1. 快適な室温
猫の生活環境で重要な要素は、
- 室温
- 湿度
- 空気の流動
です。
夏と冬の設定温度
特に夏場は室内での熱中症に気を付けてあげたいですね。しかし、だからといってエアコンでガンガンに冷やせばイイというわけではありません。猫が快適な夏場のエアコンの設定温度は26~28℃程度と、人間が快適に感じる室温よりも高めです。冬の設定温度は22~24℃程度が適しています。
猫は蒸し暑い環境が苦手
夏場は湿度にも気を付けてあげなくてはいけません。猫は汗をほとんどかかないので、私たちよりも体熱を逃がすことが苦手です。そのため、湿度が高い環境や空気が流動しない環境では熱中症のリスクが高まります。同じ26℃でも、湿度が高いのと低いのでは快適さが雲泥の差です。
猫は風の通り道が好き
猫はよく「風の通り道」に寝転んでおり、風が当たる場所を好む子が多いです。そのため、エアコンとともにサーキュレーターで空気を循環させてあげると良いでしょう。冷気は下に溜まりやすいので、夏場はエアコンによって猫のいる床に近い部分が冷えすぎてしまう恐れがあります。エアコンとサーキュレーターを併用して、空気を循環させることで冷えすぎを防ぐこともできます。
自由に行き来できる部屋は「頭数+1」
トイレと同じく、猫が自由に行き来できる部屋数は「猫の頭数+1部屋」です。猫は自分で快適な場所をその都度選ぶことに関しては天才的なので、自由に行き来できる部屋がたくさんあれば「冷えすぎたからあっちの部屋に行こう」「暑いからこっちの部屋に行こう」と居場所を選ぶことができます。キッチンやお風呂場など、猫ちゃんに危険があり得るお部屋の解放には十分注意してあげてください。
2. 窓際のキャットタワー
猫ちゃんのために陽の当たる窓際にキャットタワーを設置してあげると、「ひなたぼっこ+高所+ニャルソック」という最強コンボの環境を提供することができます。
ひなたぼっこは被毛や皮膚の衛生を保つためといった、健康のために本能的に必要とする行動です。そして高い場所に上ったり下りたりするのも猫が本能的に求める運動です。
そして、窓の外を観察する「ニャルソック」は私たちがテレビを見るような、猫にとっての娯楽になります。
これらが陽の当たる窓際のキャットタワーで一気に叶います。窓際にキャットタワーを設置する際には、猫ちゃんがもたれて網戸が外れてしまわないように注意しましょう。
3. 快適なトイレ
屋根のないオープンタイプ
ドーム型のトイレを嫌がる子は意外と多くいます。私たち人間にとってはトイレの中が見えにくいので快適に感じますが、ドーム型だと「すぐに逃げられない」という閉塞感によって猫ちゃんが安心できない恐れがあります。
また、うんちをするときに背筋を伸ばして力みたい子が多いので、ドーム型だと自然な体勢で排泄できない恐れがあるということも理由の1つです。トイレには屋根のないオープンタイプがおすすめです。
大きければ大きいほど良い
猫のトイレは愛猫の体格の1.5倍ほど余裕がある大きさが目安ですが、大きいほど良いと言われています。専門家の中には、クローゼット用の衣装ケースを猫トイレにしているという方もいらっしゃるのだとか。
そして、思いっきりジャカジャカ砂をかけることも重要ですので、広さだけでなく深さもしっかりあるトイレが良いでしょう。
遠すぎず真っ暗にならない場所に
猫のトイレを置く場所は、普段猫ちゃんがくつろぐ場所から遠すぎない場所にしましょう。そして、真っ暗にならない場所というところもポイントです。電気を付けなければ真っ暗、という場所は猫のトイレ場所には不向きでしょう。
4. 好みの爪とぎ
猫の爪とぎにはたくさんの種類がある
猫ちゃんの好みが分かれるのが「爪とぎ」です。
- 後ろ脚で立った状態で研ぐ
- 伏せの体勢で研ぐ
といった体勢の好みのほか、
- 布
- 麻
- 木
- ダンボール素材
- カーペット素材
といった材質の好みも猫ちゃんそれぞれです。
失敗から好みが特定しやすい
最初のうちは好みが分かりづらいのですが、たとえば「ファブリックのソファーの背もたれ上部で爪を研がれてしまった」なら「布やデニム生地」+「伏せの耐性で研ぐこと」が好きな可能性が高いです。
最初は複数の種類を用意してみたり、失敗してしまった箇所から好みを探ってみたりしましょう。猫にとって爪とぎは本能的に必要な行動なので、気持ちよく爪を研げる環境を作ってあげましょう。
5. 察してくれる飼い主
なんといっても、猫は「察してくれる人」が大好きです。猫はもともと臆病な動物なので、他者を信頼するまでに時間がかかることも少なくありません。猫にとっての信頼とは「安心安全であること」に等しいため、自分の気持ちを理解してくれて意思疎通できる人を好みます。
- 甘えたいときの要求
- 嫌なときの仕草
- 体調不良の様子
などに気付き、猫の気持ちを理解してくれる飼い主さんだと猫は大変快適に暮らすことができます。
まとめ
今日のねこちゃんより:ナナ♀ / 1歳 / 三毛猫 / 3.7kg
猫にとってはおうちの中こそ世界の全てなので、住まいの環境や共に暮らす飼い主さん次第で快適にも不快にもなってしまいます。猫にとって快適な住まいに整えるには、
- 室温湿度の管理
- 窓際にキャットタワーを設置する
- トイレ環境を快適にする
- 好みの爪とぎを用意する
- 愛猫の気持ちを理解する
この5つのポイントを意識してみてください。猫ちゃんが安心して暮らせることは、飼い主さんとの信頼関係にも繋がります。猫という動物の習性を知り、本能に沿った環境づくりが大切です。