一人暮らしでも猫は飼える?事前にきちんと準備することが大切です。

一人暮らしでも猫は飼える?事前にきちんと準備することが大切です。

猫は散歩にも行かなくていいので飼いやすいと考えている方も多いと思います。特に最近は一人暮らしでも猫を飼ってみたいという方も増えています。一人暮らしで猫を飼う際の注意点や準備しておくことをまとめました。

一人暮らしで猫を飼うメリットとは

座る茶色の猫

最近は一人暮らしでもペットを飼う人が増えてきており、手がかからず飼いやすいということから猫の人気も高まっています。猫を飼う場合のメリットは大きく以下の5つです。

  1. 犬のように散歩に連れていく必要がない
  2. 仕事に出かけても、留守番ができる
  3. 家に帰ってくると、出迎えてくれる
  4. お風呂に入れなくても匂いが少ない
  5. トイレは決まったところでするので片付けが楽

1.犬のように散歩に連れていく必要がない

室内飼いの猫は犬のように外で排泄をしたがるわけではなく、室内に決まったトイレがあればそこで用を足します。忙しい朝や雨が降っている日などでも、散歩に連れていく必要がなく飼い主に負担がかかりません。

2.仕事に出かけても、留守番ができる

猫は自分の機嫌に応じて構って欲しがりますが、基本的に独りを愛する生き物です。そのため夜までの間、仕事で家を空ける程度なら寂しがることもなく安心して留守番させられます。外出時に留守番をさせてかわいそう、という気持ちにもなりません。

3.家に帰ってくると、出迎えてくれる

飼い主が家に帰ってきたら寝ていてもむくっと起きてスタスタと近づき、足元にゴロゴロと甘えてきます。ツンデレに見えて、愛情表現が豊かなのが猫です。

4.お風呂に入れなくても匂いが少ない

猫は毛づくろいをして皮脂汚れをほぼ毎日摂っているので、あまり匂いがしません。そのため、基本的お風呂に入れる必要がありません。ただし長毛種の場合は、おしっこの汚れが毛につきやすいので適宜お風呂に入れてください。

5.トイレは決まったところでするので片付けが楽

室内飼いの猫は自分のトイレで排泄をします。犬のように「嬉れション」といわれる粗相もほとんどしないので、おしっこ・うんちの処理が楽です。

一人暮らしで猫を飼うために必要なグッズと1ヶ月の飼育費用

フードボウルの前で舌なめずりする猫

猫はとても繊細でデリケートな生き物です。今まで住んでいた場所から違う場所に来るだけでとても警戒します。そのため、猫が安心して暮らせるようにさまざまなグッズを揃える必要があります。

いきなりすべてを揃える必要はないので、飼いはじめに必要なもの、飼いながら徐々に揃えていくものに分けて説明していきます。またここでは、猫を飼うのに1ヶ月でどれくらい費用がかかるのか、エサ代やトイレの砂、病院の費用、夏の電気代などについて説明します。

飼育初日から必要なグッズ

飼い始めたその日から必要なものは以下の通りです。家族に迎える前に事前に準備しておきましょう。

食器(フード用):1,000円~

食器は以前使っていたものがあればそちらを使う方がよいでしょう。

ケージに取り付けるタイプのウォーターボトル:1,000円~

食器タイプにお水をいれてもよいですが、こぼす場合があるのでケージ取り付けタイプがおすすめです。

トイレ容器:2,000円~

もともと使っていたトイレ容器があればそちらを使う方が不安がらないのでよいでしょう。

猫砂(4L)※固まるタイプ:1,000円~

以前のトイレの砂が残っていれば、少し混ぜて使ってください。また、新しい家に来ると少しナーバスになっている場合があるので、できれば無香料タイプの砂を選ぶ方がよいでしょう。

ケージ:10,000円~

慣れるまではケージで飼育するのがおすすめです。できるだけ高さのあるタイプを選んでください。高い位置でくつろげると、猫も安心できます。

キャットフード(1.5㎏):2,000円~

依然食べていた餌がわかれば、同じものを用意した方が無難です。

おもちゃ:500円~

飼い主が手に持って遊ぶタイプ(スティックタイプ)の方がコミュニケーションが取りやすいです。

ベッド用品:1,000円~

ケージの中に置くベッドです。もしくは寝床用にブランケットなどを用意しても構いません。

キャリーバッグ:3,000円~

病院等へ連れていく場合も考えられるので、できるだけ初日から用意してください。

徐々に揃えたほうが良いグッズ

飼育初日からは必要ありませんが、いずれ必要になるものばかりです。飼育して1週間後から購入をはじめていって、1ヶ月後には全て揃うようにしましょう。時間があるときにペットショップやホームセンターや通販で買うとよいでしょう。

爪とぎグッズ:500円~

ソファーやラグで詰めを研がないために必要です。段ボールタイプが主流です。

ブラシ:1,000円~

猫は毛づくろいをする際、自分の毛を飲み込んでしまいがちです、そのため、飼い主がブラッシングをして抜け毛をできるだけ取り除句必要があります。また愛猫とのコミュニケーションにも欠かせません。

爪切り:1,000円~

猫の爪は1週間程度で鋭く伸びるので、爪切りは欠かせません。

リード付きハーネス:1,000円~

首輪にリードを付けると、猫が暴れた時に外れやすくなります。そのため、ハーネスタイプの方が安心して使えます。病院に連れていく際に役立ちます。

洗濯用ネット:100円~

病院によっては、来院する際には洗濯用ネットに入れてくるように指示されます。猫専用の洗濯ネットを用意しておいた方がよいでしょう。

キャットタワー:5,000円~

猫は高い場所にいると危険が察知できるため、落ち着いてくつろげます。こうした場所があると猫は、安心してリラックスできます。お部屋のスペースに余裕があれば購入するとよいでしょう。

猫を飼うのに1ヶ月でかかる費用

飼育初日からのグッズの費用を合計すると21,000円~、徐々にそろえた方がいいグッズは8,600円~でした。すべて合計すると29,600円~でした。

全て最低価格で合計しましたが、1ヶ月で考えると少し大きい初期費用になるので、計画的に費用を貯めるようにしましょう。

病院にかかる費用

病院代は一般的に、ワクチンと避妊・去勢、フィラリアがあります。初診料や診察費は別途かかります。初診料は1,000円~、再診料は500円~ですが病院によって異なります。

ワクチン代は病院によって異なりますが一般的なワクチンである「3種混合」タイプだと3,000円~5,000円程度です。このワクチンは生後2ヶ月ぐらいで1回、その1ヶ月にもう1回接種します。

猫の月齢によってはペットショップや保護猫団体などが、事前にワクチン接種を済ませている場合があります。ワクチン2回目以降は年1回接種をするだけです。

犬ではおなじみのフィラリア対策も、最近は猫でも一般的になってきました。猫フィラリア用の予防薬スポットタイプ(滴下型)6回分(1年)で8,000円~程度必要です。

また避妊・去勢する場合はメスの場合1万円~4万円、オスの場1万円~2万円程度です。どちらも12ヶ月までに手術するのが一般的です。

これら全て最低価格で合計すると初年度では初診料が4回で4,000円~、ワクチン2回で6,000円、フィラリアで8,000円~、避妊・去勢で10,000円~となり、合計28,000円です。

夏にかかるエアコンの電気代

夏場は室温が30度を越え、扇風機だけでは猫も熱中症になります。そのため、エアコンのクーラーをつけて出かける必要があります。夏場の猫用の電気代を次の条件で試算します。

1ヶ月(31日間)のうち土日も含めて、12時間出かけていると仮定。なお、6畳の部屋でエアコン代は1時間15円で試算します。

試算の計算式は31日×12時間×15円(※1)となり、1ヶ月のエアコン(クーラー)にかかる電気代は5,580円~ということがわかります。

一人暮らしで猫を飼う時の注意点

窓際で外を眺める猫

一人暮らしで猫を飼い始めたら、今まで気にも留めなかったことにも注意が必要になります。ここではいくつかの注意点について説明していきます。

一度に2匹の猫を引き取ったり、すでに先住猫がいるなどの一人暮らしで多頭飼いをする場合はより一層注意しましょう。

キャットフードはストッパー付きの容器で開けられないように

猫には高い学習能力があり、とても賢い生き物です。キャットフードの場所はいとも簡単に覚えてしまいますし、キャットフードを段ボールのようなケースにいれていると、爪でひっかいてこじ開けてしまいます。

ちょっと目を離した隙に勝手にキャットフードを食べないように、衣装ケースのようなストッパーが付いている容器にキャットフードをしまっておきましょう。健康のため1日の食餌量を守るように努めてください。

お出かけするときは、窓の施錠を忘れないように

近くのコンビニに出かけたり、ゴミ捨て場までゴミ出しにと、ちょっとだけの外出時に窓の施錠をせず、網戸のまま出かけることがあると思います。

たいていの猫は窓の外の様子が大好きです。もし窓が開いていたら、外に出ることも考えられます。網戸だけでも猫によっては上手に開ける子もいます。ちょっとだけだから大丈夫と思わずに、猫が逃げるリスクは潰しておくことが大切です。

お部屋はいつもきれいに

猫は飼い主が与えたおもちゃだけで遊ぶとは限りません。床に落ちている紙切れやゴミなどを咥えておもちゃにして勝手に遊びます。時々落ちてる埃なんかも食べていることもあります。特に輪ゴムや糸は誤飲すると腸内を傷つけてします。

また、お菓子の袋についた粉やクリームなども大好きです。学習能力が高いので、ゴミ箱をあさってなにか美味しいものがあるといつもそこを狙いにいきます。そのため、ゴミ箱を含めて室内はいつもきれいにすることが大切です。

キッチンに洗い物をためない

人間の食べ残しやお皿についたソースなど、いつもキッチンの食べ残しを狙ってきます。流し台にお皿やお茶碗などを置きっぱなしにしておくと、猫がそっと近づいて食べようとしてきます。忙しくても食事をしたら、キッチンに溜めずにすぐ洗って片づけるようにしましょう。

またキッチン周りは特に猫が好きなものが多く、人間にとっては普通でも猫にとっては塩分や糖分が多すぎるものばかりです。猫が人間の食べ物を食べられないようにする環境づくりをしてください。

畳部屋の場合はクッションシートのフローリングでカバー

お部屋が畳部屋の場合は、猫が爪とぎに畳をバリバリと削るので注意が必要です。猫は畳のシャリっとした質感が好きです。

また、猫は普段から毛づくろいをしているのでその際に毛を飲み込みます。ある程度胃に溜まると、毛玉にして毛を吐くことがあります。この吐いた毛玉が畳に付着するとシミになって汚れてしまいます。

爪とぎ防止と毛玉の汚れ防止のために、畳の上には「クッションシートのフローリング」でカバーするのがおすすめです。ホームセンターや通販で手軽に購入できます。

なお、賃貸住宅の場合は、畳にクッションシートのフローリングを敷いてよいか仲介業者や大家さんに確認してから使用してください。

一人暮らしで猫を飼って後悔しないために

抱っこされる猫

いざ猫を飼ってから、「失敗した。無理だ。やっぱり飼えない」ということはお互いにとって不幸なことです。また「飼えない」ということは、特別な事情がない限りあってはいけません。猫も生き物ですから、飼うのには覚悟が必要です。

しかも一人暮らしという条件ならなおのこと、猫を飼うにあたってのさまざまな準備が求められます。猫を飼ってから後悔しないためにも、どんな心づもりをしておかなければならないのか、5つのポイントを紹介していきます。

1.猫を飼える環境か確認しておく

そもそも住んでいる部屋が賃貸の場合、猫を飼っていいのかを確認しておく必要があります。多頭飼いは不可の条件もあるので、先住猫や犬を飼っている場合は注意が必要です。また、お部屋の間取りは6畳程度あれば十分ですが、モノが多い場合猫の居場所が作りにくくなります。

特に飼いはじめのころはいたずら防止のためにも、ケージに入れて外出することが多く、70×40×135㎝程度のケージが置けるスペースが必要です。住居の環境については模様替えも含めてレイアウトの確認をしっかりしてください。

2.猫の習性を理解する

猫は一日の大半は幸せそうにぐっすりと寝ています。走り回ったりして活動している時間は思ったよりも少ないものです。猫によってはこの活動する時間帯が、明け方と夕方が中心の「薄明薄暮性」のタイプの子がいます。

特に明け方は飼い主が寝ていることが多く、その間騒がしく活動することがあります。こういった猫の習性を予め理解しておいて、受け入れるだけの気持ちが必要です。

3.基本的に長期の外泊はできない

猫は最大1日程度なら留守番はできますが、仕事で出張や旅行などでそれ以上不在になると水や食餌、トイレのお世話を誰かに頼む必要があります。ペットホテルで預かってもらうのが最も良い方法ですが、近くにそういった施設がないこともあります。

場合によっては、かかりつけの動物病院が有料で預かってもらえることがあります。動物病院に通うようになったらそういった預かりサービスがあるか確認しておきましょう。なお、かかりつけの動物病院でない場合は預かりを断られることがあります。

また、実家や知人を頼る場合は飼い方にも慣れていないため、脱走防止のために基本的にケージに入れたままお世話してもらうのがおすすめです。

特定の施設や家族・知人に頼めばペットを預けて長期外泊はできますが、いつも必ず預かってもらえるわけではありません。また長期間、環境が変わると猫にもストレスがかかります。基本的に長期外泊はできないと腹づもりしておきましょう。

4.猫アレルギーがないか病院で検査してもらう

10人に1人は猫アレルギーとも言われています。これまで猫を飼ったことがない人の場合、自分が猫アレルギーかはわからないものです。アレルギーの程度によっては、猫と暮らすのは困難なため事前に病院で検査しておくと安心です。

アレルギー判定が出ても、程度によっては猫を飼っても差しさわりのない場合もあります。お医者さんに猫を飼っても問題ないか確認をしましょう。

5.経済的に猫をお世話できるか

猫の月々の固定費は、キャットフード、猫砂程度です。キャットフード(1.5kg)で2,000円の場合、3kgの猫の1日の給餌量は50gほどです。ちょうど1ヶ月分の量です。また猫砂は5Lのもので500円の場合、1ヶ月では7割ぐらいを消費するので350円とします。

合計すると月に2,350円です。また病院代は毎年のワクチンに3,000円、フィラリア予防に8,000円、初診料がそれぞれ1,000円なので合わせて2,000円です。合計すると13,000円となり、月単位では1,084円です。

月々のキャットフード・猫砂・病院代は3,434円ほどです。月々で考えると高額ではありませんが、年間にすると41,200円にもなります。一人暮らしの場合は経済的に余裕がないこともあるので、収支のシミュレーションをしておいてください。

まとめ

膝の上に乗る猫

これまで実家で猫を飼った経験があっても、一人暮らしで猫を飼うということは少々勝手が違います。猫を迎えるお部屋の環境やお世話をするのにかかる費用など、基本的にはすべて自分で用意しなければなりません。

また、万一の場合には病院にも連れていくことになるので急な出費もあります。長期間家を不在にもできないので旅行に行きにくくなります。猫の命は人間と同じく、かけがえのない大切なものです。だからこそ、それなりの覚悟が必要なのです。

こう書いてしまうと、一人暮らしで猫を飼うのはただただ大変だと思われるかもしれません。ですが、しっかりと心づもりをすればあとは猫との楽しい毎日が待っています。

猫は気分で甘えてきたり突然そっけなかったりと、いつも同じというわけにはいかない愛おしくてとっても癒されるペットです。一人暮らしで猫を飼う際は、ぜひこの記事を参考にしてください。