スコティッシュフォールドに多い座り方「スコ座り」
スコティッシュフォールドによく見られる座り方として「スコ座り」という言葉を耳にしたことがある方も多いかもしれません。スコ座りとは、スコティッシュフォールドが後ろ足を前方に投げ出した状態で座る独特のポーズです。
腰からお尻にかけては床についており、ソファの背もたれを使ってもたれかかるような座り方をすることもあります。
仰向けの姿勢になるため、お腹を見せてリラックスしているようにも見え、「かわいい」「癒やされる」と言われることも多いです。その際、前足をお腹に乗せることもあり、お父さんがリビングでくつろいでいるような様子から「オヤジ座り」とも言われます。
海外では、この座り方が座弾を組んでいるお釈迦様の姿に似ているという理由で「Buddha Position(ブッダポジション)」とも呼ばれています。
スコティッシュフォールドが変な座り方になってしまう理由
体を舐めるため
スコティッシュフォールドが独特の座り方をする理由の1つは、お腹や股、お尻、足元を舐めてグルーミングするためだと考えられています。
スコティッシュフォールドに限らず、猫はよく毛繕いする動物で、排泄のあとに股やお尻を舐めて掃除することもあります。
その際にスコ座りと呼ばれる独特の座り方は、お腹や股などを舐めやすいのでしょう。スコティッシュフォールド以外にもグルーミングのために同じ座り方をする猫もいますが、長時間スコ座りをキープし続けることはあまりありません。
楽な姿勢だから
仰向けの状態から起き上がったような座り方を見て、苦しくないのか気になる飼い主さんもいるのではないでしょうか。人間が足を前に投げ出して座る場合「坐骨結節(ざこつけっせつ)」と呼ばれる骨の先端を床面につけることで、上半身を支えています。
ところが猫は「仙骨(せんこつ)」と呼ばれる尻尾近くの平らな骨を床面につけて座ります。人間よりも腰椎の数も多いため、腰からお尻にかけてを折り曲げやすく、それほど苦痛を感じることなく座れるようです。
また、飼い主のそばでお腹を見せる座り方をしているのは、信頼関係が構築されている証拠でもあります。スコティッシュフォールドの中には、スコ座りをしたまま眠ってしまう子もいるそうですよ。
関節の痛みがある
医療的に考えられる一番の原因は『痛み』からスコ座りをせざるを得ないということです。
スコティッシュフォールドといえば、最大の特徴である折れ曲がった耳を思い浮かべる方も多いでしょう。実はスコティッシュフォールドの折れ耳は、軟骨の形成異常によって生まれた形です。当然、耳だけに形成異常が起こるわけでなく、骨軟骨異形成という病気が足の関節などに発症する確率がとても高いと言われています。
一般的に見られる猫の座り方には、後ろ足をたたんで前足を揃えて座る「エジプト座り」や、前後の足を折りたたんで伏せのような姿勢になる「香箱座り」が多いです。これらの座り方では体重の負担が足にかかりやすく痛みが生じるので痛みを軽減するためにスコ座りをするようになったのでしょう。
スコ座りをしている時に注意したい事
スコ座りは、スコティッシュフォールドがリラックスしているときにも見られる座り方ですが、病気による痛みの可能性もあるので注意しましょう。
骨軟骨異形成によって強い痛みが生じている場合、以下のような症状が見られます。
- ジャンプができない
- 触ると嫌がる
- 手足にこぶがある
- 動きがたどたどしい
- 高い所に登りたがらない
- 段差を降りるときに躊躇する
- 歩くときに足を引きずる
骨軟骨異形成は遺伝性の病気のため、残念ながら完治することはありません。関節炎による痛みが強いときには、消炎鎮痛剤などを使った対処療法をおこなうしかありません。
スコティッシュフォールドがよく過ごす場所には、滑って転ばないようカーペットを敷いたり、階段にゲートを設置して入れないようにしたりと痛みを悪化させないための工夫をしてあげましょう。
スコティッシュフォールドはみんなスコ座りする?
スコティッシュフォールドの中でも、スコ座りをする猫としない猫がいます。飼っている猫がスコ座りをしない分には特に問題はありません。
しかし、今までスコ座りをしなかった猫が突然スコ座りをするようになったら、様子をしっかり観察してあげましょう。ゆったりした姿に心が和むスコ座りですが、実は痛みが原因でそう座らざるを得ない場合もあることを覚えておくと注意できますね。