【みんなの保護猫物語〜おまめちゃんのお話〜】
倉庫に現れた生後間もない子猫、“ミルク”が保護するきっかけに
画像提供:@omame_mamegram
飼い主さんが、おまめちゃんと最初に出会ったのは2022年7月末だったそう。
当時の状況について、「近所にいる猫が、倉庫の中で子猫を産んでしまったみたい!と、私の親から連絡を受けました。すぐにでも見に行きたい!という衝動に駆られながらも、やって来た人間に親猫たちが気づいてしまったことで、産まれたばかりの子猫たちの成長に影響があってはいけないと思い、気にしないように日々を過ごしました」と、明かしています。
子猫に人間のにおいがついてしまうと、母猫の育児放棄につながってしまうといわれています。飼い主さんは、そのことを危惧して、しばらく様子を見ることにしたそう。
そして、およそ1週間半が過ぎた8月のお盆前に事態は急展開を迎えます。
「家族や親戚が集まる機会があり、子猫の件の連絡を受けてからはじめて実家へ。帰省前は、さすがに日も経っているし、子猫たちも親猫がいつもの住処へ、一緒に連れて行っただろうなぁと思いつつ、ちょっと見たかったなぁ〜なんて軽い気持ちで向かいました」と、ずっと子猫ちゃんのことが気にかかっていたという飼い主さん。
しばらくすると、「実家に家族が集まり、ワイワイと談笑の合間。どこからかミャーミャーと、かすかに聞こえてくる子猫の鳴き声。おや?と思い、私の母親に尋ねたら、子猫がまだいて、一昨日、昨日くらいから母猫の姿は見ていないんだよ」と、飼い主さんは子猫ちゃんの近況を耳にすることになります。
ずっと子猫ちゃんを気にかけていた飼い主さん。いてもたってもいられず、「鳴き声のしている方向へ。そこはやっぱり、子猫たちが産まれた倉庫でした。なるべく物音をたてない様に、荷物と荷物の隙間を覗きこむと、小さな子猫が一匹。か細い鳴き声でミャー…ミャー…と。人間の匂いが子猫につかないように、手袋をはめてすき間から子猫を救出」と、子猫ちゃんの保護に成功!
子猫ちゃんを取り上げた飼い主さんは、その時の心境について、「とっても小さくやせ細っていました。もしかしたら母猫はすき間に戻れなくて、この子を連れていけないのかな??それとも一匹だけ、成長が遅くて、置いていかれてしまったのかなぁなどと、少し悶々とした気持ちを抱きつつ、また戻ってくるかもしれない母猫に対して、倉庫の中でも連れて行きやすそうな場所に、段ボールに子猫を入れて少し待ちました」と、心配もありましたが母猫が戻ってくるのを待つことにしたそう。
その後、飼い主さんは、しばらく様子をうかがっていましたが、「子猫がミャーミャー鳴けども、母猫が戻ってくる気配はありませんでした。このままではあの子猫は死んでしまうかもしれないと思った私は、急いで近所のドラッグストアへ。とりあえず子猫用のミルクを買って来ました」と、次の行動に移ります。
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周囲に響き渡る子猫ちゃんの鳴き声に、飼い主さんは、「『さみしいよ』『おなか減ったよ』『もっと生きたいよ』と聞こえてしまい、買って来たミルクをお皿に入れて、子猫がいる段ボールへ」と、突き動かされるように子猫ちゃんへミルクを与えることに。
すると、「きっとペロペロと勢いよく飲んでくれるだろうという予想に反して、一向にミルクを飲んでくれません。お腹は減っているのだろうけど、どうやってミルクを飲んで良いのかわからない様子の子猫ちゃん。ミャーミャー鳴きながら、脚でお皿のミルクをこぼしてしまうだけでした」と、どうやらまだ母猫のお乳以外からミルクを飲むことはできない様子だったそう。
そんな子猫ちゃんを見た飼い主さんは、「母猫のもとへ子猫を戻してあげる!という思いはあったので、手袋などはして子猫に接していたのですが、気がついた時にはもう素手のまま子猫を抱きかかえて、指につけたミルクを子猫の口元に」と、考えに考え、必死にミルクを飲んでもらおうと試みます。
飼い主さんの熱意が子猫ちゃんに届いたのか、「最初は怪訝そうにしていましたが、ペロっと舐めたあとは、ミルクのついた指をガシガシと甘噛みしてくれました。この時に、「あ、もう歯が生えてるんだ」と知りました」と、無事にミルクを飲んでくれたといいます。
「素手でこの子猫をすくい上げてミルクを与えた時には、すでにこの子を保護して、命を繋ぐためにも我が家に連れて帰る気持ちになっていました」と、飼い主さんの心も決まったそう。
初の子猫育てに奮闘!ある懐かしさも…
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飼い主さんと帰宅したおまめちゃん。当時の状況について「ミャーミャー鳴いて震えているばかりで、あまりお皿からミルクも飲めず、ペースト状のフードを与えても、少し舐めるくらいでした。まだ飲み方や食べ方を知らないのだから、当然ですよね」と、振り返っています。
一方で、「タオルでくるんで、しっかり抱っこして身体を温めていたら安心して眠ってくれたのを覚えています」と、微笑ましいエピソードもあったそう。
帰宅した翌日に動物病院に行くと、生後2〜3週の月齢であることが判明しました。
本来ならば、200〜300g程度の体重になっている頃なのですが、おまめちゃんの体重はわずか138g。生まれたばかりの子猫と同じくらい小さかったのです。
獣医さんからは、「『しっかりミルクを飲めなければ、命を落としてしまう可能性もある』」と言われたそう。
そこで飼い主さんは、2〜3時間おきの授乳を徹底して、標準体重になるよう心を砕いたといいます。
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その後、おまめちゃんは少しずつミルクの飲み方をマスターし、しっかり飲めるようになったそう。
当時の飼い主さんは、授乳の徹底以外にもおまめちゃんのためにしていたことがありました。それが体温の維持です。
「夏場でしたが、子猫は体温調整ができないと聞いたので、常に誰かしらが抱っこをしていたり、タオルにくるんで温めていました」と、ご家族みんなで協力をし合ったのだそう。
当時のおまめちゃんの様子ついて、「保護時から生後間もなく小さかったため、人間に抵抗がない様子で、日々、お世話をしてくれる私たち夫婦や息子たちに、すんなり心を開いてくれていたと思います」と、振り返る飼い主さん。
おまめちゃんのように小さな子猫を育てることは、初めてだった飼い主さん。哺乳瓶からの授乳に慣れるまで、不安や心配な気持ちがあったそうです。そして、睡眠不足にも陥ることも。
飼い主さんは、「子どもたちの新生児の頃を懐かしく思いつつ、一生懸命にミルクを飲んでくれるおまめに癒されつつだったので、不思議と大変とか、辛いとかはなかったです」と、当時の心境を明かしています。
息子さんにお勉強を教える姿が話題に!!
宿題、ここ間違ってるニャー?
— おまめ@キジトラ♀? (@omame_mamegram) September 21, 2022
間違っているのは、あなたの遊ぶ所ですよー?#子供と猫 #かまってちゃん pic.twitter.com/udFgMP7Pwp
家族みんなで大切に育てられたおまめちゃんは、「人懐っこくて、とっても寂しがりさん」なのだそう。
また、「少しずつおてんばな女の子に育ってきています。いつでも家族、誰かの近くでくつろいだりして、自分も人間だと思っているかもしれませんね」と、すっかり家族の一員になっているようです。
そんなおまめちゃんとの思い出で、印象に残っているのは、「おまめがうちに来て1ヶ月くらいですかね。リビングのカウンターで宿題をしている息子の横に、いたずら心でおまめを座らせたら、とても楽しそうに鉛筆で戯れ出して…」と、お兄ちゃんのお勉強に興味津々だったのだとか。
そして、「息子は息子で、宿題をおまめに邪魔されても、嫌な顔ひとつしないで、むしろ一番宿題がはかどると言っていたくらい」と、微笑ましいエピソードを教えてくれました。
実は、この時の息子さんとおまめちゃんとのやり取りをおさめた映像が話題になり、たくさんの人に、おまめちゃんが愛されるきっかけになったのだそう♡
おまめちゃんは「本当の家族、大切な存在」
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おまめちゃんについて、「まだ3ヶ月くらいの付き合いですが、本当の家族。本当の娘ですよね。日々、家族に笑顔と幸せをもたらしてくれる、とても大切な存在」と、力強く答えてくれた飼い主さん。
また、おまめちゃんをお迎えしたことで、「ゲーム三昧だった息子たち、おまめのおかげでゲーム時間が大幅に減りました(笑)でも、おまめのおかげで息子たちが無償の愛ってどういうものなのか、わかってきたと思います」と、息子さんたちに変化があったそう。
さらに、飼い主さんご自身の生活にも変化があったといいます。
「母猫に忘れられ、置いていかれた子猫。本当に小さな身体で、いつ命を落としてしまってもおかしくない状態だったので、成長記録として8月中旬より毎日欠かす事なく、おまめの写真をInstagramに投稿するようにしました」と、新たなライフワークがみつかったそう。
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おまめちゃんの記録を残すことについて、「少しでも多くの方に見守っていただいて、もう誰にも忘れられないように、寂しくないように、誰かの心に少しでもおまめの存在が残るように」という願いをこめていると話す飼い主さん。
おまめちゃんに対する飼い主さんの深い愛が、見る人たちの心を魅了し、今では、地上波のテレビに登場するほど人気者になったおまめちゃん。
飼い主さんが営む美容室を訪れるお客さんにも、気にかけてもらえる存在に!「今では、看板猫ちゃんです」と、おまめちゃんは飼い主さんのお仕事にも貢献しているようです。
保護猫、保護犬を迎えるきっかけになれば…
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猫と暮らすことについて、「世の中で猫を飼っている方は、家族の一員として暮らすので、人間より圧倒的に寿命の短い猫ちゃんの猫生を、最期まで幸せにしてあげようって気持ちがある人だと思います」と語る飼い主さん。
「責任は重大ですが、うちの猫を幸せにする!って思って一緒に暮らしていると、気がついたら、とても幸せな気分に包まれているんです」と、おまめちゃんとの生活を通して感じているそうです。
さらに、猫ちゃんがいることで、「本当に心が豊かになり、優しい気持ちになっています。幸せにしてあげているって思っていましたが、きっと猫ちゃんに、家族みんなが幸せにしてもらっているんでしょうね♪」とも語っています。
また、保護猫ちゃん、保護犬ちゃんについて、飼い主さんは、「おまめがスクスクと成長する姿をInstagramで見たり、この記事を読んでくれた方の中で、保護猫や保護犬を迎える素敵な出会いのきっかけになったりしたら、本当に嬉しいです。迷える犬猫ちゃんたちが1匹でも救われますように」と願っていることを教えてくれました。
おまめちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!
※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています
取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん
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