猫の爪切りのコツ
猫の爪切りにはいくつかコツがあります。コツを理解して実践してみれば、爪切りを上達させられるかもしれません。
嫌がられないコツ
猫に爪切りを嫌がられないコツは、普段から足を触られることに慣れさせることです。足を触れられることに慣れていないと、猫は恐怖心から、爪を切る前に逃げ出してしまいます。日常のコミュニケーションの中に、足を触るスキンシップを積極的に取り入れましょう。
足を触ることができたら、肉球を押して爪を出してみましょう。猫が抵抗せずに爪に触らせてくれたときは、しっかり褒めることが大切です。
嫌がる猫への対処法
猫が爪切りを嫌がる場合、大人しくさせるコツがあります。動物病院でも使われている、猫を洗濯ネットに入れるという対処法です。
洗濯ネットの柔らかい素材が猫の体と相性が良く、狭いところが好きな習性もあるため、暴れている猫でも入れた途端に大人しくなるようです。さらにコツとして、タオルを使って猫の体全体を包む方法も効果的です。包まれることで猫は安心感を覚え、大人しくなります。
また一度に全ての爪を切ろうと思わず、猫が嫌がったらすぐにやめるようにしましょう。慣れてくれば素早く切れるようになりますが、最初のうちは1~2本切ることができれば成功、と考え、数回に分けて切ることをおすすめします。
爪切りのタイミング
猫の爪切りはタイミングを見計らうことも成功のコツです。食事中や水飲み中、遊び中など猫が何かに夢中になっているときは避けましょう。飼い主が自然に抱き上げ、スキンシップの延長で切り始めるのがポイントです。
2人がかりで爪切りができる場合は、1人が背中などを撫でながら首を軽くつまんであげると、猫は安心して大人しくなります。猫がリラックスしているときやご機嫌のときに行うのもコツとして良いでしょう。
飼い主が爪切りをしようと意気込むと、猫はかえって身構えてしまいますので、まずは飼い主がリラックスして爪切りに挑めるよう心がけましょう。
切る順番
爪を切る順番も、猫の爪切りを行う上で重要なポイントとなります。コツとしては猫が嫌がらないところから切り始めることです。多くの猫は前足の人間の親指に当たる爪を最も嫌がるため、後ろ足の小指に当たる爪から内側へと切り進めましょう。
躊躇して何度も爪に触れていると時間もかかり、猫もだんだんイライラしてきます。深爪には気をつけながら、爪の先端部分を1度で切るつもりで行いましょう。
猫の爪切りの必要性
家の中で猫を飼う場合は爪切りが必要となります。外で暮らしている猫は、獲物を捕まえたり木に登ったりするために鋭く尖った爪が必要です。しかし室内では、この尖った爪がカーテンに引っかかって取れなくなったり爪を折ってしまったりと、猫自身のケガに繋がる恐れがあります。
鋭い爪で家具を傷つけられてしまうことも想像できますし、飼い主がひっかかれると「猫ひっかき病」や「パスツレラ症」といった感染症のリスクもでてきます。
猫は爪をとぐから爪切りは必要ないという人もいますが、爪とぎは古い爪の層を剥がして新しく尖った爪を使えるようにするための行為です。爪を短くするためのものではないので、猫の定期的な爪切りは欠かせません。
猫の爪切りのコツを押さえ、1カ月に1度ほどの頻度で切るようにしましょう。特に高齢になった猫は古い爪が剥がれずに巻き爪になりやすいため、こまめにチェックしてあげてください。
爪切りの道具
ハサミタイプ
ハサミタイプの爪切りは、柔らかい子猫の爪を切るのに適しています。紙を切るハサミと同じ構造なので特別なコツは必要なく、爪切りに慣れていない初心者にも使いやすいためオススメです。しかし刃を当てるところが悪いと爪が割れる原因となりますので、注意しましょう。
一般的に生後2カ月くらいから爪切りを始めることが多いので、まずはハサミタイプを使って、スキンシップの一つとして爪切りを始めてみましょう。大人になった猫の爪は硬いため、力が均等に加わらず爪が割れてしまうこともありますので道具を見直すことが必要です。
ギロチンタイプ
音に敏感な猫にはギロチンタイプの爪切りがオススメです。ギロチンタイプは音も衝撃も小さくきれいに仕上がるため、動物病院でもよく使われています。
猫が爪を出したら、ギロチンのような丸い形をした穴に素早く通すのがコツです。猫の爪が固くなりハサミタイプでは切りにくいと感じたら、ギロチンタイプに移行するとよいでしょう。ただし巻き爪になってしまうと、穴に爪を通すのが難しくなります。
ピコックタイプ
ギロチンタイプの刃の部分を改良したピコックタイプの爪切りは、大型猫の太い爪や巻き爪になってしまった猫にオススメです。鳥のクチバシのような形の刃に挟むだけで爪が切れます。切れ味はギロチンタイプと同等で、大きな音もしないため猫が怖がることもありません。
ピコックタイプは切りづらい巻爪もきれいに仕上げることができます。すぐに刃をしまえるので、怖がりで暴れやすい猫にも使いやすいようです。猫へのストレスは少ないですが、深爪防止装置がなくコツを掴みづらいため、爪切り初心者には向いていません。
電動やすり
電動やすりタイプは爪切りに慣れている猫にオススメです。爪を少しずつ削っていくので、おとなしくしていられる猫ならば特別なコツも必要ありません。他のタイプよりも時間はかかりますが、爪が飛び散らず仕上がりもとてもきれいです。切りすぎる心配もありませんので、爪切りが苦手な方にオススメです。
失敗した時の対処法
猫の爪切りは、尖っている先端の部分を1~2ミリ切るようにします。光に透かしてみて、ピンク色の部分は血管や神経が通っているため切らないように気をつけましょう。この部分を誤って切ってしまうと出血します。
猫の深爪しないコツは、血管の先をあらかじめ確認しておき、先端部分のみを切るようにすることが大切です。万が一に備えて、爪切りの際には、ガーゼと止血剤をあらかじめ用意しておきましょう。爪切りを失敗し出血した場合、清潔なガーゼやタオルをあて圧迫してください。
猫が暴れてうまく圧迫できない場合は、パウダー状の止血剤が便利です。ほとんどの場合5~10分で出血は止まりますが、それでも止まらない場合は動物病院を受診してください。猫が出血した部分を舐めている場合は、細菌に感染することもありますので、早めに獣医師の診断を受けましょう。
まとめ
猫の爪切りのコツは焦らないことです。1本でも切れれば良いという気持ちで行いましょう。子猫のうちから足に触られることや爪を切られることに慣れさせておくと、大人になってからも苦労しませんので、スキンシップを十分にとるようにしてください。
猫が嫌がって暴れるからといって爪切りをせずに放置してしまうと、巻き爪が肉球に刺さり歩行に支障が出てしまいます。自宅での爪切りが困難な場合は、定期的に病院でケアしてもらいましょう。