猫に使うステロイドとは?
ステロイドとは、猫の「副腎」という臓器から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドの主な役割は、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑えたりする作用があるため、獣医療でも「治療薬」として多く用いられています。
ステロイドが使われる猫の病気
ステロイドが用いられる猫の病気を以下に示します。
アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患
アレルゲンに触れることにより、鼻水やくしゃみといった症状を引き起こすアレルギー性鼻炎ではステロイドを服用することによりそれらの症状の緩和が期待できます。皮膚炎でも、皮膚の赤みや痒みを抑えることができます。
腫瘍性疾患
猫の悪性リンパ腫などのような腫瘍性疾患で、抗がん剤とともに使用されることが多いです。単剤で使用されることもあり、元気や食欲を出させる役割もあります。
眼疾患
ステロイドは目薬としても使用されることがあります。結膜炎やぶどう膜炎などに対しては抗炎症作用として効果があります。
炎症性疾患
ステロイドは猫の口内炎や関節炎、炎症性腸炎など、多くの炎症性疾患に有効で、即効性が期待できます。
全身性ショックなど
ステロイドは循環動態を改善する役割があります。
ステロイドは効果の発現が早く、ほぼ間違いなく効果が出ること、単価が安いことから、このように多くの病気に使用されています。
猫にステロイドを使った時の副作用
ステロイドは高用量で何ヶ月も服用した場合や、少量でも1年以上服用すると猫に以下のような副作用が認められます。
副腎機能の低下(医原性クッシング症候群)
ステロイドが過剰になると猫は肥満になり脱毛や皮膚が薄くなる、お腹が垂れ下がる 、筋肉が萎縮するといった、外観に変化が見られることがあります。また、副腎ホルモンは水分調整の役割を担っており、ステロイドを服用すると水をたくさん飲むようになるため、排尿の量や排尿回数が多くなります。また、食欲も増進することもあります。
アジソン病
ステロイドを長期使用すれば副腎機能の低下を引き起こします。もともと体の中で機能している副腎ホルモンが必要以上に体の中に入ってくる為、副腎自身は萎縮し、機能を停止させてしまいます。副腎機能が停止しているのに、ステロイドの服用を中止してしまうと、アジソン病を引き起こすこともあります。
糖尿病の誘発
ステロイドは体の中で糖新生を促進し、糖の取り込みを抑制(抗インスリン作用)するため、血糖値の上昇を引き起こします。糖尿病の症状がステロイドの服用とともに出てきます。
消化器症状が出る
猫に下痢や嘔吐などの消化器症状が出ることがあります。ステロイドによって胃の粘膜の保護材が少なくなる為、胃や十二指腸の潰瘍を引き起こすこともあります。
感染症にかかりやすい
ステロイドは免疫機能を抑制し、抗炎症作用を持つため、感染症にかかりやすくなります。また、外傷などによる損傷も治りにくくなります。
猫にステロイドを使用する場合に気をつけること
ステロイドは上記のように副作用の多い薬です。猫の病気の診断が確実にされており、ステロイドが治療に有効であることがハッキリしているかどうか、また、ステロイド服用が長期になり過ぎていないか、ステロイドの用量が過多になっていないかどうかを獣医さんと確認しながら使用して下さい。
病気の改善の為には、高用量のステロイドを短期的に使用し、用量を徐々に減らしていくことが理想的です。さじ加減が重要な薬ですが、メリットも多い治療薬ですから慎重に使用していきましょう。
女性 にゃコロ
高齢猫の歯周病・口内炎で週2回、動物病院に通院しています。この病気は、特効薬が無くて選択肢としては全身麻酔で歯を抜くか、痛み止で炎症を押さえて進行を遅らせるかです。
我が家の愛猫が、はじめて病院で歯周病の診断を受けたのが9歳を超えた時。
炎症は酷いけれど、全身麻酔のリスクを考えて通院を選び、4年が経ちました。この数年は、月2回のステロイド剤を使って治療をしていますが、やはりリスクはあります。
・腎機能の低下
・糖尿病の気配
治療をはじめる際に、様々なリスクの説明を受けての通院ですが、年々不安は大きくなります。
⚪食べれる事と、体重維持が大事
痛みで食べれずに体重が減ってしまうと、免疫力の低下で、更に症状が悪化する事となります。ステロイドを注射すると、食欲もグンと上がり、体重増加と、お口の菌の低減、痛みもやわらぐので、やはりありがたいお薬です。腎機能や糖尿病のケアも含めて、掛かり付けの獣医さんを頼りに、平和な生活を全うして欲しいです。
女性 ねこら~にゃ
かなり長期間続けていますが、完治は難しい病気のようです。腫れははじめのころよりだいぶおさまったものの、ときどきひどく痒がってかわいそうですが、これ以上ステロイドをふやしたくないので、なんとかがんばってもらっています。
猫は比較的ステロイドの副作用が出にくいらしいのですが、やはり心配なので、ときどき血液検査などをしています。今のところ副作用らしきものは出ていませんが、今後も先生と相談しながら気をつけてステロイドを使っていきたいと思います。
女性 ゆん
女性 のん
獣医師も副作用のことは充分承知しており、たとえ副作用が出てもそれ以上の効果が得られる、と判断した時は使う、という人もいます。そもそも「ステロイド=危険」という図式ができあがってしまったことの背景には、それだけ処方された数が多い、と言う現実があります。確かに過度に使われている感も否めませんが、愛猫に飲ませる前に充分な検討が必要そうです。もし愛猫にステロイドを使うことになったら、効果が出るからと言って直ぐに飛びつかず、獣医師と相談しながら、慎重に投与計画を立てるようにしようと思いました!
男性 匿名
40代 女性 うめ
入院中や退院後、しばらくは食欲が無くて、心配しましたが、近所の動物病院に点滴通院しながら、ステロイド注射を少しずつ減量してもらいました。それに伴い、猫は食欲も戻り、お腹の傷はまだ痛々しいですが、すっかり元気を取り戻しています。
ステロイド薬は、私達にとっても魔法の薬と言われる位、万能な薬ですが、猫にとっても副作用に注意すれば、有効な治療薬なのではないでしょうか。
女性 匿名
炎症を抑える程度でステロイドを使用し糖尿病にかかったり、免疫低下で新たな病気にかかるリスクを飼い主がお金を払って得て何になるというのでしょうか!?
獣医師は商売なので積極的に進めてきますが、動物の健康は二の次です。
具合が悪くなっても因果関係が明らかにならないため「私は悪くない」の一点張り。
ステロイドによって故意にペットの健康を崩し、診療回数を増やしている可能性もあります。
そういったギリギリのラインで荒稼ぎをしている極めて人間レベルの低い獣医師も実在する。
私の外飼い猫も虫刺されの炎症で一度ステロイド注射を打っただけで、それまでずっと健康そのものだったにも関わらず体にしこりが発生し、免疫低下からばい菌の侵攻が進み、出血を伴う炎症が数か所発生しました。内部検査していませんが、糖尿病やアジソン病にり患していないか非常に心配です。 たかがノミの駆除と引き換えに得たものがこれです。
ステロイド剤は「使わなければ死ぬ」みたいな終末医療以外で使わないほうがいいと思います。ペットに取り返しのつかないような後遺症を残すほぼ毒と言えるでしょう。勧められてもきっぱり断りましょう。
40代 女性 かえで
歯が抜けてしまっては大変なので、ステロイド治療を始めました。
最初は効き目があまり感じられなかったのですが、5日ほどを過ぎたころから、だんだん歯茎の腫れが引きはじめて、血も出にくくなりましたが、その頃から風邪をひきやすくなり、ちょっとした傷が治りにくくなったりしてステロイドならではの、リスクを知りました。
しかし、慢性的な歯周病である歯肉炎もましになりましたので、獣医さんと相談しながらステロイドの量を減らしていくことになりました。
強い薬の分、色々なことがおこりますが、獣医さんに様子を診ていただきながら、分量を調節していただいて治療をしていただくのは、ありがたいなと思いました。
50代以上 女性 猫の母さん
小さな体で病気と闘っている姿は痛々しく、何とかしてあげたいとまめに掃除・除菌をしたりと努力しているのですが、薬の副作用を考えるとさらに不安だけが強くなってしまいます。何か良い方法はないのでしょうか。
20代 女性 匿名
一度注射をしていただくと、1ヶ月ほど嘔吐が止まります。
原因はアレルギーとのこと。
注射で嘔吐が止まっている間に、食事療法でアレルゲンの特定を試みています。
ステロイドを頻繁に使うのも怖いですが、嘔吐を繰り返している頃はやつれてしまっていたので、必要な治療だったと思います。
40代 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
軽い脱水があるとの診断で補液をした後、念のためステロイドを打ちますか?と。理由を聞くとどこかにあるかもしれない炎症のためだと言う。丁重にお断りしました。
結局嘔吐は異物誤飲が原因でしたが、あの時点でのステロイド投与は本猫に何か利点があったのか今でも疑問です。
投与前に確認していただいたので飼い主責任で判断しましたが先生の「とりあえず」「念のため」発言には慎重になります…。
50代以上 女性 しろ
ステロイドを打っていただいたら、三日ほど動かず飲まず食わずだった猫がその日のうちに元気を取り戻し、今まで以上に食べて、子猫の頃から毎日やる吐き戻しもしない、魔法の薬だとおもいました。
今は一旦やめて2週間経ちますが、元の老猫なりの元気を保てています。様子を見ながらステロイドを使いながら、なるだけ楽な猫生を全うさせたいです。
50代以上 女性 匿名
一頭はアレルギーのようで、数日でよくなります。
もう一頭は真菌症から舐めてキズになり、痒みがひどくてステロイドを飲ませています。痒みがない時は飲まない日もありますが、前足で厄介な部位なのでなかなか治りません。真菌症は首にも飛んでしまい、再度、足に出てしまったので半年以上になります。
真菌はもういいようなのですが、こればっかりは分かりません。
ステロイドは使いたくないけど、使い方ですね。ギリギリまで使わない病院もあります。
使い方が正しいかは、やはり素人には分からないのです。でも痒くて辛そうな状況より、ストレスを減らしてあげられているのかなと思います。
50代以上 男性 匿名
女性 匿名
それから呼吸(努力呼吸)するたびにデポメドロールを打っていたのですが、2017年8月の血液検査で総コレステロール値と中性脂肪の数字が高くなり「もしかしたら副作用かも」と言われてからも定期的に血液検査と、呼吸がおかしい時はデポメドロールを打ち続けていました。そうするうちにデポメドロールの効く期間が短くなり血液検査の結果も思わしくないので、2018年4月に過去に1度かかりつけ医が休診だった時に行って診立てが同じだった病院に相談に行きました。(この時点で12回デポメドロールの注射をしています)
こちらの先生は身体から抜けるのが速いステロイドのプレドニゾロンの注射を打ち、ネブライザーと専用の吸入器を使ってのフルタイドの治療を提案して下さったので実践してみる事にしました。最初の頃は呼吸が安定しなくて結構頻繁にプレドニゾロンの注射を打ちましたが、錠剤のプレドニゾロンを処方してもらうようになってからは自分の判断で(呼吸がおかしいな?)と思った時に飲ませています。
現在はフルタイドを毎日1回吸わせるのみで呼吸は安定しています。
フルタイドのみ→錠剤のプレドニゾロンで様子見→それでもダメなら病院という図式ですが、今のところ様子見段階で落ち着く事が多いです。血液検査も基準値に近づいているので糖尿病は大丈夫っぽいです。
デポメドロールは身体から抜けるのが遅いステロイドなので長期使用は獣医師と相談して慎重に使用した方が良いと思います。
ステロイドと聞くと拒否反応が出る飼い主さんもいると思いますが、上手く使えば本当に良い薬だと思います。
20代 女性 Yv5
私自身が皮膚炎でどうしようもなかった時、ステロイドで一発で治りました。
その時も「ダラダラ長期間使用しないこと」が条件でした。
今我が家にいる猫は元野良でウイルス性の鼻炎が何年も治らず(それまで抗生剤などで対処していました)、いよいよ鼻腔狭窄の一歩手前となり、慌てて1週間のみステロイド投薬をしました。
驚くほどすぐに効果が出ました。
「ちょっと良くなかったから」などと言って勝手にステロイドをやめる→また症状が出たから残ってるステロイドを与える…なんてやり方をする人もいるみたいですが、これでは効果も出ないし、副作用が出やすいです。(それは人であっても)
正しく使っていきたいお薬ですね。