猫の室内飼いはストレスなのか
環境を整えていればストレスにはならない
猫は元々、外で自由に生活をしていた動物のため、限られたスペースで生活をさせる完全室内飼いは、ストレスの原因となるのではないだろうか?そんな不安を持っている方も多いでしょうが、猫にとって室内飼いはストレスにはなりません。
猫は外で生活をしていたとしても、行動範囲はとても狭い範囲だけです。というのも、猫は自分が決めた縄張りの中だけで生活をする動物のため、たとえどこにでも行ける外の世界でも、行動している範囲はとても小さなものなのです。
そのため、完全室内飼いでも、猫にとって住みやすい環境が整っていて、完全に猫の縄張りとしての条件さえ満たしていればストレスにならず、外に出る必要性はないのです。
居住環境が悪いと猫はストレスを感じる
逆をいえば、外にやたらと出たがる猫や、何度も脱走を試みる猫は、その猫にとって室内が住み心地の悪い縄張りとなっている可能性もあります。
もちろん多くは外の世界に興味津々で出ていってしまう場合や、一度外に出たことで行かないと気が済まなくなる場合がほとんどですが、住み心地の悪い室内環境にストレスがたまり外に行きたがる場合ももしかしたらあるかもしれません。自由に外を行き来できる猫は、事故の遭遇率が高いだけではなく、他の野良猫から病気を移されてしまうリスクもあります。
そのようなリスクを回避するためにも、できれば完全室内飼いで、愛猫の安全と健康を守ってあげるように心掛けましょう。
猫の室内飼いでストレスを溜めさせないために
1.猫が使うものはいつも清潔にする
猫はとてもきれい好きな動物のため、自分が使うものが汚れていると、ストレスを感じてしまいます。特に毎日使用するトイレや、飲み水やご飯のお皿が汚いと、それだけで我慢をしてしまうこともあります。
何だか愛猫がトイレをあまりしなくなった、お水をあまり飲まなくなった、ごはんを食べたそうにしているのに、口をつけようとしないという場合は猫がストレスを感じているかもしれないので、それらのものが綺麗で清潔なものであるか、確認をしましょう。もちろん病気の場合も大いにあり得るので、環境を改善してもいまいちであれば病院に相談しましょう。
掃除の行き届いたトイレ、いつも清潔な餌場、新鮮な飲み水、これだけで猫は幸せを感じてくれますので、毎日お世話を小まめに行うように心がけてくださいね。
猫の室内飼いによるストレスをなくすためにも、ぜひよりよい環境づくりを心掛けましょう。
2.猫にとって有害な物を除外する
人にとっては大変身近なものでも、猫にとっては不愉快なものであったり、口にすると様々な悪影響を及ぼすものだったりする場合もあります。
例えば、お部屋のニオイを消臭してくれる芳香剤や、消臭スプレーは猫にとって有害となる場合もあり、商品によっては肝臓に悪影響を及ぼすこともあります。
また、柑橘系のニオイは猫にとって不愉快と感じる匂いでもあります。その他にも有毒な食べ物だったり、危険な植物だったりと、室内に置いているものが猫の命を脅かすものである場合もあります。
そのようなものを置いておくのは、猫にとってストレスになりますし、完全室内飼いであるにもかかわらず、病気や事故の原因となってしまう可能性もありますので、十分に注意をしましょう。
3.適度に運動ができる環境
猫にとって適度な運動ができる環境は、ストレスをため込まないために必要な項目です。そのため、できれば猫と一緒に暮らすときは、十分なスペースの確保できる家を選んであげるか、せめてキャットタワーやキャットウォークなどを使って、上下運動がたくさんできるような環境を用意しておいてあげましょう。
また、猫は飼い主様と遊ぶのが大好きなので、一日に10分程度でもいいので愛猫と遊んであげる習慣をつけましょう。
大好きな飼い主様と遊ぶ時間や一緒に過ごす時間が、猫にとっては何よりも幸せに感じる時間のため、ぜひ満足するまで遊んであげるのと同時に、たくさん甘えさせてあげましょう。
猫にとって室内飼いは、ただでさえストレスを感じやすい場合もあるため、極力ストレスを解消する時間を作ってあげるようにしましょう。
4.室内を適温に保つ
猫は暑さにはある程度強い動物だとは言いますが、近年の猛暑によって、熱中症になる猫が多発しています。また冬は、寒さに弱い猫にとって、室内だろうと外であろうと、大変暮らしにくい季節となっています。
そのため、せっかく完全室内飼いで猫を飼育しているのであれば、できるだけ暮らしやすい室温を保ってあげるようにしましょう。
猫の適温は28℃といわれていますので、エアコンを利用する、冷感防寒グッズを使用するなどして、過ごしやすい環境を提供してあげるように心がけましょうね。
ストレスは思いもよらないようなところで発生するので、ぜひ猫の過ごしやすい環境を常に模索するように心がけましょう。
まとめ
愛猫を完全室内飼いにすることに、何となく罪悪感を抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは人間が勝手に思っていることであって、猫にとっては自分の縄張りである室内が快適であれば、それで十分だと思っている子も多いようです。
外の世界は、猫にとって大変危険な世界となっていますので、できればストレスのない室内環境を整えてあげた上で、完全室内飼いをしてあげるほうがいいかもしれませんね。
愛猫にとってどうするのが一番幸せなのか?愛猫に少しでも長生きしてもらうにはどうするべきか、この機会に一度考えてみてはいかがでしょう。
30代 女性 しおり
我が家の猫ちゃんになり室内飼いになってからは、ストレスもなくなり病気もしなくなりました。保護したときはストレス性の胃潰瘍になってしまっていましたので、治療しました。
室内飼いの猫ちゃんにもストレスがあるかと思いますが、外の世界で経験した生きるか死ぬかのようなストレスはないので穏やかな顔になりました。猫ちゃん自身も、心を開いてくれましたし、走り回れるようになりました。
歩くのも、ままならない子だったのに良かったなと思います。