猫の片目が開かない!考えられる病気と対処法

猫の片目が開かない!考えられる病気と対処法

愛猫の片目が開かない経験はありますか?今現在見た事がなくても遠い将来、もしくは近い将来に片目が開かない愛猫を見てしまう事があるかもしれません。そのような時に慌てないように治療を行えるようにしたいですよね。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の片目が開かない!と異変を感じたら

片目を閉じて布団に寝転がる猫

猫の片目が開かない時にはどうしたらいいのでしょう?猫の片目だけが開かない場合には、外傷で瞬膜や角膜に傷がついてしまった可能性があります。

感染症などの病気が原因で片目が開かない事もあります。涙が多い、目やにが多いなど軽度の症状から重症化してしまえば、片目が開かないどころではなく最悪な場合は失明してしまう事もあります。特に子猫の場合は細菌感染から目やにがひどくなり角膜炎を起こし、角膜が濁ってしまったり結膜が癒着してしまう場合もあります。

猫の時間は人間より早く過ぎますので片目が開かないなど異変を感じましたらすぐに病院を受診しましょう。

猫の片目が開かない!症状別に見る原因

片目を閉じて口を開けている猫

目やに

猫の目から目やにが大量に出てしまうと目やにが固まり瞼がくっついて片目が開かない事があります。

大量に出る目やには病気が原因または異物が入ってしまった事が原因である可能性があります。正常な赤褐色や黒色、茶色の目やにでも大量で片目が開かないときはアレルギーなどの可能性があります。

猫の目から膿が出てくるときは目に細菌感染が起こり炎症が進んでしまったということが考えられます。真っ白い目やにや緑っぽい目やには膿である可能性が高く、膿によって片目が開かない可能性があります。感染症や異物や外傷で角膜に傷がついてしまうことが原因として考えられます。

腫れ

猫の結膜が赤く腫れていたり、結膜腫れて目の表面を覆うようになっている場合も片目が開かない事があります。結膜炎やウイルス感染症等が主な原因です。

かゆみ

猫が片方の目だけしきりにこすり目が開かない場合はアレルギーなどを疑います。流涙症が原因で目の周りがただれてしまったり、ぶどう膜炎で目の痛みや違和感が起こる場合、そして眼瞼内反症(逆さまつげ)でもかゆみが起きます。

涙が眼瞼から外にこぼれてしまう状態を流涙症といいます。ヘルペスウイルスやクラミジアの慢性感染の結果、涙目の状態が続くこともあります。

眼を常にしょぼしょぼさせていたり、涙やけや眼瞼炎がひどくなり気にしてこすってしまうこともあります。ペルシャやヒマラヤンなど鼻がくしゃっとした猫の種類には遺伝的に瞼が内側に入る眼瞼内反症がおこりやすく涙が多く出て片目が開かない事があります。

痙攣

結膜炎や角膜炎などが原因となり、ピクピクとまぶたが痙攣を起こし片目が開かない事があります。

猫の片目が開かない!主な病気と治療法

椅子に乗った片目が白く濁った猫

結膜炎

結膜炎は猫の目の病気で一番よく見られます。

瞼の内側(あっかんべーをすると見える部分)である眼瞼結膜の粘膜の炎症が起こり片目が開かない事があります。結膜炎になる原因の治療を行います。

目の洗浄や点眼薬そして軟膏、症状が重い場合は内服薬投与や注射を行い治療します。

角膜炎

眼球の表面の角膜に炎症が起こると角膜炎が起こり片目が開かなくなります。猫の目が白く濁っている時は角膜炎が悪化している場合が多いです。

治療は抗生剤や消炎剤の点眼、症状が重い場合は内服薬の投与を行います。

緑内障

角膜の内側には眼房という部分があり眼房水で満たされています。この水を自力で排出できなくなったり、産生される量が多くなると、異常に眼圧が高くなり緑内障となります。瞳孔が開いたままになったり、片目が開かなくなるどころか失明してしまいます。

眼圧の低下を行うために点眼薬や内服の薬を飲みますが、眼圧が下がらず目が飛び出したように見える牛眼という状態になり痛みが激しい場合は、眼球摘出手術を行う場合もあります。

猫の片目が開かない!と気づいたら

病院で点眼されている猫

猫の片目が開かないという症状は、開かないほうの目に何らかのトラブルが起きているということです。治療をするタイミングを逃すと回復まで時間がかかってしまったり、目のかゆみや痛みが起こり負担がかかります。

酷い時は重症化し失明する可能性も出てきます。なるべく早めに病院を受診する事を心がけてくださいね。

まとめ

片目を閉じてリラックスする猫

猫の片目が開かない!考えられる病気と対処法についてお伝え致しました。猫は基本的に痛みを我慢してしまう動物です。

ただ猫は違和感を覚えると、気になる部分をしきりに舐めたり手でこすったり足で掻いたりと行動します。

ぜひ愛猫の様子を日頃から観察し少しでも片目が開かないなど気になる様子が見られた場合は躊躇せずに病院を受診してくださいね。病気であっても悪化する前であれば完治の可能性も高く、短い期間で治ります。

補足ですが猫の点眼薬は原因により種類が違いますので決して自己判断で点眼はしないでくださいね。

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