猫の巻き爪とは
猫の爪は、先端が伸びるだけだと思われている方は、多いのではないでしょうか。しかし実は、爪の中心から外側に向けても伸びているのです。この外側に向けて伸びた爪が、何層にも重なって、猫の爪が形作られています。「伸びている」と言うと分かりにくいのですが、爪全体が「厚くなる」「太くなる」といったイメージでしょうか。
通常は、猫が自分で爪とぎをすることによって、この厚くなった爪の一番表の層がポロリと取れ、中から新品(?)の鋭い爪が出てきます。この剥がれ落ちた爪は、脱皮後の抜け殻のような見た目で、「爪鞘」などと呼ばれているようです。猫と暮らしている方なら、家の中に落ちているのを見かけたことがあるかもしれませんね。
この爪の表面がうまく剥がれてくれずに、どんどん伸びて分厚く丸まってしまうと、巻き爪になってしまいます。
猫が巻き爪になると
猫の爪が伸びるのを放置して、巻き爪になってしまうと、肉球に食い込んでしまいます。さらにひどくなると、肉球に刺さって出血したり、傷口が膿を持ったり、腫れたりする危険性もあります。
こうなると、猫も当然痛みを感じるので、歩き方が不自然になり、脚の関節に悪影響を及ぼすことも。猫の歩き方がおかしい!床に点々と血が付いている!こうした状態になってから、初めて巻き爪に気づく飼い主さんもいるようです。
猫で巻き爪になりやすい場合
巻き爪になりやすい猫としては、以下のものが挙げられます。
- 高齢の猫
- 室内飼育の猫
- 足に疾患がある猫
高齢の猫
人間も歳をとり、体力が落ちたり、体の具合が悪かったりすると、毎日の日課でも面倒になることがありますよね。猫も同じです。高齢になると、日課とも言える爪とぎをサボる猫が増えます。そうすると、爪の外側がいつまでも剥がれずに、巻き爪の原因となってしまいます。
また、老化に伴う関節の硬化で、爪が上手く出せなくなり、せっかく爪とぎをしても、効果が得られにくいという理由もあります。
室内飼育の猫
外を自由に飛び回っている猫は、狩りをしたり、他の猫とケンカをしたりと、爪を消費する機会に恵まれています。塀の上やアスファルトの上を歩いたり、木に登ったりすることによって、自然と爪が剥がれ落ちることも多いです。
対して、室内で暮らしている猫の場合、爪とぎくらいはしていても、外にいる猫ほど爪を使う機会はないでしょう。
脚に疾患がある猫
脚に何らかの疾患を抱えている猫は、脚が痛むのを嫌がって、爪とぎを避けて巻き爪になってしまう傾向があります。高齢の猫に多いようですが、若い猫でも脚が不自由なコはいます。
巻き爪になると、脚の関節にもダメージを与えることもあるので、こうした猫は、特にこまめに爪の状態をチェックしてあげましょう。
猫が巻き爪になってしまったら
愛猫が巻き爪になってしまった!そんな時は、まず肉球への被害を確認しましょう。もしも巻き爪が肉球に刺さり、出血や化膿がある場合は、一度獣医さんに診てもらったほうがよいでしょう。
肉球に被害がなく、軽度の巻き爪の場合は、飼い主さんが爪切りをしてあげることでも解消できます。巻き爪になってしまうと、動物用の爪切りでは切りにくいことが多く、人間用の爪切りを利用する飼い主さんも多いようです。
そうは言っても、爪切りをおとなしくさせてくれる猫は多くはありませんよね。特に巻き爪になると、爪切りもいつもと勝手が違い、難易度もアップします。猫も痛がって、いつもより抵抗が激しくなるかもしれません。
自分で切るのは不安、猫が嫌がって暴れるといった場合には、動物病院やトリマーさんにご相談を!
猫の巻き爪の予防
猫の巻き爪の予防には、定期的な爪のチェックと爪切りが大切です。一般的に、若い猫のほうが爪の伸びは速く、年齢を重ねるとともに遅くなっていきます。
若いうちは1週間前後、シニア(7歳以降が目安です)になったら2週間前後程度の間隔で、爪のチェックとお手入れをしてあげるのが良いとされています。
老猫は巻き爪のリスクが高いので、爪切りを特に忘れずに行ってあげることが重要です。
もちろん同じ年齢の猫であっても、生活環境や活動量、体質などによって、爪の伸び具合は異なります。愛猫に適した頻度を見つけてみてください。また、家の中には、必ず猫用の爪とぎを置いてあげましょう。
まとめ
猫の巻き爪についてご紹介しました。一度なってしまうと、痛いわ動きにくいわで、猫にとっては大きなストレスとなる巻き爪。さらに、爪を切る時もいつも以上に猫が嫌がり、一騒動となることも。爪は猫の大切な武器。定期的な点検と爪切りで巻き爪を予防して、愛猫の快適な生活をサポートしてあげましょう!