猫に抗生物質が必要な理由
愛猫の不調を感じて病院で受診すると、「抗生物質を点滴に入れておきますね」と言われ、抗生物質の飲み薬を処方された経験があるのではないでしょうか。
人の治療にも使われる抗生物質ですが、"飲めば回復する薬"との認識で終わってしまっていませんか?なぜ抗生物質が必要なのか、逆になぜ必要がないのか。抗生物質の役割を理解してみると、愛猫の具合の状況が見えてきます。
細菌には抗生物質
ウイルスではなく、細菌に効力を発揮するのが抗生物質です。消化器系や呼吸器、泌尿器系の他に皮膚疾患、様々な病気の治療に活躍しています。
ただし、"細菌が体内に増殖してしまわないように抑制する薬"なので、猫の体力と免疫力がある程度あってこそ、より効果を感じるお薬です。猫自身の免疫力が著しく落ちていると、効きめがゆっくりかもしれません。
リスクもある薬なので、長期での投薬は気が引けてしまう部分もありますが、突然止めてしまうと、抗生物質の耐性が体内で作られてしまい、次回から薬が効きにくくなってしまうことも、あります。くれぐれも先生の指示を守って使い切るように御注意ください。
猫に抗生物質を使うリスク
リスクと言うのは、抗生物質を使うことでの副作用を指します。では、どんな副作用があり得るのでしょうか?
- 胃腸への負担による下痢や腹痛
- 嘔吐
このような副作用が考えられます。
抗生物質は特定の菌だけに効果を発揮するのではなく、悪い細菌に限らず良い細菌(善玉菌)などにも作用してしまうため、副作用があるのです。
抗生物質が良い細菌にも影響があれば、腸内バランスは当然崩れてしまいます。その結果、リスクが生じてしまうことがありますが、ケアとして整腸剤や吐き気止めを点滴投薬、又は処方してもらえるはずなので、心配なときは聞いてみると安心ですね。
何より、薬は決して万能ではありません。猫の体内には細菌の種類も特定できないほどに存在しているので、抗生物質も使ってから様子を見る。これが当たり前です。速効性も大事ですが、完治を目指すことが1番なので、先生の指示を守りましょう。
まとめ
猫の抗生物質は、必要性があるからこそ処方されています。細菌からの症状でない場合に使っても効果は出ないので、そこを理解するだけでも愛猫の体調管理の仕方が変わってきます。
また、胃腸に負担のあるお薬のときは、整腸剤とお腹に優しいフードを選んであげる、冷たすぎるお水を避けるなど、ちょっとした配慮で猫の回復の大きなフォローになるのです。
そして、飼い主さんが先生を信用しなければ治療も進まず、猫の具合も停滞、又は悪化してしまいかねません。世の中には副作用のない薬の方が少ないので、リスクばかりを気にせずに、今そのときの病状の改善を第一に、お薬の使い方を守る。これが病気を治す最短の治療です。
40代 女性 あん
40代 女性 匿名