猫も汗をかくの?
- 猫も汗をかく!
- 猫は体温調節の為に汗をかかない
結論から言うと猫も汗をかきます。ただ人間と違って身体全体から汗をかくということはありません。猫ちゃんがかく汗は私たちが持つ汗のイメージとはちょっと違っていて、体温調節のためではなく肉球や鼻の頭の周りなどから緊張したときなどに発汗するだけということのようです。
猫が汗をかく時
それでは猫はいったいどういった時に汗をかくのか順番に見ていきましょう。
緊張・興奮
人間でも極度に緊張したり、興奮したりすると汗をかきますよね。猫も同じで何かに緊張すると汗をかきます。過度の緊張状態は同時にストレスもかけていることになります。長時間緊張状態が続くようなら、何が原因なのか一度見直してみたほうがいいでしょう。
この肉球の発汗は滑り止めの役割も果たすのだそうです。高いところにしなやかにジャンプできるのもこの滑り止めが役に立っているのでしょう。手に汗握る・・・ならぬ、肉球に汗握る緊張する事態に肉球から発汗します。
もともと猫は砂漠のような乾燥した環境にも対応してきた動物なので、少しの水分でも体が機能するよう変化し、あまり汗をかかなくなって行ったということのようです。
病気
肉球が湿っているのは汗ではなく、肉球を気にして愛猫が舐めているからかもしれません。肉球に皮膚炎などの症状がないか、念のために確認をしてみましょう。
また病気の中には稀ではありますが、過度に汗をかくという症状が見られることもあります。いつも肉球に汗をかいているといった場合は、嘔吐、下痢、発熱、鼻水、食欲不振、元気がないなどの他の症状がでていないのか一度しっかりと観察をし、異常が見られた場合は獣医さんに相談するようにしましょう。
猫は体温調整をどうしている?
体温調節のための汗をかかないのだとすれば、どうやって体温調節するのでしょう。
ハアハアと口を開けて息をする(パンティング)ことで水分子を放散させて体を冷やしています。ただ、このパンティングは猫ちゃんがやってるところはあまり見かけませんよね。
グルーミング
では、パンティングでない冷却方法はといえば、グルーミングです。体を舐めるときに出る唾液の気化熱で体温を下げているのだそうです。さらに寒い時期には、体を舐めることで、空気を被毛の中に取り込んで体温を外に逃がさないようにしています。
グルーミングの効果
毛づくろいには、リラックス効果、綺麗にする効果の他に体温調節効果もあったのですね。また、この猫ちゃん独自の毛づくろいの習性がワンちゃんのように頻繁にパンティングしなくても体を冷やせる理由です。
猫が汗をかく部分
- 猫は肉球から汗をかく
- 猫の鼻から汗をかく
しかし猫は身体の表面に汗腺を持っていないため汗をかくことはできません。ではまったく汗腺を持っていないかというとそういうわけではなく足の裏、つまり肉球に汗腺を持っています。
足の裏、肉球に汗をかく猫ちゃん。でも何故足の裏にだけ汗をかくのでしょうか?
猫が肉球に汗をかく理由
- 滑り止めのために汗をかく
- 自分の匂いをつけるため
実はこの肉球からでる汗は通常の体温調整の他に高いところを歩くとき、上るときの滑り止めの役割を果たしています。猫が高所にある細い場所や足場の悪いところを涼しい顔をして進めるのは、この肉球からでる汗が滑り止めの役割を果たしているおかげなんですね。
また、猫は元々暑さのきびしい砂漠で生きてきました。そのため身体の中の水を極力流さないためにこのような進化を遂げたと言われています。
そのほかにも肉球の汗は匂い付けにも使われます。自分のお気に入りのものや大好きな飼い主様にフミフミする行動、あれは自分の匂いをつけているのですが言い換えると自分の汗を一生懸命つけているのです。肉球の汗と一言で言ってもその役割はたくさんあるんですね。
肉球以外で汗をかく場所
肉球の他に猫は鼻の頭にも汗腺が存在します。猫の鼻の頭を触ったり、鼻の先をツンツンされるとほのかに濡れていますよね?あれは人間で言うところの汗なのです。
猫は人間のようなべとべとした汗をかかないので鼻でツンツンされて冷たいとは思ってもべとべととしていないからいいですよね。
猫の汗の種類
エクリン腺
- エクリン腺の汗はさらっとしている
- 猫の鼻や肉球からわずかに出る汗
人間の汗はエクリン腺というほぼ全身の肌にある汗腺から分泌されます。体温調節のために気温が高い時や運動した時に体温を37℃前後に保つために出る生理的な汗。
そして、緊張した時や驚いた時に脇の下や手のひらに精神的な作用からかく汗、激辛の料理を食べた時などに顔や首筋にかく味覚性の汗など、このエクリン腺から分泌されます。
エクリン腺から分泌される汗は99%以上が水分でさらっとして匂いもほとんどありません。犬や猫のエクリン腺は肉球や鼻の頭付近にわずかにあるだけです。
アポクリン腺
- 匂いを出すための汗
- 白いやや粘り気のある汗
一方、アポクリン腺から出る汗は、体温調整ではなくニオイを出すという役割があります。動物が個体を確認するときや、異性を惹きつけるフェロモンなどコミュニケーション的な役割のために出る汗で、アポクリン腺から分泌されます。
アポクリン腺から分泌される汗は、透明ではなく白いやや粘り気のある汗です。いわゆるワキガの原因ともなる汗ですが、汗そのものがニオイを発しているわけではなく、いろいろな汗の成分が常在菌に触れて分解されるときに匂いが発生するのです。
人間の体でアポクリン腺が分布しているのは足の裏や脇の下など体の一部であるのに対し、犬や猫は全身に分布しています。
人間は体毛の退化に伴いこのアポクリン腺も退化し、その代わり寒さを防ぐためにたくさん衣服をつけることでエクリン腺が発達したと考えられています。
猫は汗の匂いが好き
猫は汗の匂いが好き、特に人間なら鼻を摘まんでしまうような臭い匂いが大好きである。そんな話があるのをしっていますか?実はワキの臭い匂いの原因であるアポクリン腺の匂いが猫は大変お好みなのだそうです。
特に女性のアポクリン腺からでる匂いがとても複雑な匂いで猫にはたまらないとのことです。にわかには信じられませんが、そういえば猫が女性の下着の匂いをしきりに嗅ぐ、足の裏の匂いを嗅ぐ、ワキの下に顔を突っ込んで嗅ぐといった行動は猫の動画でよくあげられていますよね。
あれは猫が好きなアポクリン腺からでる匂いを夢中で嗅いでいたということなんですね。
その他に猫が好きな匂い
猫が好きな匂いはこの他にもフルーツのキウイ、ミントガムを包んでいた紙なんてものもあります。猫が誤飲しないように気をつけながら試してみるのもおもしろいかもしれませんね。
まとめ
今回は猫の汗についてご紹介しました。猫は身体から汗を流さない代わりに肉球で汗をかいていたんですね。ただ、汗腺の種類が違うため、私たちがイメージする汗とは異なり、エクリン腺が分布する肉球や鼻の頭の周辺からのみ発汗するだけで体温調節機能はないということです。
そしてアポクリン腺からは、動物のコミニュケーションツールとも言えるニオイを発する目的の汗が分泌されます。その役割も私たちの思っていた以上に重要なもので大変驚きますよね。
夏の暑い日には冷たいところにピタッとお腹をつけて寝そべったり、ゴロンと仰向けで寝ていたり、冬の寒い日にはコタツの中に陣取ったり飼い主さんの膝で丸くなったり。
猫ちゃんなりの工夫で体温調節しています。人間のように体温調節のために汗をかかない猫ちゃんたちは、体を温めるよりは冷やすことの方が苦手です。暑い日の温度調節、水分補給には十分気をつけてあげたいですね。
肉球は今緊張しているのかなどの感情をみるバロメーターにもなりますので、覚えていると体調を見るときにも役立ちそうですね。猫について知らないことはまだまだたくさんありそうです。
正しい知識を身につけて愛猫のことをもっと知れば愛猫の健康にもつながります。是非疑問に思ったことはどんどん調べてみてください。
40代 女性 かつえ
体温の調節は身体中を舐めて、唾液の気化熱で熱をさげているのだとか。体温が上がりすぎると、猫ちゃんは体をひたすら舐め回します。肉きゅうにも汗をかきますが、耳の中にも汗をかきます。なので1週間に1回はコットンで耳の見える範囲内を優しく拭いてあげます。外耳炎にならないようにしましょう。