毛の量が多い猫にはどんなお手入れが必要?

毛の量が多い猫にはどんなお手入れが必要?

猫の毛のお手入れはとても大切です。長毛の猫はもちろん、短毛でも毛量が多い猫のお手入れはどのようにしたら良いでしょうか?毛の量が多い猫のお手入れ方法についてご紹介します。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

毛の量が多い猫をお手入れするには?

シャンプーされる猫

ブラッシング

毛が多い猫のブラッシングのコツとしては次の5つがあげられます。

  • 少しずつとかす
  • 毛のもつれをほぐす
  • 骨の部分にブラシが当たらないようにする
  • 部分ごとに毛流れにそってとかす
  • 猫が嫌がるようならやめる

長毛の猫は、もつれてからまったり毛玉ができていたりする可能性があるため、まずコームや目の粗いブラシで確認しながら、少しずつとかします。

勢いよくとかすと、ひっかかって猫が痛い思いをしたり、被毛が抜けたり切れたりしますので、ゆっくりとかしてください。

からまった毛をほぐしながらとかし、ひっかかりがなくなったら、大きめの動きで、被毛の流れに沿ってブラシでとかしていきます。

頭、胸から前足、背中、後ろ足、おしりから尻尾といったようにパーツで分けてとかすと、猫の毛流れに逆らわずにとかせます。

短毛でも毛が多い猫の場合、毛のもつれの心配はあまりありませんが、それでも、被毛や肌に負担をかけないように少しずつとかしていってあげてください。

ブラッシングのお手入れでは、スリッカーブラシなど尖ったブラシは力が入りやすいので、毛に触れる部分近くを持ち、皮膚にあたらないようにしてとかしましょう。

ブラッシング後は周りが抜け毛だらけになりやすいので、粘着テープなどを使うと掃除が楽ですよ。

シャンプー

長毛の猫は、シャンプーが必要になる場合もあります。お手入れのコツには次のようなことがあげられます。

  • 洗う前にブラッシングする
  • シャワーの温度はぬるめ
  • シャワーの出口はできるだけ猫の体に近づける
  • 脇やお腹部分を念入りに流す
  • 耳や顔に水をかけない
  • シャンプー液をしっかり流す
  • しっかりと乾かしてあげる

すぐにシャワーのお湯をかけるのではなく、ブラッシングして、被毛の汚れを取り除き、毛のもつれを取っておきましょう。

猫にシャワーのお湯をあてる時には水量を弱めにしましょう。勢いが強いと猫にとっては不快な他、シャワーの音が嫌いな猫もいるためです。

さらに、シャワーヘッドはできるだけ猫の皮膚に近づけて、水が跳ねないようにしましょう。

被毛に近づけることで、シャワー音も小さくなり、猫が怖がらないような効果もあります。

シャンプーは直接かけるのではなく、ぬるま湯で泡を立ててシャンプー液を作って、それを猫の体にかけるようにしてください。

顔のお手入れは、濡らしたガーゼやタオルで拭く程度にして、決してお湯をかけたりシャンプーや泡をかけたりしないこと。

シャンプーを流す時には、長毛の猫は特に、足の付け根(脇)やお腹に泡が残りやすいので、しっかりと流してあげましょう。

また、洗ったあとはまずタオルで体の水分を取り、手早く乾かしてください。

脇やお腹などの被毛にたまった水は、キッチンペーパーで吸い取るとよく取れます。シャンプー後のお手入れでは、水分を取り毛並みを整えることがとても大切です。

濡れたままでいると体温が奪われてしまいますし、長毛や毛の多い猫は特に乾きにくいので、ドライヤーで乾かすことをおすすめします。

毛玉を作らないようにするには?

毛玉を作らないためのお手入れは、次の2つがあります。

  • こまめにブラッシングする
  • シャンプー時に毛玉をつくらないようにする
  • 抜け毛の掃除をする

長毛の猫はもちろん、短毛でも毛量が多く抜け毛が多い猫は、毛玉もできやすくなっています。

毛玉を放置しているとさらに毛玉が大きくなり、皮膚が引っ張ってしまったり、皮膚の様子がちゃんと見えずに皮膚病を見逃したりしてしまいます。

特にお手入れが毛玉ができやすい必要な時期は毛が生え変わるいわゆる「換毛期」で、抜け毛が多く絡まりやすいことがその理由です。

換毛期は抜け毛が多く絡まりやすいこと、冬は暖房で猫の皮膚が乾燥しやすくフケができやすいために毛玉の元になりやすいこと、がその理由です。

シャンプー時にもブラッシングして、しっかりと毛をとかしてあげることが毛玉をつくらないお手入れのコツです。

シャンプー後に乾かす時に毛がもつれないように、ブラシを使ったり、くしゃくしゃにして乾かさないようにしたりなど、注意してお手入れするようにしてください。

シャンプー後に乾かした後には抜け毛が出ますので、掃除をして抜け毛を取り除いておきましょう。

普段のブラッシング後にも抜け毛が出ますので、こまめに掃除をして取り除いておくことが、毛玉をつくらないようにするお手入れにつながります。

毛の量が多い猫のお手入れで気をつけること

ブラッシングされる猫

毛の量が多い猫は、普段のお手入れでも気をつけることがあります。

爪切り

毛の量が多い猫だと、指の間や肉球の周りに毛が生えていることが多く、爪切りの邪魔になることもあります。

また、指の間や肉球周りに毛がたくさんあると、足の裏と床の間に毛をはさんでしまうので、滑ったり、からまったりして、動きにくくなることもあります。

滑ると、足腰を痛めることにもなりかねないので、肉球周りの多すぎる毛はカットしてあげてください。

先が丸くなった小さめのハサミを使うと、猫の肉球や指を傷つけずに毛をカットすることができます。

猫の爪切りの時に同じようにお手入れをするようにしましょう。

耳掃除

耳掃除の時に、毛の量が多い猫だと、耳の入り口付近にも毛が多く生えていることがあります。

耳の汚れが耳周りの毛につくこともあるので、濡らしたガーゼで取り除いてあげてください。

耳の中の掃除は、あまり奥まで綿棒などをいれると耳道を痛めてしまうことがあるので、猫が嫌がったらやめるようにしましょう。

目のお手入れ

長毛で鼻が低めの猫は、目やにがたまりやすく涙焼けができやすい、という傾向があります。

目やにはガーゼやコットンで丁寧に取り除きましょう。また涙焼けのお手入れは、濡らしたガーゼで優しく拭くようにしましょう。

涙焼けがひどい場合には、角結膜炎などの目の病気にかかっている可能性もありますので、早めに動物病院で獣医さんに診てもらってください。

目やにのお手入れの時には、目のまわりもよく観察してあげてくださいね。

まとめ

爪を手入れされる猫

毛の量が多い猫は、長毛でも短毛でも、少しお手入れに注意が必要です。

特に毛玉やもつれを作らない為にもブラッシングはこまめに行うことが大切です。

また、シャンプーでのお手入れが必要になることもあるので、できれば小さい頃からシャンプーやブラッシング、爪切りや耳掃除などのお手入れをしてあげて慣れてもらっておくと良いでしょう。

お手入れをすることは、猫の被毛をきれいに保つだけでなく、病気や怪我などの異常に気づくためにも大切です。

ふだんから猫のお手入れをしていると、何か異常に気づいた時には早めに動物病院に連れて行くことができます。

猫が健康に長生きしていくためにも、飼い主さんもお手入れを楽しみながら、猫と暮らしていってくださいね。

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