スコティッシュフォールドに発症しやすい骨瘤の症状
骨瘤の症状
- 足首にコブのような塊が出来る
- 尻尾が硬直してうまく動かせない
- 痛がって鳴く
- 痛がってうまく動けない
スコティッシュフォールドになりやすい骨瘤とは
- 骨瘤とは軟骨に形成異常を起こす遺伝性疾患が原因
スコティッシュフォールドなどにできる骨瘤(こつりゅう)は骨軟骨異形成という遺伝的な疾患がもとで形成されます。骨が成長する時に、軟骨に形成異常を起こす遺伝性疾患で、尻尾や四肢の未発達や、関節の軟骨に異常が起き、骨のように固くなってしまったり、骨が勝手に増殖したりすることが原因で瘤のようなものが出来ることがあります。これを「骨瘤」とよびます。
骨瘤ができた時の症状や進行
- 骨瘤の初期症状:動きがぎこちない
- 骨瘤の初期症状:高いところに行かない
- 骨瘤の初期症状:耳を掻く等の体勢がおかしい
- 歩く時の体勢がおかしい
- 骨瘤が出来た部分を触られると怒る
骨瘤とは、軟骨の形成異常や骨が増殖することでこぶになってしまったことを指します。それが出来た場所はうまく動かせなくなり、痛みのために鳴いたりすることもあります。痛みのために、歩く時にびっこをひいていたり、骨瘤が出来た部分を触られるのを嫌がったりします。
骨瘤が出来る以前の初期の頃では、動きがぎこちない、高いところへ行きたがらない、耳を掻くなどの体勢がうまくとれないといった些細な症状があります。成長に応じて症状が現れてくるので、飼い始めた時に何もなくても、飼っているうちに、骨瘤が出来てしまう可能性もあります。
起きやすい箇所
- 耳
- 手足の関節
- 尻尾
- 脊椎など
軟骨部分に異常が起こるので、症状は、耳だけでなく、手足の関節や尻尾から異常が始まり、ひどくなれば脊椎にも進行します。
スコティッシュフォールドに骨瘤ができる原因
- 骨瘤ができる原因は遺伝によるもの
- スコティッシュフォールドに骨瘤が多い理由は折れ耳の遺伝子を優先的に交配させているから
骨瘤を引き起こす原因となる、骨軟骨異形成は主に遺伝によるものです。
スコティッシュフォールドに骨瘤が多い原因
スコティッシュフォールドが、折れ耳という骨軟骨異形成を発症している猫を、優先的に交配させて作られた種類であることがその原因です。
耳が折れているということは、軟骨に異常があるということです。そうなれば他の体にある軟骨部分にも、骨瘤などの異常が起きる可能性があるということになります。
スコティッシュフォールドを認めていない血統登録団体
- FIFe(欧州)
- GCCF(イギリス)
さらに、スコティッシュフォールド同士を交配させることにより、高確率で骨軟骨異形成が起こります。欧州の猫血統登録団体であるFIFe(Federation Internationale Feline)や、イギリスの猫血統登録団体GCCF(Governing Council of the Cat Fancy)では、遺伝子疾患のある猫であるとして、スコティッシュフォールドは猫種として認められていません。
骨瘤による遺伝子疾患が起きないようにするため、ブリティッシュショートヘアーやアメリカンショートヘアーとの交配を認め、スコティッシュフォールド同士の交配を禁止している団体が多くあります。
骨瘤を引き起こす骨軟骨異形成からスコティッシュフォールドを守るためにはスコティッシュフォールド同士、特に耳が折れている者同士を交配させないことが、唯一の骨瘤の予防法であると言えるでしょう。
スコ座りと骨瘤の関係
スコティッシュフォールドがよくするとされるポーズに、いわゆるスコ座りがあります。お尻を真下にして足を前に出し、人間のように上体を起こして座る座り方です。
これは、病気の影響で、普通の座り方をすると体に負担がかかったり、痛みがあったりするためではないかと言われています。見た目のかわいさ、特徴が際立っていることなど、ペットとして人気のある猫種を作り出そうとした結果、骨軟骨異形成症の猫が生まれてしまうことは、とても悲しいことです。
スコティッシュフォールドに骨瘤ができた時の治療法
骨瘤ができた時の治療法として考えられるのは、次の3つです。
- 鎮痛剤
- 放射線
- 外科的手術
骨瘤の痛みをやわらげるために鎮痛剤を投薬したり、放射線治療をしたりして、コブの成長を抑えるなどの対処療法があります。骨軟骨異形成症の確実な治療方法は今の所確立していません。
放射線治療で骨瘤を治療する
放射線治療は、コブの成長を抑えるために、骨瘤部分に放射線を照射します。ただし、放射線をもっている施設が限られること、そのために麻酔が必要になりますので少し難しい治療かもしれません。
骨瘤を手術で取り除く治療法
もっと骨瘤の症状がひどい場合には、骨瘤を手術で取り除くという方法もあります。治療費は、病院によって違いがありますが、15万から20万ほどと考えておくと良いでしょう。
ただし、手術には麻酔が必要ですし、猫ちゃん自身への負担も大きくなります。
初期の骨瘤を治療する方法
初期の頃には、関節や軟骨に効果のあるサプリメントを与えて様子を見るという方法もあります。ただ、サプリメントなので症状を予防出来るものではありません。でも、サプリメントの中には炎症を和らげる成分が入ったものも最近ではありますのですぐに効果があるわけではないですが、少し楽になる可能性はあるかと思います。
また、確実に治療出来るということでもありません。骨瘤が出来てしまった場合には、痛みを取り除いたり、進行を遅らせたりするなどして、普段の生活に出来る限り問題がないようにしてあげるしかありません。
そのためにも、骨瘤が出来た時はもちろん、動きがおかしいなどの異常が発見されたら、早めに動物病院に連れて行きましょう。
スコティッシュフォールドに骨瘤ができる確率
- スコティッシュフォールド同士で交配された猫は骨瘤ができる確率が非常に高い
折れ耳として生まれたスコティッシュフォールドは、すでに骨軟骨異形成症になっているため、四肢や尻尾などの他の部分にも症状が現れ、骨瘤が出来たりする可能性があります。さらに、スコティッシュフォールド同士を交配させることによって、骨瘤が出来る確率はあがります。
骨瘤が発症する年齢
骨瘤が発生する場合、成長と共に症状が現れてくるので、普段からスコティッシュフォールドの行動に注意していることが大切です。骨軟骨異形成症は、成長が止まる頃と共に一緒に止まることもあれば、そのまま進行していくこともあります。
この骨軟骨異形成という遺伝性疾患は、生後数ヶ月ごろから症状が見られ、成長期にかけて発症することが多いと言われています。
ペットショップにいるスコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドの中でも、耳が折れていない立ち耳のものもいます。ただし、ペットショップでは、スコティッシュフォールドとして売られているものは、ほぼ耳が折れています。耳が折れているということが、かわいらしさの特徴とされているからです。
人間が見た目を重視してペットを選ぶのは仕方ないことかも知れませんが、その特徴は遺伝的疾患であるということは、とても悲しいことです。もちろん、耳が折れているスコティッシュフォールドの全てに、耳以外の異常や骨瘤などが現れるとは限りません。
スコティッシュフォールドの骨瘤まとめ
スコティッシュフォールドと暮らす時には、その可愛さと同時に、骨瘤が出来る可能性があるといったことも受け止めなくてはいけないでしょう。ペットショップで売られている時や、ブリーダーから購入する際には、まだ骨瘤などの遺伝性疾患が発症していないこともあります。
出どころがわかっていて、スコティッシュフォールドの疾患についてちゃんと対処している相手から購入するべきです。そして、一緒に暮らしているスコティッシュフォールドに骨瘤などの疾患があったとしても、飼い主は、幸せに生きていけるようにしてあげられる環境と覚悟が必要です。
また、スコティッシュフォールド同士を多頭飼いしている場合には、繁殖させないように避妊や去勢をしましょう。
折れ耳はかわいらしい特徴で、スコティッシュフォールドは人気のある猫種ですが、骨瘤などの遺伝子疾患を持っているということは忘れてはいけませんね。
▼スコティッシュフォールドについて詳しく知りたい方はこちら
スコティッシュフォールドの性格や特徴、値段から飼い方まで
40代 女性 あかね
30代 女性 みちこ
我が家で飼っていたスコティッシュフォールドも耳に骨瘤ができて様子を見ているうちに大きくなり、手術をしていただきました。
すっかり、元気になったスコティッシュフォールドですがそれからは、骨瘤はできることはなくなり元気に暮らしています。
始めは、どうなることかと思って心配しましたがしっかりと完治して安心しました。
骨瘤ができやすい猫種ですが、変化に注意してあげることで、早期発見に繋がります。