猫に点滴をした時の効果
猫も、激しい下痢や嘔吐等の症状がある場合や、腎不全を患っている場合等に点滴(輸液)治療を行う事があります。
水分、電解質の補給を目的とする点滴が行われる事が多く、脱水症状や、尿毒症を防ぐ効果が得られます。
ただ、猫の状態や、原因となっている疾患によって点滴の内容も異なります。必要時には、水分、電解質の他にビタミン、脂質、糖質、アミノ酸等の栄養素を配合して投与される場合もあり、食事が摂れない場合は点滴でそれらを補う事も可能です。
人間同様、猫の点滴にも様々な効果をもたらす点滴があります。愛猫が点滴を受ける場合は、しっかりと主治医の説明を聞きましょう。
猫に点滴をする時の投与方法
猫に点滴をする時の投与方法についてご紹介します。
静脈内投与
静脈内投与は、人間が受ける点滴とほぼ同じ要領です。しかし、猫は人間と違い、長時間じっとさせるのは難しく、暴れる事もある為、樹脂製の軟らかい針(静脈留置針)を使い、しっかりと固定して行われます。
静脈内投与最大のメリットは、直接血管へと点滴を流す事ができる為、効果が表れるのが早いという事です。その為、症状が重篤な場合や、迅速な水分補給が必要な場合等に用いられる事が多いようです。
また、静脈内投与は長い時間がかかってしまう反面、一定速度で決まった量を正確に投与できるというメリットもあります。ただ、長時間病院でじっとしておかなければならないので猫にとってはストレスになる可能性もあります。
皮下投与
これは、慢性腎不全を患っている猫に多く用いられている方法です。猫の背中は、人間と比べて皮下に余裕があります。猫の肩甲骨あたりの皮を引っ張ってみると、びよーんと伸びますよね。この部分に、まとめて輸液を投与する方法で、在宅投与も可能とされています。
皮下投与のメリットは、投与する量にもよりますが比較的早く投与する事ができるという点です。(150mlの投与に5分ほどかかります)ただ、あくまでも皮下に投与する為、静脈へ直接投与するよりも吸収に時間を要する為、症状が重篤な場合には不向きな投与方法と言えます。
慢性腎不全を患うと、脱水、尿毒症の予防の為に定期的な点滴が必要になります。その都度動物病院へ行くのは猫にも、飼い主さんにも負担になる為、在宅で皮下点滴を行う飼い主さんが多いようです。回数は猫の状態によって大幅に異なり、週2~3回の場合もあれば、1日2回の場合もあります。
上記の他にも、点滴をする為の血管確保が難しく、皮下点滴では効果が期待できない場合に直接お腹へと点滴を入れる「腹内投与」や、「骨髄内投与」等の方法があります。しかし、この方法はほとんどの場合行われません。
猫の点滴に含まれる栄養
主に慢性腎不全や、下痢嘔吐が激しい猫に対して行われる点滴は、水分補給を目的としています。その為、一般的な点滴(輸液)には殆ど栄養(カロリー)は含まれていません。
必要に応じて、獣医師が薬剤を配合します。猫に栄養を補給させたい場合は、強制給餌や高カロリー点滴等が用いられます。
この高カロリー点滴は、静脈投与が必須とされています。と言うのも、ブドウ糖を皮下点滴した場合、局所の感染や皮膚が壊死する等の報告もある為、自己判断での投与は絶対に止めましょう。
猫の点滴の種類
猫に点滴が必要な時、一般的に用いられる事が多いとされているのは以下の4つです。
- 0.9%生理食塩液
- 乳酸化リンゲル+2.5%ブドウ糖
- 乳酸化リンゲル(L/R)
- 5%ブドウ糖
猫に点滴が必要な時、「何が」「どれだけ」必要なのか、という事を見極める事が重要とされています。症状によっては、細かい調整が必要な場合もありますので、獣医師の説明をしっかり聞きましょう。
猫に点滴をする時の料金
猫に点滴をする時の料金については、動物病院によって異なります。状況別の大まかな料金設定は以下の通りです。
動物病院での投与
- 静脈内投与の場合 3,000円~5,000円(薬剤の追加は別途料金、必ず入院で行います)
- 皮下投与の場合 2,000円~3,500円
動物病院で点滴処置をしてもらう場合、それぞれの料金設定や点滴の内容によって料金が大幅に異なります。
また、静脈内点滴の場合、入院が必要になる可能性もありますね。24時間点滴が必要な場合は、3,000円~5,000円の点滴費用と、入院費が加算される為、1日あたり1万円前後必要になる場合が多いようです。
在宅での点滴の投与
- ライン
- 翼状針
- アルコール綿等が必要
- 輸液パック500ml入り:1500円前後
- 2000~2500円程度で購入可能
皮下投与も、投与量や必要な回数によって料金が異なります。在宅で皮下投与を行う場合、輸液パック以外にも点滴セットと呼ばれる、ライン、翼状針、アルコール綿等が必要になります。
これらの料金も、動物病院によって大幅に異なります。種類にもよりますが、輸液パック500ml入りの物が、1500円程度で購入できるようです。
上記のような必要な物をセットにして2000~2500円程度で購入できる動物病院もあるようなので、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
猫に皮下投与する方法
猫に皮下投与する際の、おおまかな流れをご紹介します。ただし、猫の状態や使用する器具等によって方法が異なる可能性もありますので、必ずかかりつけの獣医師の指示に従って下さい。
猫に皮下投与する方法①
まず、皮下投与を行う場所や、飼い主さんの手を清潔にしておく事が大切です。猫を押さえつけておく時間をなるべく減らせるように、準備を整えてから猫を確保しましょう。
この時、猫がなるべく安心できるよう、清潔で安定した場所に座らせます。上蓋が開くキャリーケースや、人用のパーカーで手作りした保定袋等を利用している飼い主さんが多いようです。
ブログ等で作り方を紹介している飼い主さんもいらっしゃるので、是非参考にしましょう!
猫に皮下投与する方法②
猫を固定したら、針と針を刺す場所をアルコール綿でしっかり消毒します。
その後、針を刺す場所の数センチ手前を軽くつまみながら、皮膚に対して45度の角度で針を刺していきます。猫の皮膚は意外にかたいので、思い切って刺しましょう。針を刺した後は、猫がリラックスできるよう話しかけたり、撫でてあげるといいですね。
猫に皮下投与する方法③
点滴の投与が終わったら、液漏れしないよう皮膚を軽くつまみながら針を引き抜きます。液が入っているせいで、上手く皮を掴めないという場合は針を抜いた後を、しばらく押さえるという方法でも良いようです。
皮下投与を行った後は、ラクダのように背中や横腹あたりがボコッと膨れ上がってしまう事がありますが、吸収と共に治まっていくので心配要りません。
猫の皮下投与の方法を紹介した動画も、いくつかアップされていますので参考にしましょう!
猫の自宅皮下輸液・指導&練習
自宅での皮下補液 実践編
猫に点滴をした時の副作用
猫に点滴をした時の副作用については、比較的リスクが低いとされています。
ただ、やはり体に針を刺すので、感染症等には注意を配らなくてはいけません。
ただ、猫が点滴をしなければいけない様な状態である場合、その症状に比べれば点滴のリスクは殆どないと言ってもいいのかもしれませんね。点滴の内容や、その他心配な事がある場合は、事前に獣医師に相談しましょう。
まとめ
猫に点滴をした時の効果や、種類等についてご紹介しました。愛猫が慢性腎不全等を患ってしまった場合、かなり身近に付き合っていかなくてはならない点滴ですが、自身で愛猫に針を刺すとなると不安になってしまいますよね。
ただ、静脈内点滴よりも、皮下投与を選ぶ事で、愛猫が精神的に楽になれる可能性もあります。
今のうちにしっかり知識を蓄えておき、いざという時に冷静に対処できるよう心がけたいですね!
30代 女性 はなこ
皮膚をつまんで針を刺してもらい、しばらく頑張っていました。
点滴のあとは、皮膚がボコッとなりましたが、体内に吸収されるので気にしないように言われ連れて帰りました。
すっかり、元気になりましたので、点滴は素晴らしいなと思いました。
20代 女性 匿名
3日あけてから点滴150㏄の点滴
湯煎で温めて点滴をしています
慣れるまで大変でしたが私も落ち着いてできるようになりました。
30代 女性 みきこ
最初は、驚いていましたが、慣れて大人しくしてくれるようになりました。猫ちゃんのお気に入りベッドの上に猫ちゃんを寝かせておやつやおもちゃを置き、猫ちゃんに点滴を始めます。
点滴を始めると猫ちゃんは寝ていることが多かったです。優しく声をかけてあげて、頭を撫でてあげると大人しくしていました。
幸い、半年後には点滴をしなくてよくなりましたが、毎日家で点滴していたときには緊張していたことを、思い出します。
なんでも、病気は早期発見が大切なので気をつけてあげたいですね。
40代 女性 匿名
50代以上 女性 ネコ