子猫に飲ませるミルクのあげ方

子猫に飲ませるミルクのあげ方

生まれたての猫を保護した、猫が赤ちゃんを産んだがあまり子育てをしてくれない、こんな状況に遭遇した時に、私たちが子猫にミルクを与える必要があります。まだ生まれてまもない子猫はミルクを飲まないとすぐに低血糖状態となり、最悪命を落としてしまう危険があります。今回は子猫に飲ませるミルクの与え方について記事にしました。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

子猫に飲ませるミルクのあげ方

ミルクを飲む子猫

ミルクの量

子猫に与えるミルクの量は生後の経過日数で変化します。あくまで決まった量を飲ませることを意識するのではなく、子猫が飲める量を無理しない程度に与えましょう。そして体重がしっかり増えているかどうか確認することが大切です。

生後10日目まで 

  • 1日に飲ませる量 約40ml~
  • 1回に飲ませる量 約5ml
  • 飲ませる間隔   2~3時間おき

生後20日目まで

  • 1日に飲ませる量 約60ml~
  • 1回に飲ませる量 約10ml
  • 飲ませる間隔   3~4時間おき

生後30日目まで

  • 1日に飲ませる量 約80ml~
  • 1回に飲ませる量 約20ml
  • 飲ませる間隔   4~6時間おき

ミルクはいつまで与えればいいのか

子猫の離乳期は生後30日以降が目安です。突然離乳食に切り替えると食べない可能性もあるので、ミルクに少しずつ離乳食を混ぜて最終的に離乳食のみにしてみましょう。

ミルクの作り方

(用意するもの)

  • 猫用のミルク
  • 哺乳瓶(なければスポイト、針のついていない注射器)
  • お湯

(作り方)

子猫は免疫力が十分ではないので、使用する哺乳瓶や注射器、スポイトは使用前に洗浄、殺菌を行いましょう。殺菌は沸騰したお湯の中に使用する器具をつけておくことで可能です。

①粉ミルクを熱湯で規定の量を溶かします。この時溶かす量は、子猫に1回で与える量を目安に作成してください。ミルクの作り置きはやめましょう。

②子猫に授乳する前に、必ず体温ぐらいまで冷ましてから与えてください。一度手のひらにミルクをとって、確認してください。

万が一、すぐに子猫用のミルクが用意できないときは代用として、牛乳に卵黄を溶かすと子猫用のミルクに成分を近づけることができます。これはあくまで緊急時の対策で、必ず猫用のミルクを与えてください。

ミルクの飲ませ方

子猫のミルクのあげ方には、まず子猫をふせの状態のまま、頭を片手で少し持ち上げて子猫の目線が少し上を向くようにしてください。
人間の赤ちゃんのように仰向けでミルクを与えるのは誤嚥を引き起こす危険があります。母猫のおっぱいを吸わせるようなイメージで、哺乳瓶をお口に持っていきましょう。

シリンジやスポイトで与える場合は、犬歯の生えてくる位置から少しずつ与えるようにしましょう。もし手足を動かしたりする場合は、体をタオルでくるんでみましょう。
元気な子猫は問題なくミルクを飲んでくれますが、弱っているとなかなかうまく飲むことができません。無理に飲ませて誤嚥させると危険なので、あまりうまく飲めないときは病院へ相談しましょう。

ミルクを子猫が飲まないときのあげ方

寝転ぶ子猫

哺乳瓶の乳頭の先を十字に切る

ミルクの出てくる量が多すぎると、子猫はうまく飲めないことがあります。小さく十字の切り込みを入れることで、子猫が飲みやすいようにミルクが出てくる量を調整することができます。

指にミルクをつけて吸わせてみる

子猫が哺乳瓶でうまく飲めないときは、指に直接ミルクをつけて吸わせてみましょう。
 

シリンジやスポイトを用いる

子猫のミルクがうまく飲めない場合、食事補助という目的で「シリンジ」や「スポイト」を用いてミルクを与えます。しかし、慣れていないと誤嚥を引き起こす可能性があるので大変危険です。

この方法を用いる場合、動物病院で獣医さんや看護師さんに実際にやり方を教わり、練習してから実践することをお勧めします。最初は必ず1滴ずつゆっくりと飲ませるようにしましょう。

栄養カテーテルを用いる

栄養カテーテルを口から胃まで挿入し、カテーテルを通してミルクを直接胃まで流し込みます。もちろん、この方法は動物病院で行います。

何度か練習することで飼い主さんも自宅で行えるようになります(病院によっては、安全面を考慮し、自宅で行えない場合もあるので、かかりつけの先生の指示に従ってください)。

ミルクを子猫が飲まないときは無理をしない、しかし低血糖症を起こすと危険なので、すぐに病院を受診する、これが大切です。

子猫のミルクおすすめ商品とミルクの種類

ミルクをボウルで飲んだ黒い子猫

粉ミルク

使用する分だけ使えて残りは保存がきくという点、そして子猫の日齢に合わせて濃度が調整できることから、子猫のミルクには粉ミルクを個人的には勧めています。

様々な粉ミルクが販売されていますが、できるだけ母乳に近い成分で作られているものをお勧めします。また、商品によっては離乳前の子猫には適さないものもあるので表記をよく確認してください。

ワンラック (ONE LAC) ゴールデンキャットミルク

ワンラック (ONE LAC) ゴールデンキャットミルク
1,191円(税込)

商品情報
・原産国 : 日本
・内容量 : 130gX1缶入



ワンラック (ONE LAC) プレミアムキャットミルク

ワンラック (ONE LAC) プレミアムキャットミルク
1,546円(税込)

商品情報
本体サイズ (幅X奥行X高さ) :8.2×8.2×13.7cm
本体重量:200g
原産国:日本

こちらの商品は、ゴールデンキャットミルクを更に初乳に近づけて栄養を強化したものです。
(まだ日齢が若い子猫や体調が優れない子猫におすすめです。)



ロイヤルカナンFHN ベビーキャット ミルク 猫用

ロイヤルカナン FHN ベビーキャット ミルク 猫用
2,680円(税込)

商品情報
・生後すぐから~2ヶ月年齢までのベビーキャットミルク
・【商品の特徴】生後すぐからの子猫用ミルク 生後0~2ヵ月齢まで
・内容量 300g



まとめ

ミルクをボウルで飲む茶色いキジの子猫

生後1か月未満の子猫は短い時間でもミルクが飲めない場合、すぐに低血糖症を引き起こします。母猫がいない場合、もしくは子育てをしない場合、飼い主の献身的なケアが、子猫が成長するためにとても重要です。

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