猫の目に濁りがある2つの原因、症状、治療法

猫の目に濁りがある2つの原因、症状、治療法

猫の目に濁りがあったら、飼い主さんはとても驚くと思います。猫の目に濁りがみられる病気をご紹介します。目の濁りの他にどのような症状、原因、治療方法があるのかまとめました。予防や目薬のさし方のポイントもご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の目に濁りがある原因

ソファーで休む目に濁りがある猫

1.角膜炎

黒目の部分を覆っている膜を角膜といい、角膜の炎症により猫の目に濁りがみられます。

症状

角膜に傷ができ、まぶしそうにします。
また、目をこすったり、涙やまばたきが多くなったりします。
傷の程度によっては、角膜に白色の濁りがあらわれます。
濁りを放置すると、視力の低下や失明になる目の病気です。傷が深く、潰瘍になることもあります。

原因

猫の目に濁りが発生する要因としては、猫の目にゴミが入る、猫が自分で目をこする、猫同士のケンカなどで、角膜に傷ができることが原因です。この他にも濁りの原因として考えられることは、ウイルス感染による猫風邪や、涙が少ないことでも目に濁りが発症します。

治療法

瞳が濁り角膜炎の原因がウイルス感染によるものであれば、感染症の治療が必要です。
濁りの症状が軽い場合は、消炎剤や抗生剤の目薬で治療をします。
濁りの程度が重度であれば、定期的な通院が必要になります。
猫が目をこすると悪化するので、エリザベスカラーを装着します。

2.白内障

白内障になると、目の中にある水晶体という部分が白色に濁ります。
猫で白内障になることは少ないとされています。

症状

白内障は、猫の目の奥に白色の濁りがみられる病気です。
目の濁りが強くなると壁や段差など障害物にぶつかったりし、さらに怪我をしてしまうこともあります。高いところに上がってしまった落下してしまう可能性もあります。

視力に障害が出ることで不安になり、鳴いたり、攻撃的になったりすることもあります。

ですが、片目だけ白内障になると、健康な目で視覚を補うため、日常生活にはそれほど支障は出ませんが、白内障が起こった側から話しかけたり、急に触るとびっくりさせることがあるので注意してください。

原因

子猫のときの栄養不良、猫同士のケンカなどのよる外傷、糖尿病や感染症、その他の疾患が原因で代謝異常や、タンパク質の変性が起こることが猫の白内障の原因です。

また、遺伝による白内障もあります。

治療法

目の濁りが進行しないようにする目薬を使用します。
手術による治療では、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを入れるという方法があります。

猫の目に濁りがみられる病気を予防するには

病院でワクチンを接種する猫

猫が角膜炎になると目の表面に濁りがみられます。

角膜炎を完全に予防することは難しいですが、方法の一つがワクチンです。

ウイルス感染による猫風邪によって角膜炎を発症することがあり、猫風邪はワクチンによって予防が可能です。

白内障は、目の奥の濁りが確認できるより前から少しずつ進行する病気です。遺伝や他の病気が原因となっているので、完全に予防することは難しいです。

ですが、どちらの病気にも共通している原因が外傷です。

猫が目をケガをしないように、室内飼育にしたり、多頭飼いの場合は猫同士の相性を考慮してケンカをしないように、部屋を分けたりすることで予防できます。

猫の目に濁りがみられるときの目薬のさし方

目薬をさされている子猫

猫の目に濁りがみられる病気「角膜炎」「白内障」の治療では、濁りを治療するために目薬を使用することが多いです。

猫の目の濁りを治すための目薬のさし方のポイントは、猫の視界に目薬の容器が入らないようにすることです。

せっかく目の濁りを治すためのお薬をさしてあげようとしても、容器が見えると怖がったり、逃げたりしてしまうことがあります。

猫に点眼薬をさすには、猫の体が動かないようにし、顔は上を向くようにします。二人で行うとやりやすいです。

目薬の容器の先端が目に入らないようにして、やや後ろから目薬をさし、目を閉じて軽くもみます。

濁りの治療薬としては眼軟膏もあります。眼軟膏の場合も同じように、猫の体をおさえます。目尻の方から軟膏を入れます。目を閉じてなじませます。

スムーズに目に軟膏を入れるために、軟膏をチューブから少し出しておくといいでしょう。

まとめ

ブルーの澄んだ瞳の猫

猫の目に濁りがあると、重大な病気ではないかと焦ってしまうかもしれません。

目に濁りがみられる病気は、角膜炎や白内障があります。

角膜炎や白内障、猫の目に濁りが発生する主な病気ではありますが、どちらも悪化すると視覚障害が出たり、外科手術が必要になったりするため、早めに処置を行うことが必要です。

猫の行動や、濁りなど目の様子に違和感があったら動物病院を受診しましょう。

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