我が家の女王様的存在のミーちゃん。もともとは瀕死状態の子猫だった
ボロボロのミーちゃん
とっても寒い2月のある日、ミーちゃんは私の職場の裏口にいました。顔を隠すように丸まっていたので、寒さと必死に戦っていたんでしょう。とりあえずタオルを敷いてやるとその場にじっとしていました。
仕事が終わる時間になってもミーちゃんはそこにいるので、そのまま放っておく事ができずに家に連れて帰る事にしたのです。ミーちゃんはよく見ると皮膚がボロボロ、体はがりがり。しかも目やにで目がふさがっていて、何も見えていない状態だったのです。
最初は警戒していたミーちゃんでしたが、よほどおなかがすいていたのでしょう。ご飯を出したら驚くほどの量を食べました。そしてご飯を食べ終わると娘のひざから離れなくなり、わざと離してみてもすぐにまたひざの上に。
おそらく野良猫のお母さんから生まれたミーちゃんは保護する時には衰弱していましたが、それでも警戒心は強くてかなり威嚇していました。それなのにご飯を食べ終わったら急に娘から離れなくなったのは、きっと命を守ろうと必死だったのでしょう。
そしてしばらくはケージに入れて、先住猫のマムちゃんと距離を保ちながら様子を見ていたのです。
次々に出てくる病気
ミーちゃんを保護して間もなく、食欲が落ちて元気がなくなっていきました。熱が出ている様子があり、ぐったりとして下痢もしていたので動物病院へ連れていく事にしたのです。
動物病院の先生がミーちゃんのあちこちを検査すると、ミーちゃんはたくさんの病気にかかっていました。
ボロボロの皮膚は乾癬にかかっていて、先生いわくかなり劣悪な環境にいたのでしょう、と。さらにおなかには寄生虫がいて、猫風邪の症状もひどく…。およその月齢は1、2ヵ月くらいだったのですが、体重は平均の半分もありません。
私は改めてミーちゃんは今までこの小さな体でどれほどの大変な思いをしてきたのだろうと想像し、たまらない気持ちになったのです。そしてミーちゃんの姿を見るたびに私は胸がいっぱいになり、こうして出会えた幸せを大切にしたいと思うのでした。
マムちゃんと仲良しに
先住猫のマムちゃんはとても大人しい猫で、ミーちゃんが家に来た時には大変警戒していました。あまりすることがない威嚇行為「シャー」をしてみたり、同じ部屋に入ることを拒否してみたり。そのうちにマムちゃんがおかしな行動をするようになります。
それは何度も繰り返しトイレに行っては、座り込んでオシッコをしていたのでした。よく見るとほとんどオシッコは出ていないのですが、長くしゃがみ込みふんばっている様子です。そのうちオシッコに血が混じるようになり、あわてて病院に連れて行きました。
マムちゃんは病気ではなく、ストレスでオシッコを何度もするようになったのだそうです。そして病院の先生はきっとミーちゃんが来たせいでストレスを感じているのだろうと。治療しようがなくそのまま連れて帰り、マムちゃんの様子を見ていました。
そのころミーちゃんはすっかり元気になり、マムちゃんにも警戒心を持つことがなく平気な様子です。
少しづつ2匹の距離が近くなり、2匹で一緒に寝るようになりました。
そんなときミーちゃんはいつもマムちゃんの顔や体を舐めています。その時のマムちゃんの嬉しそうなことと言ったら!本当ならマムちゃんがお世話をする立場なのに、赤ちゃんのミーちゃんからいつも優しく舐められています。
そしてマムちゃんのオシッコも元に戻り、2匹仲良く過ごす時間が多くなっていきました。
野性味たっぷりの元気なミーちゃん
ミーちゃんはしばらくは病気がちだったもののすくすくと育ち、そしてとっても元気な猫ちゃんになりました。
運動神経も抜群で、キャットタワーの上からのジャンプ力もすごい!小さな虫も瞬間でとらえるミーちゃんを見るたびに、野生で育っていたらたくましい猫になっていただろうと思ってしまいます。
ミーちゃんを拾った後に2匹の保護猫が仲間入りした我が家は、現在合計4匹の猫がいます。
ミーちゃんはどの猫も認める強いリーダーで、後輩猫が怒られて猫パンチされていることはしょっちゅうです。ちょっと気が短いところもあるので、エサの前などおなかが減ってイライラしているのか、他の猫に八つ当たりしてとびかかったりしています…。
ミーちゃんの後に来た黒ちゃんとはケンカ友達で、いつもうちでは定期的に追いかけっこをしています。元気な黒ちゃんにとっては、頼もしいお姉さんといったところでしょうか。
まとめ
今のミーちゃんを見ていると、拾った当時が嘘のように元気いっぱいです。私はそんなミーちゃんを見るたびに、あの時の出会いに感謝して命の素晴らしさを実感してしまいます。
ミーちゃんはリーダー然としていて、いつもほかの猫たちから一目置かれる存在です。怒りっぽいところがあるけれど、芯はとっても優しくて決して弱い者いじめはしません。そんなミーちゃんだからみんなのリーダーになれるのかもしれませんね。