猫の耳掃除の上手なやり方!必要性やチェックすべき病気の症状は?

猫の耳掃除の上手なやり方!必要性やチェックすべき病気の症状は?

猫の耳掃除はどのような場合にするべきなのでしょうか。その必要性と、注意するべき病気の症状、耳掃除を嫌がる猫への対処法を紹介します。

猫に耳掃除は必要?

上を向いた猫

皆さんは猫に耳掃除をしていますか?おそらくしないという人がほとんどなのではないでしょうか。そもそも耳掃除は必要なのか、必要なのであればどのくらいの頻度でやるべきなのか、気になるところですよね。ここでは猫の耳掃除の必要性と頻度について紹介します。

耳に汚れがなければ不要

猫の耳の中には多くの汗腺と皮脂腺があり、耳垢はそこから分泌されてできた粘りのある塊と古くなって剥がれた表皮からできています。猫の耳には自浄作用があり、健康な猫であれば自然と耳垢は排出されていくため基本的には耳掃除は必要ありません。

耳の入り口付近を見て汚れが気になるようであれば軽く耳掃除をしてあげるのも良いでしょう。しかし耳掃除をやりすぎると逆に耳を傷つけてしまう可能性もあるので、最低限にしておいたほうがよさそうですね。

自宅での耳掃除が必要な猫は限られる

耳の状態によっては耳掃除をしたほうが良い場合もあります。分泌物が出やすく耳垢ができやすい猫や、分泌物が増える湿気の多い時期には、放置すると外耳炎を起こす場合があるので注意が必要です。耳の持病があって医師から耳掃除を指示されている場合も言われた通りに行いましょう。

また、スコティッシュフォールドのような垂れ耳の猫や、アメリカンロールのような反り耳の猫は通気性が悪く、耳垢が溜まってしまうと病気になることがあります。耳掃除をする場合は週1回程度、垂れ耳の猫であれば週2回程度、耳の様子をチェックして必要に応じて汚れをふき取るなどしてあげましょう。

猫の耳掃除でチェックすべき病気のサイン

耳を触られて目をつぶる猫
  • 耳垢が増える
  • 耳が臭う
  • 耳の周囲や中が赤く腫れる
  • 耳から膿が出てくる
  • 耳をよく掻く

猫の耳垢の多くは黒い汚れとして付いています。その汚れがあまりにも多かったり、嫌な臭いがしたりよく掻いていたりする場合は注意が必要です。外耳炎やダニの寄生、何らかの菌に感染していることが考えられるため、耳掃除ではなく動物病院を受診するようにしてください。耳の中から膿が出たり赤く腫れたりするのも外耳炎等の病気を持っているサインなので、病院を受診する目安にすると良さそうです。

猫の基本的な耳掃除のやり方

猫の耳を触る人

私たちは普段耳かきや綿棒を使って耳掃除をすることが多いですが、猫に使用すると耳を傷つけてしまう恐れがあります。今回は、やさしく拭き取るだけでできるコットンを使用した耳掃除の方法を順番に紹介します。

どこまでやって良いのか分からない、やり方が分からなくて難しそう…という人でも簡単にできるのでおすすめですよ。中には耳掃除が気持ちよくて好きという猫もいるので、喜ぶようであれば適度にやってあげるのも良さそうです。

コットンを湿らせる

コットンを湿らせる

市販で売っている猫の耳掃除用の洗浄液やクリーナーを数滴コットンに垂らして湿らせます。垂らす量としては、コットンの半分ほどが湿っていれば大丈夫です。コットンはティッシュ、洗浄液は水やローションでそれぞれ代用することができますよ。猫の耳掃除用の特別なグッズを持っていなくても、家にあるものを使って試してあげてみてくださいね。

軽く耳をめくって耳の中が見えるようにする

軽く耳をめくって耳の中が見えるようにする

猫が動かないように体を密着させてあげて、そっと耳の先端を持って耳をめくるようにしましょう。このとき、痛がったり嫌がったりする場合は無理に抑え込んだりするのはNGです。猫がリラックスしているときを狙ってやってあげると、耳掃除が上手くいきやすいのでおすすめです。

耳の見える範囲だけをやさしく拭き取る

耳の見える範囲だけをやさしく拭き取る

人差し指に湿らせたコットンをのせて、指をくるくると数回まわして撫でるように耳垢を取ります。このとき奥のほうまで入れようとせず、あくまで見える範囲だけをやさしく拭き取るようにしてあげましょう。

一度に取れなかった場合は新しい清潔なコットンを再度湿らせ、残った耳垢をすくい取るようにすると綺麗に取れます。ゴシゴシと強くこすってしまうと耳に傷がついてしまうこともあるので、やさしく拭くように気を付けてくださいね。

病院で処方された点耳薬があれば耳掃除後に滴下する

動物病院で処方された点耳薬がある場合は、耳掃除で耳の周りを綺麗にした後に垂らしてあげましょう。そうすることで、耳垢等の汚れが耳の奥に入ってしまうのを防ぐことができます。薬はあくまで処方された病院の指示を守って正しく使用するようにしてあげてくださいね。

猫の耳掃除を行う時の注意点

猫の耳掃除をする女性

猫の耳掃除は、擦るのではなくやさしく拭き取るようにして傷を付けないようにするのが基本となります。万が一間違ったやり方をしてしまうとケガや病気を引き起こしてしまうので注意しましょう。ここでは特に気を付けてほしい猫の耳掃除における注意点を紹介します。耳掃除を始める前に必ず一度目を通しておいてくださいね。

嫌がる猫を無理やり押さえつけない

嫌がる猫を無理矢理つかまえて耳掃除をすることは絶対にやめましょう。猫が嫌がって暴れている状態で耳掃除をすると、必要以上に力が入ったり思わぬところに手が当たったりして、耳を傷つけてしまう恐れがあります。

また、猫は一度嫌なことをされたという記憶が残ると今後耳を触らせてくれなくなる可能性があります。耳のケアや治療が必要になったときに嫌がってしまうようでは困るので、無理に押さえつけるのは日頃からやめておきましょう。

洗浄液や綿棒は耳の奥まで入れない

猫の耳掃除の方法には、市販の洗浄液等を直接耳に流して掃除をする方法もあります。しかしこれは慣れていないと斜頸や中耳炎につながってしまう可能性があります。

また、綿棒を使用しての耳掃除はかえって耳垢を奥のほうに押し込んでしまったり、耳の中を傷つけてしまう危険があります。安全に耳掃除をしてあげるためにも、自宅で耳掃除をする際には先ほど紹介したコットンを使用する方法で行うと良さそうですね。

ウエットティッシュやアルコールは使用しない

猫の耳掃除をする際には消毒液やアルコールといった刺激の強い物は使用しないようにしましょう。これらを使うと肌を守ってくれている脂分なども取り除いてしまうことになり、耳の中で炎症が起きたり傷つける原因となる恐れがあります。

また、市販のウエットティッシュにもアルコールが含まれていたり、防腐剤などの成分が含まれていたりします。いずれも猫にとって好ましくないものなので、ウエットティッシュを使う場合は猫の耳掃除用で売られているものを使用するといいですね。

猫が耳掃除を嫌がる時の対処法

猫にちゅーるを与える女性

中には耳掃除を気に入って気持ちよさそうに身を任せる猫もいますが、大半の猫は耳を触られるだけでも嫌がります。猫の耳掃除が必要になったとき、嫌がる猫をどのように落ち着かせて対応するか悩む飼い主さんも多いことと思います。

暴れる猫を押さえつけて無理やり…なんてことのないように、いくつかの対処法をまとめました。耳掃除が上手くいかなくて困っているという方はぜひ一度、下記の方法を試してみてくださいね。

おやつ等のご褒美を使って徐々に慣れさせる

根本的に耳を触られるのが苦手な猫が多いので、おやつやマッサージといった猫が喜ぶご褒美で徐々に慣れさせるのが効果的です。ちゅーる等のおやつが好きな猫の場合、食べさせているときに軽く耳を触るところから始めます。少しずつ1秒、2秒、3秒…と触る時間を長くしていくことで触られることに慣れ嫌がらなくなっていきます。

マッサージでも同様に少しずつ接触時間を増やしていきます。そうすることで耳を触られることとご褒美が結びつき、耳掃除もスムーズにさせてもらえるようになりますよ。

日を空けて少しずつ汚れを取っていく

耳掃除には湿らせたコットン等を使うため、その濡れた感覚が苦手で嫌がる猫もいます。いっきに済ませてしまおうと思って時間をかけていると、猫が嫌な思いをする時間も長くなってしまいます。

無理に一度にやる必要はないので、日を空けながら、猫がリラックスしているときを見計らって少しずつ綺麗にしていきましょう。ちょっとでも嫌がったらすぐにやめてあげるのもポイントですよ。

動物病院に行って耳掃除を依頼する

いろいろ工夫して耳掃除を試みても嫌がってしまうときは、無理せず動物病院で獣医さんに依頼するのも方法の一つです。猫の耳をチェックしてみて黒ずんだりしているようであれば、動物病院に行って綺麗にしてもらったほうが安心かもしれませんね。動物病院で耳掃除をしてもらう際の料金の相場は、だいたい500円~1,000円です。自宅で耳掃除が上手くいかず困っている場合は、ぜひ一度訪ねてみてください。

まとめ

猫の耳掃除をする人

耳の汚れが気になったときに必要となる猫の耳掃除ですが、嫌がる猫も多いものです。猫にとって耳掃除がトラウマになってしまわないように、無理やり押さえこまないことと少しでも嫌がったらすぐにやめることが大切になります。

また、自宅で耳掃除をするときは、安全のためにもコットンなどを湿らせて優しく拭き取る方法で行ってくださいね。自宅でやるのが難しいと感じる場合は、無理せず動物病院に依頼するようにしましょう。こまめに猫の耳の中をチェックして、病気を防いであげてくださいね。