猫の新しい腎臓病の薬「ラプロス」とは

【獣医師監修】猫の新しい腎臓病の薬「ラプロス」とは

腎臓病は猫の死因の第一位です。そんな、猫の腎臓病の薬として「ラプロス」という新薬が発売されました。ラプロスという薬はどのような種類で副作用はあるのかどうかなど今回は猫の新しい腎臓病の薬ラプロスについてご紹介させていただきます。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の腎臓病の薬「ラプロス」とは

首を傾げて座る子猫

猫の腎臓病の薬「ラプロス」とはどのような薬なのでしょうか。

猫の腎臓病は死因の第一位にもなっていて猫の宿命とも言われる病気です。そんな腎臓病の薬に新しい薬である「ラプロス」が販売されはじめました。そこでここでは、猫の腎臓病の薬「ラプロス」についてご紹介させていただきます。

ラプロスとは

ラプロスとは2017年4月に共立製薬株式会社が販売した薬です。東レが製造をしています。猫の腎臓病の薬ラプロスは1錠中に「ベラプロストナトリウム(BPS)55μg」を含んでいる丸くて白い小さな錠剤です。

猫が飲みやすいように6mmの錠剤になっています。BPSはプロスタサイクリン(PGl2)という生理活性物質の生産を促します。

ラプロスの効果

ラプロスの効果はどのようなものなのでしょうか。

腎臓病は猫が年をとることによって腎機能が低下して発症する「慢性腎臓病」が多くなっています。腎臓の細胞が徐々にこわれてしまい、3/4が機能しなくなって初めて血液検査で異常が見つかります。残り1/4の腎機能で今まで同様の働きをせざるを得ないので増々負担がかかり、腎機能の低下に拍車がかかります。

しかし、この猫の腎臓病の薬ラプロスには細い血管を拡張させて血流をより多く腎臓に運んでくれるようにするという「血流の回復」などの効果があるので腎機能を回復することはできませんがこの腎臓が機能をしなくなる組織化を予防してくれる働きがあります。

ラプロスを服用しても、残念ながら腎機能は低下してしまいます。腎機能が低下していくと食欲がなくなったりしてしまいますがラプロスを服用していると服用しない猫よりも食欲を維持することができるのです。

ですので、結果的に腎機能の低下していく速度を「遅くする」という効果が期待できるのです。

ラプロスの副作用

薬を服用してつらいところと言えば「副作用」ですよね。ラプロスの副作用としては通常に使用して、起因すると認められる副作用は起こっていないようてす。試験段階の地点で通常の3倍投与をしたときに

  • 下痢
  • 嘔吐

これらのような軽度な副作用が現れましたがこれがラプロスの直接的な関係があるかはわかっていません。
ですので、ラプロスの副作用はさほどないようです。

しかし、

  • 他の持病がある
  • 体重が少ない

などということがあれば、薬の作用が強く出てしまうこともあるので服用には十分な注意が必要です。

ラプロスを使うことができる対象の猫は?

ラプロスは通常の場合、1日に2回の投与になります。投与をしても効果のある場合とない場合があり、腎臓病のステージによって対象になる猫が決まっています。

腎臓病のステージは血液検査によってわかるクレアチニンの値によってステージ1~4にわかれており、ラプロスはステージ2と3の腎臓病を患う猫に有効的だと言われています。

セミントラとは

ラプロスよりも前の2014年7月に発売された腎臓病の薬で「セミントラ」というものもあります。こちらは、腎臓病の薬としてよく用いられるもので、サラサラした水のような感じで猫には飲ませやすくなっています。

成分は「テルミサルタン」で、血液を下げる薬で慢性腎臓病の進行を早める原因である蛋白尿を減少させる働きがあります。

副作用はほとんどなく、まれに

  • 下痢
  • 嘔吐

が認められるようです。

ラプロスのその他の用途

獣医と猫

ラプロスは腎臓病の猫用の薬だと思われがちなのですが用途として

  • 血小板の機能を抑える
  • 血管を拡張させる

これらのような働きものあることにより、人間には「ドルナー」と呼ばれて肺高血圧症の患者にも使用されています。

もちろん、心臓病の治療薬として犬にも親しまれている薬なのです。

猫の腎臓病の薬「ラプロス」の種類と値段

抱っこされる猫

猫の腎臓病の薬「ラプロス」の用途や効果などについてこれまでご説明をさせていただきましたが飼い主として使い続けるときに気になるのがラプロスの「値段」ですよね。

そこでここでは、猫の腎臓病の薬「ラプロス」の種類と値段についてご紹介させていただきます。

ラプロスの種類

お薬と猫

ラプロスはベラプロストナトリウムを成分とする「経口プロスタサイクリン(PGl2)」製剤です。

  • 血管を拡張させる(高血圧を抑制する働きがある)
  • 抗血小板作用(尿蛋白を減らす働きがある)
  • 血管内皮細胞を保護する(腎臓細胞の破壊を防止する働きがある)
  • 炎症性サイトカインの生産を抑制する(炎症を予防する働きがある)

これらのようなものがあります。

猫には慢性腎臓病の薬として使うことができますが人間には肺高血圧症や慢性動脈閉塞症や、犬の心臓病などでも使われています。

ラプロスの値段

ベッドの中でくつろぐ猫

猫の腎臓病の薬ラプロスの値段はいくらくらいなのでしょうか。猫が腎臓病であるとわかり、ステージ2や3あたりであれば腎臓病の進行を抑えるためにもラプロスの服用が始まります。

そうなれば、ラプロスを持続して服用することになるので飼い主としては値段も気になりますよね。

ラプロス価格は病院によって変化があるのですがおおよそ「1錠150円」くらいになっています。他の薬よりも少々高い薬価です。

そして、ラプロスの服用は

に1錠ずつ服用することになるので1日300円、1ヶ月でおおよそ1万円に満たないくらいの費用が必要となってくるでしょう。

病院によっては100円であるところもありますが、高いところでは180円くらいに設定されている模様です。ですのでおおよそ1ヶ月に6,000~10,000円くらいが妥当でしょう。

猫の腎臓病の薬ラプロスは長期に渡って服用することになるので値段も気になってしまいますが、可愛い愛猫が少しでも楽しく長生きできるようにするためには飼い主も頑張ってあげたいところですね。

まとめ

飼い主に抱っこされる猫と獣医師

猫の死因第一位は腎臓病です。
そんな腎臓病は、完治をさせることはできませんが薬によって進行を抑えることはできます。
そんななかでも、2017年4月に発売された猫の腎臓病の薬「ラプロス」は非常に腎臓病に有効性があると証明がされています。

副作用も少なく猫の腎臓病の進行を抑えることができる薬です。

ラプロス自体は100~180円(処方する病院によって金額が変わります)と少々高めなのですが大切な愛猫には是非使ってあげたいものですね。