子猫が産まれてから目が開くまでの期間
猫は1回の出産で1〜7、8匹の子猫を産みます。出産したばかりの子猫は目が開いておらず、生後7日あたりから目が開くようになり14日頃には完全に目が開くといわれています。
子猫の個体差や成長スピードによって早く目が開く猫もいれば遅い猫もいます。しかし猫の目が開くようになってもすぐにハッキリ見えることはできず見えるまで時間がかかります。また猫の目は直射日光など眩しく強い光に対して弱いため薄暗い生活環境にし、直射日光は避けます。綺麗好きな猫ですが子猫の頃は毛づくろいができないため、ぬるま湯で濡らしたガーゼやタオルで綺麗に拭いてあげます。
ようやく目が開く頃の子猫は虹彩のメラニン色素が正常に働いていないため目の色が青色の場合が多いそうです。青色の虹彩のことをキトンブルーと呼ばれており生後1〜2ヶ月ほどで徐々に通常の虹彩の色に変わりはじめ生後3ヶ月には虹彩の色が固定します。猫のメラニン色素の量によって色が変化し、少ないと黄色やオレンジ、緑、青となり逆に多いと茶色や黒っぽくなります。
子猫の目が開くのが遅い時の注意点
目ヤニが多い
猫の目ヤニは目から出てくる生理的な分泌物であり、結膜や角膜から古い細胞などが含まれています。猫は通常でも目ヤニが出ますが目の周りに付着したままだと瞼が目ヤニでくっついてしまい、猫の目が開くことができないことがあります。目ヤニがついている際はぬるま湯で濡らしたガーゼやタオルで優しく拭いてとってあげます。
しかし通常の猫の目ヤニの色は黒っぽく、目頭についている程度です。しかし目ヤニの量が多かったり色が黄色や緑色の場合は何かしらの感染症にかかっている可能性があるため注意が必要です。
ゴミなどの異物が目に入っている
猫の目は丸く大きいためホコリや毛などの異物が目に入ってしまうことで目が開くことができない場合があります。猫がしきりに前足で目を擦ったり気にする行動をとることがあります。
また猫の目は、目にゴミが入った影響で涙を出し流しだそうと働きます。しかし場合によっては涙の量が多かったり結膜が赤くなることがあり結膜炎などの目に炎症をおこすことがあるためその際は病院に受診してください。
感染症トラブル
子猫の頃は免疫力が弱いためウイルス性の感染症にかかりやすく一般的に猫風邪とも呼ばれています。猫風邪にかかっている場合は目以外にも症状があらわれてくるのが特徴です。
猫ウイルス性鼻気管炎
- 目ヤニが多い
- 涙の量が多い
- クシャミ、鼻水
- 発熱
- 食欲不振
- 脱水症状
猫ヘルペスウイルスが原因で猫同士の舐め合いや食器の共有などの接触感染や胎盤感染で発症します。目ヤニや涙の量が多く、結膜炎になりやすいです。またクシャミが頻繁におこり鼻水もでます。また発熱や食欲不振もみられ症状が続くと脱水状態になってしまうことがあります。
猫カリシウイルス感染症
- 目ヤニが多い
- 涙の量が多い
- 口内炎
- 舌炎
- ヨダレがとまらない
カリシウイルスが原因であり非常に感染力が強いウイルスで子猫によく見られる感染症ともいわれています。猫ヘルペスウイルスと同様に接触感染や感染している猫からの空気感染が原因です。目ヤニや涙の量が多く、目が開くことができないことがあります。特に猫カリシウイルス感染症の特徴は口の中の歯肉が炎症おこす口内炎や舌炎をおこします。炎症の度合いによっては潰瘍化することもあり口からヨダレがダラダラと出るよいになり、痛みでご飯が食べれなくなります。
クラミジア
- 黄色くドロッとした目ヤニ
- 結膜が赤く腫れる
- クシャミ、鼻水
- 咳
クラミジアという病原体が原因で接触感染や空気感染、母子感染により感染します。クラミジアはヘルペスウイルスやカリシウイルスよりも特に目に症状がおこりやすく黄色くドロッとした目ヤニが多く結膜が赤く腫れてしまうため目が開くことができないことがあります。他のウイルス性の結膜炎より症状が慢性化しやすいので注意が必要です。目の症状の他に鼻水やクシャミ、咳などもおこし場合によっては気管支炎や肺炎になります。
子猫の目が開くまでの育て方や注意点
温かい子猫用のミルクをこまめにあたえる
- 子猫用ミルクは専用哺乳器で与える
- 子猫用ミルクは38度
- ミルクを与える時は子猫の体勢に気をつける
子猫は目が開くまでは聴覚の機能もまだ未発達なため感覚で母猫の乳を探し母乳を飲みます。母乳には母猫からの免疫力が入っているため母乳を飲むことで子猫に免疫力をつけることができます。そのため子猫が母乳を飲んでいないと体力的にも免疫力がないため、子猫の命に関わってくるのですぐに飲ませるように手助けする必要があります。
平均的に生後1ヶ月半ぐらいまで子猫に母乳を飲ませる必要があるといわれていますが、母猫からの母乳を飲むことが困難な場合は子猫用のミルクを専用の哺乳器にてあたえます。子猫の頃は十分な消化機能がないため市販の牛乳で代わりにあげてしまうと消化不良をおこし下痢してしまうので必ず子猫用のミルクを飲ませることです。
市販の子猫用ミルクのパッケージに生後日数ごとに必要な量が記載されている量を見て用意します。ミルクの温度は38度と体温と同じくらいのお湯で作ります。ミルクが冷たすぎると体温が下がってしまいますし逆に熱すぎると口の中が火傷をおこしてしまいます。
また目が開いていないので子猫の口元に哺乳瓶をあてて飲ませることがポイントです。哺乳瓶はペットショップで入手することができ小さめのサイズを選ぶと良いです。哺乳瓶の先端が十字にカットされているか確認して選ぶことが大切です。
ミルクを飲ませる際に子猫を仰向けにしてしまうとミルクが気管に誤って入ってしまう危険があるため必ず子猫のお腹を下にし、顔を上に向いた状態でミルクをあたえることです。
日々子猫は成長するので1日でも5〜10g体重が増えるのでその分ミルクの量も毎日少しずつ増やしてあたえます。しかし体格が非常に小さいため1回に飲ませるミルクの量に限界があるため1日に何回もこまめに飲ませます。
(例)ロイヤルカナン「ベビーキャットミルク」の場合
生後1週目 1回給与量約0.3〜0.6ml (給与回数7回)
生後2週目 1回給与量約0.8〜1.7ml (給与回数6回)
生後3〜4週目 1回給与量約2〜3ml (給与回数5回)
子猫は体温が下がりやすいため常に保温する
- 保温用にお湯を入れたペットボトルをそばに置いてあげる
- 室温を常に25度ぐらいに保つ
まだ目が開く約生後6日までは子猫は体温調節ができないため、体温が下がり低体温になってしまう場合があります。子猫が複数いる場合は寄り添うことで体温が維持することができますが1匹の場合はすぐに体温が低下するため、体を温める必要があります。
適切な温度は30〜35度ぐらいと成猫よりも高い体温がよいといわれています。おおよそ生後1周目は30度、3週目までは27度、5週目までは25度ぐらいまで保温すると良いです。
子猫を保温する際に温かいお湯を入れたペットボトルをタオルでくるんで、子猫の側に置いてあげるだけでも体温が維持することができます。また部屋の温度も常に25度ぐらいに保つようにエアコンなどで調節することも大事です。
目が開いていないため寝床は高さのあるダンボールを使い、下に柔らかい毛布を敷いて片側にお湯を入れたペットボトルなどの保温物を置きます。
排泄の補助
目が開いてない頃から生後1ヶ月くらいまでは子猫は自力で排泄することができないため、排泄させるように手助けする必要があります。ぬるま湯で濡らしたガーゼやタオルで子猫のお尻をトントンと軽く叩いて刺激をあたえます。子猫の皮膚は非常に弱く敏感なので擦ったり、強く叩かないように注意します。
子猫はうつ伏せの状態の方が排泄しやすいといわれていますが中には仰向けの方が出しやすい子もいますので、お尻の刺激をあたえる時に子猫の様子を見ながら子猫が楽な体勢にします。
子猫は生後6ヶ月頃まで成長期のためミルクを多く飲む分、排泄量も多くなります。できれば子猫にミルクをあたえる前に排泄させてあげるとお腹に余裕ができるためミルクをしっかり飲むことができます。もし出が悪い場合はミルクを飲み終わったあとも必ず排泄させてあげます。
オシッコはお尻を軽く叩いてあげると出してくれますが、ミルクしかあたえていないこともあり便秘が下痢のどちらかになりやすいです。体力が非常にない子猫は下痢や便秘が3日間ぐらい続いてしまうと場合によっては亡くなってしまうことがあるため、その際は必ず病院に受診することです。
まとめ
生まれたばかりの子猫は目が開いてなく耳も聞こえていないため感覚しかありません。また子猫は自力で排泄することができないため通常は母猫が母乳をあたえ、舐めることで刺激をあたえ排泄を促すようにしてくれています。しかし母猫がいない状況の場合は私たちが母猫の代わりをしなければいけません。1日に何度もミルクをあたえたり排泄の補助や体温が下がらないように保温に注意しなければいけません。
生まれて少しずつ子猫の目が開くようになりますが免疫力が弱いため場合によっては感染症が原因で目が開かないことがあります。目ヤニや涙の量が多い、クシャミや鼻水が出るなどの症状が出ることもあるため必ず病院に受診してください。
40代 女性 なつき
我が家の猫ちゃんを育て始めたときはまだ、目は開いていませんでした。
怪我をしないように、周りの危なそうなものは片付けて育てていました。1匹の子猫ちゃんの目が開きかけた頃に、よく見るとゴミが目に入っていることに気がつきまして無理せずに獣医師に取っていただきました。
その、3日後に無事に目を開きまして、今も長生きしています。子猫ちゃんの目が綺麗に輝くのには、いつも驚いてしまいます。
子猫ちゃんを世話するときには、細心の注意を払って見守ってあげたいですね。