【野良猫の出産ブーム】春~夏、ボランティア泣かせの出産シーズン

【野良猫の出産ブーム】春~夏、ボランティア泣かせの出産シーズン

毎年、日本全国の動物愛護のボランティアさんたちにとって恐怖の季節は春と秋の子猫たちの出産ブームです。何故、恐怖かといえば、「助けて下さい!」という他力本願の丸投げでの保護以来が殺到するからです。

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子猫の保護依頼の現実

私は地方である動物愛護団体の代表をしています。

昨年の春から夏にかけてどれだけの子猫の保護依頼が来たのか、その数は途方もなかったです。毎日毎日、複数の「助けて下さい!」という他力本願の子猫発見者からの電話がかかってきていました。

丸投げではなく、初期費用を持っていただけたケースもありました。

それでも「自分が見つけて保護したけどお世話ができない」ケースばかりです。

今回は、結局どうしようもなくて、こちらで保護したケースをご紹介させていただきます。

これは、依頼者の方たちを非難するものではなく、実際、保護団体のボランティアが短期間でどれだけの子猫たちを保護しているかを知ってもらうために書いています。

どうかボランティアの現実を知って下さい。

ボランティアと言っても、電話してくる人たちと全く同じ一般市民です。みんな仕事があり、家庭があり、家族がいる一般家庭でのボランティアです。

そういうボランティアがいると知ると藁をもつかむ思いで電話されて「助けて下さい!」と多くの人たちから懇願されます。どうか、ボランティアが引き取るのが当たり前と思わないでください。

植え込みで泣いていた子猫

サクラ

サクラと名付けた子猫は、公団住宅の植え込みで独りぼっちで泣いていたところを、お掃除している人に発見されました。

この子は、発見者の方が初期医療費を出してくれました。子猫の出産ブームで保護したその春第一号でした。

敷地内に遺棄された双子

はなことくま

これはセンター経由で相談が来たケースです。

自宅の敷地内に誰かが子猫2匹を遺棄したと通報が入りました。高齢の女性で、自分が犬猫保護しているから近所の人がよく捨てていくとこぼされていました。でも、自分にはもう保護できないからと相談され、初期医療費を払っていただくことで引き取りました。

引き取らなければ、心を鬼にしてセンターに連れて行くしかないと言われたので、仕方なかったです。

トラックの荷台で野良猫が出産

4つ子

ゴールデンウィークの連休が終わって出社したら、自分の仕事のトラックの荷台に子猫が産みつけられていたと通報が入りました。

その男性は、授乳のために子猫4匹をバケツに入れて仕事先に連れ歩いていました。でも限界を感じセンターに相談されたとのことです。

結局センターが他の団体に相談し、その団体の代表が私に相談されたことで、こちらで引き取りました。

男性は4匹分の医療費を渡してくれました。助けたいけど仕事があるので4匹の授乳は厳しく、助けられないという状態だということはよくわかりました。その後も、お礼の手紙とお気持ちを送っていただきました。

小学生が保護した子猫

サラン

小学生が帰宅途中で植え込みで泣いている子猫を保護しました。動物病院に連れて行き、目ヤニだけ無料でとってもらったそうです。家に連れて帰ったのを見て、母親が通報してきました。

庭で蓋をしていない箱の中に入れているだけだったので、危ないと思い引き取り。

病院に連れて行ったところ、真菌症にかかっていました。母親から初期費用の一部として寄付がありました。

道路でうずくまっていた子猫

翼

男性が車で帰宅途中に、山道の道路の真ん中でうずくまっていた子猫を保護。

スーパーで流動食と思って、成猫用のチューブ状のペーストを買って与えたそうです。
次の日に下痢をして脱水状態になり、衰弱し始めたのでどうしたらいいかと相談の電話がかかってきました。

すぐに動物病院で待ち合わせし、そのまま入院点滴となりましたが、翌朝、虹の橋に旅立ってしまいました。私が関わった子猫で、初めて助けることができませんでした。

男性は初期費用を出してくれました。その後子猫は、センターで火葬させていただきました。

母猫から遺棄された子猫

Kiki

隣の家の庭で子育てをしていた母猫が、子猫を1匹だけ運んで来て放置していると通報がありました。

状態をみたところ、真菌症に感染している可能性があると思ったので引き取りました。
通報者が初期費用を出してくれました。子猫はやはり真菌症に感染、母猫はそれに気づき、他の子猫にうつらないように隣の敷地に遺棄したのだと思われます。

母猫が行方不明に

4つ子ひまわりたち

隣の倉庫で子育てをしていた野良猫が、大雨のあと戻って来ないと通報がありました。
4つ子が取り残されており、通報者の女性が段ボールに入れて保護してくれていました。でも美容師さんで朝から夜まで仕事で出かけているため、授乳が1日2回しかできないということだったので引き取りました。この女性も初期医療費は出してくれました。

駐車場で子育てしていた猫

ポコ母子4匹

アパートに住んでいた女性が、引っ越しの際に外に置き去りにしたメス猫が駐車場横で出産。

子猫3匹が歩き出して危ないと、同ビル1階のテナントの方が通報してきました。
確かに危険な環境だったので子猫3匹と母猫1匹を引き取りました。通報者が初期医療費は出してくれました。

ごみ集積場で閉じ込められていた子猫

タンゴ

ごみ集積場から鳴き声がすると、当時ボランティアで手伝ってくれていた大学生から通報が入り、パトカーも駆けつける大騒ぎの末保護した子猫のことは、以前「ごみ収集所の中から救出した子猫」という記事に書きました。

野良猫の子猫がお腹を空かせてごみを漁っていた時に、ごみの中に捨てられた子猫と勘違いされたものでした。

カラスにさらわれた子猫

小雪

屋根の上でカラスたちが騒いでいるので、家の外に出たら道路に子猫がいたそうです通報を受け、猫初心者の方だったので引き取りました。

カラスがどこからかさらってきたようで、道路に落としたところをその女性に発見されたみたいでした。体のあちこちにつつかれたあとがありました。

最後に

ここに挙げた子猫、成猫だけでも20匹です。これは、2019年4月下旬から6月中旬までに私が市民通報から保護した一部です。この他にも多頭飼育者から保護した子猫たちや、虐待を受けて保護した成猫など、当時はわずか数ヵ月で当団体は猫だらけになりました。

当団体は、センターに収容された犬猫達を助けるために活動しています。けれどもその後も市民からの助けてコールが鳴りやまず、保護し続けていたため、センターに収容された猫たちを1匹も助けることができませんでした。そのすべてはとても書ききれるものではない数です。

こういうことは毎年起きてしまいます。動物愛護のボランティア団体があるとわかると、大勢の人が藁をもつかむ思いで連絡してくるのです。

でも、ボランティアたちも一般市民です。

何が違うのかといえば、自分たちで助けようとする気持ちかもしれません。

子猫を発見・保護した人たちが「自分には無理だから!」と最初から決めつけないで、何とか出来る限り助けようとしてくれれば、このような事態は発生しません。もしくは、そこにボランティア団体が存在しなければ、なんとか自分でやってみようと思うのかもしれませんが…保健所というセンターが存在しているので、最終的にはそこに持ち込まれることになるのかもしれません。

4つ子遺棄

今回は助けられた例ばかりを書いていますが、現実には助けられなかった数の方が多いのです。動物愛護のボランティア団体であろうとも、市内の助けてくれ!コールのすべてに対応できるはずがありません。

助けられれば感謝の言葉が寄せられますが、助けることができず断れば冷たいと罵倒され、まるで悪いことをしたみたいに言われ続けることがあります。

子猫の出産ブームは、全国の動物愛護のボランティアたちにとっては精神的にも体力的にも金銭的にも追い込まれる恐怖のシーズンなのです。どうか、この現実を知っていただき、ボランティアさんたちを追い込み苦しめることのないようにしてください。

※こちらの記事は画像の撮影をした団体より許可を得て掲載しております。
 掲載団体名:ディ・アンク

ディ・アンク

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