猫のフケが増える原因
フケとは古くなって剥がれ落ちる皮膚の角質のことで、皮膚の乾燥が原因となることが多いようです。
特に黒色の猫は、フケが目立ちやすいので心配になるかもしれません。
人間と一緒で、空気が乾燥していると皮膚も乾燥するので、寒い時期の乾いた空気や夏のエアコンがフケの原因になることも。
どのような猫でも出る可能性がありますが、もともと皮膚を保湿するセラミドが少ない体質だとフケが出やすくなります。
特に、高齢の猫は皮脂分泌量が減るので皮膚が乾燥しやすく、フケが増えやすい傾向があります。また、「高齢で毛づくろいしづらくなった」「病気でうまく毛づくろいできない」などが原因になることもあるので、飼い主が対応してあげてください。
乾燥以外の皮膚トラブルも、フケの原因になるため注意してあげましょう。例えば、猫はストレスを感じると、気持ちを落ち着かせるために過剰な毛づくろいを行うため、皮膚トラブルを起こしやすくなってしまいます。
フケが気になりシャンプーをするときも注意が必要です。最後にしっかりすすがないと、シャンプー剤が皮膚に残り、炎症や痒みなどの皮膚トラブルを起こしてフケの原因となってしまいます。せっかくキレイにしても、トラブルの原因を作ってしまっては本末転倒です。
猫の皮膚は、通常3週間で生まれ変わるため、少量のフケであれば正常な代謝活動と言えるので問題ないでしょう。しかし、フケを放置していると、人間も吸い込んでしまい、猫アレルギーの原因となる場合もあります。
フケが出ること自体は病気ではありません。皮膚が正常に代謝しているので、フケが出るのは当たり前ですが、シャンプーをしても改善されなかったり、急にフケが多くなったりする場合は病気のサインかもしれません。注意深く様子を見てあげましょう。
フケ抑えるためにできること
フケ予防には乾燥をさせないことが大切です。乾燥が気になる季節には加湿器を使ったり、エアコンの使い方を見直したりなど調節してあげましょう。
また、ストレスの原因を突き止め、解消してあげることも大事です。「飼い主さんと遊ぶ時間が少ない」「引っ越しなど環境の変化」などもストレスの原因になるので、注意してください。
皮膚のバリア機能を強化するため、ブラッシングや保湿効果のあるシャンプーでケアをするのもおすすめです。フケもその時に取ることができるので、一石二鳥です。
他にも、ご飯を変えてみたらフケが改善されたケースがあります。なかなかフケが治らない場合は、ご飯を変えてみるのも良いかもしれません。
フケが増える病気
具合を悪そうにしていたり、痒みの症状などが見られたりする場合は、感染症などの病気かもしれません。
「疥癬」は猫ヒゼンダニというダニが寄生するのが原因で、皮膚に強い痒みを引き起こし、発疹やフケ、かさぶたなどの症状が見られます。疥癬は、人畜共通感染症で、人間にも感染するので注意が必要です。
また、ノミの唾液に反応して脱毛や発疹の症状が現れる、「ノミアレルギー」によりフケが増えることもあります。ノミが活発に動き出す季節は注意してください。
他にも、食べ物が体質に合わない「食べ物アレルギー」や、栄養バランスが悪くてフケが出る場合があります。できる限り添加物の少ない、健康的で安全なごはんを与えてあげましょう。
シャンプーのし過ぎで、肌のバリア機能に悪影響を与え、「皮膚炎」を起こしてしまいます。あくまでセルフグルーミングの補完として行い、適度に行いましょう。刺激の強いシャンプー剤にも注意が必要です。
このように、様々な原因が考えられますが、今まで何もなかったのに、突然アレルギーを発症することもあります。よく観察し、体調の変化に気づけるようにしましょう。
猫のフケ対策ができるシャンプーの選び方
基本的な事として、必ず猫専用のシャンプーを選びましょう。
猫の皮膚の厚さは人間の半分以下でとても薄くデリケートです。人間用のシャンプーや石けんは、高い洗浄力で刺激が強すぎるため、皮膚のトラブルを起こしてしまう可能性があります。
犬用のシャンプーも猫には刺激が強く、猫が不快に感じるような成分が入っていると言われています。猫の皮膚は弱酸性で、犬の皮膚はアルカリ性なので、シャンプーの成分が違ってきます。
フケの原因によって症状が異なるため、適したシャンプーを選んであげましょう。
フケの原因に合うシャンプーを選ぶ
皮脂をしっかり落とせるシャンプーや、保湿成分が入ったシャンプー、フケ対策用シャンプーなど、様々なシャンプーがあります。
目的によって選ぶシャンプーも変わってきます。その子にあったシャンプー剤を選んであげることが重要です。
皮脂の過剰分泌が原因なら「皮膚を清潔に保てるシャンプー」
毛や肌がベタベタしていたら、薬用のものを選びましょう。
汚れをしっかりと浮かせて落としてくれ、さらに菌の繁殖を抑えてくれます。イオウ・サリチル酸などが配合されているシャンプーがおすすめです。
皮膚のカサつきが原因なら「保湿効果のあるシャンプー」
皮膚に皮脂が足りない状態なので、低刺激のシャンプーを選びましょう。
皮膚の水分が奪われてターンオーバーが早くなりやすいので、グリセリン・尿素・乳酸など、保湿成分が配合されたものがいいでしょう。
シャンプー嫌いならドライシャンプーを選ぶ
猫はシャンプーが嫌いな子がほとんどだと言えるでしょう。そんな子にはドライシャンプーがいいでしょう。
シャンプーが苦手な猫だけでなく、老猫や、病気で動けない猫などにもおすすめです。水を使わないのでストレスなくケアできます。
猫のフケ対策におすすめのシャンプー10選
猫用シャンプーは、皮膚の調子を整えるだけでなく、猫の皮膚に合わせた成分で配合されているものが多くあるため、つややかな毛並みを目指すことができます。
猫の特性に合わせて選べる商品が多く、濡れるのが苦手な猫や、子猫にも使用することのできる低刺激シャンプーもあります。どんなタイプのものが合うのか見極めて、適切な商品を見つけてあげましょう。
クイック&リッチ トリートメントインシャンプー 愛猫用 ノンフレグランス
泡切れがよく、乾きが早いので時短ケアになります。
猫も飼い主さんもストレスなくケアできるのでおすすめです。
ノルバサンシャンプー
殺菌・消臭効果が期待でき、ベタつきが気になる子におすすめです。
低刺激なので敏感肌の子や
子猫に使用できます。
オーツシャンプーエクストラ
乾燥によるフケやかゆみを和らげ、皮膚が乾燥してかさつきやすい子におすすめです。
週に2,3回使用することができます。
薬用酢酸クロルへキシジンシャンプー
殺菌や消臭効果が期待でき、保湿成分も入っています。
ツヤのある洗い上がりで、ふんわりとした仕上がりを求める方におすすめです。
アロビーンシャンプー
天然の保湿成分が乾燥肌をケアしてくれ、乾燥したフケやかゆみがある時におすすめです。
アデルミル(R)ペプチド
香料・着色料は不使用で、デリケートな肌でも使いやすくなっています。
皮膚のバリア機能をサポートしてくれるので、敏感肌の子におすすめです。
セボダーム
カサカサとしたフケが出る時や、肌の乾燥が気になる時にオススメです。
ティーツリーシャンプー
必要な皮脂を残して、皮膚と毛を健やかに保ちます。
同シリーズのコンディショナーを使うとよりなめらかな仕上がりになります。
ドライシャンプー
ミストタイプのドライシャンプーで、シャンプーが苦手な猫に使いやすいでしょう。
4種の植物エキスが配合されており、肌と毛を保湿してくれるので、かさついたフケが出る子にオススメです。
ヒノケアforプロフェッショナルズスキンケアシャンプー
高い濃度の保湿成分を角質の深くまでしっかり浸透させられます。
濃密な泡が出でくるので、肌をこすって刺激することがありません。
猫のフケを防ぐためのお手入れ
ブラッシングやシャンプーをすると、皮膚のマッサージになり、血行がよくなることで代謝の改善が期待できます。合わせて、ニオイや汚れ、抜け毛対策にもなります。皮膚の健康を保ち、適切な状態を保ってあげましょう。
猫の気分や機嫌を優先し、無理のない範囲でケアしてあげましょう。
ブラッシング
毎日のブラッシングはフケ予防に効果的で、抜け毛を取り除くことでフケも取れやすくなります。
フケ対策用のケア用品もたくさんあり、静電気が起きにくく、皮膚に優しいものを使うといいでしょう。
強く押し付けずに、優しくブラッシングしてあげましょう。
シャンプー
シャンプーの頻度は猫によって異なりますが、毛や皮膚が汚れているとフケが増える原因となります。月に1回ぐらいが目安です。
刺激の少ないフケ用シャンプーで洗ってあげましょう。シャンプー剤が残っていると、逆にフケの原因となってしまうので、しっかりすすいでよく乾かしてあげてください。
水に濡れるのが嫌いな猫はパニックになることもあるので、蒸しタオルや水を使わないシャンプータオル、泡をつけて拭き取るドライシャンプーなど、その子にあったお手入れをしてあげましょう。
蒸しタオルの素材は、優しい肌触りのガーゼ素材がおすすめです。
猫のフケが改善されないなら動物病院へ
病院へ行く目安としては、ブラッシングやシャンプーをしても過剰なフケが減らない、かゆがる素振りをするなど、自宅のケアだけでは改善されない場合は連れて行ってあげたほうがいいでしょう。
病気が原因となっている場合は、きちんとした治療が必要になってきます。
素人とプロでは、シャンプーの仕上がりは違うものです。一度お任せしてみて様子を見ることも一つの方法ではないでしょうか。
原因を特定して改善させてあげることを一番に考え、焦らず直していくことが大事です。年齢、性格、生活習慣や、食事内容などによって治療方法が変わることもあるので、獣医師の指示に従って治療していきましょう。
まとめ
フケが出ることは正常なことです。しかし、場合によっては病気を知らせるサインです。
フケに気が付いたら、まず原因を探ることが大切です。フケの原因を知り、愛猫の皮膚や毛、フケの状態にあったシャンプーを選ぶことで、予防・改善することができ、フケ対策に役立つでしょう。
日頃からよく観察して愛猫の異変に気付くことができると、焦らず対応することができます。毎日のケアを通してコミュニケーションはかかさないようにしましょう。