猫が下痢をする時のフードの選び方
人工添加物が入っていない
猫のフードの中に含まれている着色料や保存料などの人工添加物が原因で下痢をおこすことがあります。フードに含まれる添加物が猫の体に合わないことでアレルギー反応をおこし下痢を引き起こします。人工添加物が入っているフードを食べていても元気で下痢をしない子も中にはいますが、もし含まれている人工添加物に対するアレルギーが原因で下痢をしている場合、そのフードを食べている限りは下痢の症状が続きます。
そのため猫の下痢をおこす原因が不明な場合や元気・食欲はあるが下痢が続く場合は、食べているフードが合わない可能性があります。もしフードが合わない為に下痢をしているのであれば着色料や酸化防止剤などが入っていない、無添加であるフードや自然由来の食材を使っているナチュラルフードがおすすめです。
原材料が明確に記載されている
元々猫は肉食動物なため人よりも4~5倍ほど多くのタンパク質を必要としており、そのため健康な猫でも便の臭いが強いです。一般的にフードによって便の臭いの強さも変わってきますが、いつもより臭いがきつく軟便や下痢をおこしている場合は含まれている原材料に原因があることがあります。
ミートミール
フードの中には、原材料にミートミールと記載されているものがあります。ミートミールとは動物組織からレンダリングをすることで脂肪分を取り除き、それを乾燥したものをいいます。
ミートミールが原材料としてつくられているフードに対して、消化不良をおこし軟便や下痢になる猫もいます。そういった猫には消化に負担がかからないフードを選ぶことが大切です。
また軟便や下痢をおこしている時は原材料の欄にミートミールなど粗悪なものではなく肉や魚などの主原料及び原材料がしっかり記載されているフードに切り替えると良いです。
穀物類が入っていない
猫のフードの多くには小麦やトウモロコシ、大豆などの穀物類が入っています。元々肉食動物である猫は穀物類をうまく消化・吸収できないため、下痢などの消化器症状をおこす子もいます。そういった場合は穀物が含まれていないグレインフリーのフードに変えてみるのも手かもしれません。
また穀物類や肉類、魚に対する食物アレルギーをもっている猫もいます。食材に含まれているタンパク質がアレルゲンとなりアレルギー症状を起こしてしまい、主に牛肉や豚肉、鶏肉、魚、牛乳、卵(卵黄・卵白)が原因で起こることが多いです。フードを与えた際に、下痢や嘔吐などの消化不良だけでなく体の痒み・湿疹などの皮膚症状をおこしていないか注意する必要があります。
アレルゲン除去のフード
もしフードに含まれる成分に対するアレルギー反応で下痢などの症状が出ている場合は、アレルゲンの疑いがある食材を除去してつくられたフードに切り替えて経過を観察します。もしそれで治る場合は食物アレルギーが原因であった可能性が高いです。
腸内環境を整えてくれる成分が入っている
猫が下痢をおこす原因としてストレスも挙げられます。非常に神経質である猫は意外と多く、ほんの少しの環境の変化も猫は敏感に感じとります。引っ越しや来客、新しい同居猫や家族が増えた、ペットホテルに預けたなど生活環境の変化によるストレスを感じやすいです。
いちばん良いのはストレスを与えない事ですが、整腸剤などの薬を飲ませることで一時的に症状を落ち着かせることができます。しかし、また軟便や下痢を繰り返す場合にはプレバイオティクスなどの腸内環境を整える効果のある成分が入っているフードに変えるのも方法のひとつです。
猫が下痢になる原因
感染
パルボウイルスやコロナウイルスなどのウイルスに感染することで下痢を引き起こします。 ウイルス性以外で下痢を起こす原因としては、カンピロバクター感染症などの細菌性、猫回虫やコクシジウムなどの寄生虫感染などがあげられます。
食事
ごはんを食べすぎたり、フードの種類を急に変えたことでうまく吸収することができず下痢を起こすことがあります。 また食物アレルギーが原因で下痢を引き起こし、主に肉類(牛肉)や乳製品、魚類が多い傾向があります。
異物
食べ物以外のもの(異物)を誤飲した場合に下痢の症状が現れることがあります。中毒性が高い殺虫剤や洗剤などは激しい下痢や嘔吐を症状を起こし、命を落とす危険性があります。
病気
大腸炎や胃腸炎などの消化器疾患や高齢猫に多い甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患など、何らかの病気が原因で下痢になることがあります。 また消化管内の腫瘍が原因で慢性的に下痢が続くこともあります。
ストレス
猫は些細なことでも敏感に感じやすいためストレスを受けやすく、ストレスで下痢を起こすケースは非常に多いです。 性格によって多少異なりますが、多い原因としては引っ越し、家族や同居猫が増えた(減った)、来客などがあげられます。
猫が下痢の時にフード以外で注意すべきこと
餌以外のものをあげない
下痢が起きている時は消化がよい食事のみを与え、餌以外のオヤツを食べさせてはいけません。 消化不良を起こし、下痢を助長してしまうかもしれません。 またオヤツに含まれている成分が原因でアレルギーを起こし、下痢を発症することもあります。
下痢が一過性かどうか
下痢が何日も続いたり、血が混ざってる(血便)、食欲がない、嘔吐などの症状がある場合はストレスや食事ではなく、何らかの感染や病気などが原因の可能性がありますので必ず動物病院へ受診してください。 特に体が小さい子猫や高齢猫は下痢で体力を消耗してしまい、重症化しやすいため注意です。
まとめ
猫の便は健康状態を知る大事なバロメーターであり、一口に下痢をしているといっても、便の固さや血や粘液状のものが一緒に混じって出てくるなど状態は様々です。
元々の猫の体質も関わりますが、下痢を引き起こす原因は感染症や胃腸炎などの何かしらの疾患によるものもあるので症状が重度であれば動物病院に相談しましょう。
また、食べているフードを急に変えたなどでも下痢をおこしやすく、慢性的に消化器症状を引き起こしている時は消化に負担がかからないフードを与えることが大事です。その際には消化性が高い原材料を使用、腸内環境のバランスを整える成分が入っている、無添加、グレインフリーなど観点からフードを選んであげましょう。