猫の食事の回数
- 子猫の食事回数(生後6ヶ月まで):4~5回
- 子猫の食事回数(生後約12ヶ月まで):2回
- 成猫の食事回数:2~3回
- 高齢猫の食事回数(7歳以上):4~5回
子猫の食事回数
生後約6ヶ月までは猫の成長期のためしっかりとご飯を食べさせないといけません。しかし体格が小さく消化機能も不十分なため一度に多くフードをあたえてしまうと下痢や嘔吐など消化器症状をおこしてしまうため、1日の猫の食事回数は4〜5回ぐらいにすることです。
成長期が終わり生後約12ヶ月までの間は少しずつ猫の食事回数を減らし1日2回ぐらいがベストだといわれています。
成猫の食事回数
成長期が終わる生後約6ヶ月頃から成猫と同じような食事スタイルに切り替えます。猫は自らフードの食べる量を調節することができるといわれていますが中にはフードをあるだけ全部食べてしまう子がいます。また去勢(避妊)手術をおこなうとホルモンの関係により代謝が落ち太りやすくなるため1日1回は避け、せめて1日2回か食欲旺盛な子は1日3回に分けます。他にも猫の食事回数を増やすことによるメリットはいくつかあげられます。
食欲を抑え肥満防止
猫に1日にあたえる食事回数が少ないと次の食事まで長い時間になるためその分空腹時間も長くなります。その影響で猫の食欲が強くなりたくさん食べてしまう傾向になり摂取カロリーが増えてしまい肥満に繋がってしまいます。猫の食事回数を増やすことによって次の食事までの時間が短くなるので過度な食欲を抑えることができ肥満を防ぐことができます。
空腹時嘔吐を防ぐ
猫のお腹が空いている状態は胃の中は空っぽになっています。空腹時間が長いと胃の消化液である胃酸の量が多くなり逆流してしまい嘔吐することがあります。特に次の食事までの時間が空いている朝方によく吐くことが多いです。そのため猫の食事回数を増やすことで余分な胃酸の分泌を避けられ空腹時嘔吐を防止することができます。
ストレス軽減
ほとんどの猫は完全室内飼いのためフードを食べているときが唯一の楽しみでありストレスを発散していることがあります。猫にとっては食事回数が少ないと楽しみがなくストレスを上手く発散できない場合があります。猫の食事の回数を増やすことによりその分食事に対する楽しみが増え、その結果ストレス軽減することができます。
高齢猫の食事回数
猫は7歳以上からシニア期(高齢期)といわれており成猫と比べて1回の食事量に対して多く食べれなくなり、消化機能も落ちてきているため1回のフード量を少なめにして回数を1日4回〜5回に分けてあげます。高齢猫にみられる下痢や嘔吐の原因は消化不良によることが多いため、猫の食事回数を多めにすることで消化の負担を減らすことができます。
食事はこまめに与えた方がよい
元々猫は単独でネズミや小鳥などの小動物を狩りして生活していました。しかし狩った獲物は体格が小さく1回の食事量が少ないため1日に何度も狩りをする必要がありました。その名残で現在の家猫も一気にフードを食べず、少しずつ食べるスタイルである少量頻回給餌であるといわれており、1日にあたえる猫の食事回数をこまめにしてあげることです。そのため1回に食べる食事量は少ないですが、1日に食べる量に変わりはありません。
猫の食事を与える時間
- 必ず朝と夜の2回はあげる
- 同じ時間帯にあげる
同じ時間帯にあげる
仕事などの都合により飼い主さんの生活スタイルに合わせないといけないと思いますが、毎日フードをあたえる時間がバラバラだと猫の生活リズムが崩れてしまい調子を悪くしてしまいます。きっちり◯時にあげなければと厳密にならなくてもいいですが毎日同じ時間帯に食事をあたえることで健康に過ごすことができます。
せめて朝と夕方(夜)は必ずあげる
狩猟動物である猫は主に朝と夕方の2回に獲物を狩りしていたといわれており猫にとっては規則正しい時間帯なため、せめて朝と夜の2回は必ずあげることです。子猫や高齢猫で1日3〜4回ほど小分けにあたえる場合と同じように朝、昼、(夕方)、夜とフードをあげる時間帯を事前に決めておくとよいでしょう。
しかし中には決まった時間に猫に食事をあげることが難しく1日1回になってしまうという悩みを聞いたことがあります。その場合は家族と協力しあいそれぞれご飯をあたえる食事の当番を決めたり、1人暮らしの場合は自動給餌器を使えばフードをあげる時間を設定できるので留守の間でも猫に食事をあたえることができます。
猫の食事の与え方の注意点
あたえるフードの量を決めること
動物病院に来院するほとんどの猫は肥満傾向で、普段あたえているフード量を把握していないことが多いです。まずは愛猫の適正体重を把握し1日にあたえるフード量を決めることが必要です。フードパッケージの裏に体重によってあたえるフード量が記載されているので必ず確認することです。猫の1歳頃の体重が適正体重といわれているため、もし愛猫が太っていると思われる場合は適正体重からフード量を決めます。
フード量をきっちり測る
猫に1日にあたえるフード量を決めたり食事回数を増やしたりしても、きちんと量を測らないと意味がなく肥満の原因になってしまいます。必ずフード量を測ってからあげましょう。先に猫に1日にあたえるフード量を量り、それから3等分や4頭分などに分けてあげるとよいです。
子猫や高齢猫はフード量の調節が必要
生後約6ヶ月までの子猫はたった1週間でも大きく成長するため、その分フード量を増やさないといけません。特に成長期の間は体重や食事量についてはフードパッケージ裏の給餌量を参考にしながらも子猫の様子みながら今の量でも物足りないようでしたら少し増やしてあげます。
逆に高齢猫の場合は運動量の減少などにより若い頃と同じ食事量をあたえてしまうと太ってきます。高齢になると腎不全などの病気を発症しやすくなるので肥満体型は更に猫の健康を害するため食事量を少なめにする必要があります。定期的に健康検査をおこないフードの種類だけではなく量も調節しなければいけません。
まとめ
猫の食事回数や時間帯などは私たちのライフスタイルに合わせがちになっている傾向があります。しかし猫の元々の生活スタイルによる食べ方をみると少量のフードを1日に何回も分けてあたえたほうが肥満防止や消化の負担が減るなどメリットがあり良いといえます。
しかし年齢ごとにあたえるフード量や回数を変えなければいけないことやカロリーオーバーにならないように、きちんとフード量を把握し測らければ意味がありません。私たちにとって少しの量かもしれませんが猫にとっては十分な量にあたります。食事によって猫の状態が変化するといってもいいくらいとても重要なことです。そのため毎日あたえる食事の管理は飼い主さんの大事な務めでもあります。