猫用の睡眠薬はある?服用する時の注意点

猫用の睡眠薬はある?服用する時の注意点

何かしらの理由で、猫に睡眠薬を飲ませたい、と考える方もいるでしょう。猫用の睡眠薬はあるのでしょうか?猫に睡眠薬を飲ませるのはどんな時か、飲ませる時の注意点、人間用の睡眠薬を飲ませても良いのかなど、お伝えします。

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監修:獣医師 加藤桂子先生

(伊達の街動物病院)

猫用睡眠薬はあるのか?

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基本的に猫ちゃんに、睡眠薬という表現を使うのは適切ではないかもしれません。人の睡眠薬と同様に使うとすれば、鎮静剤や精神安定剤(抗不安薬)が当てはまると思いますので、これから先は、鎮静薬という表現でお話していきます。安易な使用は猫に負担をかけてしまいますので、獣医師でも処方には慎重になる場合があります。

猫の睡眠薬を飲ませるのはどういう時?

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猫の睡眠薬を飲ませる場合は、以下のような時でしょう。

  • 野良猫を捕獲、保護する時に鎮静薬を使う
  • 長距離移動の際に鎮静薬を使う
  • トリミング中に鎮静薬を使う

野良猫を捕獲する時にに鎮静薬を使う

野良猫のTNR活動(捕まえて不妊手術をしてリリースする)の際や保護する時など、野良猫に鎮静薬入りのご飯を与える事があります。

猫が暴れるのを防ぎ、安全に捕獲する為です。ただ、警戒心が強い野良猫の場合、鎮静薬が効き始めていても逃げようとする場合があります。

野良猫に鎮静薬を与える場合は必ず、獣医師の指示に従って行うようにしてください。安易に鎮静薬を扱うと最悪、猫が目覚めない、という事もあり得ますので、十分な注意が必要なのです。

長距離移動の際に睡眠薬を使う

電車や飛行機での長距離移動の際、猫のストレスを軽減する為、鎮静薬を使って眠らせるか大人しくさせる、という手があります。

猫に鎮静薬を使って移動させる方法は賛否両論で、アメリカの獣医師会では、心臓や肺などに異常を起すリスクがある為、勧められていないようです。

猫に鎮静薬を使うと、バランス感覚も鈍るので、揺れた時などにケガをする可能性もあるからです。

獣医師によっても考え方が異なり、長距離移動の際の鎮静薬を処方してくれる医師もいれば、処方しない医師もいます。

なるべくなら猫は誰かに預けるなどして、飼い主さんだけが移動するのが望ましいですが、海外への引っ越しなど致し方ない時は、鎮静薬を使うべきかどうか、かかりつけの獣医師と十分相談しましょう。

猫のトリミングをする時に鎮静薬を使う

猫がトリミングを嫌がって暴れて、飼い主さんが爪きりや体のケアをできない猫の場合、トリミングサロンで鎮静薬(鎮静剤)を使用して、ケアすることがあります。

猫にトリミングは必要ない、と言われることがありますが、ペルシャなど長毛種の場合はケアをしないと毛玉になってしまったりする事がありますので、トリミングが必要な子もいます。

ましてや飼い主さんができないとなると、プロにお願いするしかないでしょう。

特に動物病院に併設されているトリミングサロンで、必要な場合に鎮静薬や場合によっては麻酔薬を使ってトリミングするケースがあるようです。

鎮静薬で落ち着いている場合や麻酔薬で眠っている間、途中で何かあれば、すぐに病院で対処して貰えますし、しっかりとした知識を持っているでしょうから、安心です。

ですが、鎮静剤を使うトリミングサロンはきちんと信頼できるのかどうかは確認した上で、愛猫を預けるようにしてくださいね。基本的には鎮静剤は獣医師でないと処方できません。

猫に睡眠薬を飲ませる時の注意点

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猫に鎮静薬を飲ませる時はしっかりとリサーチする

猫に鎮静薬を実際に使う前に大切なことは、十分検討する事。「愛猫が中々起きない」「様子がおかしくなった」など、トラブルが起きることがあります。場合によっては最悪死亡してしまったり、病気を悪化させてしまう恐れもあります。

時間が経てば睡眠薬が分解され、愛猫は元通りになるでしょうが、その間の飼い主さんの不安や心配など、精神的な負担を考えると、使う事には慎重になった方が良い、と言わざるを得ません。

猫に鎮静薬を飲ませる時はすぐに対応してくれる病院を探す

万が一の際、すぐに受診ができるよう、移動途中の動物病院も、調べておくと安心です。猫に何かしらの病気がある場合や老猫の場合、鎮静薬で体調を崩す事も。

こうなると、野良猫に鎮静薬を使って捕獲する方法も、考えてしまいますね。老猫の場合は獣医師が体調によるとは思いますが、鎮静薬を処方してくれない事も多いです。

猫の睡眠薬を飲ませる以外の方法は?

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猫を大人しくさせるには、鎮静薬を使うしかないのでしょうか?お薬以外にリラックスさせる効果があるものを2つご紹介します。

フェリウェイ

フェリウェイは、猫のフェイシャルホルモンを真似て作られた、ホルモン製剤です。フェイシャルホルモンは猫に安心感を感じさせて、猫を落ち着かせる効果があると言われています。

フェリウェイに使われているホルモンは、猫が頬をこすりつける時に分泌されるホルモンを参考にしています。

捕獲に使うケージや、移動の際のキャリーケースにフェリウェイを吹きかけてけば猫が落ち着く、というケースが、報告されています。

フェリウェイを使ったからと言って、副作用などはありません。猫にとって害はないのですが万能ではなく、猫や状況によってはフェリウェイの効果が見られないことも、もちろんあります。

あまり過信せず、獣医師と相談しながら、使ってください。使う側としては、鎮静薬よりもフェリウェイの方が、安心感があるのではないでしょうか?

またたび

昔からある猫が大好きなまたたびですが適量であれば猫がリラックスする事がある、と言われています。と同時に、逆に猫が興奮して、攻撃性が更にあがる事もありますので、使用には注意が必要です。

三味線用に猫を捕獲する場合、またたびの煮汁を使っていた、という話もありますが、使用の際は慎重に行ないましょう。

たくさん遊んで疲れさせる

愛猫が夜寝てくれなくて困っている、という場合は、愛猫に寝て欲しい時、たくさん体を動かして遊ばせるようにしましょう。

そして愛猫が疲れてきたらすかさず、ご飯を与えます。すると、遊ぶ→ご飯→寝る、という猫の黄金リズムをクリアする事になり、すっとそのまま、寝てくれる事でしょう。

毎日それを行っていれば、自然と生活リズムもついてきます。毎晩鎮静薬を飲ませるよりかははるかに健康的ですし、安全です。

人間用の睡眠薬を猫に飲ませても良い?

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人間用の睡眠薬は、絶対に猫に飲ませないようにしてください。

人間には大丈夫でも、猫にとっては命に関わることがあります。少量ならば大丈夫では?などと勝手に判断して、飲ませてはいけません。

また、猫が誤飲しないよう、人間用の睡眠薬は、必ず猫が開けられない場所に、しまっておきましょう。実際に、猫が人間用の睡眠薬を誤飲して、亡くなってしまったケースもあります。

まとめ

横たわる猫

薬には必ず副作用がある、と言いますし、猫に鎮静薬を飲ませるとなると、躊躇する飼い主さんがほとんどでしょう。

もしどうしても処方して貰う場合は、愛猫の事良く知っている獣医師さんにお願いしましょう。そして、鎮静薬は簡単に処方されていいものではないということもきちんと理解しましょう。

心配が強まる中、その一方で、愛猫に鎮静薬を飲ませて飛行機に乗り、今も何の問題もなく元気に暮らしている猫たちもたくさんいます。

愛猫に鎮静薬を飲ませるかどうかは、結局は飼い主さんの判断にかかっている、という事でしょう。

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