人の温もりを知らずに育ったラグドール
地域猫のお世話や、保護猫活動が盛んなエリアは捨て猫が増えやすいというジレンマがあります。
今回の主役であるラグドールの華ちゃんも、人に遺棄された猫です。ご縁があって、8年以上個人で保護猫活動をしている「にこねこ」さんご夫婦の元にやって来ました。
甘えっ子が多く、愛らしいことで有名なラグドールがなぜこのような目に…。とても悲しく複雑な心境になりつつも、これからの猫生が華やかなものになるように願わずにはいられないお話です。
虎刈りにされ遺棄されたラグドール
とある団体さんの活動エリアで珍しい猫が発見されました。ブルーの瞳に白を基調としたラグドールです。
でも何かがおかしい…。野外でひとりぼっちになっている時点で既におかしいのですが、容姿にも違和感があります。そう、モフモフではないのです。
いかにも「刈りたて」といわんばかりに被毛が散乱し、虎刈りにされた姿でうずくまっています。明らかな虐待事案です。(毛を刈ること事態は虐待ではありませんが、今回は総合的に見て虐待の線が濃厚でした)
もしかして迷子猫?
純血種の猫が発見された際、真っ先に疑うべきは「迷子猫」の可能性です。虐待の線が濃い今回の事案でも、本当に探している方がいないか調査が行われました。
迷子猫になった後で何者かに虐待された可能性も十分にありえるからです。この調査と、猫の預りを「にこねこ」さんと繋がりが深いボランティアさんが引き受けてくださいました。
そして「華ちゃん」と命名しました。華ちゃんは人に慣れていないようです。どれほど劣悪な環境にいたのか、想像するだけで胸が痛みます。
その後、飼い猫でありながら迷子猫ではないことが判明し、「にこねこ保育園」に入園することが決まりました。
人の温もりもご飯の美味しさも知らなかった
ラグドールは、本来穏やかで人懐っこい猫種です。もちろん個体差はありますが、甘えっ子な猫も多いといわれています。
しかし華ちゃんは、人が怖くて仕方ありません。穴蔵(ベッド)に隠れて様子を伺います。2歳の女の子であることが分かっていますが、この2年間人の愛情や温もりを受けられずにいたようです。
更に衝撃的なのが、ご飯の食べっぷり。保護猫にありがちなガツガツとした食べ方をしています。痩せこけた容姿からも推測できるように、ご飯も満足に食べたことがないのでしょう。
これからは、毎日美味しいご飯が食べられるよ。少しずつ心を開いてくれますように。
華ちゃんの成長を応援する園児達
声をかけると瞬きをしてくれる華ちゃん。心のどこかで「この人たちは大丈夫」だと分かっているのでしょう。でも、まだ自信が持てません。
そんな華ちゃんを、園で預かっている猫達が気にかけます。「華ちゃ〜ん、僕と一緒に挟まってみないかい?」とおどけて見せるつーくん。保護猫の心を解かす達人敵存在です。
かつて、つーくんの行動に救われたポポちゃんも駆けつけてくれました。
「私もね、昔は人が怖くてたまらなかったのよ。でもね、ここのパパさんとママさんはとっても優しいの。お友達もたくさんいるんだよ。だから安心して。少しずつ仲良くなろうね」
まるで、自分の生い立ちや園での生活について教えてくれているようでした。園児達の活躍によって、華ちゃんの緊張が解けてきたように思えます。
いつの日か、華ちゃんの過去も誰かを救う連鎖の1つになりますように。そして、これからは華やかな猫生を歩んでいけますように。
まとめ
飼い猫として幸せな猫生を歩むはずだった華ちゃん。しかし、華ちゃんの猫生はとても悲しく心が痛むようなものでした。
2年間も飼育を放棄され、人の愛情もご飯の美味しさも「にこねこ保育園」に入園して初めて知った喜びでした。
誰を恨んでも憎んでも、過去に帰ることはできません。だからせめて、これからは幸せになってほしいですね。きっと華ちゃんなら大丈夫!!だって仲間がいるのだから。
華ちゃんと園児達の可愛らしいやり取りは、動画でもご覧いただけます。
※こちらの記事は情報掲載者より許可を得て掲載しております
掲載者名:にこねこ「保護猫の保育園」
にこねこ【保護猫の保育園】
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