猫が苦手なお手入れ5つ
猫のお世話は餌やりやトイレ掃除、日々のケアなど、たくさんありますよね。その中でも、猫にとってもストレスに感じてしまい「苦手」と感じるお手入れもいくつかあります。
そこでここでは、猫が苦手なお手入れにはどのようなものがあるのかについて、ご紹介させていただきます。
1.ブラッシング
ブラッシングは、気持ち良くてリラックスをして大好きな猫もいれば、「触らないで!」と逃げてしまうブラッシングが苦手な猫の2タイプにわかれます。
ブラッシングが苦手な猫は、
- 長毛種
- 毛玉が多い
ことが多いと思います。ブラッシングをしようとするとウーッと威嚇をしたり、シャー!っと引っ掻こうとしてきたりする攻撃的な一面を見せる猫もいるようです。
2.お風呂
猫のほとんどが大の苦手なのが「お風呂」です。
飼い主としては被毛をキレイにするために、定期的にお風呂に入れようとされることもあるかもしれませんが、嫌で暴れてパニックを起こしてしまう猫もいるほど「水嫌い」が原因で、お風呂が苦手な猫が多いです。
猫は本来、水のない砂漠に生息していたことや、濡れると体が冷えやすくなることから本能的に水が苦手なのです。
ベンガルやターキッシュバン、メインクーン、アビシニアンなど、濡れるのをあまり嫌がらない、時にはお風呂や泳ぐのが好きな子が多いと言われている種類もありますが、そのような種類でも水が嫌いな子もいますし、他の種類でも水が好きな子もいます。
猫は特に必要がなければ定期的にお風呂に入れる必要もありませんので、お風呂が嫌いな猫を無理やりお風呂に入れないようにしましょう。
3.爪切り
爪切りは猫にとって、「何をされるんだろう!」と不安でいっぱいになってしまうお手入れかもしれません。
爪切りのパチパチという音に驚いたり、失敗をされて痛い思いをしてしまったりしたことがある場合には、トラウマで大変嫌がってしまうこともあるでしょう。
爪切りを失敗してしまうと出血をしてしまうこともあり、出血をするととても痛いので、それ以降は爪切りが大嫌いになってしまうことがあります。
そもそも手先足先は動物の急所なので、慣れていなければ手足を持たれること自体が猫にとって嫌なことですし、猫は自分の一番の「武器」でもある、大切な爪に何かをされるのを嫌がるのです。
4.目薬や飲み薬
猫は「目薬や飲み薬」なども大の苦手であることが多いです。猫は薬だと理解することができないので、いつもと違うことをされると、怖くてやめて!と抵抗をしてしまうものですし、無理やり何かを食べさせる、目の中に何かを入れられるのは嫌なものです。
特にそのときに飼い主さんが、必死になって猫を抱っこしたり固定したりすると猫は「自由を奪われた」と余計に恐怖に思い、さらに暴れたりパニックになってしまったりすることもあるでしょう。
5.耳掻き
キレイにしてあげたいのに、猫が暴れることで返って耳を傷つけてしまいそうで、飼い主さんも無理ができないのが「耳掻き」です。
耳掻きは人間でも、されるとなれば怖いですよね。耳や耳の中は自然の状態ではあまり触られない部位ですので、猫にとっても不安や恐怖を感じるものでしょう。猫はさらに人間よりも優れた聴力を持っているので、ガサゴソと綿棒などで耳を触られると不快感も強いかもしれません。
猫が苦手なお手入れの克服法
猫のお手入れには、お風呂や爪切りなど案外苦手なものが多いですよね。では、それらをうまく克服させるにはどうすれば良いのでしょうか。
飼い主も「毎回大変!」という思いをしなくて良くなるような方法について、ご紹介させていただきます。
1.ブラッシング
ブラッシングが苦手な場合、ブラシを変えてみるのがおすすめです。先端が柔らかい素材のものに変えてみると、すんなりとブラッシングができるようになる場合もあります。ピンブラシやスリッカーではなく獣毛ブラシやコームに変えてみると良いかもしれません。
そして、猫のブラッシングをするときには「痛み」を感じさせないことが重要です。毛の種類や状態によってスリッカーが必要な場合でも、皮膚を傷めないよう、痛みを感じさせないよう、正しい方法で慎重にブラッシングしてあげてください。以前はブラッシングさせてくれたのに、一度痛い思いをしたためにブラッシングを嫌がるようになってしまうこともあります。そもそもブラッシングを嫌にさせないためにも、こまめにブラッシングして毛玉を作らない、毛玉ができてしまった場合には丁寧にコームなどで毛玉をほぐしてからブラッシングしてあげることが重要です。
既にブラッシングを苦手だと感じている猫は「飼い主がブラシを持つだけで」逃げ出してしまうこともあるかもしれません。
そのようなときには、まずブラシから手を離し、猫を撫でてリラックスさせてからかけてあげるのもおすすめです。
猫が、ブラッシングは痛くなくて気持ちの良いものだ、と理解すれば克服することができるでしょう。また、猫が嫌がる足元や尻尾からかけるのではなく、背中や首など気持ちの良いところからはじめてあげてくださいね。
また、爪切りをする時にも言えることですが、もしおやつで気をそらすとお手入れをさせてくれる猫だったら、ブラッシングをしている間はおやつを食べてもらっていましょう。ペースト状のおやつが使いやすいかもしれません。
おやつは、嫌なことを我慢してやらせてくれたごほうびにも使えます。また、ブラッシングが嫌いではない子でもブラッシングが終わったらおやつをあげると、よりブラッシングが楽しいものになるでしょう。
2.お風呂
水が苦手な猫を、お風呂に入れるのは難しいですよね。定期的にお風呂に入れる必要はないとは言っても、子猫を保護した時や治療や介護のためにお風呂に入れる必要があることもあります。
猫をお風呂場に入れる前に薄めたシャンプーやタオルなど、使う物は全て準備しておいたり、お風呂あがりにサッとドライヤーをかけたり、部屋の温度を暖かくしたりして出来るだけ短時間で済むようにし、猫のストレスを出来るだけ少なくするように、「手際よく行う」ことが一番の対策方法でしょう。
しかしどうしても暴れて嫌がってしまったり、入れることが困難だったりする場合には、「ホットタオル」や市販のペット用ボディタオルを使ったり、洗面器やドレッシングボトルを使った部分浴にしてお風呂に無理に入れないことも、飼い主さんの負担を減らす手かもしれません。
ホットタオルは水に濡らしたタオルをラップにつつみ、電子レンジで温めれば完成です。ホットタオルで猫を拭いてあげるだけでも、被毛はキレイになりますので試してみてくださいね。
3.爪切り
猫を含めて動物は元々、「身動きがとれないようにされてしまうのではないか」という恐怖心を抱くので手先足先を触られることが嫌いで、爪切りをされるのも慣れていなければ嫌いです。
爪切りを嫌がる猫の爪切りを行うためには「寝ているあいだにしてしまう」のもおすすめです。
克服方法ではないかもしれませんが、猫が「やめて!」「嫌だ」と感じてしまっているということは大きなストレスになってしまっています。そのようなことを減らすためには、猫が知らない間にサッと行ってしまうのが一番良い方法でしょう。
1回に1本だけでもいいので、寝ている間に爪切りが終わってしまえば、猫にとっても飼い主さんにとっても平和に爪切りができます。ブラッシングの時と同じように、おやつで気をそらすのもいいですね。
また切ろうとすると起きてしまい、なかなか切れない猫もいると思います。爪切りの間猫を抱っこしていてくれる人がいない、抱っこしても嫌がる、おやつも効果がない、暴れて飼い主さんがけがをしそうになる、などの場合には、家で無理に爪切りをしようとしないで動物病院やペットサロンでプロの方に切ってもらうのもおすすめです。
4.目薬や飲み薬
目薬や飲み薬は、猫が嫌がっても処方されている場合は、必ずしなくてはいけないので大変ですよね。
飲み薬などは餌やおいしいものに混ぜたり包んだりして与えてしまうのが一番簡単でしょう。錠剤の場合には、猫に薬を飲ませる道具もありますので、飲ませるのが難しい場合には動物病院に相談してみて下さい。飲み薬を餌や食べ物に混ぜて与える場合には、与えた分を全部食べたことを必ず確認して下さい。そして目薬は寝ている間にサッと行ってあげると良いです。
いずれも困難なときには、「猫が安心できる状態」にしてから行うと、すんなり投薬できる場合もあります。
その方法としては、部屋を暗くして狭い場所に入れてあげることです。段ボール箱や洗濯ネットなど、猫は暗くて狭い場所が安心できますので、そのようなところに入れてから薬を飲ませるようにしてみると上手くいくことがあります。
目薬にしろ飲み薬にしろ、上手くできなければ必ず動物病院に相談してください。上手く飲めなかったことを隠して伝えずにいると、治療が成功しません。
5.耳掻き
耳掻きは暴れてしまうので大変ですよね。そのようなときには、怪我をしてしまうこともあるので無理にしないようにしてください。
健康な猫であれば定期的に耳を掃除する必要はありませんが、どうしても耳垢が気になる場合は、動物病院でお掃除してもらうのが良い手段でしょう。痒みや臭いがある場合には、治療が必要になる耳の病気を持っていることが考えられます。
不安なときには無理をせずに、動物病院へ相談をするようにしてください。
まとめ
猫のお世話は大変なことがたくさんありますが、特に日頃のケアにも手を焼いてしまうことがありますよね。猫は、
- ブラッシング
- お風呂
- 爪切り
- 目薬や飲み薬
- 耳掻き
などのお手入れが苦手なことが多いので、ふだんから飼い主が頭を悩ましてしまうこともあるかもしれません。
そのようなときには猫が寝ているときにサッと済ませてしまったり、猫が安心できる状態にしたりしてから行ったり、おやつを使うなど、工夫をして克服させてあげてくださいね。