要となる頻度は、猫の爪の状態で決まります。1歳未満の子猫の頃は、目安として1週間から10日で爪が伸びます。生後1年以降の猫であれば、2週間から3週間で爪が元通りになります。高齢の猫になってくると、もっと伸びるまでに時間がかかってくることもあります。
しかし前回爪切りした時の深さや、それぞれの爪の伸び具合が異なるので、同じ時に全ての爪を切る必要がない場合もあります。そのため、猫が爪とぎをして、新しい爪が表に出てきた時に、尖った部分を確認して爪切りをする、ということで良いでしょう。
その際には、伸びて尖っている爪だけを切り、他の爪が伸びてきたらまたそれを切るようにします。何度も爪を切られるのが嫌な猫もいますので、伸びてきた頃に何本かまとめて切るという方法もあります。
逆に、爪切りが嫌な猫のために、あえて一度に一本の爪しか切らないことで時間を短縮してあげるという方法もありますので、猫によって変えると良いでしょう。
爪切りを猫が嫌がる場合の切り方
猫が爪切りを嫌がる時には、次のような対策を取ると良いでしょう。
うとうとしている時に切る
猫がリラックスしている時、寝転がってあまり警戒していない時、うとうとして眠そうな時などに、爪切りをしてしまうという方法があります。そのため、まず爪を切る足をなでたりして、猫を安心させるようにすると良いでしょう。猫が気づいてしまったら早めにやめて、また別の機会に爪切りをしましょう。
爪切りを見せないようにする
猫にとって爪切りが怖いもの、嫌なものとなっているので、爪切りをできるだけ見せないようにする必要があります。
猫の顔に軽くタオルをかぶせ、手が見えないようにする方法もあります。タオルをかぶせたり、洗濯ネットに入ったりするだけでも大人しくなる猫がいるので、暴れる猫の場合にはこの方法がお勧めです。
一度に切る本数を減らす
前足、後ろ足と、全部の爪を一度に切ろうとすると、猫にとっては苦痛な時間が長くなり、ますます爪切りが嫌いになります。その時には、一度に切る爪を減らして、猫にあまり負担をかけないようにする必要があります。
今日は片方の後ろ足だけ、前足の一番長いものだけ、といったように、爪切りを早く終わらせるようにすると良いでしょう。
爪切りを選ぶ
猫用の爪切りには、ハサミタイプやギロチンタイプなど、切り方によって種類があります。まだ子猫の頃や若い猫の柔らかめの爪であれば、ハサミタイプが使い易いでしょう。
太くなって切る時に力が必要な爪には、ギロチンタイプで、爪先を穴に入れてカットできるものがお勧めです。飼い主さんによって使い易いものを選ぶだけでも、爪切りに戸惑わなくなり、猫に負担をかけることが減ります。
まとめ
猫の爪切りは、室内飼いをしている猫にとっては必要なことです。爪切りとは言え刃物を使うため、猫の爪をよく理解し、細心の注意をして切る必要があります。
成猫であれば2週間から3週間に一度が目安の頻度となりますが、猫の爪の状態を見ながら、猫にできるだけ負担をかけないようにして、爪切りをするようにしてくださいね。