猫がご飯を食べない原因
猫がご飯を食べない原因は、病気などを患っている可能性がある危険なものから、好みや、猫本来の習性によるものなど様々です。愛猫の様子をしっかり観察し、ご飯を食べない原因がどれに当てはまるかチェックしてみてください。
病気による食欲不振
子猫は8時間以上、成猫は14時間以上、何も食べない場合、なんらかの病気を患っている可能性があるといわれています。特に水ばかり大量に飲む場合、また水も全く飲まないなどの症状がある場合はすぐにかかりつけ医を受診してください。猫が食欲不振に陥る原因となる主な病気は以下の3つです。
- 誤飲、寄生虫などが原因の急性胃炎
- 猫風邪が原因の鼻詰まり
- 腎不全
上記のほかにも、食欲を低下させる原因になる病気はたくさんあります。あまりに長時間猫がご飯を食べない、ぐったりしている場合などは、動物病院で点滴や、胃カテーテルで栄養剤を投与してもらうことがあります。
エサに飽きた
猫は、人間同様同じものばかりを食べていると味に飽き、突然食べないようになってしまうことが多々あります。猫と長年暮らす飼い主さんなら、一度は経験があるのではないでしょうか。病気が原因の場合と違って、お腹がすけば渋々食べてくれる場合もありますが、なかには、栄養失調を起こすほどまで、意地になって食べないという頑固な猫もいます。
季節的な食欲不振
これも人間と同様、猫も気候や生活環境によって食欲が変動します。また、猫は4ヵ月周期で摂取カロリーの変動が起こることから、夏には小食になり、秋から冬にかけては大食いになるといわれています。ほかにも、猫が苦手な高温多湿な梅雨時期も、猫が食欲不振に陥りやすいため注意して様子を観察しましょう。
ネオフォビア現象による食欲不振
「猫は生後6ヵ月までに食べたものしか食べない」といわれています。この、経験したことのない食べ物に拒否反応を示す現象を「ネオフォビア」とよびます。神経質な猫だと、フードが他の国の原材料に変わった場合や、粒の形がほんの少し変わっていたことで、ネオフォビアを示しご飯を食べないという事例もあります。飼い主が気付かないうちに、商品の品質改良などでフードに変化があるのかもしれませんのでチェックしてみましょう。
猫がご飯を食べないときの対策法
病気が原因の食欲不振が考えられる場合は、なるべく早くかかりつけ医を受診してください。その他の猫の食欲低下で食べない場合には、以下のような対策法を試してみてはいかかでしょうか。
フードをかえる
上記の、フードに飽きた場合、またネオフォビア現象による食べない場合などに有効な手段です。ただし、一度にすべて新しいフードに変えるのではなく、元のフードに少しずつ混ぜながら嘔吐や下痢の症状がないか確認し、徐々に新しいフードに移行するようにしましょう。
特にネオフォビアを示す可能性のある、子猫の頃から決まったフードしか食べない猫の場合は、食欲不振などの症状が出る前に、早めから他のフードに慣れさせておくことが必要です。
室内環境を見直す
猫は高温多湿に弱く、特に梅雨時期や、真夏などは食欲が低下しがちです。エアコンや除湿器などを利用し、猫が快適に生活できる気温、湿度を保つようにすれば食欲が戻る場合もあります。また、エアコンの冷気が苦手な猫もいますので、部屋が冷えすぎないよう、猫が寒さを感じたときに避難できる場所があれば安心です。
猫用の器を変えてみる
猫が今の器に不満、不便を感じて餌を食べない場合があります。特にマズル(鼻先)が短い猫、ペルシャ猫などが手皿を好むことから、品種によっては、硬く平たい器は食べにくいのかもしれません。また、マズルの長い猫であっても、お皿から一粒一粒出して食べる猫や、お皿から顔を離して咀嚼する猫など、こだわりの強い猫が多く見られます。器の材質、重さ、大きさ、高さ、形など、愛猫の食べ方、食べるときの体勢にあった器を探してみるといいかもしれません。
ご飯の量、回数を変えてみる
猫は、一度にたくさんの量を食べ切ることは稀で、少しずつ食べる習性があります。そのため、少し食べては残すことが多いのですが、放置されたフードは香りや食感が損なわれることから次に食べたくなったときには、猫の口に合わないので食べないということがあります。一度の量を食べ切れるだけの量に減らし、回数を増やすことで決まった量を食べ切ることができるかもしれません。
また、フードの保管方法も十分に注意が必要です。大袋の場合、湿気てしまったり、香りが抜けてしまったりすることで「このご飯は美味しくない」と猫が判断して食べない可能性があります。猫は一度「美味しくない」と感じると全く食べないようになってしまう場合が多いので、専用のフードケースなどを利用し、フードを開封時となるべく同じ状態で保管しておくことがベストですね。
猫の食欲を増進させる方法
季節的なものや、好き嫌いなどで食欲が低下してしまった場合に手軽にできる、食欲増進方法をまとめました。
フードの食感を変える
フードをお湯に浸し柔らかくしたり、小さく砕いたりして、いつも食べているフードに変化をつけてみましょう。同じフードに飽きているだけなら、食べてくれるかもしれません。
フードにトッピングをする
市販のペット専用のふりかけやスープタイプのおやつ、ウェットフードなどを、いつものフードにトッピングしてみましょう。ペット専用のものであれば、無添加や減塩など、猫のからだを考慮したものですので安心して利用できますね。また、茹でたささみや、むね肉、マグロなどを小さくほぐし、トッピングしてみるのもいいかもしれません。
ただし、トッピングの部分ばかり食べてしまう場合は栄養が偏ってしまいます。また、近年ではマグロに含まれる水銀の危険性についても指摘されていますので、過剰摂取には十分に注意が必要です。猫のトッピングご飯の書籍なども出ていますので、グルメ猫ちゃんの飼い主さんはチェックしてみてもいいかもしれませんね。
ウェットフードは温める
ウェットフードも同様に、同じものばかり食べていると飽きてしまう場合が多くあります。特に、一缶を一度に食べ切れず、一度冷蔵保存したものを嫌がり食べない猫は少なくありません。冷蔵保存したウェットフードは人肌程度に温めることで、香りが強くなり食欲を増進させます。
また、ウェットフード専用の保温器なども販売されていますので、ウェットフードの食べ残しに悩んでいる飼い主さんは是非試してみてください。
まとめ
猫は「食」にうるさいですよね。好き嫌いも多く、気分屋さんです。でも人間でも、毎日同じもの、冷えたもの、湿気たものなんて食べたくないですよね。愛猫の健康を守るためにも、一度食生活を見直してみてもいいかもしれません。愛猫がご飯を食べない原因は、意外と些細なものかもしれません。