子猫への食べ物の与え方
生後約3〜5週間
子猫にミルクと離乳食両方混ぜてあたえ、慣れてきたら離乳食だけあたえます。最初は離乳食に対してミルクも同じ量くらいまで入れましょう。
生後約3〜4週間ぐらいになると子猫は乳歯がはえてくるようになり離乳期といわれており、ミルクからペースト状の食べ物に切り替えていく大事な時期です。最初は子猫にペースト状の食べ物である離乳食をあたえるのですが今までミルクしか口にしていない子猫はミルク以外の食べ物に対して不信感を抱いていたり上手く口を動かすことができないため食べないことがあります。
生後約1ヶ月半〜2ヶ月
生後1ヶ月過ぎた頃から食べ物を離乳食から子猫用のドライフードに切り替えていきます。しかしその頃の子猫はまだ十分に食べ物を消化する機能がないため、いきなりドライフードをあたえてしまうと消化不良をおこし下痢をしてしまいます。そのため最初は子猫に離乳食とふやかしたドライフードと混ぜてあたえ、その後は1週間ほどかけて離乳食とドライフードをふやかさないで一緒にあげます。
ドライフードをふやかすときにお湯の量によってフードの固さが変わってくるので最初はお湯の割合を多くし柔らかくしてあげます。最終的に生後2ヶ月くらいまでに子猫がドライフードをふやかさないで食べてくれるように少しずつ切り替えるようにおこないます。
生後約3ヶ月以降
生後3ヶ月以降になると乳歯から永久歯に生え変わる時期で子猫の食べ物の内容が変わってきます。その頃になると子猫は固いドライフードを噛み砕けることができるので、そのままあたえても大丈夫ですがドライフードは水分含有量が非常に少ないため、子猫がいつでも水を飲めれるように水置き場を用意しなければいけません。そのため子猫が食べ物だけではなく水を飲むことも大事になってくるのでこの時期から水を飲む習慣をつくることが大切です。
子猫へ食べ物を与える際の注意点
子猫の食べ物を切り替えるときはゆっくりと
離乳食やドライフードなど子猫にとって初めての食べ物をあたえる時はほんの少しの量だけにして、消化不良による下痢や嘔吐をおこしていないか様子みながらゆっくりと切り替えることです。体力がない子猫にとっての下痢や嘔吐は体に大きく負担がかかってしまい、場合によっては命に関わることもあります。
しっかりと形のある便であればそのままあたえても大丈夫ですが、あきらかに便の状態が柔らかかったり、下痢や嘔吐を起こす場合は一旦子猫の食べ物の切り替えをストップし症状が続くようならば動物病院に受診してください。
子猫の食事回数をこまめに増やす
まだ胃や腸などは十分に食べ物を消化する機能が備わっていないため、一度にあげる食事量が多いと消化不良を起こしやすかったり、喉を詰まらせてしまう危険があります。そのため1回にあたえるご飯の量を少なくし、こまめに食べさせてあげます。およそ1日4〜5回ぐらいがよいです。また子猫の食べ物をあたえる時間帯が日によってまちまちだと食欲にムラが出てきたり、生活リズムが乱れてしまい体調を崩してしまう要因になります。毎日同じ時間帯に子猫に食べ物をあげるようにしましょう。
子猫の成長に合わせて食事量を増やす
生後約6ヶ月までは成長期の真っ盛りなのでほんの数日だけでも大きく成長します。そのため成長に合わせて子猫の食べ物の量を増やさないと栄養が足りず成長に支障が生じ、場合によっては正常に成長できない可能性もあります。市販で販売されている離乳食のパッケージ裏に年齢や体重ごとにあたえる食事量が記載されているので、それを参考に食事量を調節してあたえなければいけません。ですがあくまでも目安であり個体差や性別によって量に多少の違いが生じても特に問題はありません。
子猫に色んな食べ物をあたえてみる、だが人のご飯は決してあたえないこと
猫ちゃんは食べ物の味や好みがとても強いこだわりがあり、子猫のときに食べたものが大きく関係しているといわれています。この時に一度も食べてないものに対しては成猫になっても食わず嫌いが激しくなる場合があります。逆に子猫の頃にチキン味やサーモン味、他メーカーのフードなど色んな味や食感の食べ物を口にすると食事に対してのこだわりが少なく、将来療法食に切り替えなければいけない場面でも抵抗なく食べてくれやすいです。
しかし子猫の頃は人の食べ物に対しても非常に興味があります。この時期に人の食べ物をあたえてしまうと食べる癖がついてしまいゴミ箱をあさったり飼い主さんが目を離した瞬間に食べてしまう事故につながります。人の食べ物は塩分や添加物等が多く含まれており病気を引き起こしてしまったり、中には中毒症状を引き起こす食べ物もあり命の危険があるため絶対に与えないでください。中毒症状を起こす代表的な食べ物をいくつか挙げてみます。
ネギ類
ネギ類にn-プロピルジスルフィドという成分が含まれており、赤血球が壊されてしまいます。貧血や血尿、下痢、嘔吐などの症状がおこり重度になると死に至ることがあります。
チョコレート、ココア
脳や呼吸器、心臓を興奮させる作用があるテオブロミンという成分が含まれており猫ちゃんは上手く分解することができないため中毒になります。一般的に食べてから3〜4時間以内に症状が現れ、下痢や嘔吐、心拍数の増加による頻脈、痙攣などをおこし最悪の場合、突然死することもあります。
牛乳
牛乳には糖分である乳糖が含まれており酵素がないと上手く消化できないため下痢を起こしやすいです。特に体力がない子猫にとって下痢は一気に衰弱してしまう原因にもなります。
生魚(特に青魚)
アジやサバ、イワシなどの青魚には多くの不飽和脂肪酸が含まれておりたくさん食べてしまうと体内で異常な酸化をしイエローファット(胸腹部の皮下脂肪が酸化し炎症がおこる)を発症し発熱や腹部のしこりが出来てしまいます。
また生魚にはビタミンB1分解酵素であるチアミナーゼが含んでいるため全身性の運動障害をひきおこしてしまいます。他にも生魚には寄生虫がいることがあり食べてしまうことによって感染してしまい下痢などの消化器症状をおこします。
煮干し、海苔
マグネシウムなどミネラル成分がたくさん含まれており尿に結晶や結石ができやすくなってしまい最悪の場合は尿路に詰まりオシッコが出なくなり命の危険があります。
まとめ
子猫の頃は成長期のため十分な食べ物を与えないと成長に障害を起こしたり、成猫になっても発達異常が残ってしまうことがあるので大変重要です。子猫の成長は私たちが驚くほど速いため、常に食事の量を調節しなければいけません。ですが子猫は食べ物を消化する機能が不完全なため1回の食事量を少量にし、こまめに食べさせなければいけません。
また体力がないため常に下痢や嘔吐など体調に変化がないか気にしてあげる必要があります。他にも子猫の頃から偏食の癖をつけないように色んなタイプのフードを与えてみたり、人の食べ物をあげないように注意する必要があります。猫ちゃんの性別や種類、遺伝などにより成長スピードには個体差があり、小さい子もいれば大きい子もいます。焦らずに子猫が少しずつ成長していくのを見届けることも大切なことだと思います。