用水路でポツンとうずくまる子猫…“手のかかる息子”が与えてくれた幸せとは?

用水路でポツンとうずくまる子猫…“手のかかる息子”が与えてくれた幸せとは?

最近では、外で暮らしていた猫を保護し、家族に迎える人も増えてきました。飼い主さんと保護猫ちゃん、どのように出会って、どんなふうに共同生活を築き上げているのでしょうか?飼い主さんのリアルな声をお届けします!

【みんなの保護猫物語〜トトちゃんのお話〜】

10月10日に出会った「トトちゃん」

発見当時のトトちゃん

画像提供:@Diary_of_Toto

トトちゃんと飼い主さんの出会いは、2022年10月10日の夜のことだそう。

「スーパーへ買い物に出かけようと駐車場へ向かう際、どこかで細い鳴き声が止む事なく聞こえ続け、気になって鳴き声の元を探すと、すぐ真横の用水路でポツンとうずくまるトトがいました」と、偶然見つけることができたのだとか。

発見時のトトちゃんは、「手のひらサイズの赤ちゃん猫で、周囲に親や兄弟猫がいないか探してみたのですが見当たりませんでした」と語る飼い主さん。

そして、「少し足を滑らすと川に落ちてしまう位置で、親猫を呼んでいるのか、お腹を空かせているのか、とにかく鳴き続けるトトを放っておけず保護する事に決めました」と、いてもたってもいられなかったと言います。

そのあと飼い主さんは、「その日の内に、段ボール・毛布・カイロ・ペットヒーターを用意し、夜間動物病院に連れて行き、獣医さんから2週齢程の赤ちゃんであることやミルクや排泄の世話を教えてもらいました」と急いで環境を整えたそう。

ここから飼い主さんの生活は一変したそうで、「仕事の日は、昼休憩で職場から家に戻り、ミルクや排泄の世話をしてあげて、すぐ職場に戻り、仕事を終えれば寝るまでトトちゃんの世話をしていました」と忙しい日々を送っていたようです。

実は、保護当初は里親さんを探す方向で考えていた飼い主さん。特に名前も決めていなかったのだそう。

しかし、トトちゃんのお世話を続けるうちに心境の変化があり、「お別れを想像すると悲しくなり、飼うことを決意しました」と明かしてます。

トトちゃんという名前の由来については、「大事な家族として幸せにしてあげたいという初心を忘れない意味で、出会った10月10日にちなんで「トト」と名付けました」と教えてくれました。

飼い主さんの心配をよそにすくすく育つトトちゃん

保護後のトトちゃん

画像提供:@Diary_of_Toto

窮地から救い出され、あたたかいお家にやって来たトトちゃん。はじめのうちはダンボールの中で生活していたそう。

トトちゃんには甘えっ子な一面があるようで、「私の体から離れると出会った時の様に細く「ミャウミャウ」と寂しそうに鳴いていました」と語る飼い主さん。

一方、2〜3分で鳴き止むようで「強い子だね」と声をかけ、褒めていたのだとか。それでも飼い主さんに甘えたい盛りのトトちゃんは、ダンボールの外では飼い主さんにべったりだったそう。

当時の様子について、「常に私の膝やお腹の上で過ごし、腕の間に顔を埋めて寝てくれる様子を見ると、安心してくれているのかなと嬉しくなりました」と心境を語ってくれました。

順調に信頼関係を築き上げる中、はじめての猫だったこともあり不安なこともあったそうで、「おしっこはするけどうんちが出ない日が続いたり、ペースト状の離乳食をもどしてしまったりと心配はたくさんあり、調べごとは常にしていました」と語る飼い主さん。

しかし実際には、「私の心配をよそにトトちゃんは元気に日々体重を増やしてくれていました。猫ちゃんの成長速度に驚かされる毎日です」と胸の内を明かしてくれました。

ハラハラの毎日が思い出の日々♡

カーテンからのぞくトトちゃん

画像提供:@Diary_of_Toto

飼い主さんのそばで過ごすことが大好きなトトちゃん。実はちょっぴり警戒心が強いようで、「オモチャを差し出しても、長い間お尻を振りながら"にじりにじり"と足踏みをして、歩き出したかと思うとかなりスローな動きで向かいます」と注意深く行動するそう。

一方で、かなりの慎重派かと思いきや、トトちゃんなりにひとり遊びを満喫しているのだとか。「私が構って欲しくてオモチャを差し出すのですが、そっぽを向かれて他のオモチャで遊んだりします」と教えてくれました。

最近のトトちゃんはというと、「自力で降りられないケージの上や、机の上になんとか上って降りられず、困っていたりする」のだそう。

そんな、わんぱくでお茶目なトトちゃんと過ごす毎日が飼い主さんとってはかけがえのないものだといいます。

「肩によじ登ってそこで寝てくれたり、チャオちゅ〜るデビューをしたり、カーテンに器用によじ登ったり、昨日まで出来なかったことができる様になっていたり… 毎日ハラハラする場面がありますが、スクスク育つトトちゃんとの日々が、常に思い出となっております」と語ってくれました。

トトちゃんは「息子のような存在」

ケージにいるトトちゃん

画像提供:@Diary_of_Toto

トトちゃんの成長を微笑ましく見守っている飼い主さん曰く、まるで、「手のかかる息子のような存在」なのだそう。

「日常生活の全てが、トトちゃんファーストになっています」とも語っています。

また、一緒に過ごす中でトトちゃんの存在がどんどん大きくなっているようで、「お留守番させている仕事中には、トトちゃん、ケージよじ登って落っこちて怪我してないかな…ご飯つまらせたりしてないかな…」とついトトちゃんのことを考えてしまうそう。

心配でたまらない飼い主さんの気持ちを知ってか知らずか、当のトトちゃんはというと「お利口さんでケロッとしている」といいます。「私が過保護なだけですね」と、そんなトトちゃんも愛おしく思っているようです。

さらに、「私はあまり写真を撮るという文化が無かったのですが、トトちゃんを迎えてからは事あるごとにトトちゃんの写真を撮るようになりました」と話してくれました。

今では、フォルダがたくさんの写真で埋め尽くされ、出会った日の写真に戻るにはかなりのスクロールが必要なのだとか。「10数グラム体重が増えるだけで嬉しくって、毎日、体重計に乗せては写真を撮って、トトちゃんの成長を嬉しく思っています」と明かしてくれました。

トトちゃんが繋いだたくさんの縁

みつめるトトちゃん

画像提供:@Diary_of_Toto

思いがけず始まったトトちゃんとの生活。猫がいる暮らしについて「大変なことのほうが多いですが、その大変さがトトちゃんのためと思えば、全く苦ではありません」と語る飼い主さん。

保護当初は子猫だったトトちゃんが、成長するにつれて行動範囲が増える中、コードへのイタズラ対策や芳香剤の隠し方などを工夫されているそうです。

今ではトトちゃんが輪の中心になることも多いそうで、「職場に保護猫を引き取って家族に迎えた方もいて、その人にトトちゃんについての相談に乗っていただいたり、家族からトトちゃんへの猫用品をもらったりすること」が増えたといいます。

さらに、その輪はSNSまで広がり、「Twitterでフォロワーの皆様に応援やアドバイス、トトちゃんの成長を一緒に喜んでいただいたりする」と話してくれました。

トトちゃんが繋いでくれた縁に「ありがたい気持ちと、人との繋がりも大切にしなくてはいけないなと改めて実感しています」と語る飼い主さん。

最後に、「トトちゃんは気ままに過ごしていますが、私に学びと気づきを与えてくれる家族であり宝物です」と力強く語ってくれました。

トトちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材・編集/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

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