無責任な通報からの保護
その時、私は別の町に迷い犬を保護しに行く直前でした
私は動物愛護団体の代表をしています。活動で出かけようとしていたところに、1本の別の通報が入りました。
「山の上に子猫が4匹捨てられている!周囲にはカラスがたくさんいる!」
そういわれても通報を受けた私は方角が全く正反対の町に、迷い犬の保護に向かわなければなりません。
通報してきた男性に「危険な状態であれば、あなたが保護していただけないのですか?」と聞いたのですが、仕事の途中でどうすることもできないと言われてしまいました。
すぐにボランティアの別のメンバーに連絡し保護に向かってもらうことになったのですが、男性はその場で待つこともなく仕事に戻ってしまいました。
必死の捜索
山の上の現場に到着したメンバーは、通報者が「一緒に捨てられている」と言っていた赤い毛布を見つけ、どこに子猫がいるのか探し回りました。
周辺を必死で探し回りましたが、どこにも子猫は見当たりません。
最後の手段で持ってきていたキャットフードを開封したところ、よほどお腹が空いていたのでしょう、子猫たちが次々と集まってきて、無事4匹を保護することができたそうです。
無責任な丸投げの通報
保護に向かったメンバーは、通報してきた男性と事前に電話でやりとりをしていました。
「丸投げでは困ります。医療費もかかりますし、飼育費用もかかります。里親探しもしなければなりません。一緒に協力していただけませんか?お仕事が終わったらとにかくもう1度電話をしてきてください!」と頼んでいたそうですが、その後男性から電話がかかってくることはありませんでした。
「保護してくれるなら、大丈夫だろう?」とでも思われたのでしょうが、せめて現場に誰か到着するまで子猫たちの安全を確保しておいてほしかったです。男性自身が、子猫たちの周囲には天敵のカラスたちがたくさんいると言っていたのです。それがどれだけ危険なことかわかっていたはず。
男性がいなくなってから誰かが駆け付けるまでの間に、子猫たちがカラスに襲われる危険性は十分あったのですから。
そして今回はたまたま赤い毛布が目印になりましたが、現場を見つけた人がいてくれなければ、山のどこを探していいのかすら分からなかったのですから。
このような無責任な丸投げの通報は、初めてでした。それで助けた気分になられたのではたまりません。
男性は電話で言ってました。
「見ちゃったもんな~。そのまま無視するわけにはいかないから…」
そう思うのだったら、無事保護されるまで、安全確保して、見届けるべきだったのではないでしょうか。
病院
保護したメンバーは、その足で動物病院に連れて行きました。待機していた別のメンバーに4つ子を引き継ぎ、受診。
全員目やにがあり猫風邪をひいていたので、その治療をしてもらい処方薬と目薬をもらいました。
当然、医療費がかかります。
通報者からは何も預かってはいないので、私が後で動物病院まで支払いに行きました。
予定通り別の町で迷い犬の保護をして、その犬を別の病院に連れて行き、その後、メンバーが子猫たちを連れて行った動物病院に支払いに行ったのです。
預かり
子猫たちは4匹ともメンバーが一時預かりをしてくれました。
(仮)名:びん、かん、あん、りん
“かん”だけが男の子であと3匹は女の子でした。
みんなかわいい子猫たちです。
無責任な通報者からの丸投げの保護であったとしても、子猫たちに罪は一切ありません。全員元気に育て、優しい里親さんにつなぐために、私たちはひたすら努力します。
最後に
現在、この4つ子について里親探しを行っています。全員が病気をすることもなく、元気にスクスク成長しています。
山に遺棄されるという最悪なパターンでしたが、命が繋がり無事保護できたことは喜ぶべきことだったと感じています。
4つ子ちゃんたちが、幸せ切符を近いうちに全員掴みますように、心から願っております!
※本記事に掲載している写真の出典元は、ライター自身の投稿です。