猫のおしりが汚い原因
猫の高齢化による筋力の低下
猫はトイレをする時、後ろ足を踏ん張って排泄しているため通常はおしりが汚いことがありません。しかし、高齢になると筋力の低下によりトイレする時に後ろ足が踏ん張りきれずに座りこんでしまうため、ウンチやオシッコがおしりについてしまい汚れやすくなります。
また高齢になるとトイレまで間に合わず漏らしてしまうようになることも、おしりが汚い要因と考えられます。
肥満で毛づくろいができない
また猫は毛づくろいする習性があり、体がとても柔軟なので自分のおしり周りをグルーミングすることができます。ですが太っていることで体の脂肪によりおしり周りまで顔が届かずグルーミングができなくなったこともおしりが汚い原因の1つでもあります。
また猫の年齢により、体力が若い頃と比べて落ちたことで十分におしり周りをグルーミングすることができなくなったこともおしりが汚い状態になってしまいます。
長毛種で毛づくろいがしにくい
他にもノルウェージャンフォレストキャットやペルシャ、ラグドールなどの被毛が長い長毛種の猫は、おしり周りの毛にウンチやオシッコが付きやすいため、おしりが汚れやすいです。
被毛が長いため、毛にウンチやオシッコが付いた汚いまま放置してしまうとガチガチに固まってしまい、取りにくくなってしまいます。
下痢をしている
健康な猫のおしりは綺麗ですが、汚れている場合は下痢を起こしていることが多いです。
通常便に含まれている水分量はおよそ70〜80%程ですが、それよりも多く水分を含んでしまうと便が柔らかくなってしまいます。水状の下痢の場合は水分量が90%以上とかなり多く、形がないため猫のおしり周りの毛についてしまうからです。
下痢の原因にはいくつかあります。体にとって害であるものを排出させようと働くことや、何らかの原因によって小腸や大腸が水分をうまく吸収することができなかったり、腸の過剰な蠕動運動により速いスピードで便が通過することで水分量が多い状態のまま排出されることで下痢を起こします。
お腹を壊しやすい人がいるように、猫も体質によっては下痢になりやすい子がいます。また環境の変化などによるストレスや、フードの種類を変えたことで下痢を引き起こし、おしりが汚れて汚いケースが多いです。
しかし、パルボウイルスなどの病気に感染していたり、猫にとって危険なものを食べてしまうことが原因で下痢を起こすこともあるため注意が必要です。
肛門嚢の分泌物が溜まっている・肛門嚢が破裂している
おしりが汚い原因の多くが、猫の高齢化による筋力の低下や長毛種で排泄物が被毛につく、下痢ですが、肛門嚢の破裂によっておしりが汚いケースもあります。
肛門嚢は猫のおしりの両側にあり、袋状になっています。おしりの周囲にある肛門腺で分泌物をつくり、肛門嚢に溜まっていきます。とても臭いが強く、猫同士の挨拶やマーキングに使われています。
通常であれば排便と一緒に肛門嚢に溜まっていた分泌物を排出しますが、何らかの原因で肛門嚢の入り口が塞がってしまったり、加齢に伴い自力で肛門嚢に溜まっている分泌物を出せなくなったことで肛門嚢が破裂してしまい、膿が出てきてしまうことでおしりが汚いだけではなく、炎症により強い痛みを伴うためおしり周りを触られるのを嫌がったり怒ったりします。
猫のおしりが汚い時の対処法
おしり拭きシートやタオルなどで拭く
おしりが汚い場合は汚れているところを拭いて清潔を保つことが大切で、最近ではペット専用のおしり拭きシートが販売されています。
おしり周りの毛にウンチが付いてなかなか取れない場合はお湯で濡らしたタオルでふやかしながらコームなどで少しずつ梳かしながら取ってあげることです。無理にとってしまうと皮膚を強く引っ張ってしまい、炎症を起こしたり痛めてしまうため絶対に止めましょう。
シャンプーして洗い流す
下痢などでおしりの広範囲が汚い場合や、毛がウンチやオシッコなどでこびり付いてどうしても取れないときは、お風呂に入れておしり周りを綺麗に洗ってあげることです。
お風呂が好きな猫も中にはいますが、元々猫は水に濡れることが嫌いですので、嫌がっている場合は猫のストレスを減らすためにも汚い部分だけ洗い流してあげましょう。
猫の皮膚はデリケートですし、シャワーの音で驚いてしまう猫もいるためシャワーの水力を抑えたり、温度も35〜38度程度のぬるま湯にすることです。またシャワーが苦手な猫は浴槽や桶に溜めておいたぬるま湯を入れてあげて、汚いところを洗ってあげます。
肛門腺絞り
おしりが汚い原因の中には肛門嚢の破裂により、溜まっていた膿が出てしまうことがあります。
炎症を起こしているため激しい痛みを伴い細菌感染により繰り返し引き起こしてしまうため、おしり周りを清潔にしてあげるとともに、肛門腺絞りをおこない溜まっている分泌物を出してあげることも大切です。
高齢猫に起こりやすく、何度も発症しやすいため気をつける必要があります。
肛門腺絞りの方法
肛門嚢は猫のおしりの4時と8時の位置にあります。利き手の反対の手で猫の尻尾を掴んで上にあげ、利き手でおしり部分にティッシュペーパーなどをあてながら親指と人差し指を使って肛門嚢を押しあげて出します。
猫はおしり周りを触られるのが嫌いで、特に肛門腺絞りはかなり嫌がるので2人でおこなうことを勧めます。肛門嚢の分泌物は液状のものもあれば粘稠度があるなど、個体差によって異なります。
特に液状の場合は出したときにピュッと飛ぶことがありますので注意が必要です。
猫のおしりが汚い時はこまめに拭くべき?
よく飼い主さんから「もし、おしりが汚いときはその都度洗ったり拭いたりした方がいいの?」と聞かれることがあります。
猫のおしりが汚いまま放置してしまうと、おしり周りの皮膚がただれて炎症を起こしてしまう恐れがあるためよくありませんので、清潔にしてあげる必要があります。
健康な状態であれば猫のおしりはこまめに拭く必要はない
猫のおしりが汚い場合は綺麗にしてあげる必要がありますが、通常健康な猫はウンチをしてもグルーミングにより自分のおしり周りを舐めて綺麗にするので、あえて拭く必要性はありません。返ってデリケートなおしり周りを拭いてしまうことで炎症を起こしてしまうこともあるため、よほどおしりが汚れていなければ自然に猫自身で任せてあげた方がいいです。
猫のおしりが汚い時は優しく拭いてあげる
猫の皮膚自体は薄くて敏感ですが、特におしりの穴など、おしり周りの皮膚は弱いので悪化しやすく、次第に痒みが生じてしまい掻きむしることで出血や炎症がひどくなってしまいます。
猫のおしりが汚いままだと、おしり周りの被毛にウンチやオシッコなどが付いて固まって取れなくなり、被毛が絡まったり切れてしまいます。また、被毛にこびり付いているため皮膚が引っ張られ炎症を起こす原因にもなります。
また汚い状態のまま放っておいてしまうと、おしり周りだけではなく全身が汚れてしまい健康を損ねてしまいます。更におしりが汚いまま家の中を歩きまわる事で、部屋中が汚れてしまったり臭いもするため衛生上もよくありません。
まとめ
猫は毛づくろいする習性があり、体がとても柔軟なのでおしり周りを舐めてグルーミングします。そのため通常であれば猫のおしりは汚いことがなく、綺麗な状態です。
ですが猫が高齢になるとウンチやオシッコを漏らしてしまったり、太っていることで顔がおしりに届かずグルーミングができない、下痢している、肛門嚢の破裂など様々な原因があげられます。
汚いおしりのまま放置してしまうと皮膚がただれて炎症を起こしたり、衛生上も好ましくないため綺麗にしてあげる必要があります。専用のシートやお湯で濡らしたタオルで拭いてあげたり、汚れがこびり付いて取れない場合はお風呂に入れて洗ってあげましょう。 汚れてしまったおしりを綺麗にしてあげることも大切ですが、原因によっては治療をおこなったり、定期的に肛門腺絞りを行い破裂を予防したり、ダイエットを行い全身のお手入れを自分でできるようにすることで、できるだけおしりを汚さないように予防していくことも可能です。早いうちに対処することが大事です。