なぜか心を引かれた険しい目つきの保護猫…人間を怖がっていた子猫が“心を開いた瞬間”が胸熱!

なぜか心を引かれた険しい目つきの保護猫…人間を怖がっていた子猫が“心を開いた瞬間”が胸熱!

最近では、外で暮らしていた猫を保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

【みんなの保護猫物語〜ハンちゃんちゃんのお話〜】

険しい目つきの猫と運命の出会い

保護当時のハンちゃん

画像提供:@Erin45805941

昔から猫ちゃんが好きで、一緒に暮らすことに憧れを抱いていたという飼い主さん。

「タレントのような赤ちゃん子猫、流行りの猫種など、可愛い猫ちゃんを見てうっとりしていた一方で、猫について色々知るにつれて、大好きな猫たちの現状が厳しいことについても考えるようになりました」と語っています。

そのため、保護猫ちゃんをお迎えすることで、「少しでも猫たちのためになる、簡単ではありませんでしたが、たくさんの保護猫がいる以上、これ以外の選択はないと思い、初めての猫を保護猫からお迎えすると決意」したのだそう。

実際に、保護猫ちゃんの譲渡を受けるためには、さまざまな条件や審査があることを知った飼い主さん。仕事や家の環境をできる限り整えて、お迎えの準備をしたといいます。

里親募集サイトや保護猫カフェなどを通して、気長に運命の猫ちゃんをみつけようと考えていた飼い主さん。ある里親募集サイトで、「ふと目をひかれたのがハンちゃんでした」と、出会いは突然訪れたそうです。

ハンちゃんをみつけた時について、「かわいいという言葉は全く出ませんでした!」と率直な気持ちを語る飼い主さん。

その理由について、「理想だったような子猫とは違って、険しい目つきで、赤ちゃん猫とはいえない月齢の、人に懐いていない猫なのに。小さな野良の子猫が必死で生き抜いた証のような姿に何か魅力を感じて、「この子と仲良くなりたい」と思うようになり、猫飼育初心者にも関わらず応募してみることに」したと明かしています。

保護団体さんに保護された当時のハンちゃんは、「野生化して痩せていて、栄養状態もあまりよくなく、獣医さんへ連れていったらシャーシャー威嚇がひどくて、最初、診察をあきらめたほどだった」ことを知った飼い主さん。その後、落ち着いてから再度、診察を受けたところ、ハンちゃんの健康状態に大きな問題は無いことがわかったのだそう。

また、「ハンちゃんは、別の親子猫と一緒にいたところを捕獲されました。どういう経緯でよその母子と行動を共にしていたかは謎で、親子猫の捕獲へ向かったところ、ハンちゃんもいたということです」と、当時の状況について教えてくれました。

預かりボランティアさんからは“手強い”と言われていたハンちゃん。「保護時は、小さかったのに“野生”が強く、手厚くしていただいたおかげで、当時の攻撃性はなくなってからの募集でしたが、じっくり向き合える人を望まれていました。人なれした猫もたくさん募集されていますが、予想に反した数の応募があったと聞きました」と、里親候補さんは多かったのだとか。

保護猫ちゃんとの出会いについて、「里親募集では、この子に運命を感じたので欲しい!と望んだところでお迎えできるとは限りません。赤ちゃん猫や純血種は、当然、見ためがより可愛くて倍率も高いですし」と、マッチングの難しさを語る飼い主さん。

その上で、「一方的に運命の子を見つけたいという気持ちはありませんでしたが、思いもよらなかったタイプの子に思い切って応募を決め、この子をうちに託していただけたことは、今になって思うと運命的な力もあったのかも知れません」とハンちゃんとのご縁を振り返っています。

ある日、突然縮まった心の距離

里親募集時のハンちゃん

画像提供:@Erin45805941

ハンちゃんがお家に来た時について、「保護団体さんは、基本的には里親の家まで届けに行くことが多く、(これからの猫ちゃんの一生を託す家の環境を見てしっかり確認するためでもあります)ハンちゃんも、保護ボランティアさんたちに連れられてきて、文字通り“お迎え”しました」と語る飼い主さん。

当時の心境について、「新しい環境になるハンちゃんのためはもちろん、ボランティアさんに少しでも安心してもらいたいという気持ちで、入念に迎え入れる準備をしてドキドキして待っていました」と明かしています。

ハンちゃんとは、応募後にお見合いをしたそうですが、コロナ禍ということもあり、保護団体さんの希望でオンラインで行われたそう。そのため、お家に来た時、飼い主さんは初めて実際のハンちゃんと対面したそう。

「連れられてきたハンちゃんは、思ってたよりもずっと小さくてかわいい印象でした」と、お家で対面したハンちゃんの第一印象について教えてくれました。

飼い主さんのお家にやって来たハンちゃんは、「ずっとケージの隅で固まり、夜になると夜鳴きもしてしまったのですが、人を怖がっているのでどうすることもできず、悲しい声に切ない気持ちで夜を過ごしました」と、戸惑いを隠せない様子だったそう。

その後、数日が過ぎる頃には、「夜鳴きは止んで、子供の猫らしくオモチャに反応するようになりましたが、まだまだ人が怖くてしばらくケージ越しに眺めるだけの日々が続きました。目の前にやっとお迎えした猫がいるのに、触れることもできず、指をくわえて眺めているような状態でした」と、歯がゆい状況が続いたといいます。

飼い主さんは、「触ることもできなければ、何かあってもケアすることもままならないので心配でなりませんでしたが、猫についての入門書や参考になりそうな映像を見ても、これという答えはなくて、無理強いせず、とにかくよく様子を見て、いっぱい話しかけました」と、ハンちゃんを見守っていったそう。

一進一退の状態が続き、なす術もなく悩んでいた飼い主さんですが、ある日、ハンちゃんに変化が現れたといいます。

飼い主さんによると、「その時は突然きました。ハンちゃんが意を決し、初めて自分からすり寄ってきてくれました。本当に急に、せきを切ったようにあちこち体をスリスリしてきて甘えて、撫でるとうれしそうにゴロゴロと喉を鳴らして……。その時はうれしいと思うよりも、夢じゃないかとしばらく唖然としていました」と、ハンちゃんがようやく心を開いてくれたそうです。

“家族との暮らし”を学んでくれたハンちゃん

お迎え当時のハンちゃん

画像提供:@Erin45805941

当初はとても警戒心が強かったハンちゃん。今では、「とてもおしゃべりで人が好きで、人と遊ぶのが大好きです。別の部屋で寝ていて起きて戻ると、起きてきたよと鳴いて知らせてきたり、話しかけるとよく返事をします。預かりボランティアさんの所にいた頃は、他の猫ちゃんがいたせいもあると思いますが、鳴くことはなかったそうですが、色んな鳴き方をしてコミュニケーションをとろうとしてくれます」と、ご家族とお話することを楽しんでいるようです。

また、ハンちゃんをお迎えしてから、印象に残っている思い出があるのだそう。

明るくて優しいハンちゃんですが、同時に臆病なところもあるそうで、ある時、「災害時に備えてハーネスの練習していた時に、大きな音を聞いて驚き、それをきっかけにパニックになってしまったことがありました。体に紐が絡まって、さらにパニックで、外そうとすると逃げ回るばかりでした。仕方なく追いかけて、暴れて引っ掻かれるのも覚悟で紐に手をかけた時、反射的に前足を振り上げて引っ掻こうとしてきたのですが、懸命に思いとどまって、前足を引っ込めてくれました」と、当時の状況について語る飼い主さん。

「まだ慣れていない頃は、少し触らせてくれたと思ってもすぐに爪を出してしまい、いつも手に穴ができてしまっていました。もちろん、それで1度も叱るようなことはなかったのですが、初めて自分から甘えに来てくれてからは、一度も人の手に爪を立てたことはなく、人を傷つけてはいけないと強く思ってくれているようです」と、ハンちゃんもまた少しずつ、飼い主さんご家族との暮らし方について学んでくれているようです。

幸せな変化をもたらしたハンちゃん

みつめるハンちゃん

画像提供:@Erin45805941

ハンちゃんについて、「私は実際にこの子の親ではありませんが、間違いなく家族の一員で、ハンちゃんも似たような感情を持っていてくれると実感しています。家人がハンちゃんのゴハンを準備しだすと、ハンちゃんのゴハンに参加してよと必死に呼びに来てくれたりします!」と語る飼い主さん。

また、「それまであまり興味がなかった季節の行事をハンちゃんがいると楽しめるようになりました。飾り付けには必ず立ち会ってくれ、ちょっとオシャレをさせてくれるようになったり、気分が乗ってると少し得意げな表情を見せてくれたりするのもうれしいです。猫を迎えるためにと、少しでもいい方へ生活スタイルを変えられたことも良かったと思っています」と、ハンちゃんをお迎えしたことで、幸せな変化が訪れたようです。

猫との暮らしについて

眠るハンちゃん

画像提供:@Erin45805941

猫との暮らしについて、飼い主さんは、「社会で生きていく上で、様々なことをこなさなければならなくて、日々、忙殺されて忘れがちになりそうですが、猫がいるとその存在が、猫との暮らしの基盤となる家や仕事、猫も含む家族がまず優先すべき大事なことだと思い出させてくれます」と語っています。

また、「猫を飼うと、そのぶんの心配事も必要な事も増えますし、日々勉強ですが、それを苦とも思えませんし、この先に困難な事が起きても、何とか乗り切って行こうと前向きな気持ちにさせてくれます」と、ポジティブに過ごすことができるそう。

「猫以外の動物も好きなのですが、猫ほど人と良い関係を作れる存在はいないのではないかと思ってしまいます。そして、そんな猫ちゃんたちに明るい未来があることをより強く願わずにはいられません」と、熱いメッセージを送ってくれました。

ハンちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材・編集/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

ハンちゃんをチェック♪

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