猫と暮らすという覚悟
猫は我々人間と同様生きています。呼吸をし、食事をとり排泄もします。猫は人間のように言葉を自由に操ることはできません。でも猫にだって感情はあります。愛されれば信頼や愛情を覚え、虐げられれば恐怖を感じ不信感を覚えます。
体は小さくてもたくましく生きる猫たち。猫と暮らすということは命を預かるということです。それにはそれ相応の覚悟をしなければなりません。どのような覚悟が必要なのか、少し考えてみましょう。
終生飼育
猫の平均寿命は完全室内飼育の場合、16.4歳といわれています。フードの質の向上や医学の進歩により猫も高齢化が進んでいます。無邪気な子猫から介護を必要とする高齢期まで、その生涯に責任を持たなければなりません。
そう、最期を迎えるその時まで寄り添う覚悟をしなければならないのです。飼い主さんが一生涯面倒を見ることは大前提です。でももしものときに猫の面倒を見てくれる環境があるか、信頼できる人はいるかなども考えておかなければなりません。
猫の一生にかかる費用
猫と暮らすうえでかかる費用がどのくらいかご存知でしょうか。ここでは平均的な食費・医療費・その他の消耗品費についてご紹介いたします。
- 食費(年間)1万円~3万円
- 医療費(年間)1万円~3万円
- その他(年間)1万円~3万円
仮に平均寿命である16.4歳までともに暮らした場合、生涯にかかる費用の総額は49.2万円~147.6万円になります。
これはあくまでも平均的な費用です。急な怪我や病気になれば医療費はもっと高額になる可能性も十分ありえます。そして食費も療法食を食べなければならない場合はもっと高額になるでしょう。
終生飼育もそうですが、費用の面でも猫と暮らすためには覚悟をしなければなりません。
猫も手がかかります
ともに暮らすコンパニオンアニマルの代表といえば、犬と猫でしょう。犬と猫を比較した場合、散歩やしつけを必要とする犬に比べ猫は手がかからないイメージがあります。
確かに散歩が必要ないこと、留守番が得意(猫種によっては苦手な場合もある)という面ではともに暮らしやすいでしょう。
しかし猫も手がかかります。自由気ままなように見えても、猫のペースでスキンシップを求めてきますし、健康管理の面でも気遣わなければならないことがあります。
特に元々砂漠で暮らしていた猫にとって水を飲む習慣は本能的に身についていない場合があり、泌尿器系や腎機能の病気に気をつけなければなりません。水を飲む習慣を身につけさせること、1日1回は少なくとも尿をしていることを確認することは必須です。
また、警戒心の強い猫は体調不良を隠す傾向にあります。日頃からよく観察し、異変がないかを見守らなければなりません。よって、犬とはまた異なる観点から猫も手がかかるといえます。
ときには自分の時間を犠牲にすることだってある
休日の外出や旅行など、自分のプライベートな時間も今まで通りには持てないこともあります。費用の面でも節約しなければならないこともありますし、猫が急に体調を崩せば予定を変更して病院に連れて行かなければならないこともあります。
自分自身のプライベートを全て費やすことはありません。猫と暮らしていても外出や外泊は可能です。それでも、ときには自分の時間を犠牲にし、猫を優先しなければならないことがあることを覚悟しましょう。
必ず別れの時がやってくる
これは覚悟という言葉で簡単に終わらせられるほど単純な話ではないかもしれません。それでも確実に我々人間よりも早くこの世を去ってしまう存在です。
悲しまないでとは言いません。家族同然の存在を亡くして悲しまないということは不可能だからです。どのような最期でも必ず悲しみと何かしらの後悔はついてまわるでしょう。
だから大切にしてほしいのです。猫と過ごす全ての時間を、一瞬一瞬を愛のある時間で満たし、かけがえのない思い出として残せるようにしましょう。
まとめ
今回は猫と暮らすということ、その覚悟について触れました。ここで挙げたことはほんの一部に過ぎません。猫との暮らしは想像を絶するほど大変なこと、辛いこと、悲しいことが実際にあります。
もちろん、想像を絶するほどの楽しみや癒しが待っていることも事実です。猫は愛をもって接すれば必ず猫なりの方法で応えてくれます。
だから最期まで大切にしてあげてください。責任をもって育ててあげてください。猫のいる生活が楽しく、人生を豊かに彩る素敵な思い出でいっぱいになることを願います。