子猫を保護した時にまずやること
子猫を保護した時には、6つのポイントを抑えて行動してください。
- 動物病院に連れて行く
- 子猫の保温をする
- 餌をあげる
- トイレの世話をする
- 子猫のうちに必要なしつけをする
- 子猫の里親を探す
この中で、子猫を保護したときにまずやることは、次の2つです。
動物病院に連れていく
- 病気や怪我がないか診てもらう
- ノミやダニがいないか診てもらい、必要ならば駆除する
- 生後どれくらいか知り、ミルクとフードを考える
子猫を保護したら、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。事前に電話をしておくと、動物病院の方でも受け入れの準備ができます。保護した時には猫用ケージがない場合がほとんどだと考えられますので、段ボールにタオルなどを敷いて猫を入れて行くと良いでしょう。
動物病院で、健康状態や、生後どれくらいなのかの確認をしてもらいます。病気や怪我がないか、ノミやダニがいないかを診てもらい必要ならば駆除してもらうためと、生後どのくらいかがわかれば、与えるミルクやフードについてわかるからです。
子猫が病気や怪我をしていれば、すぐに治療しないと命に関わります。さらに、ノミやダニがいるだけでも、子猫の場合は貧血になったり、体調を壊したりして、こちらも命にかかわることがあります。
動物病院にかかる費用は、まず初診料がかかります。初診料は、1,000円〜2,000円が相場です。子猫の状態次第で、処置や検査をすれば、さらに料金が追加されます。
採血料 1,000円〜2,000円
血液検査 1,000円〜
生化学検査 1,000円〜(項目により異なる)
体温が下がっていたら保温もしてあげる
- 湯たんぽや使い捨てカイロを使う
- 子猫を毛布やタオルで包んであげる
子猫を見つけて保護したら、できるだけ早く体を温めてあげる必要があります。もし寒い季節であったり、子猫の体温が下がっている、動きが少ない、食欲がないなどと感じたりした時はもちろん、夏であっても保温は必要です。特に、生後間もない子猫はまだ自分で体温を調節することができません。子猫は体温が下がると体力も落ち、すぐ命にかかわってきます。
保温は、ペットボトルを入れたお湯をタオルでくるんだ湯たんぽや、使い捨てカイロの上にタオルを巻くなどして、子猫の体を温めます。子猫は段ボールなどの箱に入れて、毛布やタオルなどで優しく包み、湯たんぽなどの保温できるものをそばに置きましょう。
温めることは大切ですが、子猫が低温やけどにならないように気をつけてください。保護した子猫が汚れていたら、お湯で洗いたくなりますが、すぐにお風呂に入れたりすると体力が落ちることがあります。また体を洗うことで、乾かす時に体温が下がってしまうおそれもあります。
子猫のひどい汚れはぬるま湯にガーゼやタオルなどを浸したもので拭き、獣医さんで診察してもらってから、お風呂に入れても良いかを相談しましょう。
子猫を保護した時のトイレ
子猫のトイレ
ある程度成長した子猫を保護した場合、猫トイレも必要になりますが、子猫を急に保護した場合、猫トイレがないことが多いでしょう。保護した時間によってはホームセンターなどが開いておらず、猫トイレを買えないこともあります。そんな時、家にあるもので、猫トイレを作ることができます。
- 段ボール箱
- ビニール袋(ゴミ袋)
- 猫トイレ砂(コンビニで小さいものから売っています)
底を浅め(4、5cmほど)にした段ボール箱に、段ボールの底部分に直接砂がかからないようにビニール袋をかぶせます。そしてその中に猫トイレ砂を入れます。最初が肝心ですので、床や他の場所に排泄しないように、子猫をよく観察してトイレに誘導しましょう。
自力で排尿できない場合
生後3週間ほどぐらいは、子猫がまだ自力で排泄ができません。ミルクを飲ませる前と後に、濡らしたガーゼやティッシュなどを使い、母猫がなめてあげるのと同じようにして、子猫の肛門の少し下あたりを優しくなでる感じで刺激しましょう。その後、肛門あたりを優しく刺激して、うんちをさせてあげます。
排尿の後、排便をすることが多いですが、ミルクを飲んでいる子猫は、あまりうんちが出ないこともあります。排尿は1日に6回ほど授乳させるたびに、排便は1日から1日半のうちに1回を目安として、排泄させてあげてください。やり方がわからない時には、獣医さんに聞いて指導してもらってください。
子猫を保護した時にあげる食事
子猫にミルクを与える
- 授乳期の子猫用ミルクを哺乳瓶で与える
- 哺乳瓶は消毒する
- ミルクの後は排泄をさせる
生後4週~5週ごろまで、子猫はミルクを飲んで育ちます。その週齢の子猫を保護した場合には、夜中や早朝など関係なく、2時間から4時間ごとに、ミルクを飲ませてあげる必要があります。
猫用粉ミルクをお湯に溶かし、人肌に冷ましてから哺乳瓶で与えます。哺乳瓶は小動物用の小さいものを使用してください。一般の猫用ミルクは授乳期の子猫が健康に育つ成分にはなっていませんので、ミルクは必ず授乳期の子猫用のものを与えてください。哺乳瓶はしっかり洗って煮沸消毒し、雑菌が繁殖しないようにしましょう。
食事の後には排泄をさせてください。ミルクをあげている間は、食事と排泄はセットとして行うと良いでしょう。
子猫に餌を与える
生後4週間から5週間を過ぎると、離乳期になりますので、ミルクと市販の子猫用の柔らかいフードを混ぜて与えます。保護した時にすでにフードが食べられるようになっていれば、子猫用ウェットフードか、離乳食を与えます。
うまく食べられずにお腹をすかせているようであれば、ミルクも飲ませてあげるようにします。健康診断をかねて獣医さんに診てもらい、食事についてもアドバイスしてもらいましょう。
歯が生えてくれば、徐々に猫用ドライフードに移行していけます。最初のうちは、お腹をこわしていないか、排便時に確認しましょう。
子猫を保護したあとのしつけ方
トイレのケア
子猫がトイレに行きたくなった時には、床を前足で掻いたり、隅の方に行きたがったりします。そのような行動が見られたら、猫トイレ砂の上にそっと置いてあげましょう。トイレ砂があれば、多くの子猫は自然にトイレをする場所を覚えてくれます。
もし粗相をしてしまった場合には、臭いで粗相した場所をトイレだと思ってしまうので、臭いが残らないようにきれいに掃除しましょう。
しつけについて
生後2週から9週ほどのうちは、社会化期といって、周りの色々なものを学ぶ大切な時期です。この時期は人や犬、ケージを怖がらないようにするのにも良い時期です。猫は生まれ持った性格から、全ての猫が社交的になるわけではありませんが、将来の暮らしやすさを考えて、出来るだけ色々な物や出来事に慣れさせると良いですね。
子猫を保護してからの里親探し
子猫を保護した後、自分で飼えない場合には、里親を探すことになります。
里親探しを知人にお願いする
誰か猫を欲しい人がいないか、友達や知り合いに頼む、という方法があります。知っている人に猫を託す場合には、知り合いであることから、猫に危害を加えたり、不適切な飼い方をする心配が少ないと考えられます。
知人を通して猫を譲る時には、後々トラブルがないように、よく話し合い、猫を飼える状態の人なのかどうかを見極める必要があります。面倒なことのように思えますが、猫だけでなく、知人のためにも、適切に猫が飼える人なのかどうかを確認しましょう。
里親探しを動物病院にお願いする
診察してもらった動物病院で、里親を探してくれる場合があります。動物病院に来る人から里親が見つかるので、猫好きの人やペットがいる家のつながりで、良い貰い手が見つかる可能性があります。獣医さんが積極的には探してくれなくても、里親募集のチラシを置かせてくれる場合もありますので、相談してみると良いでしょう。
民間の団体にお願いする
民間の団体で、猫の里親を探してくれるところにお願いするという方法があります。インターネットに掲載されている里親募集の団体に連絡して、相談してみましょう。
また、猫カフェの中でも、カフェ経営と里親募集を同時にしているところもあります。近くに里親募集をしてくれるカフェがあれば、問い合わせてみましょう。
保健所や愛護センターは、基本的に収容した猫に引き取り手がなければ、一定期間後に殺処分されてしまいますする場所です。しかし最近は、里親を積極的に探してくれたりる里親を探してくれる民間の保護団体に協力したりして、殺処分を出来るだけ行わない努力をしている保健所も多くあります。保健所とは別に動物愛護センターを設けている自治体もあります。特に子猫は、行政が行う里親探しでも里親さんが見つかりやすいので、保健所に子猫の里親探しについて相談するのも良いでしょう。
まとめ
子猫を保護した時には、まず落ち着いて、子猫の体が冷えないように保温しながら、できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。猫が幼ければそれだけ、保温や健康状態を知ることは命にかかわることなので大切です。
保護した子猫にとって、生後9週くらいまでの間は、社会性を学ぶ大切な時期なので、できるだけ様々な物に慣れさせてあげたい時期です。猫を保護した時点で、猫の命を預かったことになります。大変なことかも知れませんが、保護した猫が飼えなくても、里親を探して、子猫の将来が幸せになるようないいご縁が見つかるといいですね。