ご飯の食べ方が下手?上手に猫に食べさせるコツ

ご飯の食べ方が下手?上手に猫に食べさせるコツ

猫が食事をしたあと「餌があちこちに落ちて掃除が大変」という飼い主さんもよくいらっしゃると思います。では、猫のご飯の食べ方が下手なのはどんな理由が考えられるのでしょうか。また上手に食べさせるコツも気になりますよね。そこで今回は「ご飯の食べ方が下手?上手に猫に食べさせるコツ」についてご紹介させていただきます。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

ご飯の食べ方が下手な理由

猫のご飯の食べ方が下手なことありますよね。

食べ方が下手だと、あちこちにご飯がこぼれている、自分の体にご飯をつけている!

などということもあるので、飼い主がお掃除するのも一苦労、なんてこともあると思います。

では、猫がご飯の食べ方が下手な理由は、どのようなことが考えられるのでしょうか?

いくつかご紹介させていただきます。

遊び食べ

食べる猫

遊び食べをしているから、ということが考えられます。

猫はお腹が空いていなくても、本能的に栄養を蓄えておこうと、お皿に入っているご飯を食べることがあります。

しかし、そんなときには、わざとこぼしながら遊んで食べてしまうことがあります。

口の中が痛い

猫

猫は、食べたくても食べれない。

つまり口内炎や歯肉炎、歯周病などの、口のトラブルを患っていると、食べたいのに「痛み」によって、上手に食べることができなくなってしまうことがあります。

食べながら頻繁に顔をふったり、たくさんよだれを垂らしたりなど、食べ方がおかしかったり、食欲不振になってくるようなことがあれば、動物病院を受診するようにしてください。なかなか飼い主さんでは見ることができないような場所にトラブルを起こしている場合もあります。

運動機能に異常がある

隠れる猫

食べ方が下手なのは、食べるのに必要な運動機能に障害があるということも考えられます。

運動機能に何らかの障害があると、ご飯を食べたくても、上手く食べることができない場合があります。

顔面、口周りの筋肉や骨の異常であったり、小脳に障害があると、飼い主は気が付きにくいのですが、ご飯をたくさんこぼしてしまうという症状が現れることがあります。

ご飯が食べにくいから

猫の皿

猫がご飯をこぼしてしまうとき、餌が合ってない、お皿が悪いなどということが、原因になってしまっていることもあります。

餌が合っていないと、例えばまだドライフードを上手く噛み砕けない子猫にドライフードをそのまま与えると、食べにくい物を食べようとして散らかしてしまったり、お皿が悪いと、食べにくい姿勢になっていて、結果的にあちこちを汚してしまう食べ方になってしまうことがあります。

またそれだけでなく、猫のヒゲは敏感で、食べ物にあたると不快に感じることもあります。ご飯を食べるときに、なるべくお皿やご飯にヒゲが触れたくないので、食べては首を降ってしまい、ご飯が飛び散ってしまうことがあります。

ご飯の食べ方を上手にするコツ

餌を食べる猫

では、ご飯の食べ方を上手にするコツはどのようなことがあるのでしょうか。

飼い主の後片付けのことも考えると、なるべく猫には上手にご飯を食べてほしいですよね。

そこでここでは、口内炎や腫瘍など、治療すべき病気がある場合はまずその治療を行う必要がありますが、それ以外にご飯の食べ方を上手にするコツについて、ご紹介させていただきます。

高さのあるお皿に変える

上を見る猫

下手にご飯を食べて散らかしてしまうときには、まず、お皿を見直してみましょう。

猫のご飯用のお皿はたくさんの種類があるので、猫の大きさに合わせて「高さ」を調整してみてください。

今現在、猫がご飯をたくさんこぼしてしまうという場合には、今よりも高さのあるお皿にチェンジしてみてください。

お皿の位置が高くなって食べやすくなり、こぼしにくくなる猫もいます。

高さのある台を使う

猫の皿

お皿の高さを上げる他の方法として、高さのある台を使うということを、実践してみてください。

専用のラックも売られていますし、100均などで販売されている、園芸用品のレンガなどで高さを作り、トレーを置くなどすれば、オシャレに、高さのある餌台を作ることができます。

専用のラックには、餌用のお皿と水用のお皿もがセットになっているものがたくさんあり、水も飲みやすくなることもあります。

【お皿にできる工夫についての補足】

猫ちゃんがご飯を食べることに不満がある、食べにくそうであれば、お皿の高さを上げること以外にも、材質の違うお皿やもっと大きなお皿、傾きのあるお皿を試してみるのも良いと思います。お皿の材質には、プラスチックや金属、陶器など様々あり、特定の材質のお皿を嫌う猫ちゃんもいます。また、ご飯を食べている時にひげがお皿に当たることにストレスを感じる猫ちゃんもいます。その場合には、ひげがあたらないような大きく平たいお皿を使ってあげると良いでしょう。また、ご飯が常に手前にくるようにお皿の内面に傾斜がついているお皿もあります。このように、お皿を変えてみるという工夫はもっと水を飲んで欲しい場合にも有効なことがあります。

獣医師:木下明紀子
【ご飯の種類について】

ご飯を散らかしながら食べる場合、お皿を変える以外にも、ご飯そのものを変えてみると散らかすことがなくなったり、食べやすくなって猫ちゃんがもっと食べてくれるようになったりすることがあります。ドライフードを食べているならウェットフードに変えたり、ドライとウェットを混ぜてみたり、ウェットフードを食べているなら食感の違う素材(チキンを主原料にしているフードから魚を主原料にしているフードに、など)にしたり、などです。また最近では、ペースト状のフードもありますね。

獣医師:木下明紀子

まとめ

食べる猫

猫のご飯の食べ方が下手だと、後片付けも大変ですよね。

もし、食べにくそうにしているときなどには、まずはその原因となっている健康上の問題はないかをチェックし、お皿を変えてみたり、台を置くなどしてご飯を食べる高さを調整したりしてみてくださいね。

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