猫の肉球の役割や機能、状態から分かる健康状態まで

【獣医師監修】猫の肉球の役割や機能、状態から分かる健康状態まで

猫の肉球には、実は様々な機能があります。ただのプニプニしたパーツのように見えますが、猫が生きていく上で欠かせないものなのです。そこで今回は猫の肉球の役割について詳しく解説していきます。猫の肉球から分かる”病気のサイン”についても解説するので、猫を飼っている人は必見ですよ♪

2446view

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の肉球の部位の名称

ピンク色した猫の肉球

プニプニしていて可愛らしい猫の肉球。猫の肉球を見ているだけで癒されるという人は数多くいます。そんな魅力たっぷりな猫の肉球ですが、実は猫にとっては欠かせないからだのパーツでもあるのです。今回は猫の肉球の役割や機能について解説していきます。

そもそも、猫の肉球には部位ごとに名称があるというのをご存じでしょうか。人間の場合だと「親指」「人差し指」といった名称があるように、猫の肉球にもきちんと名称がそれぞれあるのです。

まずは前足と後ろ足にある肉球の名称について、紹介します。

  • 掌球:前足の中心部分にある一番大きい肉球。
  • 指球:掌球の周りにある小さい肉球の総称。
  • 手根球:前足のみにある肉球。狼爪よりもさらに掌球から離れた位置にある。
  • 足底球:後ろ足の中心部分にある一番大きな肉球。
  • 趾球:足底球の周りにある小さい肉球の総称。

ちなみに、猫は前足に5つの指、後ろ足に4つの指があります。

猫の肉球の機能

お昼寝中の猫

猫の肉球にはさまざまな機能があります。猫の肉球はどのような働きがあるのか、見ていきましょう。

クッションとしての機能

猫は高い場所から飛び降りることが多い生き物です。肉球は、落下した時の衝撃を吸収してくれるクッション機能があるため、猫の行動には欠かせない部位といえるでしょう。プニプニとした肉球があるから、猫はあんなに高い場所から落ちても全く平気なのです。

歩く音を消す

肉球のクッション機能は、猫が歩く時にも大活躍します。猫は音を立てずに獲物であるねずみや鳥、虫などに近づいていきます。このように音を立てずに歩けるのも、実は肉球がクッションの役割を果たしているからなのです。肉球なしでは、猫は獲物を狩ることさえ難しくなるといえるでしょう。

滑り止め

猫の肉球は、人間の手のように汗をかきます。実は肉球から汗を出すことによって、足の滑り止めとしても機能するのです。そのため、ものすごいスピードで走っていても急ブレーキをかけることができますし、足場が良くない場所でも踏ん張っていることができます。

ブラシ代わりにもなる

猫はとても綺麗好きな生き物なので、毎日何回も毛づくろいをします。しかし、体の毛は直接舐めることができても、さすがに顔周りを直接舐めることはできません。そこで役に立つのが肉球です。肉球をペロリと舐めて、その肉球で顔周りをこすればブラシ代わりになります。からだを清潔に保つ上でも、猫の肉球は欠かせないのです。

マーキングをする

猫の肉球にはアポクリン腺という分泌腺があり、そこから自分のにおい(フェロモン)を出しています。このにおいを自分の縄張りに擦りつけておくことにより「ここは自分の縄張りだぞ!」と周りの猫にアピールすることができます。人間の鼻では猫のにおいはうっすらとしか感じられませんが、猫の世界の中ではとても重要な意味を持つにおいなのです。

ちなみに、猫の肉球から出している”フェロモンのにおい”を再現した人間用のハンドクリームなども販売されています。「猫の肉球のにおいが好き」という人にはうってつけの商品といえるでしょう。また、猫を飼っている人は愛猫の肉球のにおいを嗅いでみると、新しい発見があるかもしれません。

猫の肉球からわかる病気のサイン

肉球を見せる猫

健康な猫の肉球は、程よく温かい状態です。

しかし、温かい場所にいるのに肉球がずっと冷たいままだったり、涼しい場所にいるのに肉球がずっと熱いままだったりする時は、病気のサインの可能性があります。

猫の肉球に異変があった場合、どのような病気が考えられるのか、以下の項目で詳しく解説していきます。

肉球がずっと冷たいまま

猫の肉球がずっと冷たい状態の場合、心臓に関する病気を抱えている可能性があります。特に、肥大型心筋症という心臓の壁が分厚くなる病気にかかっている時は、からだの血行が悪くなるので、肉球が冷たくなる傾向にあるのです。

また、事故などで肉球に大きなダメージを負った場合、壊死を起こして肉球が冷たくなることもあります。明らかに肉球の色が変色していたり、怪我をしている場合は、できるだけ早いうちに病院で診てもらいましょう。

肉球がずっと熱いまま

猫の肉球がずっと熱い状態の場合、発熱や熱中症の可能性が考えられます。熱い部屋に長時間いた時などは、猫も人間と同じように熱中症にかかりやすいのです。

肉球の異変だけでなく、体中が熱っぽくなっている場合や、猫がぐったりとしている場合は、熱中症の可能性を疑って早く動物病院へ連れていきましょう。

猫の肉球のケア

グルーミングをする猫

猫の肉球の周りには、毛が生えています。何もせずに放置しておくと、どんどん毛が伸びてくるのですが、その状態だと毛のせいで手足がツルツルと滑ってしまうことがあります。特に、フローリングの床のお家だと滑りやすくなるため、毛が伸びてきたら猫用のバリカンや、ペット用の安全なハサミで毛をカットすることをおすすめします。

ただし、猫が毛をカットされることをあまりにも嫌がる場合は無理に切ろうとせず、寝ている隙などを狙ってカットするようにしましょう。

まとめ

黒い肉球

猫の肉球には様々な機能があり、猫にとっては大事なからだの一部です。場合によっては、肉球を見ることによって健康状態を判別することもできるため、猫を飼っている人は普段から愛猫の肉球をチェックしておきましょう。その際、手足の毛が伸びていたらカットしてあげることも忘れずに行ってくださいね。